世界のエンターテイメントの“今”をお届け!

尾上菊之助、中村獅童、尾上松也登壇 2023年3月~4月上演 木下グループ presents『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』製作発表会見開催

2023年3月4日(土)より、東京都江東区のIHIステージアラウンド東京(豊洲)にて、
「ファイナルファンタジー」シリーズ35周年を記念して、木下グループ presents『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』
(以下、新作歌舞伎 FFⅩ)が上演されます。
尾上菊之助はこれまでも「NINAGAWA 十二夜」「マハーバーラタ戦記」「風の谷のナウシカ」など
自身の企画、構想などから新しい歌舞伎の舞台を創り出してきました。この作品は菊之助が
更なる高みに挑戦すべく歌舞伎化を熱望しました渾身の新作歌舞伎となっています。
2001年に「ファイナルファンタジーシリーズの第10弾として、北瀬佳範プロデュースにより
発売された『ファイナルファンタジーX』(以下、FFⅩ)。続編を含め世界累計出荷・DL販売本数は、
2,110万本以上(2022年3月末時点)のシリーズ屈指の人気タイトル。
大いなる脅威『シン』に立ち向かう少年と少女の切ない物語が、シリーズで初めて採用された
キャラクターボイスや状況に応じて表情が変化するフェイシャルアニメーションの採用により感情豊かに描かれ、
その感動的な物語は今なお多くのゲームユーザーに愛され続けています。
その不朽の名作ゲーム『FFⅩ』の世界観を、アジア初の没入型エンタテインメント劇場にて世界初上演。
会場のIHIステージアラウンド東京では、周囲を取り囲む360度全てに展開されるステージと、
その中心に巨大な円形の観客席を配置し、巨大なお盆に乗った観客席自体が回転しながら、
舞台、映像、音楽、照明など画期的な方法で融合することで、他では決して味わえない
刺激的な新しいエンターテイメント体験ができ、超巨大スクリーンに映し出される
『FFⅩ』の圧倒的な映像世界に没入できるのも大きな魅力となっています。

記念すべき初上演の出演者は、歌舞伎の舞台のみならず、ドラマ『グランメゾン東京』
『下町ロケット』などで活躍する尾上菊之助をはじめ、映画やドラマなど出演は多岐にわたり、
近年ではバーチャル×歌舞伎という両者の世界観が見事に融合する「超歌舞伎」など
新しい形の歌舞伎にも挑戦し続けている中村獅童、歌舞伎界期待の若手俳優で、
ドラマ・ミュージカル・バラエティーなど、様々な場でマルチな活躍をみせる尾上松也、
端正な美貌と気品ただよう立ち姿で様々な役柄を演じ分け、観るものを魅了し続ける中村錦之助、
NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で小栗旬演じる北条義時の父・北条時政を熱演中の坂東彌十郎、
そして、立役から敵役、老役と幅広い芸域を持ち、2018年には紫綬褒章も受章した中村歌六と
魅力溢れる豪華な顔ぶれとなっております。
そして、脚本は連続テレビ小説『おちょやん』(NHK)、『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日)など
心温まる人情ドラマから重厚な人間ドラマまで多くの大ヒットドラマを手掛けている八津弘幸。
共同演出は、『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』やB’zのドームツアーなど成功させ、
ダイナミックかつ繊細に魅せる演出が業界内で注目されている金谷かほりという強力タッグが実現しました。

2023年3月からの公演に先駆け、2022年11月29日(火)、東京都内某所にて主要キャストが登壇しての
製作発表会見が行われました。

【『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』製作発表会見の様子】

製作発表会見にはティーダ役の尾上菊之助さん、アーロン役の中村獅童さん、シーモア役の尾上松也さん、
キマリ役の坂東彦三郎さん、ルールー役の中村梅枝、ユウナ役の中村米吉さん、ワッカ役:中村橋之助さん、
リュック役の上村吉太朗さん、そして本作の監修を務める、株式会社スクウェア・エニックス第一開発事業本部長で
『ファイナルファンタジーX』プロデューサーの北瀬佳範氏の9名が登壇。

