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デジタルと伝統芸能の超融合がいよいよ新橋演舞場へ『超歌舞伎2022 Powered by NTT』東京公演開幕

2016年の「ニコニコ超会議」にて誕生した「超歌舞伎」。映画・テレビをはじめ、
幅広い分野で活躍する歌舞伎俳優・中村獅童と、バーチャルシンガーの金字塔として
世界をまたにかけて活躍する初音ミクが競演する、古典歌舞伎と最新技術が融合した
全く新しい歌舞伎公演は、「ニコニコ超会議」の恒例行事として好評を博し、京都・南座でも上演されました。
そして今回、幕張メッセを飛び出し東京、京都、名古屋、福岡の全国4都市で上演されます。
「超歌舞伎 2022 Powered by NTT」として、2022年8月4日(木)~8月7日(日)に福岡・博多座、
8月13日(土)~8月16日(火)に名古屋・御園座、8月21日(日)~9月3日(土)に東京・新橋演舞場、
9月8日(木)~9月25日(日)京都・南座にて上演します
今年のニコニコ超会議を興奮の渦に巻き込んだ、古代王朝スペクタクルをテーマにした
『永遠花誉効』(とわのはなほまれのいさおし)をはじめ、必見の舞台をお届けします。
ペンライトを振ってお客様にご参加いただいたり、舞台と客席が一体となった
ライブ会場さながらの熱い大団円をご体感いただくなど、〝超歌舞伎ならではの文化〟も創り出され、
公演を重ねるごとに進化し続けている「超歌舞伎」。中でも最大の見どころは、
日本が誇る伝統の歌舞伎とNTTが開発した最新技術をはじめとするテクノロジーのコラボレーション。
かつてない夢の空間で、新たな歌舞伎をお楽しみいただきます。
出演者、お客様、最新技術が一体となり生み出される感動の舞台にご期待ください。

2022年8月20日(土)、東京都中央区の新橋演舞場にて、翌日からの東京公演の初日に先駆け
初日前日会見と本公演版の舞台稽古が行われました。

【初日前日会見の様子】

舞台上にて行われた会見に登壇したのは、歌舞伎俳優の二代目中村獅童さん、
獅童さんの長男の小川陽喜さん、そして同じく歌舞伎俳優の澤村國矢さんの3名。
獅童さんと國矢さんは『超歌舞伎のみかた』登場時の出で立ちで、
陽喜さんは『永遠花誉効』の金輪小五郎陽国役の衣装での登壇となりました。

Q:博多座公演、御園座公演を終え、いよいよ新橋演舞場での公演だが意気込みは?

獅童さん「超歌舞伎というのは元々、幕張メッセでやっているニコニコ超会議のイベントの一環として
始まった訳なんですね。それがやがて京都の南座という歌舞伎専門の劇場に進出する事が出来て、
漸くこうやって博多・名古屋、そして今年は四都市・2か月に渡る公演なので、この新橋演舞場にも
進出出来たという事は、もうそれは胸がいっぱいの思いです。何というのかな、幕張でやる時みたいに、
初音ミクさんのファンや5,000人のお客様が来て下さって、ペンライトを振るのが当たり前の状況ですけど、
歌舞伎の劇場に行くと、今度は年齢層の高い歌舞伎のファンの方達もいってらっしゃいますから、
そういう方達はペンライトを持って歌舞伎を観るなんていう経験は無い訳ですから、
初めての公演地、博多や名古屋ではとても心配だったんですけど、当然、初めてな訳ですから、
ペンライトも数えられる位の人数の人しか持っていないんですが、解説で色々と説明をしまして、
圧倒的にペンライトを持った方が楽しいんですね。お蔭様で博多座公演では、最後はペンライトが完売しまして、
お歳を召した女性・男性の方が公演の帰り際にペンライトを買っていくんですよ。
観る前に買っていただきたいんですけど、今度観る時に持って来ようと仰って下さって。
それはそれで物凄く嬉しいんですけど、出来たらペンライトを持った方が楽しいですし、
博多・名古屋での公演の時は携帯電話のライトを皆さん一斉に点けて下さい、と言って、
今時の携帯電話のLEDライトは物凄く光量が強くて、それはそれでまた綺麗で。
博多・名古屋のお客様は、初めてやる所で所謂、オタクと呼ばれる方達以外の方たちに受け入れていただけるか、と
初公演の地で心配だったんですけど、何とか受け入れていただいてペンライトも完売いたしまして。
新橋演舞場は明日初日なので、東京の方は割かし、ノッてくるまでに時間がかかるという予想なんですけど、まあ、や り ま す !」

