上白石萌音×屋比久知奈×井上芳雄 ジョン・ケアードが演出する新演出版世界初演 ミュージカル『ジェーン・エア』東京公演間もなく開幕

『レ・ミゼラブル』『ナイツ・テイルー騎士物語―』『千と千尋の神隠し』の
世界的演出家ジョン・ケアードが演出するミュージカル『ジェーン・エア』が
2023年3月東京、4月大阪にて新演出版として11年ぶりに上演されます。

原作は、1847年に刊行されたシャーロット・ブロンテの長編小説「ジェーン・エア」で、
何度も映像化され、1996年にカナダ・トロントにて、ジョン・ケアードが自ら脚本を担当、
『ダディ・ロング・レッグズ』や『ナイツ・テイルー騎士物語―』などでも
ジョンとタッグを組んでいるポール・ゴードンが音楽を担当しミュージカル化されました。
2000年にブロードウェイにてロングラン上演されると、トニー賞で作品賞など
主要5部門にノミネートされた不朽の名作です。
日本では2009年・2012年に上演され、今回梅田芸術劇場と東宝の共同制作により
11年ぶりの上演、更には新演出版として新たに生まれ変わります。
キャストは、『ナイツ・テイルー騎士物語―』『千と千尋の神隠し』で
ジョン・ケアード作品に出演経験もあり、女優としてだけでなく、歌手としても活躍している上白石萌音と、
『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ役、『GREASE』のサンディ役を演じ、抜群の歌唱力を誇る
屋比久知奈が主人公ジェーン・エアとその親友のヘレン・バーンズを役替わりのWキャストで演じます。
そして、これまで様々な作品でジョン・ケアードの演出を受けてきた井上芳雄が、
ジェーンが家庭教師として訪れる屋敷の主人、エドワード・フェアファックス・ロチェスター役を演じます。
そのほかに春野寿美礼、仙名彩世、樹里咲穂、大澄賢也、春風ひとみなどといった実力派が揃います。
ドラマティックな音楽で綴る情熱と強い意志を持った一人の女性が自由と愛を求める物語にぜひご期待ください。

2023年3月10日（金）、東京公演の初日の開幕を翌日に控え、
東京都豊島区の東京芸術劇場プレイハウスにて囲み取材と公開舞台稽古が行われました。

【囲み取材の様子】

舞台上で行われた囲み取材にはジェーン・エア／ヘレン・バーンズを
役替わりで演じるWキャストの上白石萌音さん・屋比久知奈さん、
エドワード・フェアファックス・ロチェスター役の井上芳雄さんの3名が登壇。

最初に各登壇者より挨拶と初日を前にした意気込みが話なされました。

上白石さん「明日がいよいよ初日ですが、遂に来たという心持です。
凄く緻密で素敵なお稽古を積み重ねて来たので、その成果を皆様に……（笑）」

井上さん「…本当に思ってますか～？なんか絞り出している感が有りますけども」

上白石さん「私は見ていて本当に素敵な作品だなと感じます。
早くお客様に見ていただきたい気持ちでいっぱいです。」

屋比久さん「私もいよいよ初日が来るんだ、と思うと、実感がある様で無い様で、
凄く今ドキドキしているんですが、今回は「オンステージシート」もあるので、
お客様が入って初めて作品が一つ完成するのかなというのを、特に感じている作品なので、
そういった意味ではお客様のエネルギーを貰いながら、それを楽しめる様に頑張りたいと思います。」

井上さん「僕、先程まで渋滞に巻き込まれていて、ここに辿り着いただけでも
今日は”勝ったな”というかんじではありますが、今日のゲネプロをやって明日の初日まで
一歩一歩を踏みしめながら歩んでいきたいという思いと、後はすこしづつ状況も変わって来て、
13日から色んな所が変わって来て、劇場もそれに追随をしていく部分も多々ありますから、
客席や舞台上を含めて変わっていくのかなと。3年位、このコロナの状況は続いているので、
俄かに信じ難いというか、手放しで喜んじゃダメなんじゃないか、という所もありますけども、
変化を噛みしめながらもそういう所に感謝をしながら気を付ける所は気をつけながら、
進んでいきたいなと思っています。個人的には日々変更がある舞台稽古を、数日やっての今日なので、
まだ確固たるものは全然無いので、フワフワしてはいますが、でも別に固まった物お見せするのが
良いとも思わないので、このまま生きた舞台をお見せ出来たら良いかなという事を。
「ジェーン・エア」は見ているのと演るのは全然違う印象の作品だな、と何となく思っているので、
本当の意味でお客様の前でやるのはこれからですけど、やってみると見ていた以上に複雑な作品ですよね。
それを如何、自分達がやれるかというのを楽しみながらやりたいと思います。」

