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第35回東京国際映画祭ラインナップ発表記者会見開催

今年で35回目の開催を迎える東京国際映画祭(以下、TIFF)。
2022年10月24日(月)~11月2日(水)にリアル開催するべく準備が進められている本映画祭は
昨年から会場を日比谷・有楽町・銀座エリアに移し、プログラミング・ディレクターも替わり
大きな進化を果たしました。10月24日からの開幕まで約1ヶ月となった9月21日(水)、
東京都内某所にてラインナップ発表記者会見が行われました。

【会見の様子】

会見は主催者を代表し、第35回TIFFチェアマンの安藤裕康氏の挨拶からスタート。
安藤チェアマン「TIFFは過去2年間に渡り、コロナ禍にも関わらず、リアル開催をする事が出来ました。
今年の特色として会場の移転と地域との連携、作品の充実、外国の映画人との交流強化の3点が挙げられ、
1つ目の地域連携により、上映スクリーン数が増加し上映数が昨年の86本から今年は117本と約3割増えます。
また、オープニングセレモニーを東京宝塚劇場で初めて実施を致します。また、レッドカーペットも
初めて日比谷ステップ広場から東京宝塚劇場前まで実施予定です。
2番目は14年ぶりとなる「黒澤明賞」の復活です。もっとも著名な日本人監督である黒澤は日本と海外の
映画交流のシンボルでありTIFFを盛り上げていただきたいという思いで本賞を復活致しました。
現在、受賞者の選考の最中で、会期中に晩さん会形式で授賞式を考えております。
最後の3つ目は映画祭の重要な柱である国内外の映画人がTIFFで交流をする事と思っております。
審査員・作品ゲスト・関係者・メディア等、最大約100名近くの外国の方が来場する見通しです。
自費で来たいという方もおりまして、今年は少し賑やかな映画祭になれるかなと思っております。」

続いて今年のコンペティション部門の審査委員長が紹介されます。

コンペティション部門審査委員長:ジュリー・テイモア ©Marco Grob

今年の審査委員長は演劇・オペラ演出家、映画監督のジュリー・テイモア氏。
一昨年のチャン・ツィイー氏、昨年のイザベル・ユペール氏に続く、3回連続となる
女性のコンペティション部門の審査委員長となるジュリー氏。
ブロードウェイミュージカル「ライオンキング」を演出し、1998年のトニー賞最優秀ミュージカル演出賞に輝いた
名演出家であり、『フリーダ(2002)』『アクロス・ザ・ユニバース』の監督を務めた
彼女からのコメントがMCから代読されます。
「芸術は私たちを混沌の中から導き出し、道を切り開く道標です。暗い劇場の中、
目の前で明滅する映像は、私たちを深く引き込み、孤立した単一の自己存在から引き離します。
映画館で作品にひたってください。そこは、私たちがまったく知らないこと、
知っていると思っていること、個人的に経験したことの境界をともに越えさせてくれる宮殿です。
他人の人生や愛に没入して、鼓舞され、苦悶させられてください。
第35回東京国際映画祭のコンペティション部門国際審査委員長として来日できることを、とても光栄に思います。」
続いて4名のコンペティション部門の国際審査委員が紹介されます。

