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東京2020オリンピック聖火リレー長崎県 公式アンバサダーの石原さとみさんが長崎平和公園を走行!

東京2020オリンピック聖火リレー開催40日目(移動日を除く)、長崎県長崎市の平和公園内を
東京2020聖火リレー公式アンバサダーで俳優の石原さとみさんが走行しました。当日の模様をお伝えします。

【当日の様子】

2021年3月25日福島県双葉郡樽葉町のナショナルトレーニングセンターJヴィレッジの
屋内練習場を出発するグランドスタート聖火ランナー「なでしこジャパン」の面々 Photo by Tokyo 2020

2021年3月25日(木)に福島県双葉郡樽葉町のナショナルトレーニングセンターJヴィレッジを出発した
東京2020オリンピック聖火リレー。これまで19府県、およそ290の市町村を約3,400人のランナー
(2021年5月6日現在。沖縄県宮古市を除く)の走行により各地を繋いで来ました。
そして迎えた20番目の開催地が長崎県。県内17市町を2日間かけて180名のランナーが駆け抜けます。

長崎県DAY1第1区間南島原市の第1スロットを走行するランナーの宮川源太さん Photo by Tokyo 2020

開催一日目となるDAY1は午前9時に県南東部の南島原市の市役所前を出発した聖火。
続いて、島原市・雲仙市・壱岐市・新上五島町・諫早市・大村市と各地を周り、
迎えた開催1日目の最終区間となる第9区間が県庁所在地である長崎市。当初、市中心街を南下する
約5.1kmのルートを25名のランナーが走行を予定していましたが、4月30日(金)に行われた長崎県の記者会見において、
中村法道長崎県知事は現在の長崎市の新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえると、
沿道での市民・県民の過密な状況での観覧リスクを防ぐ点から、観覧密集予想地をスキップ(走行除外)すると発表。

ランナー走行スロットが圧縮されたリレールートの一つ、県道112号長崎式見港線

その結果、聖火ランナー1人あたりの走行距離を当初の約200mから約150m程へと短縮し、25名の参加人数はそのままに距離を圧縮。
当初走行ルートの2区間6スロット(走行区間)・およそ1.3km分をスキップし、トータル約3.8kmでのリレー開催という形に。

本来なら青色の柵にそって立ち見用の区画が設けられた鑑賞エリアで行われる出発式でしたが、無観客の為にカラーコーンで仕切られる事に

敷地の四方を厳重に警備された平和公園の中で唯一自由にノンビリと様子を見に訪れたのは町猫と思わしき猫

水辺の森公園周辺も規制が掛けられました。

セレブレーション会場の観覧エリアも当初は間隔を空けての着席観覧の予定でしたが、無観客実施に伴いランナー通路が区切られるのみに

また、出発式が行われる平和公園、およびDAY1のゴール地点である、セレブレーション会場の
長崎水辺の森公園においても、当初はそれぞれ200名・800名の事前抽選観覧が予定されていましたが、
新型コロナウイルス感染症の感染防止対策の為に無観客での開催となりました。

朝方より降り続いた雨も昼過ぎには止み、午後7時より松山町にある平和公園の平和祈念像前にて出発式が行われました。
原子爆弾による世界で最後の被爆地、長崎を象徴する高さ約9.7mの青銅製の記念像が見守る中、
最初に長崎県実行委員会を代表して田上富久長崎市長からの挨拶が。

田上市長「3月25日に福島県を出発しました聖火が本日、長崎市へ到着致しました。
「長崎の鐘」を作曲した古関裕而さんの故郷から、その原作を書かれた永井隆博士の街、長崎へと運ばれた
聖火に込められた多くの人達の思い、その中で特に大切なのは平和への思いです。
その聖火を持って長崎市内を走って下さる最初のランナーを石原さとみさんが務めて下さる事をとても嬉しく思います。
毎年8月9日に多くの被爆者、市民、そして世界中から人々が集まり平和を願う場所です。
このリレーに込められた平和への思いがいつの日か形になっていく事を願っています。」