國矢さん「東京で超歌舞伎、関東と言いますか、ニコニコ超会議自体が千葉県での開催でございますので、
東京で超歌舞伎をするというのは、池袋で無観客公演した物を覗いて初めてなので、
そういった所でも東京でやれるという事の嬉しさと、そして何よりも2019年に京都で初めて、
舞台の真ん中に立たせていただくというリミテッド公演をさせていただきました。
それを去年のではさせていただきましたけども、東京で初公演をさせていただく、
しかもこの新橋演舞場という大きな劇場でさせていただくというのは、本当に今から緊張しているんでございますけども、
何よりも今までの事を振り返り、そして博多・名古屋での盛り上がりを受けて、自信を持って
この劇場でも努めたいなと思っております。何よりも獅童さんが素晴らしいパワーを持っていらっしゃるので、
喰らい付いてやっていきたいと思っております。」

陽喜さん「(明日からの東京公演は楽しみかとの問いに)はい。(公演で気を付けたい所はとの問いに)多分、
何時も上手から行っちゃうからさ、下手にさ、行きたいんだよね。」

獅童さん「はる、何の話?立ち廻りの話?それともカーテンコール?もしかして、それは”鬼飛び”の話?」

陽喜さん「立ち廻りの話。鬼飛びだよ。」

獅童さん「立ち廻りで、鬼飛びという手があるんですけども、それを本当は上手からいきたいんでしょう。
だけど下手からいってしまう癖があるという事を言っているんだと思います。」

陽喜さん「(超歌舞伎の舞台に出てみて何処が一番楽しいか?との獅童さんからの問いに)立ち廻りをしている所です!」

Q:幕張公演からの陽喜さんの成長の程は?

獅童さん「今言った、鬼とびの方向をちょくちょく間違えてしまう時があるんですけども、
その時に、彼なりに落ち込むんですよね。僕が見ていない時に楽屋で一所懸命に稽古をしているという事を
聞いた時に、真剣に取り組むという事を日に日にそういう気持ちが増しているというのは、
一つの成長なのではないかなという風に思っています。」

國矢さん「本当に凄い早さで成長しているなと思いますね。自分の成長の具合に比べると全然凄いなと思っております。
本当にしっかりと歌舞伎役者らしい間合いとかいうのが、最近はしっかりと出来て来ているなと感心している次第です。」

獅童さん「(陽喜の)衣装を見ていただいたら分かると思うんですけども、彼が好きな事は全部詰まっているんですよ。
これは仁王襷といって、この襷も陽喜は大好きなんですけども、この剥き身という隈取のお化粧や
見得を切る歌舞伎の動作も、子役だとあまり見得を切るという事は無いんですけど、陽喜は今回の立ち廻りでも
何度も見得を切るので、やりたい事がこの中に凝縮しているから毎日舞台に出るのが楽しいというのが。
家に帰ってからもずっとやっているので、それは藤間勘十郎先生が陽喜の喜ぶポイントを凄く分かってらっしゃるので、
振付であったりとか、衣装であったりとかというのを彼好みの物になっているので、それでテンションが高いという事ですね。
だから、これから普通の地味な子供の役をやる時にテンションが下がってしまう事だけが心配なんですよ。
最初が金輪小五郎陽国なので。陽喜の初お目見えの時もやっぱり剥き身の隈取で、踊りの中でも
見得を切ったりとかいう事があったので、今後ですよね。」

Q:3会場目となる新橋演舞場、すんなりと初日の幕が開くものなのか?又は羽陽曲折があるのか?