次にTIFFの顔であるフェスティバル・アンバサダーが発表されます。
今年のフェスティバル・アンバサダーは昨年の第34回に引き続き、女優の橋本愛さん。
2年連続のアンバサダー就任の心境を問われた橋本さんは
「本当に有難い光栄なことだと思いますし、役目を果たさなければと背筋の伸びる思いです。
もう一つはアンバサダーとして、映画に関わる人間として如何いった事を発信していけば良いのだろうと
模索していた中で、2年連続という事でもうちょっと自分に何が出来るかという事は無いかなと考えた時に
今の日本の映画界に色々と立ちはだかる課題について自分の気持ちをお話し出来たらなと思っています。
個人的な話になるんですけど、まだ日本全体でみるとLGBT+Qや環境問題への理解が世界と比べるとまだ浅く、
そういうので一番感じるのは、世代間の溝というか、自分の功績に誇りを持ってモノづくりに関わっている
という姿勢はとても素晴らしい物だと思うんですけど、一方で下の世代から見るともう少しお互いに
声を聞き合うという姿勢がこれからモノづくりにおいて凄く大事な事なんじゃないかなと思いましたし、
また自分も含めて下の世代が自分の声を押し殺される事に何度も何度も経験をして来た中で
諦めてしまいそうな所をめげずに自分の意見を伝えていく、その表現方法をちゃんと鍛えて
自分の中にあるものを伝わる様に伝えるというスキルをこちらも磨いていく事が大事だなと思っていて、
お互いが歩み寄って今より素敵なモノづくりの環境になれば良いなと一映画人の願いが有ります。」とコメント。

そして昨年のアンバサダーを務めた感想を改めて問われると
橋本さん「兎に角、お祭りが大好きなので、映画祭という雰囲気も大好きですし、
昨年は海外の監督さんや俳優さんとお話をする機会がありまして、そこで自分の英語や語学力の
あまりの拙さに絶望しながら。もう一つは映画そのものの役割だったり、映画祭の役割についても
考えるキッカケになって。凄く個人的な気持ちなんですけど、歴史や伝統を守っていく姿勢、
それ自体は美しいし素晴らしいと思うんですけど、その一方でそれを守り抜く過程で零れ落ちてしまう人達は
勿論たくさんいて、その人たちの苦しみや悲しみにちゃんと寄り添って作っていくのが映画であり、
芸術であるだろうし、そういった存在で助け合いながら、世界をよりよくするお手伝いを映画を通してしていけたら
いいのかなと思っていて、東京国際映画祭で改めて世界を見渡して、
今の日本を改めて見つめ直すきっかけになったらいいなと個人的に思っております。」

続いて自身が作品を観る時、どういった基準で選んでいるか?との問いには
「一番は好きな監督だったり、好きな役者さんが出ている作品ですけれども、そうでないものに関しては
ポスタービジュアルがすごく好きで、映画のイメージであったり場面を一つの写真でバチッと表現されている
ポスターを見ると作り手の想いを感じるのでポスターを見るのは好きですね。」と話す橋本さん。

そして今年の映画祭でやってみたい事を問われた橋本さんは、
「青山真治監督の特集上映は足を運べたらなと思っております。すごく好きな監督ですし、
いつかご一緒したいなと思っていた監督だったので是非行きたいなと思っております。」

続いてもう一つのTIFFの顔であるオープニング作品とクロージング作品が紹介されました。

オープニング作品 『ラーゲリより愛を込めて』©2022映画「ラーゲリより愛を込めて」製作委員会 ©1989清水香子

オープニング作品は二宮和也主演のシベリアの強制収容所(ラーゲリ)に抑留された
実在の日本人捕虜・山本幡男を題材にした愛の実話『ラーゲリより愛を込めて』。
第2次世界大戦後、極寒のシベリアで強制労働を強いられ過酷な日々を過ごす中、
日本にいる妻と約束した帰国(ダモイ)を誰よりも強く信じ、多くの捕虜たちを励まし続け、
その心に希望の火を灯した感動作がワールドプレミアとして映画祭の開幕を熱く盛り上げます。

クロージング作品 『生きる LIVING』©Number 9 Films Living Limited

クロージング作品は『生きる LIVING』。黒澤明の名作『生きる』(1952年)
ノーベル賞作家のカズオ・イシグロの脚本によって現代に蘇ります。
これまでサンダンス、ベネチア、サンセバスチアン、トロントといった世界の錚々たる映画祭で上映され、
早くも今年のオスカー候補と言われている作品が、映画の生まれた地、日本の映画祭の終幕を飾ります。

