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明治座創業150周年を迎える2023年に2カ月連続歌舞伎を上演 4月『壽祝桜四月大歌舞伎 』5月『市川猿之助奮闘歌舞伎公演』

明治座は、1873(明治6)年の創業以来、多くのお客様にご来場をいただき、2023年4月28日に
創業150周年を迎えることとなりました。この150年の歴史の中で、幾度となく災厄や
困難に見舞われながらも今日まで上演を続けられましたのは、ひとえにいつの時代も支えてくださった、
皆様のお陰と感謝申し上げます。明治座が創業150周年を迎える2023年は4月、5月の
2カ月連続で歌舞伎を上演いたします。主な出演者と演目が決定しましたのでご案内申し上げます。

4月は中村梅玉、中村又五郎、中村芝翫、片岡孝太郎、松本幸四郎、片岡愛之助という
豪華な顔合わせによる明治座創業百五十周年記念『壽祝桜四月大歌舞伎』をお贈りします。
名優たちの織りなす至極の芸にご期待ください。昼の部は、義太夫狂言の三大名作の一つ
『義経千本桜 鳥居前』、酒豪同士の飲み比べや問答が壮快な『大杯觴酒戦強者』、
江戸の風情溢れる舞踊『お祭り』と、祝祭感溢れる多彩な演目でお届けします。
夜の部は打ってかわって、四世鶴屋南北の傑作『絵本合法衢』を通しで上演し、
悪の魅力を存分にお楽しみいただきます。
5月の明治座創業百五十周年記念『市川猿之助奮闘歌舞伎公演』では市川猿之助を中心とした
俳優陣による熱演をお届けします。昼の部の『不死鳥よ 波濤を越えて―平家物語異聞―』は
平家の名将・平知盛が海を渡り中国大陸に落ち延びたという設定で描かれる壮大なスケールの
スペクタクルロマンです。夜の部の『御贔屓繫馬』は昭和59年4月に明治座で初演され人気を博した
奇想天外なみどころに溢れる作品です。昼夜公演とも猿之助が宙乗りを勤めます。
明治座の創業150周年を記念するにふさわしい、スペシャルな歌舞伎の連続公演にご期待ください。

【演目解説】

4月

『明治座創業百五十周年記念『壽祝桜四月大歌舞伎』(ことぶきしゅくおうしがつおおかぶき)』
出演:中村梅玉、中村又五郎、中村芝翫、片岡孝太郎、松本幸四郎、片岡愛之助ほか

「─昼の部─」

「義経千本桜 鳥居前」(一幕)
兄頼朝から謀反の疑いをかけられ都落ちしようとする源義経のもとに、
愛妾の静御前がやってきます。義経は静の同道を許さず、代わりに“初音の鼓”を自らの形見にと預けます。
一人残され追手に捕らわれそうになった静は、家臣の佐藤忠信に助けられます。
その働きを見て義経は、忠信に静の守護を託し、西国へと落ち延びてゆきます。
静に付き従う忠信はどこか不思議な雰囲気を漂わせるのでした。
義太夫狂言の三大名作の一つ『義経千本桜』より、様式美に満ちた一幕をご覧いただきます。

河竹黙阿弥作「大杯觴酒戦強者 (おおさかづきしゅせんのつわもの)」(二幕)

内藤家足軽部屋の場
同書院酒宴の場
足軽の原才助は内藤紀伊守に仕え、大の酒好きでいつも昼間から酔っ払っています。
そんな才助はある日、紀伊守から、酒豪で有名な井伊掃部頭直孝の酒の相手をするように言いつけられます。
二人は飲み比べをし、才助の飲みっぷりのよさに直孝も機嫌がよくなります。才助は酔うままに
戦場の物語をはじめますが、その正体を武田の旧臣馬場三郎兵衛であると見破られて…。
河竹黙阿弥が初世市川左團次の為に書いた、酒を主題にした痛快な内容で、
明治座の太夫元であった初世左團次にゆかりの深い作品をお楽しみください。

「流れは絶えず明治座の百五十年を壽いで」

お祭り

日枝神社の祭礼「山王祭」に浮き立つ中へ、いなせな鳶頭がやってきます。
ほろ酔い機嫌の鳶頭は、祭りの若い衆とも絡みながら、派手に踊って見せます。
江戸の大祭を題材にした清元の舞踊です。江戸の活気と粋で、華やかな風情あふれる一幕をご堪能ください。

「─夜の部─」
四世鶴屋南北作 通し狂言「絵本合法衢 (えほんがっぽうがつじ)」「立場の太平次」四幕

大名多賀家の一門・左枝大学之助は本家横領を企み、家の重宝・霊亀の香炉を盗み取ります。
悪事を重ねる大学之助を諫めた重臣高橋瀬左衛門をも騙し討ちにし、駆けつけた瀬左衛門の弟弥十郎に、
遺恨のあった軍蔵が瀬左衛門を殺したと平然と嘘を語る大学之助。しかし弥十郎は、
大学之助の様子に不審をいだきます。そんな折、霊亀の香炉がふとしたことで瀬左衛門の実弟、
道具屋与兵衛の手に入ります。大学之助配下の立場の太平次は、蛇遣いのうんざりお松の力を借りて
香炉を奪い取ろうとしますが、企みは失敗。与兵衛は、許嫁のお亀とともに香炉を携え、
兄の敵討ちに旅立ちます。一方、太平次は、煩わしいお松も手にかけ、大学之助と次々と悪事の限りを尽くし…。
大学之助と太平次という冷酷な二人の悪人を主人公に据えて悪の魅力を存分に描く、
四世鶴屋南北ならではの仇討狂言の傑作です。

