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花奈澪のやくしゃ×めし第一回「竹石悟朗×白金台」

東京都港区、白金台。
都会の喧騒からは少し離れたその店に、その男の姿はあった。
 

−役者とは。
花奈澪が役者仲間を招き、稽古や劇場の日常から離れて、美味しいものを食べながら答えのない答えを探す新連載企画「やくしゃ×めし」

第一回の招客は、役者 竹石悟朗。

まもなく33歳を迎える彼の、爽やかな笑顔のその奥に時折見せる鋭い眼差しが私は好きだ。

“友人のいない人生は味気のないピラフのようなものだ”
と古きウズベキスタン人は言ったという。
ならば、芝居のない人生もそうであって欲しいと思う。

 

役者議論から、結婚観まで。
白金台の夜にグラスを傾け、今宵の”役者飯”が、はじまる。

「私とはじめて会った時のこと、憶えてる?」

そうたずねると彼は、当たり前のように笑って答える。

「覚えてるよ。久保がプロフィールを持ってきたんだよ。こういう宝塚出身の女優がいます!花奈澪です!って」

久保とは、現在では同じサンミュージックプロダクションに所属する、花奈澪と竹石悟朗のマネージャーを務める人物である。

「久保田唱(企画演劇集団ボクラ団義主宰)と見て言ったんだよ、うわ〜気がキツそう〜!って。当時は宝塚の人に出会ったこと無かったから」

「ひどい(笑)!」

「でも会ったら全然違った。なんて大人しい子だろうって。大人しくしてたじゃん(笑)俺がすべりまくるネタしてもずっと笑ってくれてた」

竹石と出逢った3年前を思い出す。あれはちょうど、今と同じ桜の季節だった。

「たしかに。まだ最初は猫かぶってた(笑)私は悟朗ちゃんのこと怖かった。私にはすごく優しく色々気にかけてくれてたのに、劇団員のことは殺す目で見てたから。だから、どんな人なんだろうって」

二人の出会いは池袋にある小劇場、シアターKASSAIで行われた「誤人」という作品だ。初めての、宝塚以外の”劇団”への出演に私は緊張していたのだった。

「ははは、メンバーには厳しいからね(笑)あの頃は尖ってたから。今は人間力が違うから」

「そうそれ、人間力。この前『吐露』(竹石が出演していた四人芝居)を観て思ったんだよ、悟朗ちゃん、やっぱり変わったよね」

「うん、柔らかくなった」

そう笑う彼が纏う空気は、あの頃と違う。客席から観る舞台上の彼もそうだった。周りを牽制するトゲが無くなったような。または何か居場所を見つけたかのようだった。

 

「ちょうど何ヶ月か前に、悟朗ちゃんに急にご飯に行こうよって誘った日が、悟朗ちゃんがものスゴイ断捨離を始めた日だったんだよね」

「そうだった(笑)俺が一番劇団で思い入れのある作品の再演が終わってさ、なんか一個やりきったなって。あらゆるものを断捨離した。物理的にも心理的にも」

物理的にも、心理的にも。
何が彼をそうさせたのか、聞いてみたい。

二杯目の日本酒スパークリングをグラスに注ぎ、対談を始めようと思う。

役者 竹石悟朗を変えたもの

花奈「例えば、悟朗ちゃんが、“許せない役者”っているの?」

竹石「あんまり面白くないなって思う作品とかやり甲斐を見い出すのが難しい役に当たっちゃうときあるじゃん。そういう時しょうがないんだけど、お客さんに罪はないじゃん。お客さんを俺が何とかしないとっていう気持ちで俺はやってる。でもそれも無い奴いるじゃん。消化試合っていうか。そういう奴は嫌い。つまリは“お客さんに愛が無い奴”」

花奈「難しいよね、役者っていうのは果たして、お客さんのために芝居してるのか、それとも自分の魂のためにしているのか。媚びることは違うと思うし、でもお客さんには絶対に一定以上満足してほしい」
竹石「最近シアター1010とかサンシャイン劇場とかに出させてもらう機会が増えて、700~800人のお客さんがものっすごい嬉しそうにしてる顔が見えるわけよ。エンディングダンスとかさ。客席降りとかお客さんとの絡みとかさ。小劇場にはなかなか無いじゃん」

