世界のエンターテイメントの“今”をお届け!

市村正親、半世紀に及ぶ役者人生の集大成『市村座』初日開幕

役者生活50周年を迎える市村正親によるひとり芝居『市村座』が2月26日(日)日生劇場にて開幕。
オフィシャルレポートが到着しましたのでお伝えします。

(文:三浦真紀/撮影:渡部孝弘)

撮影:渡部孝弘

市村正親が1997年に旗揚げした市村一人の劇団、『市村座』。
市村の役者生活50周年の集大成であり、5年ぶり10回目となる本作が、2月26日(日)に初日を迎えた。
「市村座のテーマ」を軽快に歌いながら、客席通路からに市村が登場。
この曲を聴くと自然とテンションが上がる!客席からも手拍子が起こり、市村も満面の笑みだ。

撮影:渡部孝弘

(左より)市村正親、市村優汰 撮影:渡部孝弘

口上では裃姿の市村によるご挨拶と演目紹介。
その後、市村二世として長男・優汰さんと次男さんが登場し、それぞれ立派に口上を述べた。
「父のこと、よろしくお願いいたします」と話す二人、見守る市村の優しい目が印象的だ。

撮影:渡部孝弘

撮影:渡部孝弘

次に披露されたのが一人芝居仕立「死神」。「死神」は三遊亭圓朝作の落語で、
かつて市村が付き人をしていた西村晃がミュージカルで演じたこともある。
今回の「死神」では男が市村座を見逃すわけにはいかないと金を使い果たし、
市村の追っかけだった妻は、亭主の散財に腹を立て、家から追い出してしまう。
男は悔しくて死のうとすると、そこに死神が…。何役も務める市村は、
実に軽妙で達者、芝居心とコメディセンスが光る。ラストは劇場が驚きと笑いで包まれた。

幕間を挟んで、「五十年間全作品人気楽曲披露」。
なんと、市村が出演したミュージカル40曲以上、デビュー作「ヘロデ王の歌」
(『イエス・キリスト=スーパースター』)から始まり、劇団四季時代から
退団後の今に至るまでのナンバーを、思い出の画像やエピソードと共に披露するという。
各曲ワンフレーズずつ歌う程度だろうと思っていたら、これが大違い。
曲によってはガッツリ歌い切り、振付もつく。途中からこれは
凄まじい挑戦だと気づき、楽しみながらも手に汗握って応援する気持ちになった。

撮影:渡部孝弘

撮影:渡部孝弘

「ワン」(『コーラスライン』)ではステップを踏みながら歌い踊り、
3役を務めた『キャッツ』ではミストフェリーズとスキンブルシャンクスの両曲を歌うサービス精神。
『オペラ座の怪人』『ラブ・ネバー・ダイ』ではその伸びる歌声はまさにファントムが降りてきたようで、一気に物語へと連れて行かれた。

撮影:渡部孝弘

エンジニアとして泥臭く「アメリカンドリーム」(『ミス・サイゴン』)を歌ったかと思えば「マスカラ」
(『ラ・カージュ・オ・フォール』)ではお化粧や身支度をする可憐なサザがいる。
「心を鉄に閉じ込めて」(『モーツァルト!』)で天才ヴォルフガングの父としての想いを吐露し、
牛乳屋テヴィエとして「もし金持ちならば」(『屋根の上のヴァイオリン弾き』)で軽やかに舞う。
「マイ・フレンズ」(『スウィーニー・トッド』)ではカミソリを手に復讐心を燃やし、
「最後の願い」(『生きる』)では市民課長・渡辺勘治として再生を決心する。
役の幅広さたるや、市村は一体どれだけの表現、引き出しを持っているのだろう?
市村が歌うとその場面がパーッと目前に広がる。 きっとどの人物にも真摯に魂を吹き込んできたのだろう。
間違いなく役者になるために生まれてきた人なのだと胸に迫るものがあった。