獅童さん「例えば照明とか(劇場によって)全部変えているんですよ。劇場でやった時にこの客席の色であるとか、
壁であったりとかで、照明でミクさんの見え方が変わって来るし、劇場の雰囲気づくりという所も
結構拘っていて、劇場の開場の時からうっすら音楽が流れていたりとか、お芝居の中で如何にミクさんが
美しく見えるかという事で、音響に関しても音に凄く拘っているので、勿論、劇場の大きさも違いますから、
音や照明の細かい部分は全会場で変えているんですね。」

Q:超歌舞伎に限らずコロナ禍での公演で、健康管理でここを気をつけたいという部分は?

獅童さん「健康管理をするというのはプロとして当たり前の事で、何時もやっている事ではありますけども、
コロナにかかってしまうという事はこのご時世、仕方ない事ですよね。
ただ気をつけるのは大人数での会食を控えるとか、そういう事しか出来ないですし、
それは皆、舞台に出る立場の人間ですから、分かっているとは思いますけども、
今の所、出演者の中で一人も感染者は出ていないのですが、いつ僕が感染者になっても可笑しくないですし、
そういうリスクがある中、お客様が観に来て下さる訳ですから、兎に角、ルールを守った上で
超歌舞伎というのは、出演者、お客様が一緒になって盛り上がるというのが、このお芝居最大の醍醐味なので。
今、お客様は本当にマナーが良くて、マスクをしてペンライトを振って下さいますが、絶対に声を出さないので
安心はしていますけども、我々は地方公演の時なんか、初日終わりで軽く乾杯に行こうかという事もあったんだけど、
毎日僕等もニュースを見ていますから、状況を見て、ちょっとマズい状況だね、止めとこうかというのがありました。」

Q:ニコニコ超会議よりスタートした超歌舞伎。公演空間が変わる事による不安や、改めて期待する事は?

獅童さん「これは僕等にとって毎日毎日、一回一回が戦いなんですね。今までに無かった事をやっている訳ですから。
今まではそれが一つのイベントの一環としてやっていた、という事で済まされていたのが、
今度は歌舞伎専門の劇場であったり、その様な劇場に進出をするという事によって、
やっぱりお客様にがっかりして欲しくないのと、所謂、サブカルチャー好きの若者達に喜んでいただくと同時に
昔から見ている古典歌舞伎好きのお客様にも納得していただけるか如何かという所が日々戦いですよね。
キワモノみたいな物で終わりたくないし、そこは僕等もプライドを持ってやっていますけども、
色々なメッセージが込められていて、お弟子さん達、今回で言うと國矢君がリミテッドバージョンで
主役を務めるとかというのは、それは微力ながら歌舞伎界を少しでも変えていきたいという思いと、
僕自身、腕のあるお弟子さんに歌舞伎座での古典の公演なんかでもドンドンと活躍出来る様な、
歌舞伎界になっていって欲しいなという願いを籠めてリミテッドバージョンというのを作ったんですね。
新橋演舞場もそうですし、京都南座なんかああいう街ですから、古典好きな方が大勢いらっしゃいますけど、
お着物をお召しになった花柳界の方達のお歳を召した方も最後はペンライトを
大きく振って下さっているのを見た時に、ちょっとだけ京都でも普段歌舞伎を観ているお客様に
喜んでもらえたのかなという思いが有った訳ですね。毎回毎回それは挑戦です。
僕等は伝統の古典を守りつつ、確信を追求するというスタイル、バーチャルとのコラボレートであって、
演技法やお化粧は古典に拘って作っているので、歌舞伎の約束事であったり、型であったりという所は
はみ出ない様になっているんですね。最後のお客様を煽る所だけは”獅童ちゃんスタイル”となっていますけども、
其処以外は絶対に歌舞伎的な手法のコラボレートなんですね。そうしないと、こちらがブレてしまうと、
何とバーチャルがコラボレートしている事が分からなくなっちゃうので、歌舞伎の色を一層出来るだけ
濃く出来る様にしないと、コントラストがぼやけてしまうので、そこは拘りとしてやっていますけどね。」

