東京2020オリンピック聖火リレー岩手県 俳優の松村龍之介さんが花巻市を走行!
東京2020オリンピック聖火リレー開催80日目、岩手県3日目の第6区間となる花巻市内を
俳優の松村龍之介さんが走行されました。当日の様子をお伝えします。
【当日の様子】
2021年3月25日(木)に福島県双葉郡樽葉町のナショナルトレーニングセンターJヴィレッジを出発した
東京2020オリンピック聖火リレーも全行程の約3/4を消化。これまで38道府県、およそ450の市町村で
約6,500名のランナーが聖火を繋いで来ました。しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の折、
4月13日(火)・14日(水)開催の大阪府吹田市の万博公園での大阪府の代替リレーを筆頭に、これまで14の道府県で、
公道での聖火リレーを中止し、トーチキスと聖火皿へ点火をする点火セレモニーが行われる等、
その道のりは順風満帆とはちょっと言い難い121日間の全国を巡る聖火の旅。
そして北海道に続き、39番目のオリンピック聖火リレー開催地となったのが岩手県。東北地方では5番目の開催地となり、
3月25日(木)~3月27日(土)に行われた全国一番手の福島県に続く、東日本大震災で特に人的・物的被害が甚大であった
東北被災三県(岩手・宮城・福島)の2つ目の聖火リレー開催県となります。
日本一の面積を誇る県である岩手県内を6月16日(水)~6月18日(金)の3日間に渡り、28市町村、
約62kmの走行ルート上で聖火を繋いだランナーの数は実に281名。
開催1日目の午前9時に雫石町の町立雫石中学校を出発した聖火は、主に県北部・北東部を87名のランナーが走行。
途中、第8区間の普世村・野田村において、東日本大震災により発生した地震と津波で
路線各所に甚大な被害を受けながらも、震災発生から約4年で全線運転を再開し、
岩手県沿岸部はもとより東北全体の震災復興の象徴となった三陸鉄道の
普代駅~十府ヶ浦海岸駅間を走行する臨時列車が聖火を運ぶという特殊な聖火リレーが行われました。
トーチキス前に公園内の「海を見る場」より津波に襲われた松原方向を向いて鎮魂の礼をする
第2スロットランナーの大和田海雅さん(写真左)と第3スロットランナーの佐々木豊秋さん(写真右)Photo by Tokyo 2020
続く2日目は県東部・南東部を84名のランナーが走行し、最終第8区間、陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園では、
押し寄せる津波で約7万本の松が流される中、たった一本だけその姿を残した震災遺構「奇跡の一本松」からランナーがスタート。
「海を見る場」「水盤」等を通過し、震災犠牲者の鎮魂の思い、そして東北復興の思いを籠めた走行となりました。
最終日の3日目は県南部・中部を110人の聖火ランナーが走行。途中第2区間である、
2011年6月にユネスコ世界文化遺産に登録された平泉町の中尊寺参道を5人のランナーが力走を見せました。
そして迎えた第6区間となるのが県中西部に位置する花巻市。
世界的にその名を知られる童話作家・詩人の宮沢賢治の生誕の地であり、東北を代表する郷土料理の一つ、
「わんこそば」発祥の地でもある、人口約93,000人(2021年5月末現在)の花巻市内中心部、
また、JR花巻駅東側を中心とした約3.1kmのルート上を15人のランナーが聖火を繋ぎました。
その花巻市内の最終ランナーを務めたのが、同市出身である俳優の松村龍之介さん。
中学校までの青春時代を花巻市内で過ごし、深い郷土愛を自身のブログでも都度語られ、
高い人気を誇る2.5次元舞台作品「戦国BASARA」シリーズ、舞台「黒子のバスケ」、
つかこうへい作品の「熱海殺人事件」、特撮ドラマ「仮面ライダーゼロワン」への出演で
人気を博す若手俳優である松村さんは、コロナ禍で東京2020大会の延期が決定する以前の
2019年夏頃に以下の聖火ランナー志望動機を挙げられています。
