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昨年10月天国へと旅立った日本バレエ界の重鎮に送る2日間 「牧阿佐美追悼公演『飛鳥』」取材会開催

84年の生涯をバレエに捧げ、2021年10月に永眠した日本バレエ界の草分け的存在である牧阿佐美。
彼女が最後に手掛けた全幕振付作品である、2016年に新制作した本作『飛鳥』は
洋画家で牧と同じく2021年に文化勲章を受章した絹谷幸二氏の美術と映像デザイナーの
榎本二郎氏のプロジェクション・マッピング技術により斬新な美しさを生み出しました。

2019年ウラジオストク公演

映像演出によって創り上げる舞台空間は、ファンタジーの世界に繋がる壮大ないにしえの都。
クラシック音楽の聖地として名高い東京文化会館の充実した舞台に、日本の伝統文化の美が広がる新しいバレエの世界。
物語は古代の日本、大陸との交流が盛んな時代として描かれる飛鳥を舞台に、
芸術を象徴する竜と人間のドラマが繰り広げられます。2016年に初演、翌2017年は富山・オーバードホール、
2018年に再び新国立劇場での再演、そして2019年にはロシア・ウラジオストクのマリインスキー劇場
プリモルスキー・ステージで初の海外公演を行い、3日間にわたる上演はロシアの観客の絶賛を浴び、大成功を収めました。

2019年ウラジオストク公演

昨年10月にこの世を去った牧阿佐美の追悼公演として、牧の創作した最後の全幕バレエ「飛鳥 ASUKA」を再び上演します。
青山季可・中川郁・清龍千晴は、2019年の海外公演に続き、東京では初めて主役として登場。
初演から竜神を演じる菊池研、全くの初役の水井俊介らと共に牧阿佐美への追悼の思いを舞台に捧げます。

2022年8月26日(金)、東京都中野区の一般財団法人 牧阿佐美バレヱ団スタジオにて
9月3日・4日の公演に先駆けた取材会が行われました。

【取材会の様子】

取材会に登壇したのは、牧阿佐美バレヱ団芸術監督で牧阿佐美氏の夫の三谷恭三氏、
牧阿佐美バレヱ団会長でソニー名誉フェロー、盛田テニスファンド会長の盛田正明氏、
女優で元牧阿佐美バレヱ団のプリンシパルである草刈民代さん、『飛鳥』にて主要役を務める
プリンシパルキャストの菊池研さん、青山季可さん、水井駿介さん、中川郁さんの7名。

最初に登壇者挨拶がなされます。

盛田会長「私は「ド」が付くバレエの素人でございますが、今から24~5年前、私の家内がバレエが好きで、
牧阿佐美バレヱ団を観に行きまして、その時に幕間に牧先生をご紹介いただいたんです。
私は牧阿佐美バレヱ団は初めてですし、正直言ってバレエそのものも、まともに観たのは
初めてだったんですけども、その幕間に牧先生にお会いして「えっ!?」と正直、私はびっくりしました。
私は牧バレヱ団の長でいらっしゃるから、バレエについては素晴らしい方だという事は
よく分かっておりましたが、色々お話をしてみると、私は長い事会社経営をやっておりましたけども、
牧先生は経営者としても素晴らしい能力を持っていらっしゃるという事がピンッと分かったんです。
私はこの方はただ事ではないと思ったのが最初でそれ以来、昨年お亡くなりになるまで
ずっとお付き合いをいただいて、色々とお話をさせていただいて私は本当に幸せだったと思っております。」