続いて主な部門紹介がなされました。

「コンペティション部門」

コンペティション部門は2022年1月以降に完成した長編映画を対象に
世界の107の国・地域からの1,695本のエントリー作品の中から厳選された15本
(内、日本映画3本)が上演され、内8本がワールドプレミアとなります。
ベトナム映画という、東京国際映画祭のコンペティション部門に初エントリーの国の映画も。

15本の上映作品が紹介された後、コンペティション部門の3本の日本映画の監督、
「窓辺にて」の今泉力哉監督、「山女」の福永壮志監督、「エゴイスト」の松永大司監督が登壇。

3名夫々に東京国際映画祭との関わり方や、コンペに選ばれた感想が問われると
今泉監督「2013年に『サッドティー』という作品で当時の「日本映画スプラッシュ部門」で呼んでいただいて、
4本、5本くらい毎年のように参加させていただいていて、コンペでは『愛がなんだ』という映画で
2018年に参加させていただいてぶりになるので、プログラムディレクターが変わってから初めて参加出来るので、
今回選ばれて嬉しいなと思っています。」

福永監督「TIFFには初参加となりますが、大変嬉しく光栄なことだと思っております。
東京国際映画祭の印象というと、自分は長い間海外にいたので直に参加した経験はあまりなくて、
ただ日本を代表する映画祭の一つだと思いますし、その中でも映画界にとっても大きなイベントだという感じがあります。」

松永監督「『アジア三面鏡』の監督として参加させていただいたことがありますが、コンペでは初めてで、
映画祭のどの部門にも選んでもらえるという事はとても光栄だと思っている中で、
コンペは映画祭の花形として他の国の映画と並んで自分の映画がどのように見られるかが
非常に興味深く、光栄だと思います。」とのコメントがなされます。

次に作品に込めた想いや経緯は?との問いに
今泉監督「一番最初は稲垣吾郎さんと何かやろうとなり、何を撮ろうと思った時に
ずっと自分は恋愛映画を撮り続けているんですけれども、色んな恋愛映画がある中で
日常に近い恋愛ものをやろうとしていて、今回は主人公の奥さんが浮気していることを知った時に、
怒りとか悲しみとかが感情的に起きなかったってことは愛情があるんだろうか?
ということに悩む人を描いているんですけど、先程橋本さんが零れる人達がいっぱい居るのに、
まだ名前のついていない悩みを抱えた人がいっぱいいるのに、その人たちについての作品がまだあまりないな、
ということをあまりシリアスになり過ぎずに笑いを含めて描くのをずっとやってきて、
今回の作品もまさにそういうことをやろうとした作品ですね。」

次に映画祭でやってみたいことを聞かれた福永監督と松永監督は、
福永監督「映画祭は発表の場であり、映画文化への理解を深め色んな事を発信する場だと思うので、
色々な作品を拝見するのも楽しみにしていますけど、シンポジウムとかイベントであった人と交流して
次に繋げることができる経験が出来ればなと思っています。」

松永監督「監督たちと交流するのも楽しみだなと思うのと、『エゴイスト』という作品が、
初めて一般上映されるのでどういう反応になるのかがとても楽しみです。」

「アジアの未来部門」

合言葉は”アジア発、世界へ!未来へ!”今年で10年目を迎える部門。長編作品3本目までの
アジア(日本・中東地域含む)の新鋭の監督の作品が対象のアジア・コンペティション部門。
日本映画2本を含む上映作品10本全てがワールドプレミア作品です。

「ガラセレクション部門」
日本公開前の最新作をプレミア上映。ベネチア国際映画祭やトロント国際映画祭といった今年の
国際映画祭に出品され、話題になったばかりの最新作14本が上映されます。
うち4本が国内作品であり、更にその内3本(『母性』『月の満ち欠け』『あちらにいる鬼』)が
廣木隆一監督作品という、ガラセレクション部門のみならず、35年間のTIFFの歴史の中でも
1部門に同一監督作品が3本上映というのは初(監督特集、特定ジャンル特集等を除く)との事。