TBSの南波雅俊アナウンサーの司会進行により、登壇者より挨拶と本作への意気込みが話されました。
菊之助さん「『新作歌舞伎 FFⅩ』の製作が始まったのが2020年3月、コロナ禍の真っ最中でございました。
毎月当たり前の様にやっていた歌舞伎公演が無くなってしまって、先行きが見えない中、
何とかしたいという思い・気持ちを救い上げてくれたのが20年前に発売された『FFⅩ』でした。
この物語は、登場人物達が初めは心がバラバラです。心が通い合っていない中、物語が進む内に心を通わせあい、
夫々が持つ葛藤を超えながら成長し、一人が皆の為に、皆が一人の為に互いを思いやりあいながら、
「シン」という強大な敵に前向きな心で向かい、そして諦めない姿勢はこのコロナ禍の世界、
そして戦争が起きている世界に強いメッセージを届けられるのではないかと思い、
歌舞伎化の製作を致しました。その思いに中村歌六さん、坂東彌十郎さん、中村錦之助さんをはじめ、
御同席の中村獅童の兄さん、そして同輩達も賛同をして下さって、今日この日を迎えられた事を
とても嬉しく思っております。私自身も『FFⅩ』に救われた様に、コロナ禍で大変な日本、
そしてエンターテイメントの世界に少しでも元気を届けられれば、という風に思っております。」

北瀬さん「今回の企画に関してですけども、尾上菊之助さんからお話をいただきまして、
最初に聞いた時は非常に驚きまして。ただ、非常に熱い想いを語っていただいて、
伝統芸能である歌舞伎と、芸術分野では、最後発であるゲームという文化が融合をする事によって、
どんな物が生まれるかという物をお話いただき、最初は驚いたんですけども、非常に野心的で
面白そうな企画だと思いまして、即決しております。普段『ファイナルファンタジー』というのは、
ゲーム作品ですので、我々がゲームを作る時は3月完成だと締切間近でありますので、
非常に心身共に追いつめられてテンパっている状況なのでけども、今回に関しては
私は一観客として楽しませていただきたいと思いますので、今から完成をワクワクして待っています。
皆さんも是非、期待してお待ちいただけたらと思います。」
獅童さん「最初にお話しをいただいた時はコロナ禍で緊急事態宣言の時だったと思いますけども、
私自身もずっと家に籠っている中、これからの自分の生き方であったり、これからの歌舞伎界であったりと
色んな事を考えている中、丁度その時に菊之助さんにお電話をいただきまして、その熱い気持ちを
聞かせていただいて、何とかそれに賛同をさせていただいて、熱い気持ちに応えられる様に
一所懸命に務めさせていただくと同時に、演出・出演の菊之助さんに付いて行きたいと思っております。」
松也さん「私も菊之助のお兄様からご連絡をいただきまして、この『ファイナルファンタジー』という作品を
歌舞伎にしたいというお話を聞いた時には非常に驚きましたし、それと同時にコロナ禍におきましても
常に前に進もうとするお兄様の姿勢にとても感動をしましたし、尚且つ、私にとりましては、
大先輩であります菊之助様から直々にお話をしていただいて、その思いを聞かせていただくというのは、
非常に嬉しい事で光栄でしたし、私も微力ながらでも力に成れればという事でお引き受けをさせていただきまして、
そこから『FFⅩ』についても色々と追及をしていく中で自分の中でも初日に向けて意欲が増して来ている所でございます。
菊之助お兄様の演出の下、皆さんに観た事の無い歌舞伎体験をしていただける様に努めたいと思います。」
彦三郎さん「私だけ、少し色の違う役柄を演じなくてはいけないので、不安な部分はあるんですが、
とても素晴らしい勢いのある共演者が揃っていますので、その方や菊之助さんの熱にも負けず、
勢いのあるカンパニーのまま、僕も一所懸命に色々考えながら務めていきたいと考えております。」
梅枝さん「『ファイナルファンタジー』という大きなコンテンツのルールー役を頂き、
大変光栄に思っておりますが、非常に世界中で愛されているゲームですので、私自身、
ちょっと怖い思いでもあります。ただ、ティーダとユウナの旅を少しでも支えて行ける様に
また、原作に敬意を持って演じさせていただきたいと思っております。」
米吉さん「この作品において、まごう事無きヒロインでございまして、
私もこのゲームをプレイしながら、こんな凄いヒロインの役をやるんだなと
ゲームをやりながら、非常に心して努めなければならないと思った次第でごじざいます。
兄様方に支えていただきながら、守っていただきながらも出させていただきながら
舞台の上に立って旅を続けて行けるように頑張りますので、宜しくお願い申し上げます。」

橋之助さん「僕は今回、お話をいただきまして初めて『ファイナルファンタジー』を
プレイさせていただきました。ワッカらしく楽しくのびのびとお兄さん方の力を借りなが
自分自身も楽しんで『FFⅩ」の力になれる様に一所懸命努めて参りたいと思います。」

吉太朗さん「この作品は2001年に発売されたと伺っているんですが、私が生まれたのも丁度2001年で、
何かご縁を感じる作品なので、とても重要なキャラクターだと思いますので、大切に努めたいと思っています。」
(21世紀生まれの吉太朗さんに年長登壇者から「マジかよ…」の声)

続いて南波アナウンサーからの質問が。

Q:『FFⅩ』を歌舞伎化しようとしたキッカケは?