同じマネージャーの担当になる近年までは「俺は小劇場の演劇界を行く」というTHE演劇人だった竹石。近年では所謂”2.5次元”や”イケメン作品”への出演も目覚ましい。その心境の変化はどうなのか。

花奈「実際(2.5次元を)やるまではやだったの?」

竹石「全然やだった(笑)」

竹石はいつでもストレートで飾らない。だからこそ、こちらも何でも話せるのだ。

竹石「でも結局、喜んでくれるお客さんが全てだった。俺、役者を始めたきっかけが「この映画かっこいい」とか「これ出てみたい」とかそんなもんだったのよ、10代の頃なんて。
多くの人を喜ばせたいみたいな気持ちで始めたわけじゃなくて、小劇場も、俺が将来こういうことをやりたい為の芝居の勉強というか。
でも今はお客さんあっての自分だって、改めて気づいた。断捨離したしね(笑)」

花奈「私、今逆に一回”わかんないターン”。役者とは何ぞや、って。」
竹石「はっはっは(笑)絶対あるよな。絶対あるから。でも俺もあるよ、何でこうも頑張ってやってんのかなって、一日一回くらいある。」

花奈「私は去年の君死ニで久しぶりにちょっとぐちゃぐちゃ系の役をして。そこからまたエンタメ作品が続いていて、今もう一回、役者とは、を探してる。本当は自分は何がしたいのかなって。数年ずっと、ありがたいことに本当に良い役をいただくことが多くて。女で2.5次元作品を途切れずやらせてもらってるのって実はすごいレアなことだと思っていて。女子の役は少ないじゃん?」

竹石「なかなか独占してっからね、あなた結構。自分が本当にやりたいと思える本、役、演出を定期的にやらないと腐ってしまうと思う。俺も久しぶりに『吐露』で息を吹き返した。芸人さんって芝居うまいんだよ。この間の東京ダイナマイトの松田さんもだし、板尾創路さんとか、カナリアの安達さんとかと話したり」

花奈「カナリアさんの単独ライブとか私昔観に行ってたなぁ。私こう見えてほんとに興味が幅広いんだよ(笑)」

竹石「まじで?その素養が芝居に役立ってるんだわ、澪は(笑)」

ジャンルに拘らず多種多様な出演者と共演を続ける竹石に、私は今のスタイルに至るまでの経緯を訊ねてみる。

竹石悟朗が出来るまで

竹石「映画の専門学校を卒業して千葉真一さんのアクションのプロダクション入ったんだけど、何ヶ月かしたら千葉さんがハリウッドいっちゃって。俺はそのときのマネージャーについていったんだけど、記事に書けないまぁ色々があって(笑)そんとき決まってた舞台とかを蹴った暗黒時代があって。
イカ焼き屋と某アミューズメントセンターのバイトを掛け持ちしてはバイト仲間と、朝から晩までパチンコ屋に入り浸るクソみたいな生活をしてて、その頃いろんな事務所受けて40社くらい全部落ちて」

花奈「そんなに顔がいいのに(笑)?」
竹石「うーん、気合い入ってなかったんだろうね、今みたいに(笑)」
花奈「でも、役者以外をやる選択肢は無かったんだ?」

そこに本日のメイン料理「クエ鍋」が運ばれてくる。あさりとハマグリ、クエの骨で出汁をとったという逸品だ。まるで鶏肉かと見紛うプリプリした食感には思わず舌鼓を打つ。

竹石「意地、だろうね」
花奈「その時点で芝居楽しいな、って思ったの?鍋出来たよ〜」

竹石「専門学校で火がついてたからね。クエうまっ。専門学校でいい線いってたから(笑)結局事務所から返答が来ても『養成所付きで、授業料年間50万必要』とかさ、そんなのばっかりで。
そんな中ひょんなときに、舞台出演のお誘いをもらって。やることもなかったから出たときに、その時の演出助手から若手を探しているって言われて…気付いたら『レクラム舎』っていう劇団に所属してた」