5月

『明治座創業百五十周年記念『市川猿之助奮闘歌舞伎公演』』
出演:市川猿之助、ほか

「─昼の部─」
植田紳爾作
藤間勘十郎演出・振付
市川猿之助演出

「歌舞伎スペクタクル 不死鳥よ 波濤を越えて―平家物語異聞―」
文治元年の春遅く、平家が壇ノ浦の戦いで滅び去ってから早ふた月。
仮内裏として栄えた屋島も見る影もなく廃虚と化しています。
そこで見果てぬ悪夢にうなされながら目を覚ましたのは、新中納言平知盛。
知盛は壇ノ浦の合戦の最中、落命寸前のところを宋の水軍の将、楊乾竜に助けられ、
密かに一命をつないでいました。乾竜は名将として知られた知盛を宋に連れていくことを画策し、
迫りくる源氏の追手から逃れようやく唐戸の浜まで辿り着きました。
そこで、深く心を通わせた若狭と再開できたのですが、漸く現れた宋の船には女人禁制の掟。
知盛は大いに苦悩すると、若狭は美しい姿で舞い始め…。
昭和五十四年二月に梅田コマ劇場で、植田紳爾作・演出、三代目市川猿之助(現市川猿翁)主演で
初演されました。壇ノ浦の戦いで戦死したとされる平知盛が海を渡り、幻の都ローランに落ち延びたという
大胆な設定と、歌舞伎に歌劇の演出が盛り込まれた“歌舞伎レビュー”として「壮大なスペクタルロマン」が
大きな話題を呼びました。今回、歌舞伎作品としては四十四年振りの上演で、伝説の「不死鳥」が色鮮やかに蘇ります。

「─夜の部─」
四世鶴屋南北作
奈河彰輔脚本
市川猿翁脚本・演出
石川耕士補綴・演出
市川猿之助演出

「三代猿之助四十八撰の内 御贔屓繫馬 (ごひいきつなぎうま) 大喜利所作事 蜘蛛の絲宿直噺 (くものいとおよづめばなし)市川猿之助六変化相勤め申し候」
承平・天慶の乱に敗れた平将門の遺児、相馬太郎良門は父の遺志を継いで天下を望みましたが、
敢えなく病死しました。平将門の娘滝夜叉姫は、兄良門の亡骸を火葬するため市原野にやってくると、
千年生きる女郎蜘蛛の生き血を注ぐといかなる死者も生き返らせることのできる
源氏の重宝があることを知りました。また、この重宝は辰の年月日揃った生まれの者が持つと、
妖術が自在に使えるといいます。兄を蘇生させたい一心の滝夜叉は重宝を巡って争ううちに
殺されてしまいますが、早桶の中から全身火の粉を吹き、髪を振り乱した姿の良門が蘇生し…。
『御贔屓繫馬』は、四世鶴屋南北の原作を三代目市川猿之助(現市川猿翁)と奈河彰輔が筆を執り、
昭和五十九年四月に明治座で初演し、大評判を呼びました。今回は更に工夫を加え、
物語を洗い直し凝縮した形でお届け致します。大喜利所作事『蜘蛛の絲宿直噺』では猿之助が
女童、小姓、番頭新造、太鼓持、傾城、女蜘蛛の精の六役を早変わりで踊り分け、華やかな雰囲気に溢れ、
“奮闘公演”に相応しい変化舞踊を披露します。三代猿之助四十八撰の中でも、特に明治座にゆかりのある大作にご期待ください。

【主な出演者プロフィール】

『4月』
中村梅玉:六世中村歌右衛門の養子となり、1956年1月歌舞伎座『蜘蛛の拍子舞』の福才で
加賀屋福之助を名のり初舞台。67年4・5月歌舞伎座『絵本太功記』の十次郎と『吉野川』の
久我之助(こがのすけ)で八代目中村福助を襲名。92年4月歌舞伎座『金閣寺』の此下東吉と
『伊勢音頭』の貢で四代目中村梅玉を襲名。

中村又五郎:四世中村歌六の次男。祖父は三世中村時蔵。兄は中村歌六、いとこに中村時蔵、
中村錦之助、中村獅童がいる。1964年7月歌舞伎座『偲草姿錦絵』の『忠臣蔵』八段目の奴ほかで
中村光輝を名のり初舞台。81年名題適任証を受ける。同年6月歌舞伎座『船弁慶』の静御前・知盛の霊などで
三代目中村歌昇を襲名。2011年9月新橋演舞場『菅原伝授手習鑑』寺子屋の武部源蔵、
『菅原伝授手習鑑』車引の梅王丸などで三代目中村又五郎を襲名。

