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トニー賞10冠、かつての敵国で迷子になった警察音楽隊のとある一夜の物語 ミュージカル『バンズ・ヴィジット』間もなく開幕

2018年米国トニー賞で、ノミネートされた11部門のうち、『アナと雪の女王』などを抑え、
作品賞を含む10部門を独占した異例の傑作『バンズ・ヴィジット』。
2007年のイスラエル映画「迷子の警察音楽隊」が原作。コンサート出演のためにイスラエルに来た
エジプトの警察音楽隊が空港から間違った行き先へのバスに乗ってしまい、小さな街に迷い込む。
そこで繰り広げられる音楽隊メンバーたちと村人たちとの心の交流を描いたミュージカル。
ブロードウェイの願いが託された秀作が、森新太郎の演出で遂に上演されます。

2022年5月の上演発表から約9ヶ月、2023年2月6日(月)に東京都千代田区の日生劇場にて
公開舞台稽古、囲み取材と公開ゲネプロが行われました。

【囲み取材の様子】

舞台上にて囲み取材には、トゥフィーク役の風間杜夫さん、ディナ役の濱田めぐみさん、
カーレド役の新納慎也さん、電話男役のこがけんさんの4名が登壇。
主催者や報道陣との質疑応答がなされました。

Q:明日初日を迎える今の心境と意気込みは?

風間さん「去年の12月から2か月に渡って稽古を重ねて来まして、私は大変ワクワクしています。
一時も早くお客様の前で演じたいという緊張感もありますが、初日の幕が開く事を楽しみにしております。」
濱田さん「漸く初日という事で、皆で一丸となってお稽古を進めてまいりました。
素敵な作品に仕上がっておりますので、是非劇場で楽しんで頂ければと思います。」
新納さん「いまちょっと世界中で色々戦争であったりコロナ禍であったりするんですけど、
この作品の持つ、平和を願う気持ちというのが、今、正に上演すべき作品だと思います。
いままで日本のお客様が如何いう風に受け止めて下さるのかとても楽しみにしておりますので、
是非、劇場にいらして下さればと思います。」
こがけんさん「兎に角、稽古をさせてもらって、芸人を始めてからこんなに同じ物を練習するという事が無かったので、
流石に僕、「飽きるかな?」と思ったんですけどメチャクチャ面白くて、最終的にドレスリハーサルの日が有ったんですけど、
僕、感極まって回転盆の上で座って流れて移動している時に泣いてしまって、自分で泣いたのを隠しながら
演技をする程込み上げちゃって。その位に作品が面白くて。「迷子の音楽警察隊」ですけども、
演技で迷子にならなければ良いなと思っています。」

Q:日本版の演出での見所は?

風間さん「エジプトとイスラエルの国の話なんですが、お互いに言語が違いますから、
ブロードウェイでやる時は共通言語として英語をお互いが意思の疎通で使う訳ですけども、
そのたどたどしい英語という部分が今回、日本語になっている訳で、そこから起きる笑いとか、
何とか必死に相手に自分の気持ちを伝えようとか、そういう思いも大きくなってくる。
そこも一つの演出だと僕は思っています。あとはどう見てもイスラエル人やエジプト人には
見えないんですけども、こういう文化の違う国が言葉を越えて立った一晩触れ合うという、
情と言いますか、心の繋がりみたいなものは我々日本人でもよく理解出来るし、
そこはもう、日本という国で育った僕等の感覚でこれを演じてみたいと僕自身はそう思っております。」

濱田さん「私はベイト・ハティクヴァという凄く田舎町に住んでいる女性の役なんですけども、
そこに流れているのんびりした時間とエジプトからやって来た警察音楽隊の方の時間の流れが、
言語は去ることながら、その空間で生活している人々の時の流れというのを、
森さんが細かく演出していただきました。」

新納さん「先ずはこの真っ赤なセットに僕もちょっと驚きました。この凄く衝撃的なセットの中で
とてもとても繊細な物語が繰り広げられるんですけど、演出の森さんがとても繊細に
ちょっとした事を細かく演出された2か月だったんですけど、こういう事こそ、
一番日本人の心の琴線に触れるというか、そういう部分だと思います。とても衝撃的な背景の中で
繊細な物語が行われているというのが正に世界の中で人々が日常を暮らしているというのを
表現しているんじゃないかなと思いますので、その辺を感じ取っていただければと思います。」

こがけんさん「エジプトとイスラエルという国があって、表向きには政治的に友好国なんですけど、
だけどちょっと緊張状態にあると、一番最初に演出家の森さんが講義をして下さって、
最初の講義がしっかりとあったからそれがベースになって来たというのが凄く大きくて、
本当にあらゆる可能性を試して一つに絞っていくというやり方なんですよ。
僕が一番最初の稽古の時は、一週間おき位にしか稽古に出れなくて。最初の1週間の時にいったら
「こういう言い回しに変えましょう」と、台本が色々と変わるんですよ。その1週間後に行ったら
台本が一番最初の状態に戻っているというね。あらゆる可能性を試した上で一旦戻るという事も
それも森さんの持ち味というか。文句を言っている訳じゃないですよ。
あらゆる可能性を試していて凄いんですよ。僕は意見とか何も無く、自分は”そういう箱”だと思って
全部吸収して兎に角、演技をしておりますので頑張ります。」

Q:異国情緒あふれるサウンドの生演奏に合せた歌唱の難しさや本作の音楽的な魅力は?

