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ミュージカル『チェス』公開稽古開催!

冷戦時代を背景にアメリカとソビエト連邦出身の2人の天才チェスプレイヤーを中心に描かれ、クラシック、ポップス、ロックと幅白いジャンルの楽曲で綴られる独創的な世界観が国境や世代を超えて愛され続けているのミュージカル「CHESS」。
1984年にリリースされたコンセプトアルバムからスタートし、マレー・ヘッドが歌う「One Night in bangkok」が全米3位、また「I Know him so Well」は全英1位にチャートインし、一躍大ヒットを記録。ミュージカル版はその幅広いメロディ構成からコンサートとして取り上げられる事も多く、これまでに世界20箇所以上で上演されています。

日本では2012年と2013年にコンサート版が、2015年にはミュージカル版が上演され大成功を収める本作が2020年、日英ドリームキャスト出演の下再び日本に降り立ちます。

2020年1月25日(土)からの大阪公演の開幕を前に、2020年1月16日(木)東京都内某所にて公開稽古が行われました。

【公開稽古の様子】

稽古場では約二週間後に迫った公演開幕に向けて、全編英語上演という言葉の壁も超えた熱の入った出演者達の稽古が行われています。
公開稽古を始める前に、本作の演出・振付を務めるニック・ウィンストンさんより挨拶が。

ニック「この「チェス」という作品は、世界的に愛されている作品で、ベニー・アンダーソン、ビョルン・ウルヴァース、ティム・ライスによって作られました。今回はとても恵まれた事に素晴らしいキャスト達がいます。作品と同様にキャストは本当に掛け替えの無いもので、ましてや難解な英語をしっかりと学んで、それに伴った非常に複雑な振り付けも短期間で覚える等、本当に頑張っています。この素晴らしいカンパニーに恵まれて私達は本当に幸運だと思っています。本当に一生に一度しかないような貴重な経験になると思っています。」

続いて公開稽古へ。今回は劇中の第一幕で行われる4つのシーンを連続で公開する事に。

最初はアービター役の佐藤隆起さんとアンサンブルによる「The Story of CHESS」。

稽古ピアノな演奏に合わせるようにやや無機質な振付の群舞をするアンサンブルの中央から佐藤さんが登場。
アンサンブルと共に物語り冒頭、観客を「チェス」の世界へと引き込む美声が稽古場に流れます。

続いてはフローレンス役のサマンサ・バークスによる「Nobody ’s Side」。

『レ・ミゼラブル』上演25周年記念コンサートや同作の映画版でエボニーヌ役を務め、今回が初来日となる彼女の非常に伸びやかな歌声は目が覚めるほどの鮮やかさ。アンサンブルのコーラスと相まってパワフルなゴスペルの様です。

そして3曲目はルーク・ウォルシュが歌う「Pity the Child」。

9歳から聖歌隊で歌い始めブリットスクールではミュージカル演劇を専攻、卒業後プロとなり『We Will Rock You』『Rock of Ages』『アントニーとクレオパトラ』等、多様な作品に出演する彼がフレディ役でとてもシリアスな表情で歌う一曲。

稽古の中で熱が入っていき、チェスの駒を稽古場内に大きく響く程の勢いで投げるルーク。
その表情と悲痛な歌声からも公演に向ける意気込みが伝わります。

最後の4曲目はラミン・アナトリー役のカリムルーがアンサンブルと共に歌う「Anthem」。

アンサンブルが演じる多数の記者に囲まれるシーンですが、そこから静かに歌い始め段々とその抑揚を解き放っていく歌声は圧巻の一言。

約15分間に渡る4曲連続の公開稽古が終わると、ニック、ラミン、サマンサ、ルーク、佐藤さんが参加しての囲み取材が行われました。

【囲み取材の様子】

最初に各キャストからの挨拶が。

ラミン「また日本に帰って来る事が出来てとても嬉しいです。そしてこの素晴らしいカンパニーと一緒に出来る事が非常にありがたく思っています。そして演出家のニックの作品にも携わる事が出来るのもありがたいです。私はミュージカル、そして日本の大ファンですので是非、皆さんもこの素晴らしい作品を観にいらして下さい。」

サマンサ「私はラミンに色々と日本語を教えてもらっているので、日に日に上達しています。ずっと来たかった日本に来る事をとても楽しみにしていました。この作品に参加するという形ができた事も本当に嬉しく思っています。素晴らしいカンパニーで私達を凄く歓迎して下さっています。稽古場での作業もとっても楽しいものですので、みなさん、どうぞ是非御覧下さい。」