ティーダ

菊之助さん「キッカケはコロナ禍におきまして、ステイホーム期間中に文化を盛り上げていたのは
間違いなくゲームの世界だと思っております。私がステイホーム期間中に何をやろうかなとなった時に、
以前やって何か心に残っているゲームをもう一度やりたいなと思ったんです。その時に思い出したのが『FFⅩ』で、
プレイステーション2で『FFⅩ』を2001年に見させていただいたんですけども、
その時にゲームではなくて、映画をみている様な感覚になったんですね。
それ以前のゲームまでは、自分が主人公の視点でゲームをしていただんですけども、
登場人物達がフルボイスで声を入れて下さったりとか、私がキャラクターの感情に移入して、
キャラクター目線でプレイをしたのが『FFⅩ』の世界で非常に感動したんですね。
それがずっと心に残っていたので、ステイホーム中にまた『FFⅩ』をはじめました。
攻略本等を読んでいた時に、以前、新作歌舞伎を作った時から時間が経っておりまして、
次の新作歌舞伎をまた作りたいなと思っていた矢先のステイホームでしたので、
その時に『FFⅩ』に巡り合い、「これは今のコロナ禍の状況、戦争が起こっている悲しい状況の中で
きっと力強いメッセージになるのではないか」という事を思い、仲間達と相談をして
企画書を先ず書きまして、ビデオレターを作りスクウェア・エニックスさんの門を
叩かせていただいたのがキッカケでございます。」

北瀬さん「元々ゲームって、コンピューターを中心としたエンタメと伝統的な形という部分で
僕も何処まで夫々が融合し、コラボするのかというのが想像がつかなかったんですけど、
菊之助さんからのビデオレターですが、YouTubeにアップされたビデオレターで、
そういう形でのオファーってゲーム業界でも初めてで非常にびっくりして。
ただ驚いただけじゃなくて、そこで語られている事がしっかりとゲームをプレイして
色々テーマ、ストーリー、キャラクターをしっかりと理解をされた上で、
こういう形で表現をしたいという事をお話されたので。歌舞伎役者がゲームをプレイしている
というのが想像がつかなかったのですが、『ファイナルファンタジー』というタイトルIPを自分達が作るのではなくて、
第三者に預けて自分達の作品を再び蘇らせて貰う訳ですけども、預けるには
不安も心配も無いお方だなと思って今回の作品を歌舞伎として、20年の時を経て
蘇るという事でお話を進めさせていただきました。」

Q:作品オファーを受けた際の心境と衣装合わせで袖を通した際の心境は?

アーロン

獅童さん「オファーをいただいた時はビックリしました。菊之助さんと共演を
させていただく事自体多分、約10年ぶり位だと思いますので、中々ご一緒をする機会が無くて。
プライベートでもお会いする事も無かったのでびっくりしましたけど嬉しかったですね。
その熱い気持ちと、やっぱり菊之助さんも考えているんだなという事がとても嬉しかったですし、
そこで10年近く共演は無かったですけど、声を掛けて下さったという事はとても嬉しかったですね。
この間の衣装合わせの時も菊之助さんが立ち会って下さって、非常に楽しくやらせていただいて、
お互いに意見を出し合いながら作らせていただいたので、衣装に袖を通した時はテンションが上がりました。
今からアーロン役が楽しみですし、なんにせよ新しい物を菊之助さんと作れる喜びというのが一番大きいですね。」

シーモア

松也さん「僕も菊之助お兄さんの方から直接お話をいただいて、最初のお電話で話をした時には兎に角、
この作品を一緒に作りたいという想いをお聞きして純粋に嬉しかったですし、僕等後輩に
そこまでして下さる事自体も凄く光栄でした。役所自体はその時はまだ決まっていなくて
何をするのかというのは、僕も正直、『FFⅩ』というのはお話をいただくまで存在は知っていましたが、
ちゃんと理解をしておりませんでした。逆に知らないから楽しみだったり、そこから知る喜びがありました。
そしてシーモアという役になり、舞台衣装に袖を通しての撮影をした時には、
僕も高揚感が凄く湧き上がって来まして、衣装に袖を通してカツラをつけてやるんだという事が
リアルに想像出来る様になってくると自然と衣装さんやカツラの製作の方達と「舞台でやる時には
こうしたら良いんじゃないか」という想像が自然と出来て来て、知らず知らずのうちに舞台へのボルテージが
どんどんと上がってきているのはとても楽しかったですし、実際の舞台になった時にどうなるかが
凄く楽しみになりました。」