そして会場上手より長崎市の第一聖火ランナーとしてステージに登場したのは、
東京2020聖火リレー公式アンバサダーで俳優の石原さとみさん。
「長崎は、私の人生の目標が定まった場所です! きっかけは21歳の時、被爆者の本多さんと
長崎の原爆ホームで出会えた事でした。壮絶な被爆体験を聞く中で、何もできない自分に無力さを感じていました。
しかし数年後、プライベートで本多さんに再会すると「生きていてよかった」と泣いて喜んで下さったのです。
その姿に涙が流れ『一瞬で誰かの心を明るく励ますことができる人になりたい』と人生の目標を決めました!
長崎で生まれたこの決意が、私と世界を繋いでくれています。29歳の時、アフリカで出会った元少女兵のバーバラ。
紛争の残酷な体験を引きずっていた彼女ですが、互いの境遇を語り合い徐々に笑顔を取り戻しました。
私との出会いに励まされたと、産まれた子供に“サトミ”と名付け、聖火リレーを親子で楽しみにしてくれています!
被爆の記憶を残す長崎での聖火リレーは、心から平和を願う世界の人を繋げられると思います。
核廃絶・反戦を願う多くの思いを胸に走らせて頂きたいです!」という聖火ランナー志望動機を2019年夏頃に挙げている石原さん。

第一ランナーの証である第1走行スロットを示すカラーコーン

2021年3月25日福島県双葉郡樽葉町のナショナルトレーニングセンターJヴィレッジで行われた
グランドスタートセレモニーにて点火棒から聖火皿へ田口亜希さんと共に聖火を点火する石原さん Photo by Tokyo 2020

その上で石原さんは壇上で以下の様に挨拶とメッセージを話されました。

石原さん「私にはここ長崎に住む87歳の被爆者の友人がいます。14年来の友人なのですが、
彼女が語る平和への思いを聞いて私自身、核廃絶や平和への思いがとても強くなりました。
だからこそこの場所から走れる事がとても感慨深い思いが有ります。
聖火リレー公式アンバサダーになって早2年ちょっとが経つのですが、多くの方に
インタビューをさせて頂いて、ここ長崎のランナーの皆さんにもお話を伺いました。
私自身、福島からスタートしたこの聖火リレーのランナーの皆さんの走りをずっと見てきて、
特に印象的だったのが、走行中に前が詰まってしまったり、誰かを先に通す為等、
ちょっとしたアクシデントがあったりして。そんな時でもランナーの皆さんはトーチを掲げながら、
何時でも走り出せる様にその場で足踏みをされていました。その瞬間も思いを馳せながら
準備をされている姿に勇気付けられました。そんな皆さんの思いを噛みしめながら、
心から世界平和を祈って今日という日が原点になる様に一歩前へと、この希望の火を次の走者の方へ
そして未来へと繋げていきたいと思います。本日は宜しくお願いします。」

長崎市第1ランナーの重責に緊張をする石原さんに田上市長からエールがおくられます。
田上市長「長崎の平和への思いを石原さんに託します。石原さんらしく元気に明るく走って下さい!」

続いて会場下手よりリレーの主役である聖火の種火が納められたランタンが登場。
点火棒へと聖火が移されると、田上市長の手により石原さんの持つトーチへと一発点火します。
改めて間近で見る本物の聖火の火に釘付けな様子のお二人。

Photo by Tokyo 2020

そして時刻は午後7時15分過ぎ。平和祈念像、そして関係者が見守る中、石原さんは
聖火が赤々と灯るトーチを高く掲げ、会場を出発。報道エリアからは無数のフラッシュが焚かれます。

Photo by Tokyo 2020

しきりに掲げたトーチに灯る聖火に目を移す石原さん。その理由は後述の囲み取材で明かされました。

Photo by Tokyo 2020

しっかりとした足取りで約150mの直線を走行し、平和公園中央にある平和の泉前にて、第2スロットランナーの
松尾匡悟さんへと無事にトーチキスを行い、石原さんは松尾さんを見送っていました。

長崎県庁舎横の岸壁に係留され出番を待つ遣唐使船

長崎市内のリレー工程の中盤となる第14スロットにて行われたのが、遣唐使船を使用した聖火リレー。
2010年「平城遷都1300年祭」及び上海万博出展の為に公益財団法人の角川文化財団の手によって復元された
全長約30m、幅9.3m、重量約110tの大型の帆船が聖火ランナーを乗せ、長崎県庁舎横の岸壁から
水辺の森公園北側岸壁までの約700m弱の距離を約20分間をかけて航行。