草刈さん「私は中学1年生になると同時に橘バレヱ学校に入学いたしまして、2009年に引退するまで在籍しておりました。
私が踊り学んでいた時代は、阿佐美先生が本当に色んな事に挑戦し始めた時でした。
例えば、今でも牧阿佐美バレヱ団の上演レパートリーとなっている、テリー・ウエストモーランド先生の
「ライモンダ」とか、その時に阿佐美先生は新たな古典の焼き直し等を始められて、
その意欲がどんどんと世界的な人脈を作って、ローラン・プティ氏を日本で初めて招聘したりとか、
氏と共同制作をしたりと、本当にバレエ史を塗り替える様なご活躍をなさって来て。
今でも私は表現活動をしているのは、そこで植え付けられたものが本当に根っこにあって、
それが土台になって自分が今でも色んな活動をしているんじゃないかという風に思っております。
「飛鳥」に関しては、私は2014年に再演出した物は拝見しています。数日前に今公演のお稽古を見せていただいて、
そこで思ったのは、この再演出というのは恐らく、80歳になるかならないか位の時に再挑戦として、
「飛鳥」のリメイクに取り組まれたと思うんですけども、振付を見ていますと、
とても晩年の人が振り付けた物とは思えないなという所が沢山有って、
これを80歳近くで最後に取り組まれたというのは本当にエネルギーがあった人なんだなという風に思います。
付け加えますと、牧先生は4歳位からお母様の橘先生にバレエの手解きを受けたという事なんですけども、
あの時代で4つからお稽古をしている人は多分、いないと思うんですね。勿論、バレエがまだまだどんな物か分からない、
橘先生も手探りで、阿佐美先生もお母様に言われたまま、お稽古をして来たと思うんですけども、
晩年まで進化し続けたという事の土台になるのは、本当に子供の頃からバレエ一筋というか、
バレエしかやっていなかったという事が「飛鳥」の振り付けのエネルギーに現れているんだなという事を
皆さんのお稽古を拝見して思いました。お稽古を見て、改めてこれは日本のバレエの古典みたいなものに
なるんだなという風に確信しております。まだまだ回を重ねる毎にバージョンアップしていく余地が
あると思いますし、何かそういう事を橘先生が土台をお作りになって、阿佐美先生が生涯をかけて
最後にバレエで自分自身が獲得した物を全て投影して、その想いが詰まった作品ですので、
「飛鳥」は今、牧阿佐美バレヱ団で踊っている人達の力を結集して、素晴らしい公演にしていただきたいと思っています。」

春日野すがる乙女役(3日):青山さん
「私は竜妃になる事を夢見て、それに誇りを持って生きて来た女性が岩足との出会いによって、
愛との間に心揺れ動く女性、すがる乙女役を演じさせていただきます。
2019年のロシア公演が初めてのすがる乙女役だったんですけれども、その配役が決まる前に
阿佐美先生から事務所で「貴方はこの役を踊る覚悟があるのか」という事を聞かれまして、
覚悟があるのか、と言っていただいてもまだ決まっていないし、恐れ多いので何とも言えない様な感じで
「踊らせていただけるのなら頑張ります」位しか言えなかったんですけれども、
阿佐美先生は、すがる乙女を演じる時に感情の事を伝えるというよりも、足の出し方一つや
そこに顔のつけかたや手の付け方の角度とか、本当に一つ一つ細かに注意する事で
その感情も膨らんでいくという事を伝えて下さったんだな、と今リハーサルをしていて改めて感じています。
阿佐美先生が伝えて下さった事を、今までやらせていただいた経験を活かしながら良い舞台にする為に
心を込めて踊りたいと思っています。」

春日野すがる乙女役(4日):中川さん
「2019年のロシア公演で初めてすがる乙女役を踊らせていただきまして、
当時阿佐美先生が殆ど毎日、リハーサルをこの場所で見て下さって、細かい所までご指導いただきました。
海外で、しかもすがる乙女を踊るのが初めてでしたので、ロシアの方にどんな反応をしていただけるか
凄く不安でしたが、最後にお客様がスタンディングオベーションをして下さって、それがとても印象に残っております。
一度踊った役だから少し勝手が分かっていて楽という事は決してなくて、むしろ、2回目の今回の方が
より難しさを感じるというか、今の自分が出やすい。例えば心の迷いとかが凄く踊りに現れやすい役で、
すがる乙女は心の修行の様な役だと思っております。阿佐美先生からもこれが出来なきゃダメよ、
と言われている様な気がしております。本番までに沢山稽古をして、心の修行もして良いものを
お見せ出来たら良いなと思っております。」

