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ブロードウェイミュージカル「ピピン」大阪公演来週開幕!

東京公演観劇レポート

幕が開けば、そこはサーカスとミュージカルが溶け合った妖しくてまぶしい魔法の世界――。
若き王子ピピンが自分探しをする物語を描いたブロードウェイミュージカル「ピピン」が、
3年振りに戻ってきた。いよいよ来週開幕の大阪公演では出演者アフタートークショー開催決定!

ピピンを様々な世界へ導くリーディングプレイヤー役のCrystal Kay(クリスタル・ケイ)が、
「Join us さぁここへおいで♪」と「Magic to Do(魔法のひととき)」を歌い出す。
初演ではミュージカル初挑戦ながら、見事、読売演劇大賞優秀女優賞を受賞したクリスタル・ケイ。
前回はいい意味で力が入り、それがパワフルなリーディングプレイヤーの役柄にもつながっていたのだが、
今回は打って変わって堂に入り貫禄がある。張りと艶のある伸びやかな歌声とセクシーなダンスで
観客を瞬く間に魅了していく。クリスタル・ケイも「前回に比べ、
今回はお客さんの目を見て“Join us”と勧誘する余裕ができた」と話していた。

そして、リーディングプレイヤーが率いるサーカス一座が勢揃いする。
シルク・ドゥ・ソレイユ出身のアーティストが手掛けた、
目を見張るようなアクロバットやマジックが次々と展開。
子どものころ初めてサーカスを観た時のような、ゾクッと鳥肌の立つ感覚とワクワク感が蘇る。
リーディングプレイヤーも空中ブランコに乗り、逆さづりになって開脚するなどの技を見せてくれる。

続いて、森崎ウィン演じるピピンが登場。何不自由ない一国の王子が、
人生に生きる実感がほしいと「Corner of the Sky(僕の居場所)」を歌い、
憂いを帯びた声で観客を引き付ける。森崎のピピンは若さと無邪気さにあふれ、
彼が笑うだけで、こちらもほほ笑んでしまう陽だまりのようなキュートな王子だ。
初演でピピンを演じた城田優から役を引き継ぐのは「プレッシャーが大きい」と話していた森崎だが、
そこは微塵も感じさせない。クリスタル・ケイと同様、歌とダンスに加え、
アクロバットやマジックもこなさなければいけない難役を楽しんでいるように見える。
この作品は演技の最中でも、ほかのキャストによるアクロバットやマジックが同時進行するシーンがあり、
観客は一瞬たりとも舞台から目が離せない。観るところが多すぎて、目がいくつあっても足りないぐらいだ。

「ピピン」は1972年にミュージカル界の鬼才、ボブ・フォッシーが演出と振付を担い、
ブロードウェイで初演。フォッシー・スタイルと呼ばれるダンスは日本でも人気の「シカゴ」でおなじみだ。
2013年にブロードウェイで再演された新演出版の日本語版が今作で、そのフォッシー・スタイルがふんだんに楽しめる。
ピピンが戦争に行くシーンでは、リーディングプレイヤーが「Glory 栄光」を歌い、
そこで彼女が3人で見せるダンスにも注目だ。一見、コミカルだが、
実はカルト集団の指導者だったチャールズ・マンソンをモデルにし、
リーディングプレイヤーが人々を操っている姿が表現されている。
3人の振付が戦場で倒れた兵士の動きと一緒だったりとシュールだ
戦争を含め、この世を動かしている得体の知れないものが、風刺たっぷりに描かれている。

また、初演でピピンの祖母バーサを演じた中尾ミエと前田美波里がダブルキャストで続投。
「No Time at All(あっという間に)」では、70歳を超える二人が空中ブランコに乗り
「さぁ、楽しもうよ、残りの時間を大切に、季節は変わっていく♪」と歌い、
ピピンと観客を励ましてくれる。二人の鍛え抜かれた肉体美や歌声、
凄まじいアクロバットに目頭が熱くなる。「私の年齢でもこんなことが出来るんだと、
ぜひ舞台で確かめてほしい。人生は楽しまなきゃ損よ」と前田は語っていた。

その後、ピピンは快楽を求めたり、田舎暮らしをしたりして旅を続ける。
物語が進むにつれ、クリスタル・ケイのリーディングプレイヤーは今回、
新たに母性も感じさせたが、怖さと不気味さを増していく。
ピピンも人生経験を積んでたくましくなり、一幕では繊細だった森崎の歌声も、
その変化と共に激しくパワフルに響く。

最後にピピンが選んだ生き方とはー? 森崎もクリスタル・ケイも大好きだという、
衝撃のラストは見てのお楽しみだ。ピピンが求めた、生きがいや充実感のある人生の裏側には、
色あせた平凡な日々がある。コロナ禍で、そんな日常が大半だろう。
しかし、「ピピン」の魔法にかかれば、そんなのさえない、
スポットライトのない日々が愛おしく感じられるかもしれない。まずは劇場へ!

取材・文 米満ゆう子

一生忘れられないミュージカル『ピピン』2022開幕! – YouTube

【出演者アフタートークショー開催決定】

森崎ウィン、 Crystal Kayのほか、 霧矢大夢、 愛加あゆ、 中尾ミエ、 前田美波里が参加致します。
稽古場秘話やここでしか聞けない裏話、 出演者たちの素顔と生の声が聞ける貴重な機会となります。
対象公演のチケットをお持ちの方は全員ご参加いただけます。 ぜひこの機会をお見逃しなく!