「ジャパニーズ・アニメーション部門」
アニメ、特撮作品を特集する部門。最新アニメ映画の紹介、過去作品をテーマに基づき、
特集する「レトロスペクティブ」、そしてアニメの近接領域の特撮の3つを柱にしており、
2022年は「ゼロから世界を創る」をテーマに、新作3本、「アニメと東京」をテーマとした過去作4本、
特撮では今年放送55年を迎える『ウルトラセブン』を特集。夫々の特集においてシンポジウムも行われます。

「Nippon Cinema Now部門」
昨年一新された部門。日本映画の新作、特に海外展開をサポートしたいと思う作品が中心に選出され、
国際映画祭への出品も期待される作品が並びます。そして「監督特集(追悼 青山真治)」と題し、
昨年の審査員を務めながらも、今年3月21日に急逝した青山真治監督を追悼し、代表作品を上映。

その他、「日本映画クラシックス部門」、「ワールド・フォーカス部門」「ユース部門」等が紹介されました。

「黒沢明賞」
冒頭でも紹介された、14年ぶりにTIFFにカムバックする、世界に最も名の知られた日本人監督、
故黒澤明の業績を後世に伝え、新たな才能を世に送り出す為、世界の映画界に貢献した映画人や
映画界の未来を託していきたい映画人に贈られる賞。過去、スティーブン・スピルバーグ氏や山田洋次氏等が
受賞したが、今年は5人の選考委員により選ばれ、TIFF会期中に授賞式が行われ、黒澤明が愛した世界の名作も上映予定。

「Amazon Prime Videoテイクワン賞」
昨年から始まった商用長編映画経験の無い日本在住の映画作家を対象に15分以下の短編を審査し決定される新人監督賞。
受賞者は副賞として賞金100万円の他、Amazonスタジオとの長編映画の制作を模索する機会が提供され、
本年のファイナリスト作品はAmazon prime videoとの連携でTIFF開幕前に配信されます。また映画上映外にも各種イベントが開催予定となっています。

【質疑応答】

最後に橋本さん、今泉監督、福永監督、松永監督と、安藤チェアマン、
市山尚三TIFFプログラミング・ディレクターが登壇しての質疑応答が行われました。

Q:登壇時にも話されていたが、自身がこの日本でLGBTQ+の人達にこんな理解があれば、と思う具体的な例は?

橋本さん「自分の知っている人が物凄く苦しんでいるのを見ているので、変わって欲しいなと思っているんです。
世界を見渡せば、LGBTQ+って、まだまだ型にはめないと語れない段階に今はいるという事なんだと思うんですけど、
人はそもそも、同じなんて誰一人居ないし、同じ状況の人も誰一人いないので、こうすれば皆幸せになるという事項は
何一つ無いと思います。なので、一人でも多くの人が個々の具体的な苦しみに一人一人が寄り添って
考え抜いて行くというのを繰り返していくしかないと思っていて。全体的な事を見渡して
具体的にどうなって欲しいというよりかは、一人一人考え方を変えていくしかないのではないかと思っていて、
それが映画だったり芸術によって影響を与えていけるのではないかという希望を持っているので、
一人一人の意識を変革していく事に映画そのものが貢献していければ良いなという風に思っております。」

Q:橋本さんの話の中で世代間の溝という言葉が出たが、3監督は現場で難しさを感じたか?その改善点は?