キマリ

彦三郎さん「生まれた時から育った環境、教わった教室・教科書は歌舞伎の中でずっと一緒に
菊之助さんと過ごして来て、彼が新作歌舞伎を作ったり、外部出演をする時には誘って下さったり、
新春の国立劇場では復活狂言として100年近く埋もれていた作品を復活させて今の息吹を入れたりと、
歌舞伎を再構築する姿は見て来たので、オファーをいただいた時には『ファイナルファンタジー』という
作品に対しての考えよりも、彼から誘われた事が嬉しく、一つ返事で「はい出ます」と
今回務めさせていただく事となっています。皆さん一番気になるのはキマリのコスチュームだとは思うんですが、
菊之助さんも再現度が高いと、とても喜んで下さいましたし、米吉さんと松也さんに写真を送ったんですが、
爆笑して下さいましたし、松也さんに関しては「……誰?」と言って下さいましたので、
キマリとしてハマったかなと。その中に歌舞伎の要素をしっかりと入れているので
ここから稽古をして歌舞伎のキマリを作っていく中で、第一歩として大成功だなという感じだと、
衣装に袖を通しておもっているので、楽しみにしていただければなと思います。」

ルールー

梅枝さん「私は普段の歌舞伎で菊之助の兄さんと年間の半分以上位ご一緒をさせていただいているので、
そんな兄さんからこうやって新しい物のお誘いを受けて、私も『FFⅩ』をリアルタイムで
ゲームでやっていたので、非常にありがたくお受けさせていただきました。
原作ファンとして少しでもお力添えが出来ればと思います。
衣裳に袖を通した感想は、ルールー自体が非常に色気のある大人の女性の服装でございますが、
それを和装に仕立て直して、色気がありながら、和服・着物という感じがちゃんと残っていて、
見た瞬間にルールーだと分かる衣装に出来上がっているので、私は満足しております。」

ユウナ

米吉さん「私も菊之助のお兄さんから直接お電話をいただきまして、また新しいものを作るので、
是非共、ご一緒したいと思っているという事のお話を伺ったのがこの企画の第一報でして、
「風の谷のナウシカ」を新作歌舞伎でお兄さんがお作りになった初演の時もご一緒しておりまして、
お兄様が意欲的に新しい物をお作りになるその姿というのは、傍で拝見をしておりましたから、
また、そういった機会をいただけるという事は非常に嬉しく。
何より今回は菊之助の兄さんのティーダと私のユウナというのは、男女での共演というのが
恋をしていく仲というのがあまり無いのでそこも楽しみな部分があります、
衣装に関しては、上半身は殆ど肌が露出をしておりまして、流石にそういう訳にはいかないので、
一度衣装合わせをして、そこからもっと歌舞伎らしく豊かな舞台衣装としての素敵な物が出来上がりました。
彦三郎のお兄さんに写真を見せた所、胸が小さいというお叱りも受けましたので、
その部分も改良をさせていただきます。今年7月に『新作歌舞伎 風の谷のナウシカ』で
ナウシカ役を務めさせていただき、ボブヘアと言いますか、普段の歌舞伎には無い
ヘアスタイルの経験を積ませていただきまして、ナウシカの時の経験も活かせるのではないかと思っております。
ユウナというヒロインが魅力的であればある程、この作品がより面白く、より切なくなると思っておりますので、
先ずはビジュアルの再現度を少しでも原作に近づける様頑張りたいと思います。