竜神役:菊池さん
「すがる乙女と岩足の2人を引き裂いてしまう、この物語の中でも異質な存在として君臨する竜神役を務めます。
僕は初演時から唯一、ずっとシングルキャストで竜神役を務めさせていただいて。このバレエを制作する段階で
阿佐美先生と一緒に作る事をさせていただく事が出来ました。本当に世界でも著名なバレリーナの方とパートナーシップを
務めさせていただき、踊るパートナーによってこの作品の奥深さとか新しい発見があり、上演をする度に
作品がより一つ進化していくというものを経験させていただき、2019年にウラジオストクの方では
僕としては「飛鳥」は日本で生まれたグランドバレエですので、日本人のキャストとして務めさせていただけるという事が
一番の喜びであり、ウラジオストクでそれを評価していただき、海外の目の肥えたバレエファンにも評価をしていただきました。
日本人キャストの皆で今回上演する追悼公演という事を凄く嬉しく思っております。
その中でも水井君とかは、阿佐美先生の教えとかをこの作品について得る事は無かったんですけども、
彼が持つ新しい感性を、その作品に新しい風をくれていると言いますか、僕自身も発見がありますし、
この作品自体の次の進化にも繋がってくると思いますので、皆で精一杯頑張って取り組んで良い物に出来たらと思っております。」

岩足役(4日):水井さん
「春日野すがる乙女の幼馴染役として、彼女の事を幼い頃からずっと一途に思っている青年を演じさせていただきます。
僕自身、10年間ヨーロッパで踊って来まして、その中でやっぱりバレエはヨーロッパ発祥のもので
ヨーロッパを題材にしたお話だったり、演出だったりというものが多い中で今回、
阿佐美先生が振り付けた「飛鳥」という作品、しかも音楽、美術、セットも全部日本人の方が
手掛けたという作品に携われる事を先ず、嬉しく思います。僕が入団したのが2019年夏なので、
それ以降、「飛鳥」は日本では上演されていなくて、本当に初めて僕は「飛鳥」に携わらせていただき、
その中で阿佐美先生にこの作品を指導してもらえてなかったというのが僕の中で悔しいというか
残念な気持ちというのが多いんですけど、今回の岩足役で春日野すがる乙女との幼馴染で
ずっと一途に思っているという役所で、リハーサルを重ねる毎にただ単に一途に思っているというよりも、
彼女との幼少期の思い出だったり。でもそれって結局、幼少期の時はやっぱり一途に好きというだけで
生きてこれたのかもしれないけど、年を重ねる毎に好きだけじゃ駄目で、迷いや
叶わない恋もあるんだなという部分も多分、岩足の視点上として出て来ると思うので、
岩足はおとなになってから僕が出て来るシーンなんですけど、そのバックグラウンドとかも考えつつ、
そういう心情も表せたら良いなと思っているので是非、楽しみにして下さい。」

続いて質疑応答へ。

Q:牧先生が経営者として素晴らしいとの事だが、具体的には?

盛田会長「経営とは何かって言いますとね、何か物事が起こったその時に、その物事を解決しようとしないで
その物事の周りの状況を含めて判断をするというのが経営者の一番大事な所で、何を取り入れて判断するか、
それが能力なんですよね。牧先生も家にいらっしゃった時に悩み等を仰って多分、
色々とご苦労になったと思うんですけども、「先生、如何なさるんですか?」と聞くと、
その先生の考え方がその物事だけでなくて、もっと他の要素を含めて「こうした方が良いと思うわ」って。
私は、この方はバレエ団を辞めて経営者になられたら凄い事をなされるんじゃないかと時々思った事が有るんですよ。
経営とはそういう物ですけども、普通の方は中々それが出来ない。私は牧先生にそれを感じまして、
牧先生はバレエだけではなくて、ウチに来ていただいて一緒に何かやりたいなとそういう気になった位です。」

Q:牧先生から役作りや表現上のアドバイス等で印象にあるものは?

青山さん「私の印象では、阿佐美先生は、悲しいシーンでは「この時には悲しい気持ちなのよ」とか、
そんな風にあまり仰られなくて、ダンサーに想像力を任せて下さるイメージもあって。
例えば今回、私は二幕では竜妃の役をやるんですが、そこと岩足との間で揺れ動く表現というのを
竜になっている時の動きと、人間になっている時の心の動きみたいなのの差を先生が表現して下さったり、
舞台では一番最初に出て来るシーンがとても大切だと思うんですけども、歩いて出て来る時の
人身御供として覚悟を決めている女性なので、その時の気持ちの見せ方というのも先生が
本当に表現して見せて下さって、私は今でもウラジオストクの舞台上で先生が歩いて
見せて下さった姿を凄く覚えています。」