続いて報道陣との質疑応答へ。

Q：今作で役変わりWキャストという、普段より濃密な役への携わり方をする上でお互いリスペクトしている点は？
2人のジェーン／ヘレンと稽古をする上で楽しかった点、大変だった点は？

上白石さん「ここまで来られたのは本当に知奈のお蔭で、稽古場でも沢山話し合いましたし、
励まし合ったし、過分に褒め合いながら心身共に一緒になってやって来た感覚が有って、
凄く学ぶ事が多くて、私は知奈と共に出来ている事を生涯の宝だなと思っています。
知奈の素敵な所はアスリート気質だという所で。」

井上さん「何というか、高山トレーニングみたいな感じで酸素が薄くても出来るぜみたいな。」

屋比久さん「どういうことですか？（笑）」

上白石さん「笑みを絶やさずにストイックにガシガシ己を磨くという姿を横で見ていて、
こんな人がいるんだなと思いながら刺激を貰っています。本当に大好きな人です。」

屋比久さん「今回、この作品は特に2人で話して作品について考えていくという時間が凄くあったので、
そういった意味で、作品を深めるという段階も含めて色んな事を共有出来たので、
苦しかった事とか、同じ役をやる事でしか分からないものを共有して、その大変さが軽くなったというか、
萌音という人間は常に地に足が着いていて、周りをとても穏やかにするというか、
周りを安心させる空気感が有って、それがこの作品の中でジェーン・エアとしても、ヘレン・バーンズとしても、
凄く表れていて、なんて素敵な包容力のある子なんだろうな、と、素敵なジェーンとヘレンを横で見て
私も刺激を貰いながら今回頑張る事が出来たので、ここから本番を通して一緒に舞台に立てる
Wキャストというのは中々無いと思うので、そういった意味でもここからまた更に2人で
切磋琢磨して支え合いながら頑張っていきたいなと思っております。」

井上さん「2人は本当に仲が良くて、僕が知っている限り、ミュージカル史上一番仲の良いWキャストだと思います。
大体皆、仲が良いというんですけども、実際は1回位、稽古中に取っ組み合いの喧嘩をしているんですけど……ウソです。
基本的には同じ役をやるというライバルだと思うんですけど、2人は共鳴し合っている感じがとてもして、
僕が入る隙は無いという位に2人は一つになって稽古をしていましたし、相手である僕は1人なので
「あっ、これは稽古が大変だよな」と思っていたんですけど、勿論2人よりは（稽古）回数は
多くやる事にはなったんですけど、思っていたよりも1回1回が
「一人ずつちゃんとしないと次にいけない」というよりは、一人がやって一人が見ている事で
2人ともやっている、みたいな場面がいっぱいあって、俺だけいっぱい稽古をしたな、
という感じがしない位に2人で分かち合っているなと気がしたので、凄く稀な事なんじゃないかなと思いました。
これをキャスティングしたジョンや制作の皆さんの目の付け所の確かさと、2人の人としての力があるのかなと。
でも、そう言いながらも出てくるモノは全然違うので人間って面白いなと思いながら稽古してきました。」

屋比久さん「私達、しれっと変わるから分からなかっただろうな、と。」

井上さん「遠目には殆ど一緒なんです。どんな相手でも瞬時に芝居をするという精神が鍛えられます。」

Q：稽古中に特に印象的なエピソードは？

井上さん「僕は髪型が全然決まらず。今日のコレは付け毛なんですけど、実はこのスタイルを今ここで初めて知って。
ロチェスターは長髪のイメージが結構ある、雄々しい感じなんですけど、稽古場は勿論無しでやっていたんですけど、
舞台稽古から色んな付け毛をして今に至っていますが、これで本番を迎えるかも分からないし、
今、皆さんに写真を撮っていただいているけど、本番を見たら全然違うものになる可能性もあるというのが、
稽古を通して思った事かな。でも全編を通してさっきも言った通り、固まらないというか、
ジョンの演出もこうじゃないか、ああじゃないかと膨らんで進展をしていくし、舞台に上がってから変わる事もあるし。
あと、ジョンがよく言うんですけど「毎日同じ事をしないでくれ」と。あえて固まらないで
同じ事をするのではなくてその場の瞬間瞬間を、と何時もジョンは言っていました。
その分ドキドキするし、形が無いから不安でもあるんですけど、
それを楽しめる稽古場である作品なのかなという気がする作品なのかなと。」

