木村秋則氏の半生が遂にミュージカル化 オリジナルミュージカル「りんご」開幕
誰も知らない答えを探して“りんご”に人生の全てを賭けた男と、その家族の実話をもとにした
オリジナルミュージカル「りんご」が、2022年11月19日(土)~12月7日(水)東京都港区の自由劇場にて上演されます。
本作は、青森のりんご農家・木村秋則氏の実話を基に、当時「出来るわけがない」と
否定的な意見が多かった、りんごの“自然栽培”に人生を賭けた彼の生き様と、
その家族の半生をダイナミックに描いていきます。
今回、農薬に蝕まれる家族の体を気遣い、無謀とも思われるりんごの自然栽培に挑み続けた
主演【木村秋則】役を、舞台出演の他に振付師としても活躍をしている屋良朝幸が務めます。
加えてAKB48およびNMB48のメンバーとして活躍し卒業後には『Endless SHOCK』の
ヒロイン・リカ役を3年連続で務めた梅田彩佳や、Def Techのメンバーとして活躍する一方で、
ブロードウエイミュージカル『IN THE HEIGHTS』に出演するなど俳優としても活躍を見せるMicro、
また、つかこうへい作舞台「熱海殺人事件」等に出演し舞台を中心にテレビ・映画・声優など活動の場を広げている細貝圭、
「レ・ミゼラブル」を始め多くのミュージカル作品に出演し、歌唱指導者としても活躍する林アキラ、
劇団四季の多くの作品で主要な役を演じ、退団後はソロライヴ開催やミュージカル出演など
精力的な活動を見せる上川一哉の出演が決定。さらに、『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』
Rule the Stage -track.2-の加藤良輔、ミュージカル『ジェイミー』の川原一馬、
ミュージカル「メリー・ポピンズ」の斎藤准一郎、音楽劇『海王星』の白木原しのぶ、
ミュージカル「弥生、三月」の大倉杏菜の出演も。そして、『エリザベート』や『ミス・サイゴン』など
舞台の他、TVドラマの出演や声優など幅広く活躍をする岸祐二、劇団四季の多くの作品で
主演・ヒロインを務め、退団後も話題作への出演が続く吉沢梨絵に加え、ドラマ・舞台を中心に幅広く活躍し、
舞台「僕はまだ死んでない」やTVドラマ「HiGH & LOW」などに出演する松澤一之が名を連ねました。
2022年11月19日(土)、東京都港区の自由劇場にて初日の開幕に先駆けて公開ゲネプロと開幕直前取材が行われました。
【あらすじ】
青森の農家の息子・秋則。りんご農家の木村家の一人娘・ミチコと結婚をし 、婿養子入りをする。
木村家でりんご栽培をしていく中で身体に異変が。原因は散布している農薬であった。
ミチコの身体も気遣い無農薬のりんご栽培を決意するが、そんなことは絶対に不可能と言われた栽培方法は険しい道のりだった。
何度も失敗の繰り返しをし、うまくいかず、失意の中岩木山へ向かう。見上げる星空。
大木、人の手を借りない自然な植物たち・・・自然栽培の糸口となる“土”と出会った。
自殺を意識していた感情から一念発起。さらにリンゴ栽培に勤しみ、ついに無農薬でのりんごの木に白い花が咲く。
自然栽培のりんごの誕生だった。テレビ・公演会など様々なところから声がかかり、日本のみならず海外での挑戦もする秋則。
りんごの自然栽培を通して、人と出会うこと、言葉と出会うこと、農業だけではなく、地球温暖化への取り組み・
放射能汚染など。りんごを通して今我々人間にできることとは何か・・・
実現不可能と言われた、世界初となる無農薬・無施肥によるリンゴの栽培を成功させた
木村秋則さんの半生をミュージカルという形で描く本作。
チェイサーやリピートを含めると実に約30曲というナンバーが、ファンク、ロックといった
現代音楽のパワフルなサウンドから、トラディショナルなミュージカルアレンジの曲調まで
驚く程のバリエーションで表現されています。
農業を題材としている作品性質上、劇中で農業用語も登場しますが、視覚的も分かり易く
そしてエンターテイメント性をたっぷりと乗せて表現されており、後述の屋良さんのコメントの通り、
エンターテイメントを通して農業を知る良いキッカケとしての面も。そして何より、先日行われたオンライン公開稽古において、屋良さんが「稽古が終わってくれるな」と
話していた程、作品理解度の深いキャスト陣の面々が見せる演技は必見です。
【開幕直前取材の様子】
公開ゲネプロ終了後に舞台上にて行われた開幕直前取材には木村秋則役の屋良朝幸さん、
木村ミチコ役の梅田彩佳さん、ハルヒコ役のMicroさん、
そして本作の監修を担当したリンゴ農家の木村秋則さん本人の4名が登壇。
Q:初日を迎えた今の心境は?