ルーク「サマンサと同じく私も日本に来るのは初めてです。本番をとても楽しみにしています。日本はロンドンと違ってとても”清潔”なので、そこも素晴らしい所です。「チェス」についてはラミンとサマンサの通り、本当に素晴らしいカンパニーだと思います。公開稽古の通り、皆素晴らしい声の持ち主です。ニックとは2度目の共演作となり、このような作品に呼んで頂いてニック、ありがとうございます。皆、良い作品を皆様にご提供出来る様に頑張っています。」

佐藤さん「皆さんの舞台上での声を最初に聴いた時に”奇跡だな”と思いましたね。世界の第一線で活躍している方々の歌声をこの日本で聞けるというのは、無いと思うので。僕のカタコトの日本語に対して皆さんは本当に優しく返してくれるんですね。そして本当に人柄が良いんです。素晴らしい方々に追いつけ追い越せの気持ちで日本人キャストもがんばっています。そしてアンサンブルの人達が頑張っている姿や歌声に僕もパワーを貰ったりして自分も本作を良い作品にしたいなと思っているので、皆さんに是非、この奇跡をこの日本でこのタイミングで観に来て頂きたいと思います。」

各国で確立された演出が無いというのは何故でしょうか。
また、今回の演出と振付に込めた狙いとはなんでしょう。

ニック「「チェス」はマイケル・ベネットの演出作として始まったんですが、残念ながらその製作の過程で彼は亡くなられ、そこからトレヴァー・ナンが後任となったんですが、マイケルは元々、とてもフィジカルな作品を作ろうとしていたのに対して、トレヴァーの演出というのはちょっとトーンが代わりまして、もっと知的な感じというか、動きに重きを置くのとは違う形で伝わってしまったんです。そういった経緯も有り、確固たる演出の形というのはできなかったのではないかなと思います。今回の私の演出・振付では、マイケル・ベネットが書き起こしたフィジカルな動きとフィジカルな言葉を皆さんにお伝え出来たらなと思っております。公開稽古の1曲目の「The Story of Chess」はこの作品のフィジカルな言葉という部分を体現するものだと思います。このナンバーは佐藤さんがコーラスのリーダーとしてキャストを紹介する曲です。」

取材陣を前に観客目線で4曲を披露した手応えの程はいかがでしょうか。

ルーク「初めての披露だったのでちょっと緊張しました。御覧頂いたのはまだ私の中で演技プランや歌をどの様に歌おうかという事を考えながら、作っていきますので、そのプロセスを御覧頂けたかと思います。このような形で皆さんに披露出来て良かったですし、とても良い経験でした。」

サマンサ「私も緊張しました。皆さんの前でこうして披露する事によってその良い緊張感も含めてとても良いプロセスだと思います。通常ですとゲネプロまで皆さんの前で披露するという事は無いので、この時点でそういった緊張感を味わえた事が良かったと思います。」

佐藤さん「緊張しましたね。このタイミングで良い緊張感を持った舞台に立たせて貰うのは本番に向けて凄く良い形になったなと思います。勿論、まだやれる事は沢山有るし、自分の中でも日々、進化していける様に頑張っていきたいと思います。今日は今の自分を一つ出せたかなと思っています。」

ラミン「皆とほぼ同じ意見なんですが、僕の場合はまだ稽古2日目なんですね。個人的な事を言いますと、私はお客様の前でパフォーマンスするのが大好きですので、こうして皆さんの前で披露する事によって一つの指標が出来たんじゃないかなと思っています。」

自身にとって「チェス」という作品への思いや印象をお願いします。

佐藤さん「まず曲がパワフルなものや繊細なものもあったり、曲を聞いているだけで凄くワクワクするのも、改めてこの稽古場に入って聞いていて思ったんですけども皆さん今日見て分かる通り振付が結構ついているんですね。ミュージカル「チェス」なんですけども、コンサート形式とは名ばかりで皆、目茶苦茶踊っているんですよ。本当に見ていて楽しいし、ストーリー的にも歴史の中で翻弄されていく恋愛模様も面白くて、全部を通して楽しんで頂けるものになっていると思うので、楽しみにしていて下さい。」

ラミン「隆紀がいった事に付け加えると、皆さんに共感して頂けると思うのは、この作品には複雑な時代の中心にラブストーリーが存在し、そこに素晴らしい音楽があり、それが皆さんが楽しんで頂ける要素なのではないかなと思います。」