上白石さん「私はずっと芳雄さんを稽古場や劇場から家に帰るまで早い方だなって思っていたんですけど、
知奈はそれを上回るという。めっちゃ早いよね帰り支度。」

屋比久さん「そうね。そのまま来てそのまま帰る。芝居じゃないのに稽古場まで走る。
私と萌音は背格好が本当にそっくりなので、稽古中にヘレン・バーンズとジェーン・エアを演じ分けていても、
自分達もそうですし、周りも今誰が何をやっているのかというのが分からないというエピソードがあったんですけど、
この衣装を着て舞台上でやる時には、お互いがどっちがどっちか分かっていただける様に。」

上白石さん「2人並んだ後姿を写真に撮られていたんですけど、私も分からなかったです。」

【あらすじ】

1800年代ビクトリア朝のイギリス。
ジェーン・エアは孤児となり叔母(ミセス・リード)に引き取られるが、いじめられ不遇な幼少期をおくる。
プライドが高く媚びることをしないジェーンは叔母に嫌われ、寄宿生としてローウッド学院に行くことになる。
そこは規則が厳しく自由がなくジェーンは教師たちに反抗的であった。
ただヘレンというかけがえのない友に出会い、「信じて許すこと」を学ぶ。しかし彼女は病気で死んでしまう。
成長したジェーンはローウッド学院で教師をしていたが、自由を求めて家庭教師として学院を出る。
ジ ェーンは、広大なお屋敷の主人・ロチェスターの被後見人・アデールの家庭教師となる。
主人のロチェスターは孤独で少し皮肉で謎めいた男だが、ジェーンは自分と共通する何かを感じる。
この出会いが自分の人生を大きく変えていくことになるとはまだ知らない。
夜になるとこの屋敷には女性の幽霊が現れ、そして大きな運命の歯車が動き出す―

この日行われた公開舞台稽古では、ジェーン・エア役を上白石さんが、ヘレン・バーンズ役を屋比久さんが、
そしてヤング・ジェーン／アデール役を三木美怜さんが夫々演じました。

2012年以来、実に11年ぶりの再演となる舞台上にはイングランドの荒野が広がり所々にユリの花（※）が咲く中、
手前には意味深げな十字架が複数置かれ、舞台奥方向には大きく風になびかれた枯れた巨木が鎮座する
奥行きのある舞台セットが。そこにジェーン・エア（演:上白石萌音／屋比久知奈）が現れ、彼女の語りによって物語が始まります。

約2時間45分の公演時間（休憩を含む）の中で実に40曲近い数の印象的なナンバーの数々が
高い表現力を有する実力派俳優達によりパフォーマンス。名実ともに日本ミュージカル界を代表する
上白石さん、屋比久さんや井上さんは勿論の事、春野寿美礼さん、仙名彩世さん、樹里咲穂さん、
そして春風ひとみさんという、圧倒的な技術力に下支えされた宝塚歌劇団OGの演技と歌唱は必聴。
そこにベテランの大澄賢也さんがしっかりと脇を固めています。
また、ジェーンの幼少期とロチェスターの被後見人、アデールという難度の高い2役に挑み
大人キャストを打ち負かす勢いの熱演を見せるのがトリプルキャストの子役の3人。
この日の公開舞台稽古で出演した三木美怜さんのパフォーマンスは客席の公演関係者から絶賛の拍手が。

そして本作における大きな特徴と言えるのが、舞台上の後方左右に設けられた
計80席の特設座席「オンステージシート（チケット完売）」。過去公演でも設けられていた、
文字通り、舞台上に観客が着席し、斜め後方のアングルからとはなるものの、
通常座席よりも至近距離でキャストの演技や歌唱を体験する事が出来るという席種。
その特殊性から複数の制約や注意事項が設けられ、ドレスコードも存在する等、
少々敷居の高い座席ともいえるこのシートですが、観客は喉の震えまで感じられる程の迫力の
パフォーマンスに没入出来、キャストは至近距離かつ、通常ではあり得ない
舞台背面方向からの視線に曝されながらの緊張感の高い全方向へ向けての演技を試される、
恐らく国内大手の舞台公演ではコロナ禍以降で初となるであろう、演者と観客の垣根を
一枚取り払った演出がなされ、”生き物”である演劇体験の質を高めています。

高い人気を誇る今作は役替わりWキャストの夫々の東京公演の千秋楽である
4月1日(土)17:30公演・4月2日(日)12:30公演のライブ配信が決定しており、
自宅等で珠玉のパフォーマンスを楽しむ事が可能となっています。