中村芝翫:七世中村芝翫の次男。1970年5月国立劇場『柳影沢蛍火』の吉松君で中村幸二の名で初舞台。
80年4月歌舞伎座『沓手鳥孤城落月(ほととぎすこじょうのらくげつ)』の裸武者石川銀八ほかで
三代目中村橋之助を襲名。86年名題適任証取得。2016年10・11月歌舞伎座で八代目中村芝翫を襲名。

片岡孝太郎:片岡仁左衛門の長男。長男は片岡千之助。1973年7月歌舞伎座『夏祭浪花鑑』の
団七伜市松で片岡孝太郎を名のり初舞台。94年名題昇進。

松本幸四郎:松本白鸚の長男。1979年3月歌舞伎座『侠客春雨傘』で三代目松本金太郎を名のり初舞台。
81年10・11月、歌舞伎座『忠臣蔵』七段目の大星力弥ほかで七代目市川染五郎を襲名。
94年4月歌舞伎座にて名題昇進。2018年1・2月歌舞伎座で十代目松本幸四郎を襲名。
舞踊の松本流家元を兼ねる。

片岡愛之助:1981年12月、十三代目片岡仁左衛門の部屋子となり、南座『勧進帳』の太刀持で
片岡千代丸を名のり初舞台。92年1月、片岡秀太郎の養子となり、大阪・中座『勧進帳』の駿河次郎ほかで
六代目片岡愛之助を襲名。94年名題昇進。2008年12月上方舞・楳茂都(うめもと)流の
四代目家元を継承し三代目楳茂都扇性(せんしょう)を襲名。

市川猿之助:市川段四郎の長男。1980年7月歌舞伎座『義経千本桜』の安徳帝で初お目見得。
83年7月歌舞伎座『御目見得太功記』の禿(かむろ)たよりで二代目市川亀治郎を名のり初舞台。
98年7月歌舞伎座『義経千本桜』のお里で名題昇進。2012年6・7月新橋演舞場『義経千本桜』
川連法眼館の忠信実は源九郎狐、『ヤマトタケル』のヤマトタケルなどで四代目市川猿之助を襲名。

【明治座近年の歌舞伎公演】

平成2年(1990):劇場建て替えのため興行休演
平成5年(1993):新・明治座開場、『三月大歌舞伎』※新築完成記念柿葺落公演、『四月大歌舞伎』※新築完成記念柿葺落公演
平成6年(1994):『二月大歌舞伎』
平成7年(1995) :『六月大歌舞伎』
平成23年(2011):『明治座 五月花形歌舞伎』※16年ぶりの歌舞伎公演
平成24年(2012):『明治座 十一月花形歌舞伎』
平成25年(2013):『明治座 五月花形歌舞伎』、『明治座 十一月花形歌舞伎』
平成26年(2014):『明治座 五月花形歌舞伎』、市川猿之助奮闘連続公演『明治座 十一月花形歌舞伎』
平成27年(2015)『明治座 五月花形歌舞伎』
平成28年(2016)『明治座 四月花形歌舞伎』
平成29年(2017)『明治座 五月花形歌舞伎』
※令和2年(2020)の『明治座 三月花形歌舞伎』は新型コロナウイルスの影響で全公演中止。

【明治座創業百五十周年記念『壽祝桜四月大歌舞伎』公演概要】

明治座の公式サイトはこちら

<公演期間>
2023年4月8日(土)~4月25日(火)

<会場>
明治座

<上演時間>
未定
開演時間(予定):昼の部11:00/夜の部16:00

<料金>
一等席(1階席/2階席正面) 15,000円
二等席(2階席左右) 7,500円
三等A席(3階席正面) 5,000円
三等B席(3階席左右) 3,000円
(税込)
※未就学児童入場不可。

「問い合わせ」
チケットに関する問い合わせ:明治座チケットセンター 03-3666-6666(10:00~17:00)◎10名様以上のグループ観劇予約 03-3660-3941(明治座営業部)
公演に関する問い合わせ:株式会社 明治座 宣伝部:03-3660-3926

<出演者>
中村梅玉
中村又五郎
中村芝翫
片岡孝太郎
松本幸四郎
片岡愛之助
ほか

<STAFF>
製作:松竹株式会社
主催:株式会社明治座

【明治座創業百五十周年記念『市川猿之助奮闘歌舞伎公演』公演概要】

明治座の公式サイトはこちら

<公演期間>
2023年5月3日(水・祝)~5月28日(日)

<会場>
明治座

<料金>
一等席(1階席/2階席正面) 15,000円
二等席(2階席左右) 7,500円
三等A席(3階席正面) 5,000円
三等B席(3階席左右) 3,000円
(税込)
※未就学児入場不可。

「問い合わせ」
チケットに関する問い合わせ:明治座チケットセンター 03-3666-6666(10:00~17:00)◎10名様以上のグループ観劇予約 03-3660-3941(明治座営業部)
公演に関する問い合わせ:株式会社 明治座 宣伝部:03-3660-3926

<出演者>
市川猿之助
ほか

<STAFF>
製作:松竹株式会社
主催:株式会社明治座

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