ルーク「自分にとって、「チェス」を拝見するのは今回が初めてですので、こうして自分の足で立って経験出来るが素晴らしいなと思います。振り付けを含めてフィジカルなコンセプトが素晴らしく、そこに乗っかってくる歌、その歌の意味も今までは考えた事は無かったんですが、それも実際に劇中のコンテストの中で歌われているので、そういった意味でこの歌の意味も感じる事が出来て、複雑なこの時代の歴史や政治の話もあり、素晴らしい作品だなと思います。」

サマンサ「「チェス」はとっても音楽が面白くって、「これ、「チェス」のナンバーだったんだ…」と気付いたような曲もあったんですね。「I Know Him So Well」等は子供の頃から聞いていて大好きな作品でしたので。ここ何ヶ月は「One Night in Bangkok」にハマってしまいまして、家族が頭がおかしくなりそうな位、何回もかけています。コンサート形式でも素晴らしいのに、今日御覧頂いたような振り付けも有っての作品になるというのが、毎日毎日新しい発見があります。」

最後に来場者へのメッセージをお願いします。

ニック「是非観に来て頂きたいと思います。これだけの素晴らしい役者での「チェス」の公演は二度と無いかもしれませんので、是非御覧頂きたく思います。」

ルーク「私もエキサイトしています。これだけの役者の方々と共演出来るという事、そして梅田芸術劇場で作品を披露出来る事を楽しみにしています。そして何度も申しますが、アンサンブルが本当に素晴らしいんです。とてもとても良い作品になると思います。是非、ご覧下さい。」

ラミン「オオサカ・トウキョウ、キテクレテ、アリガトウゴザイマス。」

サマンサ「私共を呼んでくれて本当にありがとうございます。私も稽古場で皆のパフォーマンスを見ていても、既にビックリしていますので、全てが完成したら更に素晴らしい物になると思いますので、是非ご覧下さい。」

佐藤さん「最初に言った通り、これだけの役者が揃うのは奇跡に近いと思います。そして日本勢も頑張って世界で通用するようなステージを作って皆様をお待ちしておりますので皆さん是非、お越し下さい。」

日英ドリームキャストで贈るミュージカル『チェス』開幕までもうすぐです。

 

【ミュージカル『チェス』公演概要】

公式サイトはこちら

<公演期間>
大阪公演:2020年1月25日(土)~1月28日(火)
東京公演:2020円2月1日(土)~2月9日(日)

<会場>
大阪:梅田芸術劇場メインホール
東京:東京国際フォーラム ホールC

<公演時間>
未定
(英語上演・日本語字幕有り)

<料金>
S席13,500円 A席10,000円
B席7,000円※大阪のみ
U-25チケット 5,000円(25歳以下対象)※チケットぴあ、e+、ローソンにて販売中
(全席指定・税込)
※未就学児童入場不可

<セット・リスト>
The Story of Chess
Where I Want to be
The Arbiter
Nobody’s Side
Chess
Mountain Duet
Someone Else’s Story
Anthem
One Night in BangKok
Heaven Help My Heart
I Khow Him So Well
Pity the Child

(予定)

<出演者>
アナトリー:ラミン・カリムルー
フローレンス:サマンサ・バークス
フレディ:ルーク:ウォルシュ
アービター:佐藤隆起(LE VELVETS)
スヴェトラーナ:エリアンナ
モロコフ:増原英也

飯野めぐみ
伊藤広祥
大塚たかし
岡本華奈
柴原直樹
仙名立宗
染谷洸太
中井智彦
菜々香
二宮愛
則松亜海
原田真絢
武藤寛
森山大輔
綿引さやか
和田清香
(五十音順)

※河野陽介は一身上の都合により降板致します。これによる払い戻しは行いませんことご了承ください。
※都合によりキャストが変更になる場合があります

<STAFF>
作曲:ベニー・アンダーソン、ビョルン・ウルヴァース
原案・作詞:ティム・ライス
演出・振付:ニック・ウィンストン
音楽監督:島健
照明:ベン・クラックナル
音響:大野美由紀
映像:ダンカン・マクリーン
衣裳:DAISY石橋瑞枝
ヘアメイク:森哲也
演出助手:加藤由紀子
舞台監督:藤崎遊
大阪公演主催:梅田芸術劇場/ABCテレビ
東京公演主催:梅田芸術劇場
後援:WOWOW
企画・制作:梅田芸術劇場

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