今泉監督「例えば自分が若い時に入っていた現場で、ある種の縦社会で助手に叫んで指示する人を
目の当たりにしたり、自分が関わった現場ではあまり暴力的な事が目の前で起きるみたいな事は
あまり見た事はないんですけど、夜中の12時を回っての撮影が当たり前だった様な場所とかが
改善されていったりとか。それは世代だけの話ではないのかもしれないんですけど、
そういう事について思う事は凄く有ったり、自分の現場では極力起きない様に、
良いとされていた事についても、今はそういうのは違うんじゃないかという事とか凄く有りますし、
なんなら自分が自主映画を作っていた頃からの作品の中にも、もう上映はしにくいなという言葉が、
その時はまだ意識が低くて発言でも台詞でもあった様な作品に関しては、自らは上映を控えていたりとか
そういう意識は一人ずつ持ってく所があるのかなと思っております。」
福永監督「僕は日本映画の現場を数多く踏んで来た訳ではないですし、映画を作る時に
海外のスタッフもいたりとかというので、伝統的な昔からミャクミャクと続く現場とは
空気や体質が違うのかもしれないですけど、その中でも聞く話だったりとか、今泉さんのお話の様な
体育会系というか、縦社会の空気や行き過ぎた労働というのを見ていて、変えなければいけないと
凄く思っているので、目指す理想にはまだまだ遠い所がありますけども、一つ一つの作品で変えていきたいと思っています。」

松永監督「僕自身も映画を作る側に回った時に多くの現場を助監督とかで経験した訳ではないんですね。
なので自分のやりかたで映画を作り始めていたので、最初の頃に「映画ってこういう風に作るんだよ」と
言われた時に、僕の場合はあまりそういう理屈は分からなかったので、「僕は映画を作る経験がないので
こういうやり方で試してみたいです。」という事を今も貫かせてもらっていく中で自分が転機だと思ったのが
『ハナレイ・ベイ』で海外のクルーと撮った時に労働時間やスタッフとのコミュニケーションの在り方。
日本だと上の世代の人が現場で「お前」とか「おい」って、名前を呼ばないんですよね。
アメリカは絶対に名前を呼びますし、僕の事も下の名前でダイシと呼ぶ。一つの現場を皆で作るというのが
当たり前である現場を経験した時にこうあるべきだと凄く思っています。
それは小さな事からしか出来ないんですけども、自分の現場でも心掛けて映画を作ろうと思っています。」

橋本さん「私は大層な事を言ってしまったなと。でも嬉しかったです。監督の気持ちを聞く様な機会は無いですし、
ただ、私の立場だと色んな人の現場に向かう仕事であって、監督は自分の現場を作るという立場が
翻って違うので反対側の景色というのを少しでも知る事が出来てとても嬉しかったです。」

Q:世代間の溝やおかしいと思った事に対し、自身を含めた世代による取り組みや動きは?

橋本さん「私は自分以外の役者さんの事はあまりよく知らないんですけども、例えば自分が
主演や主人公をやらせてもらえる立場だとしたら、意見を言う機会を設けていただいたりとか、
結果、自分が思った通りにはならなかったとしても、一応聞いてくれるという実感を
与えて下さったりとか。でもそれって主演という立場が無かったら、きっとこれは無かっただろうなと思ったりとか、
傍から見ていて自分以外の人に対しての態度が違ったりとか、そういうのを目の当たりにすると
逆にこの立場を活用してちゃんとクリーンな関係性を誰に対してもお互いが作っていける様に
示していかなければならないなという風には思っていて、戦うという姿勢では無くて、
自分はこう思うというのを一先ず伝えて、結果がどうなったとしても、コミュニケーションをとったという実績が
どこかでお互いに残ると思っていて、0か100、どっちが悪くてどっちが正しいというのは
どの事例においても無くて、でも何かきっかけになる様な事を自分が残せたら良いなと日々奮闘しています。」

Q.コンペティション部門の選出について、東アジアがなく中央アジアや合作が多いが?