第13スロットランナーの山田潤さんとトーチキスをする小林社長 Photo by Tokyo 2020

Photo by Tokyo 2020

その遣唐使船に乗船した聖火ランナーは東京2020オリンピック聖火リレープレゼンティング・パートナーの
NTTから、NTT西日本代表取締役社長の小林充佳氏。

自身がデザインを手掛けた長崎県美術館の前で第16スロットランナーの
田中志乃羽さんとトーチキスをする隈研吾さん Photo by Tokyo 2020

Photo by Tokyo 2020

無観客の水辺の森公園では10名が走行。第17スロットにはオリンピックスタジアムである、
新国立競技場や長崎美術館の設計を手掛けた建築デザイナーの隅研吾さんが走行。

第18スロットランナーの石川英彦さんとトーチキスをする隈研吾さん Photo by Tokyo 2020

後述の囲み取材の中で長崎の地を走った感想を問われた隅さんは
「10年以上前にデザインした時よりも長崎の街が綺麗になって、どんどんと色んなものが出来て、
「長崎、元気あるな!」と感じました。この長崎の地の”場所の力”みたいなものを
足で踏みしめながら走れたというのは、ちょっと東京では味わえないような深い感激を味わえましたね。」と話し、
約2か月半後には東京の新国立競技場へと聖火が行く事については、
「自分の設計した長崎県美術館と新国立がこの聖火で繋がるなんていうのは、設計していた時には
考えもしていなかった事なので、何か本当に夢みたいな事が起こったなと。
出来ればこの聖火がなんとか国立に行って欲しいなという思いです。」
と、10年越しに聖火で繋がれる自身が手掛けた2つの作品の縁を話されていました。

背中越しでも伝わる程の気迫で聖火の到着を待つ草野さん。

第24スロットランナーの辻博文さんとトーチキスをする草野さん。目が真剣そのもの

長崎の象徴、平和記念像のオリジナルトーチキスポーズをとる草野さんと辻さん

そして市内最終走行区間となる第25スロットを走行したのはフリーTVキャスターの草野仁さん。
島原市で育ち、モントリオール1976大会、レークプラシッド1980大会の実況中継を務め、
スポーツ・キャスターとして圧倒的な知名度を持ち、2010年より長崎市科学館の
名誉館長兼運営アドバイザーを務め、長崎の地域振興に尽力している草野さん。

御年77歳という年齢に到底見えないパワフルな走行を見せ、伴走スタッフや公式記録メディアを引き剝がさんばかりに
あっという間にセレブレーションステージへと到着したかと思うと、見事に聖火皿に点火。
無事に長崎県DAY1の最後の大役を果たし草野さんにMCが率直な気持ちは?と問うと、
草野さん「今回の東京2020大会はご承知の通り、昨年に開催予定でしたけれども、コロナ禍の為に
一年延長という事になりました。その時に組織委員会としても1年間遅れても
東京2020大会を全うするという宣言をされました。その皆様の思いが叶って予定通り
東京オリンピックが開かれて成功裏に終わるとするならばですね、恐らく世界中の皆さんが
日本人はコロナに負ける事無く、オリンピックの火を絶やす事無く灯し続けたと
きっと素晴らしい賛辞を沢山届けてくれるのではないかと想像をしております。
ぜひその方向に大会が向かっていきますよう、心からお祈り致します。
私達に出来る事は組織関係者皆様の最大限のご努力を熱烈な声援をもって皆様に
頑張って頂くしかありません。どうぞ今後ともよろしくお願い致します。」

そして最後に明日以降、全国を走る沢山の聖火ランナーへのエールを、との問いに
「必ずこの東京2020大会を素晴らしい形の成功裏に全員で導いていきたいと思います。皆さん頑張って下さい!」
と力強い言葉で草野さんはメッセージを送り、長崎県DAY1のセレブレーションは幕を閉じました。

【囲み取材の様子】

ランナー走行終了後、場所を移し市内某所にて走行ランナーの囲み取材が行われました。
その中から石原さとみさんのコメントを抜粋して掲載します。

Q:先ず、今日5月7日をどんな気持ちで迎えたのか?