★9/25 (日) 12:00公演 (公演終了後) Crystal Kay×愛加あゆ×中尾ミエ
★9/26 (月) 13:00公演 (公演終了後) 森崎ウィン×霧矢大夢×前田美波里
注意:登壇者は予告なく変更になる可能性もございます。その場合のチケットの払い戻し等はできませんのでご了承ください
上記公演回のチケットをお持ちのお客様のみ本公演に引き続き自席にて参加可能です。

【ブロードウェイミュージカル「ピピン」大阪公演概要】

公式サイトはこちら

<公演期間>
大阪公演:2022年9月23日(金・祝)〜9月27日(火)

<会場>
大阪:オリックス劇場

<上演時間>
約2時間45分(20分間の途中休憩を含む)

<料金>
大阪:
『マチネ』※24日12時、25日12時、26日13時、27日13時
S席(1階席・2階席)13,500円 A席(3階席前方)9,500円 B席(3階席中段・後方)7,500円

『ソワレ』※23日17時、24日17時
S席(1階席・2階席)12,500円 A席(3階席前方)8,500円 B席(3階席中段・後方)6,500円
(全席指定・税込)
※未就学児童入場不可
※やむを得ない事情により、出演者並びにスケジュールが変更になる可能性がございます。
出演者変更の場合でも他公演への変更・払い戻しはいたしかねます。予めご了承ください。
※公演中止の場合を除き、払い戻し、他公演へのお振替、お客様の体調不良および
新型コロナウイルス感染によるチケットの払い戻しは致しません。ご了承のうえ、お申込みください。
※チケットはお一人様1枚必要です。
※車椅子をご利用のお客様は、東京/キョードー東京、大阪/キョードーインフォメーションまでお電話にてお問合せ下さい。
※チケットを紛失された方、または当日チケットをお忘れになった方はチケットがなければどのような場合でもご入場できません。
※本公演購入時にご登録の氏名、緊急連絡先等は、万が一来場者から新型コロナウイルス感染者が発生した場合など、
必要に応じて保健所等の公的機関へ提供させていただく場合がございます。
※その他、当日の感染予防対策におきましては、本ホームページをご参照ください。

『プレイガイド他』
キョードー東京:https://tickets.kyodotokyo.com/pippin2022/ 0570-550-799(平日11:00~18:00/土日祝10:00~18:00)
フジテレビダイレクト:https://fujitvdirect.jp
チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/pippin2022/
イープラス:https://eplus.jp/pippin2022/
ローソンチケット:https://l-tike.com/pippin2022/
楽天チケット:http://r-t.jp/pippin2022/

「問い合わせ」
大阪:キョードーインフォメーション 0570-200-888(月~土 11:00~16:00 ※日祝は休み)

<出演者>
ピピン:森崎ウィン
リーディングプレイヤー:Crystal Kay
チャールズ:今井清隆
ファストラーダ:霧矢大夢
キャサリン:愛加あゆ
ルイス:岡田亮輔
バーサ:中尾ミエ(Wキャスト、前田美波里(Wキャスト)
テオ:高畑遼大(Wキャスト)、生出真太郎(Wキャスト)

加賀谷真聡
神谷直樹
坂元宏旬
茶谷健太
常住富大
石井亜早実
永石千尋
伯鞘麗名
妃白ゆあ
長谷川愛実
増井紬

『スペシャルゲスト』
ローマン・ハイルディン
ジョエル・ハーツフェルド
オライオン・グリフィス
モハメド・ブエスタ
エイミー・ナイチンゲール
※やむを得ない事情により、 出演者が変更になる可能性がございます。
※当初出演予定でしたデミトリアス・ビストレフスキーの来日はなくなりました。

「オーケストラ」
ピアノ/指揮:前嶋康明
キーボード:野口彰子
リード1:BOB ZUNG
リード2:大橋一徳
トランペット:髙荒海、笠原日向
トロンボーン:笹栗良太、高井天音
ヴィオラ:長尾珠代
チェロ:津森奈保子、郷田祐美子
ギター:塚田剛
ベース:木村将之、絲井勇太
ドラム:荒牧翔太
パーカッション:萱谷亮一、大場章

<STAFF>
脚本:ロジャー・O・ハーソン
作詞・作曲:スティーヴン・シュワルツ
演出:ダイアン・パウルス
振付:チェット・ウォーカー(in the style of Bob Fosse)
サーカス・クリエーション:ジプシー・シュナイダー(Les 7 doigts de la main)
編曲:ナディア・ディジャロナード
音楽スーパーバイザー:ライアン・キャントウェル
オーケストレーション:ラリー・ホックマン
装置デザイン:スコット・パスク
照明デザイン:ケニー・ポズナー
衣裳デザイン:ドミニク・ルミュー
音響デザイン:ジョナサン・ディーンズ、ガース・ヘルム
イリュージョン:ポール・キーブ
演出補:メ―ロン・クルーゼ
振付補:カムデン・ルーサー
サーカス・レプリケーター:カイ・ジョンソン=ピーディー
アメリカン・レパートリー・シアター
プロデューサー:バリー&フラン・ワイズラー、ハワード&ジャネット・ケイガン
翻訳:小田島恒志
音楽監督:前嶋康明
音響:山本浩一
衣裳:及川千春
ヘアメイク:宮内宏明
歌唱指導:鎭守めぐみ
訳詞:小田島恒志、福田響志
演出助手:伴・眞理子
技術監督:田中孝昭
舞台監督:松村わかな
大阪公演主催:関西テレビ放送/キョードー大阪
大阪公演後援:FM802/FM COCOLO
協賛:タカラレーベングループ
共同制作:バリー&フラン・ワイズラー 、ハワード&ジャネット・ケイガン

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