市山ディレクター「バランスは考えているものの、最終的には面白い作品だからやろうとした結果にはなっていますが、
東アジアが弱いというのはまさにおっしゃる通りで、韓国映画についてはコンペティションで
やりたい作品がたまたまなかったが、中国に関しては検閲で止まっている映画が多く、影響が出ているかもしれず、
もっとやるべき映画があったかもで、事実、カンヌやベネチアの映画祭でも中国映画がない異常事態になっております。
合作については、実情一か国の作品であっても資金的に国が入ってくることはよくあり、
芸術的な作品を作るには色々な国のサポートが必要であるという実態を表しているかと思います。」

Q:映画祭、作品選考においてのジェンダーバランスについては?

安藤チェアマン「ジェンダーバランスについては我々は非常に気を遣っており、実践をしていきたいと思っています。
TIFFのスタッフでは74名中42名が女性で、56.8%となっています。今年の上映作品の監督男女比は、
上映が決まっている117本のうち、女性監督の作品は14本。比率では16.8%、審査委員は3人女性、2人男性となっています。
ただ、女性なら良いという訳ではなく、作品の質を鑑みながらとなります。」

日比谷・有楽町・銀座エリアへ会場を移して行われる2年目のTIFF。
3年ぶりのレッドカーペット開催も予告され、以前の賑わいとなるか、映画界の注目が集まります。

【 第35回東京国際映画祭開催概要】

公式サイトはこちら

<開催期間>
2022年10月24日(月)~11月2日(水)[10日間]

<会場>
シネスイッチ銀座、丸の内TOEI(中央区)、角川シネマ有楽町、TOHOシネマズ シャンテ、TOHOシネマズ 日比谷、
ヒューマントラストシネマ有楽町、丸の内ピカデリー、有楽町よみうりホール、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場、
マルキューブ、有楽町micro、東京宝塚劇場、東京国際フォーラム(千代田区)ほか、都内の各劇場及び施設・ホールを使用

<実施体制>
主催:公益財団法人ユニジャパン(第35回東京国際映画祭実行委員会)
共催:経済産業省 国際交流基金アジアセンター(アジア映画交流事業)、東京都(コンペティション部門、ユース部門)
後援:総務省/外務省/千代田区/中央区/独立行政法人日本貿易振興機構/国立映画アーカイブ/
一般社団法人日本経済団体連合会/東京商工会議所/一般社団法人日本映画製作者連盟/
一般社団法人映画産業団体連合会/一般社団法人外国映画輸入配給協会/モーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)/
全国興行生活衛生同業組合連合会/東京都興行生活衛生同業組合/特定非営利活動法人映像産業振興機構/
一般社団法人日本映像ソフト協会/公益財団法人角川文化振興財団/一般財団法人デジタルコンテンツ協会/
一般社団法人デジタルメディア協会
支援:文化庁

<協賛>
オフィシャルパートナー:日本コカ・コーラ株式会社/Prime Video/株式会社カプコン
プレミアムスポンサー:三井不動産株式会社/三菱地所株式会社/株式会社木下グループ
スポンサー:株式会社 アイム・ユニバース/株式会社バンダイナムコホールディングス/大和ハウス工業株式会社/
株式会社 帝国ホテル/株式会社IMAGICA GROUP/株式会社スター・チャンネル
トランスポートパートナー:東京地下鉄株式会社/東京都交通局
メディカルサポーター:ICheck株式会社
コーポレートパートナー:松竹株式会社/東宝株式会社/東映株式会社/株式会社KADOKAWA/日活株式会社/
一般社団法人映画演劇文化協会/一般社団法人日比谷エリアマネジメント/東京ミッドタウンマネジメント株式会社/
DMO 東京丸の内/Ligare
メディアパートナー:株式会社J-WAVE/株式会社WOWOW/日本映画専門チャンネル/ウォール・ストリート・ジャーナル/
LINE株式会社/株式会社つみき/株式会社ムービーウォーカー/ぴあ株式会社/株式会社 ニッポン放送/Variety/
ハリウッド・リポーター(※協力年順)
フェスティバルサポーター:西尾レントオール株式会社/株式会社トムス・エンタテインメント/株式会社クララオンライン/
株式会社レントシ―バー

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