ワッカ

橋之助さん「僕も菊之助のお兄さんから直接お話をいただきまして。その時は先ず、
菊之助のお兄さんに直接お声がけをいただけたという事がとても嬉しかったのを覚えています。
そして僕の友達に『FFⅩ』の大ファンの子がおりまして、その子が普段は歌舞伎を
全く観に来ない子なんですけども、僕がその子に『ファイナルファンタジー』の事を詳しく知らないと言ったら、
「橋之助くんが、まだストーリーを知らない事が羨ましい位、良いお話だからむちゃくちゃ楽しんで」と言われたので、
凄く楽しみだなという気持ちが湧きあがったのを覚えております。
衣装に関しては、原作ファンの方々が沢山いらっしゃるという所でとても不安はあったんですが、
衣装もとても歌舞伎らしく、何よりも当日に菊之助のお兄さんが来て下さって僕が化粧をして
衣装を着てポーズを取る度に「イイよイイよワッカだよ!」とどんどんと機嫌が良くなっていったので、
僕も楽しく衣装を着る事が出来て、これが舞台に立ってどうなるかが楽しみな気持ちでおります。」

リュック

吉太朗さん「菊之助さんの若旦那からお話を伺った時は、『FFⅩ』をプレイした事が無かったです。
『ファイナルファンタジー』という世界は知ってはいたんですけども、
周りでプレイしている友達も居なかったですし、世代ではなかったので直ぐにググりまして、
「FFⅩ・リュック」と調べたら、このリュックも凄い露出をしていまして、
僕、こんな恰好出来るかな?という凄く不安だったんですけど、衣装も考えていただいて、
普段の歌舞伎の衣装とはちょっと違うんですけども、ホットパンツの様にしていただいて、
金髪のカツラを被ったりして、人生で一度も髪を染めた事がないので、今回ちょっと楽しみたいと思っています。」

続いて今作の見所が3つ、菊之助さんより紹介されます。
菊之助さん「この『FFⅩ』は見所が沢山あり、名言も沢山あるんです。なのでこの『ファイナルファンタジー』と
歌舞伎の親和性というのは、古典歌舞伎で通し狂言となると、場に分かれておりまして、
各場の見所、登場人物が見所・し所を作っていくのが歌舞伎の通し狂言ならではの表現方法だと思っていて、
この通し狂言は『新作歌舞伎 FFⅩ』を作る時でも、一度脚本を最後まで読ませていただいて、
どの場が見所になるのかという事を先ず区切って行って、脚本家の八津先生と相談をしながら作っていきました。
今、「マカラーニャの森」「異界送り」「ブリッツボール」の3つを出させていただきましたが、
「マカラーニャの森」はティーダとユウナが旅を続けて淡い恋心を抱いていて、ここで初めて2人が
結ばれると言いますか、心を通わせるシーンなんですよね。ビジュアルがとても綺麗で
水の中で2人が淡い恋心を通わせるというシーンをゲームファンの皆さんはどの様に表現をするのかを
期待されていると思いますが、ステージアラウンド東京には8mの巨大スクリーンがございますから、
そこの映像を使いつつ、演出の金谷かほり先生と相談をして水を使わないで表現が出来ないか、
という事を探しておりまして、今そこに辿り着いている所でございます。」
次に「異界送り」。これは歌舞伎の表現としてはやはり日本舞踊だと思うんですね。
ユウナが異界送りをして魂を静めていくんですけど、美しくも何かとても怖い儀式を
日本舞踊で如何表現するのか?振付家の尾上菊之丞先生と相談をしながら、
これも映像を使いつつ、歌舞伎の日本舞踊と融合する世界がどの様に再現出来るのか、
これもご期待ください。そして「ブリッツボール」に関して言うと、これも水の中での
立ち廻りやアクションをするので、水の中で…とも思ったんですけど、今回は水を使わずに
表現をしてみようとの事なので。ですので、水の代わりに成る表現という物を
お客様にアッと驚いて貰える様な最先端のテクノロジーを使いつつ、歌舞伎の立師の
山崎咲十郎さん、尾上菊次、中村獅一さんの3人がブリッツボールの世界を表現しつつ、
歌舞伎ならではの立ち回りとして表現をさせていただきたいと思います。
でも、登場人物の夫々の葛藤があって、それが動いていく旅なんですよね。
皆さん、朝から晩まで8~9時間の作品なんてどうやって見れば良いんだと思われる方も
いらっしゃいますけども、僕は見所としては登場人物の夫々の葛藤をどの様に乗り越えていくのか、
という所に注目して、キャラクターと共に長い旅をしていただければと思っております。
更に見所としては、3組の親子が劇中に登場します。息子のティーダと父のジェクト、
娘ユウナと父ブラスカ、シーモアとジスカル。ジェクトはティーダに対して
愛情表現が得意ではない親子、ユウナはブラスカをとてもリスペクトしている親子、
ジスカルはシーモアに対して誤解を招いてしまう様な愛情表現しか出来ない親子。
この様に様々な親子模様があり、これは現代にも通じる親子関係という様な感じがしておりまして、
『FFⅩ』というとゲームの世界ってどうなの?分からないという方もいらっしゃるんですけども、
キャラクターの葛藤や親子の感情という物は決して遠い世界ではなくて、普遍的な物だと
思っておりまして、脚本家の八津先生に『FFⅩ』では、シーモアとジスカルの世界って、
回想の世界で、あまり深くは描かれなかったんです。今回はシーモアとジスカルの世界が
実際にシーモアを松也さんが演じて下さるので、回想ではなく、シーモア・ジスカルの親子関係が
浮きたってきますので、シーモアが何故闇落ちしてしまったのかが
ハッキリ分かる演出・脚本になっていますので、是非期待して下さい。」