「岩手県花巻市出身の俳優で、普段は東京を中心にお仕事をさせて頂いています。 物心ついた時から
故郷岩手でお世話になり、思春期や青春をこの地で過ごしました。 ここまで育ててくれた岩手の大地と
地元民の皆さんには感謝が尽きません。僕は故郷岩手から温かみと豊かさを学びました。
僕が今もこうして俳優業を続けてられているのも、岩手培ったかけがえのないモノと、
故郷の皆さんの支えがあるからです。 愛する岩手、花巻に恩返しがしたい。俳優としての自分を通し、
地域に貢献したい。と常日頃思っています。 この度愛する岩手、花巻で聖火ランナーという大役を担えること、
心から嬉しく思いますし、誇りに思います。 これを機に、少しでも地域貢献に役立ち、
故郷を盛り上げる事が出来たらと思います。 そして、俳優として更に邁進する為の
経験と活力に致します。精一杯取り組ませて頂きますので、応援よろしくお願い致します。」
そして大会の1年延期が決まった後には
「新型コロナウィルスが猛威を振るい、延期となった東京オリンピック。
正直、無事開催出来るのか、岩手に比べ感染被害の大きい東京在住の僕が走って良いのか不安でしたが、
今一度己の故郷への思いの強さを自覚し、心から走りたいと思いました。 今年は東日本大震災から10年。
節目でもあります。改めて東北、そして岩手がこの先も素敵な場所であり続けることを祈りつつ、精一杯努めさせて頂きます。」
と、自身の不安と共に故郷への思いを新たにする気持ちを綴られています。
市内最終となる第15スロットは、花巻南第一駐車場前から、市の交流センターであるなはんプラザ前に設定され、
多数の沿道住民が見守る中、第14ランナーの久保田泰輝さんとトーチキスをします。
そして拍手と応援に送られながら第一駐車場前をスタート。ゴールへ向かってひた走ります。
先んじてリレーが終了したルート沿いから続々と観覧者がなはんプラザ前へと詰めかけ、
松村さんの姿がゴール地点から見える頃には、300人は優に超えているであろう花巻市民の観覧者の人垣が出来上がります。
大きな拍手がなはんプラザ前に響き渡る中、15時30分丁度、ステージ上に設けられたゴールテープを
松村さんが笑顔で切り、岩手県DAY3第6区間花巻市内の東京2020聖火リレーは無事終了しました。
そしてゴール直後、松村さんへインタビューがなされます。
先ず、今日の聖火リレーにどの様な思いで臨んだかという質問には、
「僕は活動の拠点としては東京が多いんですけども、根底として故郷の岩手、花巻市があってこその、
僕の役者というものがありまして、そんな故郷に少しでも恩返しがしたい、貢献出来ることがしたいと
思った中で、聖火ランナーという形で還元出来ればと今日走らせて頂きました。」とコメント。
次に、聖火を実際に持ってみて走った感想を問われると、
「物理的な重みもあるんですが、それ以上に日本全国から繋いで来た思いであったりとか、
今後、僕から花巻を超えて渡していく聖火は更に思いが詰まった重みを感じつつ、
走る事が出来たので、凄く「幸せな重み」と言いますか、希望に満ちた重みを感じる事が出来ました。
腕がもうプルプルです。(笑)」
とランナーだけが感じられる聖火の重みを話されます。
そして最後に東京2020大会への思いと、故郷花巻市民への挨拶が松村さんよりなされます。
「中々、今までの様な生活がうまくいかない状況ではございますが、この東京2020オリンピックを経て
お互いの心身、心の健やかな部分がスポーツを通して出せれば良いなと思いまして、
全力で応援をしてまいります。勿論、色んな脅威がありますけども、お互い体調管理など、
気を付ける所は気を付けて、心だけは健やかにこのスポーツの祭典であるオリンピックを盛り上げられる様、
僕も一日本人として応援をしておりますので、お互いに元気に過ごせて行けたらと思います。」
【囲み取材の様子】
花巻市内の全15名の聖火ランナー走行終了後、市内某所にてランナーの囲み取材が行われました。
その中から松村さんのコメントを抜粋してお伝えします。
Q:先ず、走行してみての感想は?