※2023年3月11日14:45追記
記事初出し時、舞台上に咲く花をスイセンと表記しておりましたが、
正しくはユリでした。お詫びして訂正いたします。

【ライブ配信決定】

LIVE配信のサイトはこちら

＜配信日程＞
◆4月1日(土)17:30公演：上白石萌音(ジェーン)/屋比久知奈(ヘレン)
◆4月2日(日)12:30公演：屋比久知奈(ジェーン)/上白石萌音(ヘレン)

＜アーカイブ配信期間＞
◆4月1日(土)17:30公演：ライブ配信終了後、準備が整い次第~4月3日(月)20:30まで
◆4月2日(日)12:30公演：ライブ配信終了後、準備が整い次第~4月4日(火)15:30まで

＜チケット販売期間＞
◆4月1日(土)17:30公演：3月10日(金)12:00~4月3日(月)17:30まで
◆4月2日(日)12:30公演：3月10日(金)12:00~4月4日(火)12:30まで

＜配信チケット料金＞
配信視聴券：5,000円(税込)
配信視聴券(公演プログラム郵送サービス付き)：7,200円(税込)※送料別途必要
※「公演プログラムの郵送サービス付き」は数量限定販売のため、予定枚数に達し次第、受付終了となります。
※公演毎にチケット購入が必要となります。

「ライブ配信に関する問合せ」
株式会社梅田芸術劇場：TEL0570-077-039(10:00~18:00)

【ミュージカル『ジェーン・エア』公演概要】

公式サイトはこちら

＜公演期間＞
東京公演：2023年3月11日（土）～4月2日（日）
大阪公演：2023年4月7日（金）～4月13日（木）

＜会場＞
東京：東京芸術劇場プレイハウス
大阪：梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

＜公演時間＞
約2時間45分（20分間の途中休憩を含む）

＜料金＞
東京：
オンステージシート：14,000円（公演オリジナルマスク付き）
S席：13,500円
注釈付S席：13,500円
A席：9,500円

大阪：
オンステージシート：14,000円（公演オリジナルマスク付き）
全席指定：13,500円

（全席指定・税込）
※未就学児童入場不可
※オンステージシートについてはこちら
※車椅子でご来場のお客様は当日のスムーズなご案内のためご観劇日前日までにお問い合わせ番号までお知らせください。
※注釈付は場面により見づらい可能性のあるお席です。

『チケット発売』
好評発売中
※東京公演追加席販売に関してはこちら

「問い合わせ」
公演に関する問い合わせ：梅田芸術劇場［東京］0570-077-039［大阪］06-6377-3888（10:00～18:00）
グループ観劇(15名以上)に関する問い合わせ：梅田芸術劇場［東京］03-6259-1685［大阪］06-6377-3821（平日10:00～18:00）

＜出演者＞
ジェーン・エア／ヘレン・バーンズ：上白石萌音／屋比久知奈(役替わり、Wキャスト)
エドワード・フェアファックス・ロチェスター：井上芳雄

ミセス・リード／レディ・イングラム：春野寿美礼
ジェーンの母／ソフィ／ブランチ・イングラム：仙名彩世
ミス・スキャチャード／ベッシィ：樹里咲穂

アボット／グレース・プール：折井理子
アグネス／リア／メアリー・イングラム：水野貴以
ジェーンの父／トーマス／シンジュン・リヴァーズ：中井智彦
ブロックルハースト／ロバート：萬谷法英
ジョン・リード／イングラム卿／牧師：神田恭兵
ローズ：江崎里紗（スウィング）
ニコラス：犬飼直紀（スウィング）

ヤング・ジェーン／アデール：岡田悠李、萩沢結夢、三木美怜（トリプルキャスト）

リチャード・メイスン：大澄賢也
ミセス・フェアファックス：春風ひとみ

＜STAFF＞
原作：シャーロット・ブロンテ
脚本・作詞・演出：ジョン・ケアード
作曲・作詞：ポール・ゴードン
翻訳・訳詞：今井麻緒子
音楽スーパーバイザー：ブラッド・ハーク
美術：松井るみ
照明：中川隆一
音響：湯浅典幸
衣裳：前田文子
ヘアメイク：宮内宏明
音楽監督補・ピアノコンダクター：桑原まこ
歌唱指導：柳本奈都子、中井智彦
演出助手：加藤由紀子
舞台監督：齋藤英明
企画・制作・主催：梅田芸術劇場／東宝

 - News, Stage