菊池さん「初演時に印象深かったのが、最初に登場するシーンで初めての舞台通し稽古の時に
出てきたら阿佐美先生に止められてしまって、何でそんな歩き方をしたの?と言われて、
それがスピード感か何かなのかは僕は分からなかったんですけど、先生にアドバイスを求めたら、
「何言ってんのよ、竜の様に出てくれば良いじゃないの」と仰られて。
それがあまりにも僕の中では最初キョトンだったんですけど、その竜の様に歩くとは
如何いう事なのか、踊りとして竜を表現するという事は、皆さんが想像するのは
絵に描かれた様な竜じゃないですか。僕は生身の人間として竜を演じなくてはいけなくて。
それって、形とかそういう所で表現をするものではなく、恐らく精神的なもので、
人間としてでも、竜の世界でも上の存在であるというものを表現しなくちゃいけないんですね。
それというのは精神的な強さになってくると思うので、僕が周りが人間的なものよりも
ストーリーの中では別の次元で生きている様な存在じゃなくちゃいけないので、
僕の心情というものを人間が表現してくれる様に僕自身がそこにいる事が当たり前である様な
存在感でいなくちゃいけないのかなという。そこが凄く重要なんじゃないかなと思って。
その言われた事を思い返す様にしています。」

中川さん「私がとても印象に残っているシーンがありまして、岩足が2人の思い出の花を
差し出すんですけども、その花をすがる乙女が取ろうとして、でもやっぱりやめるというシーンを
阿佐美先生が何度も何度もそれじゃダメという事で、何度もご指導いただいた事がとても印象に残っていまして、
そういう仕草一つ一つを凄く細かく先生が教えて下さいました。この5名がそういう気持ちで、
という説明よりは仕草を凄く細かく見ていただいた感じです。」

水井さん「今回、岩足とすがる乙女のキーポイントになるのが、こぶしの花というのが出て来て、
こぶしの花は幼少期に2人で遊んで摘みに行ったりとか、岩足が「はい。あげるよ」と、
幼少期の思い出があって、今でも岩足はこぶしの花を見てすがる乙女を想っている。
そのこぶしの花に対する思いやりとか、一つ手を出すにしても常にすがる乙女に一寶をもって踊っている
その心情をこの花と自分の気持ちを表現するというのは、先生に「それじゃすがる乙女は見えてこない」
みたいな形で言われて、自分自身もこぶしの花にもうちょっと思いを込めれたら良いなと思います。
または違う日の岩足役の清瀧千晴さんに聞いたりして、想像を膨らまして研究をしています。」

Q:再演にあたり、前回と変化させてみたいと思う所は?

青山さん「私は前回の時の方が愛のパ・ド・ドゥに重きを置いていたんですけども、
やはり竜妃になる事の誇りやそういう一面をもっと強く自分の中で感じながら
差を出していくという所がもっと表現出来れば良いなと個人的に思っています。」

菊池さん「先程の竜神の表現は物語の最後の方のシーンになっていくので
昨日の通し稽古の中でも演じた時に、そんな事を自分で言っていたのに大分激情型というか、
凄く怒り震えた表現をしちゃったんですけど。でもそれって、その時の自分の色々な感情で
トライしていかないと見えてこない物があるので、日々、色々な感情を模索するものなんですけど、
日を跨いでも観た方が違う感情を描ける様に、個人的には竜神だからこそ自分の感情が強すぎてしまうと、
観る人が本当に深い所に落ちないんじゃないのか、強い感情程、そこに載せ過ぎては
いけないんじゃないのか、というのがありますので、そこが最後、観る人達の心に残る様な
表現に繋がる様に今回、研究は重ねようと思っています。」

中川さん「この作品のリハーサルが始まって直ぐの時は、ウラジオストクで阿佐美先生に言われた事を
やろうと思っていまして、ウラジオストク公演を自分に当てはめようとしたんですけど、
それではパズルのピースが上手く嵌る感じがしないというか、ウラジオストク公演の際は
岩足が清瀧さんだったので、今回は水井さんという事で、パ・ド・ドゥでも
全然違うタイミングですとか、動きですとか、水井さんと新しく作っていくつもりで
今回リハーサルしております。」

Q追悼公演という事で牧先生にかけられた印象的な言葉は?