続いて報道陣からの質疑応答へ。

Q:歌舞伎ファン、ゲームファンが知っているとより楽しめるポイントは?

菊之助さん「新作歌舞伎を作る時にいつも心掛けているのは、歌舞伎初心者の方、
古典歌舞伎をご覧になった事が無い方、上級者の方。その方達が一同に会する劇場での
演目を作る事が新作歌舞伎の面白さ、大切な事だと思っていて、そこで世代を超えて
文化の交流をしていただくという事が新作歌舞伎の魅力だと思っております。
今回は古典歌舞伎ですと昔の言葉を使いますし、一度目は聞き取れない様な部分もございます。
そこも歌舞伎の良い所ではありますが、何回もその演目を見ていく内に演目の深さに
触れていくという事が古典歌舞伎の素晴らしい所だと思います。
新作歌舞伎の良い所は一回で聞き取れる平易な言葉を使うという事。今回は分かりづらいという事は
あまり無く、歌舞伎入門編として初心者の方が楽しんでいただける作り方を心がけつつ、
演技は歌舞伎上級者の方が楽しんでいただける様な演技を加えていくという事を目指しております。
今回は通し狂言ですので、前編・後編の長いストーリーを楽しんでいただきますので、
最初から最後まで観ていただけるとストーリーを理解しなくても、自然とストーリーの中に
入っていただける作りになっております。ただ古典歌舞伎でもそうですが、あらかじめのあらすじを
さらっと読んでいただくとストーリーがより分かりますので、今回の『FFⅩ』の世界観のあらすじを
HPもしくはチラシでご覧いただいてからお越しいただければと思います。」

Q:公演初日まで約4か月、今から準備している事や『FFⅩ』のゲームをプレイしている人は、その感想は?

菊之助さん「登壇者の中でステージアラウンド東京に出演されたのは松也さんしかいないんですね、
松也さんに伺うと、とても長距離な劇場内の導線を理解するのが大変だという事と、
走り回らなければいけないので体力づくりを如何しようかなと、そんな風な準備をしようかなと思っています。
楽しみにしている事は『FFⅩ』と歌舞伎を融合した世界にお客様が来ていてただいて楽しんでいただく、
それが一番だと思いますので、それに向けてお客様が楽しめる設え、見所、歌舞伎ならでは演出を
一つ一つ今、作っている所でございます。その準備をしっかりとしていきたいと思います。
ゲームの方は2001年の時にプレイをして今回もホーム中にプレイをして両方ともクリアを致しました。」

彦三郎さん「元々あまりゲームをしないタイプの人間だったので、どうなるのかと思ったのですが、
今はストーリーを進めつつ、ちゃんと全ての世界観を感じつつ、60時間程プレイしています。
米吉さんに教わりながら、取り敢えず進めろクリアしろと言われながら……」

米吉さん「やりこみがね、モンスターを捕まえているとキリがないから。」

彦三郎さん「というのをやった後に教わるという、後手後手に周っていますけども、
一所懸命にプレイしています。プレイすればする程、『ファイナルファンタジー』という横文字なので
洋物を歌舞伎にするという感覚が皆さんあるかもしれませんけども、日本の会社、日本人が作った
わびさびであったり、情念であったり、凄く歌舞伎にマッチする作品なんだなというのは
ゲームをプレイすればする程、思っているのでこれが舞台の上にかかると皆さんが思う以上に
マッチするのではないかと。楽しみにしていただければと思います。」