国内外の戯曲メインに上演を続けるレクラム舎はなかなかにコアな団体だ。絶品の鍋をつつきながら聞く話に、興味も箸も止まらない。

竹石「そこはベテランさんしかいなくて。俺以外に若くて40歳とか。そこからは朝、稽古場掃除・トイレ掃除。稽古中の音出しとか小道具とかチラシの折り込みもして、夜はまた稽古場掃除・トイレ掃除。その後バイト。
全部俺一人で3年間毎日。しかも師匠がすごく厳しい蜷川さん系列の人だったから、くわえてる鉛筆は飛んでくるし『馬鹿野郎』『下手くそ』は300回くらい言われた。何だかなぁ~よくねぇんだお前、って。
当時本当にしんどくて。その人が主役で、その人に群集役でみんながぶつかっていくっていうシーンがあったんだけど、そこでちょっと蹴っていい演出があって、思いっきり尻を蹴った。その日のダメ出しで『誰だ本気で蹴ったやつ!』って。もちろんみんな名乗り出なくて。最後にはクッソ怒られた(笑)」

花奈「すご(笑)宝塚歌劇も、最下級生時代は同様に雑務でしんどいけど、一人じゃないっていうか。同じ環境の同期生がいるから頑張れたもんなぁ。同期の失敗は自分の責任。自分の失敗は同期の責任

竹石「そう、一人が孤独だったね。その時に『もっと舞台の仕事したい』と思って。
これだけは本当、感謝を忘れちゃいけないなって思うんだけど沖野晃司(ボクラ団義メンバー)に言ったのよ。『俺いつといつ空いてるんだけど、なんかないかな』って。そしたらその日のうちに今から主宰と飲むけど、どう?って。そしたら主宰の久保田が俺のこと気に入ったらしくて『竹石さん明日顔合わせこれませんか?』って」

顔合わせとは、舞台作品の稽古期間がはじまる初日に行われるものだ。つまり、稽古開始前日に「企画演劇集団ボクラ団義」への出演をオファーされるという異例の事態だったという。

竹石「その時のボクラ団義って、稽古しながら役を決めていくスタイルで。ダンスのポジションとかも。それでグイグイやって、めちゃくちゃいいストーリーテラーな役をもらったの。嘘つきたちの唄って作品ね」

花奈「実際さ、ベテランだらけの劇団から急に同世代の若い団体への出演はどうだったの?」

竹石「専門学校卒業した時は、卒業してまで同じ奴らとやるなんてって、なんか意地になってたんだけど、実際ボクラ団義に客演して同い年くらいの奴らと芝居したら…すげぇ楽しくて(笑)で、みんな入りなよって言ってくれた。
迷ったけど、俺が出てない次のボクラ団義の公演を客席からみた時に『俺何でこの板の上に居ないんだろう』って思っちゃったんだよね。だから何の確証もないまま、鬼怖いレクラム舎の師匠に『こういう劇団があって。自分がやりたくないって思いながら師匠の側にいたくない、やりたいって思ってやりたい。』って話して。ちゃんと筋通して辞めてから、久保田に『劇団辞めてきました、ボクラ団義に入れてください』って」

  そっちのが、”楽しい”

レクラム舎から企画演劇集団ボクラ団義への劇団の変遷を経て、現在はサンミュージックプロダクションにも所属する竹石。外部のエンタメ作品に出演してみての、今の“芝居”への心の変化を聞く。

花奈「悟朗ちゃん最初はエンタメ舞台に比較的アンチイズムがあったじゃん、だからどうなっていくかと思ったけど…」

竹石「今は絶対的にやってよかったって思う。小劇場と違って、気持ちとか目の動きだけで伝えられることって少ないっ、てか無いじゃん。そういう”技術”も必要だし、多くの人を喜ばせたいと思うようになった、そして芸人さんたちとやることで、人を笑わせたい、とかも。変わった。そっちのが”楽しい”。やってみないとわからないね、人間なんでもやったほうがいい

花奈「その言葉は”小劇場至高主義”の人たちにも響くね。そう、どちらも独自の技術が必要なんだよね。大きな舞台には、大きな舞台に必要なものが。どちらが良い悪いはないんだよ。好みはあれど」