石原さん「ずっと緊張していました。本当に。正直、聖火リレー公式アンバサダーとして、
こういう大役を務めさせて頂いていますが、これがもし一個人だったら
自分はここに来て良いんだろうか?と正直悩む部分もとてもありましたけども、だからこそ
勇気を振り絞って来ました。これまで本当に多くの方にインタビューをさせて頂いて、
ここ長崎のランナーの皆さんにも沢山お話を伺って、皆さん本当に力強い決意をされて、
その日を挑んでいてとても勇気づけられて、背中を押されて。私もアンバサダーとして
責任を全うしたいと心から思いました。なので勇気を出して決意を込めて今日の日を迎えられて
平和公園のあの場所に立てて凄く良かったなと思います。」

Q:長崎の平和の象徴である平和公園をどんな気持ちで走ったのか?

2020年2月15日東京都羽村市にて行われた東京2020オリンピック聖火リレーリハーサルでトーチキスポーズを披露する石原さん(写真左)

石原さん「1年半前、東京都内での聖火リレーリハーサルで、今日と同じユニフォームで
走らせて頂いたんですけども、その時は本当にあっという間に終わってしまって、
「えっ!?200mって早い!」って思ったんですけど、それから1年以上が経って
この1年間本当に色んな事があって、その色んな事を乗り越えた上でちゃんと思いを込めて
一歩一歩走りたいと思ったんです。だけどあっという間だった事を知っているから、
どうしよう?と思って準備をしてきました。今日、走る直前まで人生で関わって来た大切な人とか、
大切にしていきたい人の名前やこの聖火リレーに対して関わって準備をされて来た
多くの人達の思いや努力も含めて書き出していたんです。その準備の御蔭か、
走りながら聖火を見たらその人達の顔がワアッって思い浮かんで来て。
出会いの瞬間とかをちゃんと思い出せた自分がいた事に走り終えた後に気づいて、
準備をしてきて凄く良かったと思いました。」

Q:ランナー志望動機に登場する被爆者の本多シズ子さんと今日の走行を迎えるにあたり、やり取りは?

石原さん「囲み取材が終わったら動画を送ろうと思うんですけども、
(本多さんに)動画を送ると全員集合して大画面で見て下さるので恥ずかしいんですけど、
でも絶対に今年こそは会いましょう長崎に行きますからって。去年は同じこの日に
聖火リレーを走れなくても行こうと思っていたんですけど、それでも長崎には来れなかったので、
色々なやり取りの中で「今年は絶対に行きたいです!絶対に会いたいです!」って本多さんの
平和への思いをちゃんと籠めながら走りたいですという思いを伝えさせて頂いたりコミュニケーションをしています。
後、本多さんがずっと(被爆ホームの)職員の皆さんに私が会いに行く日を伝えた時に
「今日、友達が来るんだ」ってずっと言っているんだよって言って下さって、
ちゃんと友達だって伝えてくれている本多さんのその心が有り難いなと思って。本多さんは年齢関係なく
友達でいられるという事が私の中で本当に財産だと思うので、
本多さんや被爆者の皆さんの健康長寿を心から祈っています。」

最後にこれから走る全国の聖火ランナーに向けてのメッセージを。

石原さん「時は一瞬で過ぎ去ります。本当にあっという間。でも、あっという間にしてしまうのは
自分自身だと思うんです。だからこそ私が準備して来た様に、この日の一歩をどういう一歩にしたいのか。
普段過ごす200mとは遥かに大きく違うので、後悔が無い様に皆さん、その日を目標に
存分に楽しんで貰えたら凄く良いなと私は思います。」

間も無く全行程の半分を消化する東京2020オリンピック聖火リレー。残り27都道府県で走行を待つ
およそ7,000人の聖火ランナーの下へ、リレーは一路、東へと進路をとります。

【東京2020オリンピック聖火リレー長崎県 開催概要】

東京2020オリンピック聖火リレーの公式サイトはこちら

<日時>
2021年5月7日(金)9:00スタート
2021年5月8日(土)9:00スタート

<会場>
DAY1:南島原市・島原市・雲仙市・壱岐市・新上五島町・諫早市・大村市・長崎市
DAY2:長与町・時津町・西海市・五島市・対馬市・松浦市・平戸市・佐々町・佐世保市

<ランナー数>
181人(内、車いすランナー1名。介助者を除く)

<走行距離>
約32.6km(2日間合計)

<実施体制>
主催:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
共催:東京2020オリンピック聖火リレー⻑崎県実行委員会

©Tokyo 2020

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