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多様化するテーマパークのシーズナブルイベントを探る

テーマパークの醍醐味の一つとも言えるシーズナブルイベント。
その瞬間しか体験できない特別な催し物を目当てにテーマパークへ来園するゲストも多くいらっしゃいます。

秋のシーズナブルイベントと言えば、ハロウィーン。
今回はハロウィーンを起源からご紹介し、多様化するテーマパークのシーズナブルイベントがどのように進化したか、探って行きます。

ハロウィーンとは?

そもそも、ハロウィーンとは・・・?というところから触れて行きましょう。

1年間を11月1日~10月31日と定めていた古代では、新年の初日にあたる11月1日に悪い精霊や神が現れると言い伝えられており、日本でいう大みそかにあたる10月31日は、亡くなった人の魂が家族の元へ帰る、というお盆のような日でした。魂と言えども様々な種類があり、死者の魂のみならず、悪霊や魔女が舞い降りることも・・・。悪霊が家屋に侵入するのを防ぐために、玄関にかがり火を焚きました。そして、悪霊に仲間だと思わせるために悪霊のような仮装をし、仲間だと思わせることで身を守りました。

死者に関するこのような催しこそ、ハロウィーンの原型となった宗教的な秋のイベント、と言われています。

悪霊をだまし生きたことで長生きしたものの、寿命が尽きたにも関わらず呪いにより、天国へも地獄へも行けなくなった「ジャック」という人物が野菜の「カブ」を人の顔のようにくり抜き作ったランタンを持ち、街を永遠にさまよっている・・・という物語から生まれた「ジャック・オ・ランタン」。

ハロウィーンを大衆的なシーズンイベントにするに当たり、「カブ」よりも手に入りやすいものをくり抜きました。これが、街でこの時期によく見かける「かぼちゃ」をくり抜いた「ジャック・オ・ランタン」です。

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文化的なイベントは時とともに変化するもので、「ジャック・オ・ランタン」を持って、子供たちが悪霊の仮装をし、家屋を訪問する「トリック・オア・トリート」は上記物語の集大成とも言えるイベントでしょう。

テーマパークにてハロウィーンのシーズナブルイベントを行う前はハロウィーンといえば「ジャック・オ・ランタン」を持って「トリック・オア・トリート」を行うイベントが主流。それは、子どもたちを対象としたイベントでした。

日本のハロウィーンの起源はテーマパーク?

1997年に東京ディズニーランドにてスタートしたハロウィーンイベントによって、国内におけるハロウィーン文化が浸透し、変遷し始めます。

東京ディズニーランドのハロウィーンイベントは2000年に大きな転換期を迎えます。それまで仮装パーティを行うなど小規模なものでしたが、この年よりパレードがスタートし、クリスマス規模のイベントに進化。市民権を得ます。

2004年より、パーク内での大人むけの仮装が解禁され、パーク内におけるハロウィーン関連のエンターテインメントも大人向けのものに変化し始めます。ショーオリジナルキャラクターが登場し、話題の曲をDJやダンスでハロウィーンを楽しみました。

大人も楽しめるイベントへ

2008年ごろからはさらに大人も楽しめるように、ディズニーの悪役が多数登場したり、ロック調の音楽でノリノリなパレードなども開催しました。

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2008年、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでも有料の大人向けハロウィーンイベントがスタートしました。「ハロウィーン・ホラー・ナイト」、「ストリート・ゾンビ」として有名なゾンビがパークに初登場。この他にも、ホラー要素を極限まで高めた大人向け新アトラクションも毎年多数登場し、何回訪れても新鮮さがあるユニバーサル・スタジオ・ジャパンのハロウィーンが確立しました。

「チャッキー」のアトラクション

ハロウィーン期間のみという2ヶ月間の営業ながら、10近くの期間限定アトラクションを毎年運営するユニバーサル・スタジオ・ジャパン。この運営形態は他のどのテーマパークも真似できないレベルに達しています。

ハロウィーン×仮装ブームの確立

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの仮装に対する寛容さも特筆すべきかもしれませんが、仮装の話題作りがとってもうまいパークでもあり、数多くの施策を行いました。

a (5)『コスチューム・パーティ#仮装で熱狂』 妖怪ウォッチ・バージョンより

ゾンビ仮装をしたゲストがスリラーを一斉に踊るゾンビモブのみならず、人気キャラクターの仮装をしたゲストが多数集まるイベントをハロウィーン期間中、度々開催しました。

cc1『スペシャル・ゾンビ・モブ2015』より

3000名ほどの仮装ゲストによる「ハロウィーンといえばUSJ!」というコールで溢れかえるパークの映像はユニバーサル・スタジオ・ジャパンがハロウィーン文化の一時代を作り上げ、完成された瞬間と言えるでしょう。

大人ハロウィーン新時代へ

2018年、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンはハロウィーンの主題をホラーから転換しました。もちろん、これまでのホラーアトラクションや仮装というコンテンツを生かしながらではありますが、今年から新たなメインを務めるのは「大人ハロウィーン」。

2000年代後半からこれまで、ハロウィーンを楽しんで来たゲストは時代と共に歳を重ね、今まで以上に大人な落ち着いた世界観を求めるようになりました。これは、パークに訪れたゲストへのアンケートにより、導き出された結果とのことで、これまでとは異なる施策となりました。

今年はゾンビのムードも一変

ゲストが物語の一員となる没入型ホラーメイズアトラクション「ホテル・アルバート」は「大人ハロウィーン」のメインアトラクション。パークパスポートとは別料金ながら、チケットは早々に完売し、人気を博しました。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンだから可能な重厚なムードに包まれ、登場人物と共に各々が作り上げてゆく物語・・・これまでにない体験となりました。

「ホテル・アルバート」は体験後にラウンジスペースにてカクテルを楽しみながら、参加者各々が体験した物語を他の体験者と語ることでたくさんの新たな発見があります。体験後に感想を言い合うことで、より物語が深まるというこれまでにない全く新しいテーマパーク体験です。

「大人ハロウィーン」を体験し、ラジオでレポートした花奈澪

「大人ハロウィーン」はこれまで長く続いて来たパーク仮装へも新たな世界観を提供しました。
キャラクターにとらわれず、自分自身がアクセサリーやコスチュームでドレスアップし、ハロウィーンを体験。「ホテル・アルバート」のラウンジではマスク、グローブ、ヘッドドレス、アクセサリなど、多彩で本格的なドレスアップアイテムをレンタルでき、重厚なムードの中、撮影することができます。シックなホテル・アルバート・ラウンジで、ここだけの1枚を楽しみました。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンがスタートした「大人ハロウィーン」はアイテムを足すだけで、これまで以上に手軽に普段と違う自分を作り出すことができる素敵な取り組みと言えるでしょう。

時代に合わせて進化し続けているハロウィーン。
子ども向けイベントから大人も楽しめるイベントに、さらに、ゴージャスな展開も。

常に時代の最先端を進み、時代を切り開いて来たテーマパークのハロウィーン。
今年は大きな転換期となりましたが、今後の展開にも要注目です。

 

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