竹石「でも伝わらないと思うなぁ(笑)昔の俺がそうだったもん。口ではわかったふりをしていても。俺サラダ食っていい?」
花奈「小劇場とは全てが違うもんね。稽古場にはコーヒーとお菓子があって、劇場に行けばお弁当がある。宝塚でも、稽古中も公演中も毎日自費で食堂のご飯食べるし。全ての環境は”当たり前”じゃ無い」
竹石「わかる。だからそれを当たり前だと思ってる奴はぶん殴りたくなる。そのコーヒーとかお菓子を用意してくれてる人がいる、ってことは容易に想像できるわけじゃん。だからそれを常に忘れちゃいけ無い。
それに特に今日は色々考えるよね(この日は3.11だった)。けど今は、何とか背中を押してくれるファンが昔よりは沢山いてくれてるから。」
花奈「いやでもさ、結局数は関係無いと思うんだよね。1人でも1,000人でも。そういう存在がいることによる自分への影響力は変わらないっていうか」
竹石「そう。お客さんとお世話になった尊敬する人たちと。これが今の俺の8割を占めてる。バンビーショーって舞台でお世話になった方々とか、えのもとぐりむさんとか、その人たちともっと上のレベルで仕事したいって思ってる。俺自身が何かをしたいっていうのは今ないんだよね」
花奈「わかる。私もヨコオタロウさんとかがそう。たまったま知り合いにアニメ監督さんやゲームクリエイター陣が昔から割とたくさんいるんだけど、そういう人たちと知り合いだからってコネで仕事するんじゃなくて、自分で登って対等にやりあいたいって思ってやってきた。
あとはこの仕事で何かを成し遂げないと終われないなと思ってる。かといってそのゴール地点が、じゃあ朝ドラ出ればゴールなのかとか、アカデミー賞作品の映画に出たらいいのかとかはわからないけど」

—桜海老と九条ネギの混ぜご飯が最後にお出しできますが
竹石「俺、中で!」
花奈「小で!」

竹石「ACTシアターとか、シアターコクーンとかそういうところに出て、有名な芸能人さんたちと共演したらそりゃ親は喜ぶだろうって思うけど、果たしてそれが成功かどうかはわからないよね。もっとやれることがあるんじゃないかなとか、自分を正当化してんのかな」
花奈「でもそういうわかりやすい成功を出すこともある種の正解ではあるしね。私はまだ宝塚時代の夢をよく見るから、それを見なくなったら、役者辞める時かな(笑)なんか超えられない囚われているものがあるんだろうね(笑)」
竹石「闇深いな(笑)」

「今は楽しませたいって思ってるから、楽しい。お客さんも共演者も」

そう語る竹石は、数年前とは随分印象が異なる。以前からムードメーカーで、常に現場の雰囲気を良くしてくれる存在であったが、何か一つ突き抜けたような空気を感じる。

舞台人の”結婚観”

花奈「この、“役者”って仕事をしていて結婚観ってどうなの?」
竹石「現実的じゃないね。憧れたことが、無い。両親仲良いから結婚がダメなものっていう意識は根底にないけど。子供も。俺が一人っ子だからかもね」
花奈「私もそう。一人っ子だからかな。めっちゃわかる。それを変えてくれる人に出逢うんかな」
竹石「親に孫の顔見せたいな、っていうのはあるけどね。現実味が無いよ。だって、めちゃくちゃ不確定だから、俺らの未来って。いつお客さんが居なくなるかわかんないし。いつ仕事が来なくなるかわかんない。そういう中でみんな頑張ってやってるわけじゃん。俺たちの周りの仲良い信頼してる奴らはさ。
そういう奴らも俺たちもそのギリギリのところで踏ん張ってやってる、てところを、もう少しだけ理解してあたたかく見守ってあげて欲しい。応援してくれてるみんなには」
花奈「次の日には無職かもしれないもんね。本当にファンの人の応援ありき」
竹石「こんなに安定しない職業だからこそ、結婚して腹くくれっていう先輩も勿論いるけどね。俺はそれは幸せじゃ無いと思ってるから、絶対できない」

花奈「でもそれを超えるめちゃくちゃ愛する人が出来ちゃったらどうするの?」

竹石「頑張って売れるか、辞める」
花奈「ふーん」
竹石「その人が望むならね。でも人生で思ったこと一回も無いから(笑)役者を辞めてまでそうなりたいと思ったことは、ただの一度も。
他人のために自分で決めたことを大きく変えることはポリシーに反するし、役者辞めてって望むような女の人のことは250%好きにならない。多分いくら好きでも、それを言われた瞬間冷めてくと思う、身体中が(笑)」