屋良さん「1ヵ月半位の稽古で凄く濃い時間だったというのは、キャストの皆と、
クリエイター陣の皆様がこの「りんご」という作品にかける情熱に熱いものを皆持っていまして、
最初に出会った時から目指す所が見えていたんですね。それは勿論、以前僕が青森で
木村さんにお会いさせていただいてそういう話を聞かせてもらったというのもあるんですけど、
その熱量がずっと今に至っていて、「やっと幕が開くんだ」というのが。
それをお客様に如何見てもらえるのかというのがすごく楽しみで今はいっぱいですね。」
梅田さん「あとちょっとで開くんだなと思うと本当にドキドキが止まらないのと、
やっていて私達自身も凄く楽しいし、感動するし、涙が出そうになるし、笑えたりと、
凄く忙しい、感情がいっぱい動くミュージカルだなと思うので、お客さんも笑って泣いてという、
観た後に楽しかったけど、やっぱり凄いねと、リンゴを買って帰ろう、と思っていただけるミュージカルに
なったら良いなと思っています。」
Microさん「僕は舞台経験が本当に少ないんですけども、本当にこのカンパニー一人一人の役者さん達が
色んなアドバイスと知恵を下さり、この座長の下に素敵なこんなに仲良いカンパニーってあるんだろうか?と言う位、
ここまで怒鳴り声の一つも聞いていないですし、それは演出家の荻田さんから始まり、
今日までこんなに幸せに。ですがここから「ショー・マスト・ゴー・オン」という事で、
ゲネプロを終えたこの後から、(千秋楽の)7日まで走り抜きます。」
Q:ゲネプロを観劇しての感想は?
木村さん「後ろの席で見せていただいたんですけども、始まった直後から涙・涙で、
マスクが涙で濡れてしまって取り換えたという程の、体中の涙が全部出た程の感激でした。
このミュージカルの皆さんには感謝の言葉しかない程、嬉しかったです。」
Q:過去、映画や舞台化がなされているが、今回はオリジナルミュージカル化だが?
木村さん「私、ミュージカルは初めてだったですけども、舞台以上の見応えと感動がありました。本当に素晴らしかったです。」
Q:自身を演じた屋良さんの印象は?
木村さん「後半になってから(屋良さん)が眼鏡をかけている所があったんですよ。
私とそっくりだったんじゃないかなと。これで歯が無くなると。
私がこの世から去っても第二の木村秋則がいてくれると思っちゃいました。」
屋良さん「木村さん、それだけずっと言うんですよ。僕が青森に行った時も
「役作りで歯は抜かなくて良いからね」と。それだとミュージカルで歌えないのでごめんなさい…って。」
Q:モデルになった人物に会ってから舞台作りをした感想は?
