カントリーベア・シアターを探る~西部開拓時代の建築~
今回より、にらさんによるカントリーベア・シアターの連載がスタートします。
第一回はウエスタンランドから、カントリーベア・シアターの生まれた時代と当時の建築模様を探ります。
西部開拓時代のアメリカを再現した東京ディズニーランドのテーマランド、ウエスタンランド。
ここから一望できるアメリカ河は”Rivers of America”と表記されるように、アメリカに流れるあらゆる河を意味しています。
トムソーヤ島へ向かうときに渡る河はもちろんミシシッピ河、また、ラッキーナゲット・カフェからのぞむアメリカ河は、1848年に金塊が発見されたまさにアメリカ河といえるでしょう。
また、西部開拓時代に大活躍したデイビー・クロケットの舞台はアーカンソー河でした。
そのデイビー・クロケットとマイク・フィンクがキールボートの競争をしたのはオハイオ河といわれています。
このように様々な表情をもつアメリカ河があるウエスタンランド、そして隣のアドベンチャーランドは、開拓者精神が消えることなく、国外の未開拓地での冒険に憧れ、地球を離れたフロンティアに夢を馳せることを体現した場所です。
このような1770年代~1880年代のフロンティアスピリットが息づき、カウボーイや鉱員たちであふれる西部開拓時代の辺境地の一角に位置するカントリーベア・シアターは、松の木の生い茂ったノースウッドにある劇場の雰囲気を持ちます。
グリズリーホールとして知られるこの建物の外観は、石や丸太で作られたログハウス風になっていますが、このような建物はアメリカ北部の森林地帯やカナダ全土に見られます。
ウエスタンランドの建物のほとんどは、地面から一段高くなったボードウォークが設けられており、このグリズリーホールにもそれが配されています。
これは当時、女性のスカートを埃や泥から守るため、古き良き西部の町になくてはならないものでした。
また、西部開拓時代には木彫りが大流行しており、その反映ともいえるようなクマの木彫りが入口の両脇の柱に施されています。
この柱の他にも木彫りの装飾は散見されます。例えば、アトラクションのメインマーキーには喜劇、悲劇の面のクマバージョンが用いられていますが、ホール正面の二階部分にその木彫り、さらにそこにカントリーベア・バンドのリーダーで、ショーの司会も務めるヘンリーの木彫りも見られます。
【寄稿者情報】
にら さん
好きなキャラクターはアライグマのサミー。ディズニーのイマジネーション溢れる世界を見る彼女の視点には定評がある。
連載カントリーベア・シアターを探る、次回以降もご期待ください。
Twitter:@bbneelah