盛田会長「牧先生に最初にお会いしたのは1998年位ですから、もう24年位経ちますね。
幾つもお話をしたから特にはありませんけども、牧先生も私みたいな不思議な奴を
可笑しいなと思われたんじゃないと思うんですね。これ、といって牧先生のお言葉を言えと言われても、
特にこの言葉が、というのはありません。」

草刈さん「私は阿佐美先生に初めて個人レッスンをしていただいたのが14歳の時だったんですけど、
私はとても個性的過ぎて学校に通えない様なタイプの生徒で親が看かねて阿佐美先生に相談に行ったところ、
学校を辞めてバレエ一筋にしちゃえば良いんじゃない?と言って下さったのは先生で、そ
れならバレエ一筋にしてしまえと父親が私に言ってくれて、それで高校は1ヵ月位で辞めてしまったんですが、
その後も主役を踊る様になるまでも良くレッスンをしていただきましたし、凄く影響を受けていますけども、
何が如何いう風に自分の中にあるのかというのが分からない位、言ってしまえば親と同じ位のとこにいる様な方なので、
(少し涙声になりながら)本当の所はもう少し時間が経たないと、私自身も阿佐美先生が自分の中で
どういう存在だったのかというのは、恐らく、自分が死ぬ時位じゃないと分からないんじゃないかと思います。
私が踊っていたというのは、阿佐美先生との存在ともリンクをしますし、あの時代は親も本当に協力してくれて
そういう事があって、私達の先輩や三谷先生の同世代の方々、本当に皆が協力してバレヱ団があって、
それから時代や世の中が変わって、バレヱ団の活動の仕方も変わり、どんどんと色んな事が進化していますけども、
自分が踊ってきている事の全てで、阿佐美先生は物凄く大きな存在なので、あまり断片的に
どうこうと説明を出来る事ではないので…という感じでございます。」

【あらすじ】

舞台は、いにしえの大和の都・飛鳥。美(芸術)と権威の象徴として人々の信仰を集める竜神と、
竜神に仕える舞殿の中でも特に美しく一番の舞の手であった、春日野すがる乙女。

すがる乙女は竜神に舞を奉納する舞女の栄誉を与えられますが、それは竜神の妃として捧げられ、
二度と地上に戻れないことを意味します。すがる乙女は終生を芸術の神に仕えることを決心します。

一方、幼なじみの岩足は、美しく成長したすがる乙女の舞を見て思いを抑えることができず、
春を告げるこぶしの花と共に愛の心を伝えますが時すでに遅く、すがる乙女は竜神と共に昇天してゆきました。

しかし竜の棲む深山ですがる乙女は不意に、岩足への激しい慕情にかきたてられます…

【牧阿佐美追悼公演『飛鳥』公演概要】

公式サイトはこちら

<公演期間>
2022年9月3日(土)・4日(日)

<会場>
東京文化会館 大ホール

<上演時間>
約2時間10分(20分間の途中休憩を含む)

<料金>
S席14,000円 A席11,000円 B席8,000円 C席5,000円 D席2,000円
(全席指定・税込)
※未就学のお子様のご入場はご遠慮ください。お子様も一人一枚チケットをお求めください。
※座席により舞台の一部が見にくい場合がございます。予めご了承ください。
※やむを得ない事情により出演者等が変更になる場合がございます。
※公演中止を除き、チケットの変更および払い戻しはいたしません。

「問い合わせ」
牧阿佐美バレヱ団 公演事務局:info@maki-ballet.jp

<出演者>
春日野すがる乙女:青山季可(3日)・中川郁(4日)
岩足:清瀧千晴(3日)・水井駿介(4日)
竜神:菊地研
黒竜:佐藤かんな(3日)・田切眞純美(4日)
竜神の使い:ラグワスレン・オトゴンニャム
竜剣の舞:阿部裕恵
その他、牧阿佐美バレエ団総勢94名出演(子役を含む)

『オーケストラ』
指揮:デヴィッド・ガルフォース
演奏:東京オーケストラMIRAI

<STAFF>
改訂演出・振付:牧阿佐美(「飛鳥物語」 1957年初演 台本・原振付:橘秋子)
作曲:片岡良和
美術監督:絹谷幸二
映像演出:Zero-Ten
照明プラン:沢田祐二
衣装デザイン:石井みつる(オリジナルデザイン)、牧阿佐美
芸術監督:三谷恭三
主催:一般財団法人牧阿佐美バレヱ団
後援:一般社団法人日本バレエ団連盟

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