 

私たちの、”役者論”

竹石「やっぱ人間ネガティブなところがないとひとっつも面白くない、人間って。スーパー演劇人とかすごい売れてる人とか芸人さんとかみんな言うけど、ネガティブな人が何かを乗り越えて表現した瞬間が一番輝いてるし一番面白い。みんな闇深い。ポジティブはもちろん必要。でないと板の上立てないと思ってる、お客さんの前に立つわけで。でもなんかね、自信ない自分とそれに負けないで信じる自分がきっ抗してる方がいい芝居が出来るんだと思う」

花奈「うわ、めちゃくちゃいいこという!!」

竹石「だってさ、俺かっこいい俺芝居上手い俺人気あるイェーイみたいなの、見てても面白くなくない?矢沢永吉さんみたいな人だったらいいんだよ、スターだから。
でも俺はスターじゃなくて役者だから、人間のダメな部分とかを板の上に乗せて発したほうが響くと思ってる」

花奈「ちょっとそれ聞いたら元気でた(笑)
やっぱり陽キャな人のお芝居って”その人”が強いんだよね。
私は今まで、悟朗ちゃんは陽キャではないけど、割とどの役でも竹石は竹石ってタイプだなって感覚があったの。でもこの前の四人芝居を観て、印象が変わった」
竹石「過去1番の芝居したからな(笑)役もそうなんだよね、割と似たような強い役を振られがちで」
花奈「そうだね。悟朗イズムみたいなのが少し減った」
竹石「嬉しい。でもみんなに言われた、今までで一番いいって(笑)やっぱ人間力だね。45リットルを25袋捨てたからな」
花奈「1,000リットル!!1トンじゃん!」
竹石「今、使ってないラックが二個もあるもん(笑)全部捨てて断ち切ったらね、新しいもんいっぱい入ってくるんだよ、不思議と。物も人も。なくなると何かが入ってくる」

 

−役者とは。

最後に竹石に、−役者とはを訪ねてみた

竹石「絶対間違えないけど、漢字不安だからちょっと待って(笑)うわ、最強に恥ずかしいね(笑)くさいな〜俺。俺、以外とロマンチストなとこあるよね」
花奈「あるある(笑)あー、字汚い。出来たよ、せーの!」

花奈澪「どの環境でも他者ありき」 竹石悟朗「旅」

花奈「くさい笑!」

竹石「他者ありき、まさにそうだね」

花奈「悟朗ちゃんの話を聞いてて、どの現場でも共演者しかり制作さんしかりお客さんしかり、やっぱり環境と他者によってしか自分は形成されないんだなっていうか。自分一人で悩んでても仕方ないかなって。その環境でベストモチベーションで生きるしかない

竹石「その通りです。『旅』はいろんな役とか作品を通して、自分の中の自分でも知らなかった所とか出来る事を沢山みつけたり、でもなみおのやつとも似てて。作品に携わることで必ず、新しい違う人と出逢えるんですよ、関係者しかり、お客さんしかり。なんかそれって旅をすることに似てるな、って。役を旅して、人に会う旅。って、思ってます」

 

写真:坂東樹

編集後記

「役者×飯」大好きな人に会うのにお洒落をするように、本当の自分に出逢うためには少し飾った夜も必要なのかもしれない。クリスマスイブは甘太郎、クリスマス当日は山内農場だった筆者もまだもう少し、洒脱な夜を探す”旅”をしてみようと思います。まずはスマホのメルマガを断捨離しました。

 

ライター:
花奈澪(はなな みお)
元宝塚歌劇団花組娘役。退団後は数多の小劇場舞台出演を経て、現在は2.5次元作品への出演をメインに、幅広い役柄をこなす。主な出演作に「舞台版 惡の華」仲村佐和役、「Acrobat Stage Infini-T Force」ベル・リン役、「舞台逆転裁判 -逆転のGOLD MEDAL-」狩魔冥役など。次回出演に「舞台版 BLACK BIRD」が控える。

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