(左より)市村正親、市村優汰 撮影:渡部孝弘

お子さん二人もパフォーマンスに参加。優汰さんと次男さんは『コーラスライン』の「ぼくって誰だ」をデュエット。
また優汰さんは『キャバレー』の「ヴィルコメン」にのせて華麗なタップで場を沸かせた。
次男さんは『人間になりたがった猫』の「自己紹介」や「青い鳥」を独唱、素直な美声でこの先が楽しみだ。

撮影:渡部孝弘

ラストは市村座恒例の長編歌謡浪曲「俵星玄蕃」。
歌、語り、芝居、振り、浪曲が詰まったこの難曲、市村は今回も力強く高らかに歌い切ってみせた。
またアンコールでは市村の役者人生を表した新曲「役者ほど素敵な人生はない」が披露された。

市村の過去と現在、そして未来を詰め込んだ『市村座』。74歳、改めてすごい役者だと体感した。

上演時間は1幕50分、休憩20分、2幕80分の計2時間30分予定。
東京公演は2月28日(火)まで日生劇場にて上演、その後3月3日(金)大阪・NHK大阪ホール、
3月4日(土)&5日(日)福岡・博多座、3月8日(水)埼玉・ウェスタ川越 大ホール、3月10日(金)仙台・仙台電力ホールにて上演。

【市村正親ひとり芝居『市村座』公演概要】

公式サイトはこちら

<公演期間>
東京公演:2023年2月26日(日)~2月28日(火)
大阪公演:2023年3月3日(金)
博多公演:2023年3月4日(土)・5日(日)
川越公演:2023年3月8日(水)
仙台公演:2023年3月10日(金)

<会場>
東京:日生劇場
大阪:NHK大阪ホール
博多:博多座
川越:ウェスタ川越 大ホール
仙台:仙台電力ホール

<上演時間>
約2時間30分(20分間の途中休憩を含む)

<料金>
東京:S席9,000円 A席6,500円
《当日券について》
本公演は劇場窓口での当日券販売はございません。
残席がある限り、ホリプロステージ(https://www.s2.e-get.jp/hori/pt/で開演時間まで販売いたします。

大阪:S席10,000円 A席7,500円 法被付S席11,500円 法被付A席9,000円
博多:A席10,000円 B席7,500円
川越:S席8,500円 A席5,500円 B席2,500円※特製法被付のチケットは販売を終了しました。
仙台:S席9,000円 A席6,500円 SS席10,500円

(全席指定・税込)
※未就学児入場不可
※本公演のチケットは主催者の同意のない有償譲渡が禁止されています。
※公演中止の場合を除き、払い戻し、他公演へのお振替はいたしかねます。ご了承のうえ、お申込みください。

『チケット発売』
好評発売中

「問い合わせ」
東京:ホリプロチケットセンター 03-3490-4949 受付11:00~18:00(平日)/定休日(土・日・祝)
大阪:キョードーインフォメーション 0570-200-888(平日・土11:00~18:00)
博多:博多座電話予約センター 092-263-5555
川越:ウェスタ川越 049-249-3777(9:00~19:00 点検日等の休館日を除く)
仙台:キョードー東北 022-217-7788(平日13:00~16:00/土曜日10:00~12:00※祝日を除く)

<出演者>
市村正親

<STAFF>
作・演出:高平哲郎
音楽:上柴はじめ
声楽指導:古賀義弥
美術:金井勇一郎
照明:塚本悟
音響:新城昌美
映像:小池敏治、松澤延拓
振付:加藤敬二
衣裳:久保田俊一
ヘアメイク:宮内宏明
舞台監督:高橋春樹
東京公演主催:ホリプロ/東宝
大阪公演主催:キョードーマネージメントシステムズ
博多公演主催:博多座
川越公演主催:指定管理者NeCST
仙台公演主催:ミヤギテレビ/キョードーマネージメントシステムズ/キョードー東北
企画・制作:ホリプロ

 - News, Stage