風間さん「私は今回、1曲しか歌っておりませんけども、アラビア語のアカペラです。
濱田さんの歌に合わさっていく、あそこは大変難しい歌い所でしかも後ろにバンドの皆さんもいらっしゃる。
大変苦労をしています。ただ、この1曲に全ての魂を籠めて歌ます。ご質問の主旨から外れておりますが、
こがけんさんもそうですけど、音楽的にセンスの溢れる歌唱力のある御三人ですから、私は負けない様に
しがみついているという状態です。」

濱田さん「稽古場で初めて楽隊の方々が音を奏でて下さって、それにのせて歌った時とか、
その音色を聞いた時に皆から拍手が巻き起こったんですよ。皆さんがゲネプロを観て思う印象と同じものを
我々も稽古場でうけて、その楽器が奏でる音色のロマンチックでノスタルジックな感じとか、
凄くエモーショナルな感じというのが、私とかが歌う曲のメロディラインも細かく入っているんですが
物凄く細かくて難しくて、これは今までやった演目の中でもトップクラスに稽古を重ねて重ねて、
という位のメロディの難しさだったんですけれども、それの全てが合わさってお届け出来る音色というのは
やっぱり素晴らしいものがありますし、目の前にオーケストラさんが居なくてやるというのは、
呼吸を合わせてやるという事ですので、意志の疎通というかそういうのが凄く大事になるので、
より親密に近くに寄り添いながらおけいこをしていたというイメージがありますね。
一言で言うと、楽曲は素晴らしくジーンと来るんですけど、歌い手側は物凄く難易度が高いという印象が有ります。」

新納さん「僕がこの作品をブロードウェイで初めて見た時に何という楽曲の素晴らしさだろうって思いまして、
ミュージカルでは聞いた事の無い中東の音楽にすっかり心を奪われて、そしてなんか凄く癒されたんですね。
これは僕が日本人だからなのかもしれないですけど、とても中東の音楽って日本人に合う気がしていて、
兎に角、今までのミュージカルには無い素晴らしさだという事を上手に書いていただきたいです。
そしてミュージシャンの方々が音楽に詳しい方は分かると思うんですけども、日本の音楽業界の中でも
「この人達を集めた!」という、飛び上がる位の鬼才揃いなんです。その方々の生演奏の中に
混じって演奏する僕の気持ちにもなってくれ、と書いておいて下さい。」

こがけんさん「見ものですよね。あのシーンはね。僕は濱田さんと同じで、最初にこの音楽を聴いた時は本当に感動して。
一番最初にこの『バンズ・ヴィジット』のお話をいただいた時に海外のサントラを聞いたんですけど、
めちゃくちゃカッコ良くて。中東の音楽に現代のアレンジですよね。そのアレンジもカッコ良くて
夢中になって聞いていたんですけども、この演奏を聴くだけでも絶対に元をとれるんですよ。
演奏を聴くだけでも元をとれて、ストーリーの中身も演技も素晴らしい。こんなにコスパの高い芝居は無いです。
だから是非観に来て欲しいです。」

最後に来場者へのメッセージを。

風間さん「今、御三方が言った通りで、国も宗教も文化も違う、遠い隣の国のイスラエルとエジプトのお話ですが、
たった一晩の二つの民族が心を許し合い溶け合うさり気ないお話です。それがたった一晩の出会いなんですけど、
大変別れが切ない。出会いと別れの切なさと言いますか、そこにもってきて一流のミュージシャンの生バンドによる演奏。
こんな贅沢な芝居は無いと思います。一人でも多くの人にこの芝居を観客席で楽しんで頂けたらと願っております。」

【あらすじ】

エジプトのアレクサンドリア警察音楽隊が、イスラエルの空港に到着した。
彼らはペタハ・ティクヴァのアラブ文化センターで演奏するようにと招かれたのだった。
しかし手違いからか、いくら待っても迎えが来ない。
誇り高い楽隊長のトゥフィーク(風間杜夫)は自力で目的地に行こうとするが、
若い楽隊員のカーレド(新納慎也)が聞き間違えたのか案内係が聞き間違えたのか、
彼らの乗ったバスは、目的地と一字違いのベイト・ハティクヴァという辺境の街に到着してしまう。