松村さん「心から楽しい時間でした。沿道の皆様が温かい笑顔で迎えてくれて、
凄く心も温まりましたし、走っていても凄く気持ちが良かったです。]
Q:故郷花巻の地を踏みしめながら走った気持ちは?
松村さん「もう、嬉しかったですね。普段僕は東京で役者業の仕事をしているんですが、
こうして役者業とはまた違う形でこの地元に帰って来て、貢献が出来るというのは、
これ以上ない事ですし、役者冥利に尽きると思います。コロナウイルスの影響もあって、
ここ1年半以上、花巻に帰れていなかったので本当に久々の帰省となって凄く嬉しかったです。」
Q:現在出演中の「新・熱海殺人事件」が公演されている新宿紀伊國屋ホールは前回の東京大会と同じ
1964年開館であり、また今日、故郷に錦を飾る形で聖火ランナーとして花巻を走行したが、
様々な形でオリンピックに関わる事となった自身が、今日の経験を役者としてどう活かしていくのか?
また、東京2020大会はどの様な大会になって欲しいか?
松村さん「沿道から「頑張って!」とか、僕を元々知ってくれている方、そして役者として
知ってくれた方が凄く温かい表情で手を振ってくれて、その時にもっともっと、
こうして応援をして下さる皆様に恩返しがしたいと思えて、それこそが僕の日頃応援して下さる皆様と、
そして故郷の岩手・花巻に残せるものは、僕が役者として売れる事しかないと思っているので、
僕が有名になって尊敬される様な、自慢が出来る様な人間になり、その人間を応援して下さる人達が、
鼻高々になれたりとか、同じ地元という事に誇らしげになってくれたら、それは幸せだなと思うので、
より一層、自分の役者業に力を入れようと決意が、この聖火ランナーを通して固まりました。
そして東京2020大会が一年延期されたんですけども、中々難しい状況ではございますが、
スポーツの祭典というのは、今年、東京でやる意味というのは絶対にあると思うので、
このオリンピックを通して、僕達の地は東日本大震災から10年が経ちましたけども、
人々の心を打つ様な、感動し心が熱くなる様な瞬間に出会えると思うので、オリンピックを通して
心も体も健やかに、そしてお互いの人生をより豊かに出来たら良いなと思います。幸せに頑張りましょう。」
故郷に錦を飾った松村さんの輝く笑顔が印象的であった花巻市の東京2020オリンピック聖火リレー。
聖火はいよいよ、東北地方最後の開催地、宮城県へと向かいます。
【東京2020オリンピック聖火リレー岩手県 開催概要】
東京2020オリンピック聖火リレーの公式サイトはこちら
<開催日時>
DAY1:2021年6月16日(水)9:00スタート
DAY2:2021年6月17日(木)9:42スタート
DAY3:2021年6月18日(金)9:10スタート
<会場>
DAY1:雫石町・滝沢市・八幡平市・岩手町・一戸町・二戸市・洋野町・普代村・野田村・久慈市
DAY2:岩泉町・田野畑村・宮古市・山田町・大槌町・釜石市・大船渡市・陸前高田市
DAY3:一関市・平泉町・奥州市・金ケ崎町・北上市・花巻市・遠野市・紫波町・矢巾町・盛岡市(※)
※DAY3第9区間盛岡市は、市内の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、公道でのリレーを中止し、
セレブレーション会場でトーチキスを開催。
<ランナー数>
281名(内、車いすランナー2名。介助者を除く)
<走行距離>
約62.35km(3日間合計。DAY1第8区間での三陸鉄道の列車による聖火運搬の普代駅~十府ヶ浦海岸駅間、約12.7kmを含まず)
<実施体制>
主催:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
共催:東京2020オリンピック・パラリンピック聖火事業等岩手県実行委員会
©Tokyo 2020