屋良さん「僕が実際に青森の農園に行かせていただいて。やっぱり僕はこの作品のお話をいただくまで
リンゴを無農薬で、という事を意外と情報として知らなかったんですよ。
ただ、この作品をやるにあたって色々と調べたりとか、木村さんの所に行った時に、
このカンパニーの温かさや優しさって、本当にこの木村さんの作品だからこそだと思うんですよ。
それに「これだ!」と一つ思う所があって、農園に「バッタさん」がいて、普通だったら
手に乗せたらどこかへと行ってしまうのが、木村さんの畑の虫は一切逃げなくて。
木村さんが「撮影やるからどっかいきや~」って言っても、ずっといるんですよ。
僕はこれって凄く未来の可能性を感じていて。僕等は人間同士で色んな事を考えていますけども、
虫もそうだし、哺乳類や魚類にとって、もっと共存出来るんだという一つの希望が見えた瞬間なんですよね。
今起こっている自然災害とかは、やっぱり僕達が作って来てしまったものだと
本当に思うので、そこを木村さんが何十年とずっと戦って、今も戦っているというこの現実を
もっともっと多くの人に広めて知ってもらわないと、これからこの地球って
本当にどうなって行くんだろう、僕等の次の世代はどうなってしまうんだろうと、
考えなきゃいけないと思うし、この作品をやってもっと自分が変わらなきゃいけないというのも
凄く見えて来たので、これを皆さんに是非伝えて欲しいなと思うんですよね。
観に来て下さった方に何を持って帰ってくれるか、それはこの作品ではきっと答えはまだ出ていないんですよ。
それは今から僕等の世代だったり次の世代が如何考えて繋げていくか、という事になるので、
そこをキャッチしてもらえる作品になったら良いなと思っています。」
梅田さん「木村さんには初めてお会いしました。ずっと本とかテレビで拝見して凄く嬉しいです。
会えるのを凄く楽しみにしていたので、本当に嬉しいです、笑顔が素敵で幸せな気持ちになれるので、会えて嬉しいです。」
Q:夫々共演は?
梅田さん「屋良さんとは初共演です。稽古場とか隣の席だったんですけども、
緊張しちゃったり、このいう時はどうしたら良いと思いますか?という私の相談事を
ずっと屋良さんは聞いてくれて、本当に優しいですし、マジ座長です。
Microさんとは7年前位にお互い初舞台で初共演という形で、今回が2回目なんです。
なのでこちらも凄くエモいな、と思います。」
Microさん「良い女に仕上がっているなと思いますね。あの時はまだAKBの梅田彩佳でしたし、
今は本当に一人の女性として立った女優としての梅田さんとご一緒出来て。
歌も全然見違えた様に成熟した様な梅田彩佳を僕は”推し活”しています。」
屋良さん「僕はMicroさんは正に世代ですから、サウンドチェックの時に歌ってくれた…って。
僕、Microさんの何が好きって、Microさんもこういう自然環境の事を音楽に乗せて
発信しているという所が凄く好きなんです。そこをリスペクトしていて、
色んな表現方法で皆何か伝えたい事があるんだという、一人のアーティストとして
見させていただいたので、今回共演出来て嬉しいです。」
Microさん「俺こそです。こんな座長いるんだな、という。
歌える・踊れる・演技出来る、もうどうなっちゃっているんですかね?」
Q:本作に対する思いも屋良さんと通じる物があるのか?
Microさん「僕自身も海を守る活動をしてきて、今年も沖縄に行ってサンゴの移植に携わったんですえども、
サンゴを守るという時に、(今作劇中)の根粒菌の話とか同じ話が出て来たのは、
海側を守る、山側を守るというのは本当に一緒の事で、気候変動の問題と本当に通じていて、
この作品を通して農業がミュージカルになるというのは、世界でもあり得ない作品だと思いますし、
それを木村さんが1978年から10年、僕が8歳の時に完成するこの無農薬のりんごを持って、
時代背景も自分なりに考えて鑑みると、なんて人が出て来たんだという。」
Q:出演者に伝えたい事は?