一行は街の食堂を訪れるが、もうその日はバスがないという。演奏会は翌日の夕方。
食堂の女主人ディナ(濱田めぐみ)は、どこよりも退屈なこの街にはホテルもないので、
自分の家と常連客イツィク(矢崎広)の家、従業員パピ(永田崇人)と店に分散して泊まるよう勧める。
トゥフィークとカーレドはディナの家に案内される。部屋でくつろいだ後、
トゥフィークはディナの誘いで街をみて廻ることにする。
レストランに入った二人は、 音楽について語り合い、少しずつ打ち解けるが、
ディナと関係を持つサミー(渡辺大輔)と彼の妻(友部柚里)が現れると、ぎこちない空気になる。

トゥフィークの筆頭部下のシモン(中平良夫)とカマール(太田惠資)は、イツィクの家に招かれる。
義父のアヴラム(岸祐二)は共に食卓を囲んでもてなすが、イツィクの妻イリス(エリアンナ)は、
誕生日に見知らぬ人たちを連れてきた夫に不満が募る。
おとなしい楽隊員を前に話は弾まないが、話題が音楽のことに向くと、ようやく場がなごんで来る。

カーレドは外に出ると、店の前で待ち合わせをしているパピに出くわす。
パピは、友人ツェルゲル(青柳塁斗)とその彼女アナ(高田実那)に紹介されて、
ジュリア(山崎薫)と四人でデートをするのだ。カーレドは嫌がるパピに頼み込んで、一緒に街に連れ出してもらう。
警備員(辰巳智秋)にすごまれながらも、スケート場で遊びはじめる五人だが、
女性に慣れていないパピは、 ジュリアを泣かせてしまう。
カーレドはパピの指南役となり、手取り足取り彼女を慰めさせる。
公衆電話の前では、彼女からの連絡をひたすら待ち続ける電話男(こがけん)が立っている。
店の外では、楽隊員たち(梅津和時、星衛、常味裕司、立岩潤三)が、思い思いに音楽を奏でている。
言葉も文化も異なる隣国の人間達が交わる一夜が、更けていく。

迷子になった警察音楽隊は、果たして演奏会に間に合うのだろうか?

【ミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』公演概要】

公式サイトはこちら

<公演期間>
東京公演:2023年2月7日(火)~2月23日(木・祝)
大阪公演:2023年3月6日(月)~3月8日(水)
愛知公演:2023年3月11日(土)・12日(日)

<会場>
東京:日生劇場
大阪:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
愛知:刈谷市総合文化センター大ホール

<上演時間>
約1時間40分(途中休憩無し)

<料金>
東京:
S席13,000円 A席8,000円 B席5,000円
Yシート2,000円 ※20歳以下対象・当日引換券・要証明書・10月24日より枚数限定販売
(全席指定・税込)
※B席の販売は一般発売からとなります。
※未就学児入場不可
本公演のチケットは主催者の同意のない有償譲渡が禁止されています。
※やむを得ない事情により、出演者並びにスケジュールが変更になる可能性がございます。予めご了承ください。
※公演中止の場合を除き、払い戻し、他公演へのお振替はいたしかねます。ご了承のうえ、お申込みください。

「東京公演座席表」

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『チケット発売』
好評発売中

「問い合わせ」
東京:ホリプロチケットセンター 03-3490-4949 受付11:00~18:00(平日)/定休日(土・日・祝)
大阪:梅田芸術劇場 06-6377-3888(10:00~18:00)
愛知:メ~テレ事業 052-331-9966(平日10:00~18:00)

<出演者>
トゥフィーク(指揮者):風間杜夫
ディナ:濱田めぐみ

カーレド(トランペット):新納慎也
イツィク:矢崎広
サミー:渡辺大輔

パピ:永田崇人
イリス:エリアンナ
ツェルゲル:青柳塁斗

シモン(クラリネット):中平良夫
電話男:こがけん
アヴラム:岸祐二

警備員:辰巳智秋
ジュリア:山崎薫
アナ:高田実那
サミーの妻:友部柚里

カマール(バイオリン):太田惠資
警察音楽隊(マルチリード):梅津和時
警察音楽隊(チェロ):星衛
警察音楽隊(ウード):常味裕司
警察音楽隊(ダルブッカ):立岩潤三

竹内大樹(スウィング)
若泉亮(スウィング)

<STAFF>
原作:エラン・コリリンによる映画脚本
音楽・作詞:デヴィッド・ヤズベック
台本:イタマール・モーゼス
翻訳:常田景子
訳詞:高橋亜子
演出:森新太郎
音楽監督:阿部海太郎
美術:堀尾幸男
照明:佐藤啓
音響:井上正弘、けんのき敦
衣裳:西原梨恵
ヘアメイク:鎌田直樹
振付:新海絵理子
歌唱指導:石川早苗
稽古ピアノ:安藤菜々子
演出助手:伴・眞里子
舞台監督:小笠原幹夫
東京公演主催:ホリプロ/TOKYO FM/WOWOW
大阪公演主催:梅田芸術劇場
愛知公演主催:メ~テレ/メ~テレ事業
東京公演後援:イスラエル大使館
企画制作:ホリプロ

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