米吉さん「私はこの話をいただいて「これはやらざるをなるめえや!」と思いまして、
プレイをさせていただきまして、生まれて初めてこのキャラクターを演じるんだという気持ちで
ゲームをプレイさせていただきまして、益々この作品のファンになりまして、
私も兄さん方、家の父や錦之助のおじいや彌十郎様といった先輩方が、
あの僕がプレイしたゲームのキャラクターの姿になってどういうお芝居をなさるのかなという事は
勿論、自分は出演者の一人でもありますが、一歌舞伎ファン、歌舞伎役者として楽しみにしています。
個人的にはダイエットをしないといけないと思っています。」

梅枝さん「僕は多分、トータルで5週位しているので、今回役をいただいて、改めてルールーばっかりを見て
ゲームをしてみたんですけども、そういうの初めてだったので逆に新しい発見があって面白かったです。」

Q:ハイライトであるティーダとユウナのラブシーンはどの様な演出に?

菊之助さん「歌舞伎でも色事、色模様というのがあって、男女が心を通わせるキスシーンの様な物も
歌舞伎にはあるんですよね。その表現の仕方も実は歌舞伎は持っていて、心を形にするのが
型だと思うんですよね。その型の表現を歌舞伎は先人達が築き上げて下さった表現が沢山あるので、
その型に落とし込みつつ、ティーダとユウナならではの心の感情を、新しい型を見出すと言って良いんですかね、
そこまで持っていければ良いのではないかなという風に思っております。」

尾上菊之助が作り上げる、RPGの最高傑作と歌舞伎の融合とは?開幕は2023年3月となります。

『続報』
①『ファイナルファンタジー』シリーズの音楽の生みの親である植松伸夫氏は、アンジェラ・アキらに
楽曲提供するなどゲーム音楽に留まらず、音楽における❝革新者❞として海外でも高く評価されています。
その植松氏がプロデュースし、植松氏、浜渦正志氏、仲野順也氏の三氏で作曲した、美しく力強いメロディーが
詰め込まれた『ファイナルファンタジーⅩ』の名曲の数々を、新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』の
作曲・編曲を担当した新内多賀太夫師がゲーム音楽の魅力をそのままに、和楽器の情感あふれる音色で編曲します。
『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーⅩ』ならではの和楽器で紡がれる世界観にも是非ご注目下さい。

ファンタジーエリア(仮)イメージ

②本作が上演されるIHIステージアラウンド東京のロビー、劇場周辺を❝ファンタジーエリア(仮)❞に。
ロビー内併設カフェや、キッチンカーにて、公演限定のメニューを展開予定。そしてIHIステージアラウンド東京での
初歌舞伎を記念して、劇場の周りには、大小の色とりどりの幟を設置予定。前編・後編の間の
休憩時間も楽しんでいただける様な企画を構想中。続報は公式HP等で随時発信予定。

【あらすじ】

『前編』
大いなる脅威『シン』に人々がおびえて暮らす、死の螺旋にとらわれた世界スピラ。
そんなスピラへと迷いこんだ少年ティーダ。そこで可憐で気丈な召喚士ユウナと出会う。
ユウナの目的はただ一つ。『シン』を倒すこと。
そのための『究極召喚を手に入れること』であった。
ユウナの決意に胸をうたれるティーダは同じくユウナを援護する仲間たちと共に旅にでる。
水球競技ブリッツボールでの熱戦や、父の盟友アーロンとの再会により、
一行は「真実」に近づくこととなる。
だがそこに立ちはだかるグアド族の族長・シーモア。
「死の安息こそスピラの願い」というゆがんだ考えを抱いている男である。
その原因ともなった彼の幼き頃の悲哀に満ちた物語とは果たして……。

『後編』
グアド族の族長・シーモアの策略はティーダたちをますます追い込んでいく。
狡猾なシーモアは、ユウナを誘拐し、彼女を利用するために政略結婚を企てる。
それに抗った一同は反逆者の汚名を着せられ、旅の中断を余儀なくされる。
絶望し泣き崩れるユウナを見て、ティーダはなんとしても彼女を守りぬこうと決心。
出会った頃から互いに惹かれあっていた二人は秘めた恋心に身を委ねるのであった。
一同は決意を新たに、再び『シン』を倒す究極召喚を手に入れるために立ち上がる。
だがそこに待ち受けていたのは衝撃の出来事……
『シンの正体』『究極召喚と引き換えになってしまうユウナの命』
そして『ティーダの存在の真実』……
彼らはそれを乗り越え、自分たちの物語をつむごうとする。

【木下グループ presents『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』公演概要】

公式サイトはこちら

<公演期間>
2023年3月4日(土)~4月12日(水)