木村さん「私、畑で初めて(屋良さん)とお会いした時に、どんな舞台になるのかな?って、
考えていました。実際に今日、この場で自分の目で見て、凄いな、と。
そしてあれからずっと練習をされて素晴らしいですね。涙が枯れる程出て見ていました。
それ程素晴らしい演技を見せてくれました。感謝です。」
最後にメッセージを。
屋良さん「これって、終わりがあるのか無いのか、分からないし、これからの地球を如何していくか、
どうなって行くのかなんて分からないですけども、なにか今、小さい事を変えていく。
個人で出来る事、家でも出来る事もあるし、そういうちょっとした事を一つずつ、
皆がなにか一つ意識すれば多分これからの世代に繋げられる物ってきっといっぱい有ると思うんですよ。
先ずは自分の一番身近な所を気付きにして木村さんがこれまでやってきた事という現実を知って、
自然というのを僕は次の次の次の次の世代にも見せたいなという、本当にその思いですね。
きっとその思いがこの作品には凄く散りばめられていて、それを音楽とダンスという
エンターテイメントに乗せて表現をする。舞台だからこそ伝えられる事という可能性を
凄く秘めた作品になっているので、そこで私達は何をしようか、と考えるキッカケに
一つなってくれたら良いなと思っています。今回は東京公演だけですが、
日本もそうですし、もしかしたら海外の人に観てもらって、色んな印象が変わるかもしれないし、
世界中の人に観てもらいたい作品だなと僕は思っています。」
【オリジナルミュージカル「りんご」 公演概要】
公式サイトはこちら
<公演期間>
2022年11月19日(土)~12月7日(水)
<会場>
自由劇場
<上演時間>
約2時間20分(20分間の途中休憩を含む)
<料金>
9,500円
(全席指定・税込)
※未就学児童入場不可
『チケット発売』
好評発売中
「プレイガイド」
チケットサンライズ:[チケット予約] 公演詳細 (オリジナルミュージカル「りんご」) (e-get.jp)
チケットぴあ:オリジナルミュージカル「りんご」(オリジナルミュージカルリンゴ) | チケットぴあ[演劇 ミュージカル・ショーのチケット購入・予約] (pia.jp)
イープラス:オリジナルミュージカル「りんご」のチケット情報 (onlineticket.jp)
ローソンチケット:オリジナルミュージカル「りんご」|演劇のチケット ローチケ[ローソンチケット] (l-tike.com)
「問い合わせ」
サンライズプロモーション東京:0570-00-3337(平日12:00~15:00)
<出演者>
木村秋則:屋良朝幸
木村ミチコ:梅田彩佳
ハルヒコ:Micro(Def Tech)
大森豊:細貝圭
大森鶴丸:林アキラ
山下川:上川一哉
フレンド/毛虫/山鳩:加藤良輔
ジョニーアップルシード/テレビ局の男:川原一馬
宇宙人/買うガール/司会者:斎藤准一郎
母(雌)狸/毛虫/宇宙人:白木原しのぶ
バブリーダンサー/仔狸/看護師:大倉杏菜
秋則の父:岸祐二
秋則の母:吉沢梨絵
木村トクイチ:松澤一之
「スウィング」
仲西陸
馬場麻衣子
<STAFF>
監修:木村秋則
演出:荻田浩一
脚本:青木豪
音楽:奥村健介
振付:木下菜津子
美術:伊藤雅子
衣裳:前田文子
照明:奥野友康
音響:原田耕児
映像:九頭竜ちあき、新倉和幸
ヘアメイク:伊藤こず恵
歌唱指導:吉田純也
方言指導:山口のりとも
稽古ピアノ:宇賀村直佳、田中幸美
演出助手:陶山浩乃
舞台監督:村田明
舞台製作:クリエイティブ・アート・スィンク、加賀谷吉之輔
票券:サンライズプロモーション東京
宣伝:エイベックス・エンタテインメント
制作:西谷加奈子、今野亜希
制作デスク:薄田晶子
プロデューサー:江口剛史
主催/企画・製作:シーエイティプロデュース