<会場>
IHIステージアラウンド東京

<上演時間>
未定
(一部生演奏)
※新型コロナウイルス感染対策並びに舞台機構の確認のため、前編終了後、すべてのお客様に一度、劇場外にご退館いただきます。

<料金>
「前編・後編通し」
『ファイナルファンタジーX』の世界を一気にご鑑賞いただけるお得なチケット。
SS席32,000円 ※非売品オリジナルCGビジュアルアクリルスタンド付き
S席28,000円 ※非売品オリジナルCGビジュアルポスター付き
A席24,000円
B席19,800円

「前編/後編」
前編のみ、後編のみをお楽しみいただけるチケット。(※非売品特典グッズは付きません)
SS席18,000円
S席16,000円
A席14,000円
B席11,000円
(全席指定・税込)
※SS席、S席の非売品特典グッズはご観劇日当日、劇場内でのお渡しとなります。
※未就学児童は入場できません。
※チケットはお一人様一枚必要です。
※やむを得ない事情により出演者等が変更になる場合がございます。
※車椅子でご来場予定のお客様はチケット(SS席)を購入後、ご観劇日の2営業日前までに下記ステージアラウンド専用ダイヤルまでご連絡ください。
付き添いの方がご観劇される場合もSS席チケットが必要になります。車椅子スペースには限りがあり、
ご購入のお座席でご観劇いただく場合もございますのであらかじめご了承ください。
※劇場の構造上、場面によってはご入退場いただけない場合がございます。
※営利目的によるチケットの転売は禁止しております。
※今後の社会情勢に応じて、公演内容・開演時間等が変更となる可能性がございます。
※お申込み完了後、お申込み内容の変更はできません。ご購入されたチケットは、公演中止・延期等の場合を除き、
払戻の対応は致しかねます。公演が中止になった場合には、公式HPにて払戻方法を告知致します。

『チケット発売』
好評発売中

「プレイガイド」
ステージアラウンドFC:https://l-tike.com/sat/
TBSチケット:https://tickets.tbs.co.jp/ff10-kabuki/
TBSチケット電話予約:0570-068-489(平日11:00~17:00)
ローソンチケット:https://l-tike.com/ff10-kabuki/
楽天チケット:https://r-t.jp/ff10-kabuki
イープラス:https://eplus.jp/ff10-kabuki/
チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/ff10-kabuki/
チケットWeb松竹:https://www1.ticket-web-shochiku.com/t/
※前編・後編の各チケットは、ステージアラウンドFC・TBSチケット・ローソンチケットでのお取扱いとなります

「問い合わせ」
ステージアラウンド専用ダイヤル:TEL:0570‐084‐617(11:00〜16:30)
※グループ観劇(10名様以上)のお申込みもこちらにお問い合わせください。

<出演者>
ティーダ:尾上菊之助
アーロン:中村獅童
シーモア:尾上松也
ルールー:中村梅枝
ルッツ、23代目オオアカ屋:中村萬太郎
ユウナ:中村米吉
ワッカ:中村橋之助
リュック:上村吉太朗
ユウナレスカ:中村芝のぶ
キマリ:坂東彦三郎
ブラスカ:中村錦之助(後編のみ出演)
ジェクト:坂東彌十郎
シド:中村歌六(後編のみ出演)
ほか

<STAFF>
企画:尾上菊之助
脚本:八津弘幸
演出:金谷かほり、尾上菊之助
補綴:今井豊茂
美術:堀尾幸男
照明:磯川敬徳
振付:尾上菊之丞
音楽:新内多賀太夫
音響:小寺仁、山本浩一
映像:石田肇
衣裳:松本勇
ヘアデザイン・メイクデザイン:松本慎也
立師:山崎咲十郎、尾上菊次、中村獅一
演出助手:荒井遼、樋口照芳、小正あをい
狂言作者:竹柴潤一
舞台監督:南部丈
技術監督:白石良高
主催:『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』製作委員会(TBS/ディスクガレージ/ローソンエンタテインメント/博報堂DYメディアパートナーズ/楽天チケット/TopCoat)
後援:TBSラジオ/BS-TBS
原作・協力:スクウェア・エニックス
制作協力:松竹
特別協賛:木下グループ
協賛:再春館製薬所
製作:TBS
IHI Stage Around Tokyo is produced by TBS Television, Inc., Imagine Nation B.V., and The John Gore Organization, Inc.

© 2001, 2003, 2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA
© 2022 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
LOGO ILLUSTRATION: ©2022 YOSHITAKA AMANO

 - News, Stage