Q:元々歌舞伎を見ていた観客と、幕張のみでしか観た事が無い観客が客席で融合するかも、という期待は?

獅童さん激推しの全14色発光、6種類の大向う音声付きオリジナルペンライト(4,000円・税込)

獅童さん「融合する”かも”、ではなくて絶対に融合するんですよ。こうやって口上の時に喋る内容は
その日その日でお客様の顔を見ながら変えているんですけども、初音ミクさんのファンの方は、
大体、ミクさんが描かれている法被を着ているんですよね。そういう人を見つけると、
物凄く心強いというか、「はい皆さん、今日はここに座っていらっしゃるこの方が誘導しますから、
この方に合わせてペンライトを振りましょう」なんて言うと、そういう熱狂的な方って、
多い方は両手で6本のペンライトを持っていて、京都の時なんかは、ペンライトを持ってくればよかった、
というおばあちゃんにそれを貸してあげていたりとかするので、そういう若者と年配の方の交流というのは、
今まで交わった事の無い、古くからの歌舞伎ファンの人にミクさんファンの方が教えているというのが
何か面白かったし、グッとくる出来事でもありましたね。だから今回も多分、法被を着て来てらっしゃる方が
来て下さるのを期待していますし、歌舞伎ファン対ミクさんファン、みたいに分裂をしないで
最後は皆、子供からお爺ちゃんお婆ちゃんまでペンライトでワァ~ッとなる、これが毎度毎度、
何回やっても我々は目の当たりにすると、幕が閉まった後に熱い物がこみ上げて来るという思いというのは、
僕等が先導してやっている様だけど、幕張公演の時からずっと観て下さっている、所謂サブカル好きの
超歌舞伎ファンの方達に超歌舞伎は育ててもらったんじゃないかなと思っていますね。
2016年からイベントの一環として始まった事が7年目を迎える訳ですけども、最初の頃は
ポスターを見ても歌舞伎と初音ミクで何が出来るんだ?と。それは多分僕もそう思いますよ。
そこは自分達を信じてどんな事があってもそれを乗り越えて。
國矢君も超歌舞伎の世界で澤村國矢というスターが生まれて、お弟子さん達がそういう姿を見て
「頑張れば道が開けていくんだ」という一つのお手本になってくれれば嬉しいですし。
コロナ禍で公演が幾つも中止になって、緊急事態宣言になって家にいる時なんか、自分に出来る事を改めて考えた時に
自分は来月で50ですから、やりたい事はどんどん自分で率先してやっていかないと手遅れになってしまうので、
そういう事を強く思いましたよね。伝統を守りつつ、革新を追求する歌舞伎の良い伝統を先人の方達が
残して下さった型、演目、残さなければいけない事は当然あるんですね。そういった物を守りながら
やっぱりお弟子さん達が光り輝かないと芝居って絶対に盛り上がらないんです。皆が熱い気持ちでやるから
今までサブカル好きの歌舞伎を観た事が無かった人達にも届いて行くと思うんですけど、
誰か一人でも手を抜いてしまうと、もうそれはダメなんですよね。超歌舞伎は一人一人が熱い気持ちで
やってくれているので、それは僕の自慢でもありますし、最近ではお客様も含めて”超歌舞伎ファミリー”
という言葉まで生まれる位に盛り上がって来ているので、明日からは東京だ地方だという話では無くて、
やはり東京出身なので、これは一つの勝負ですよね。」

Q:来月で50歳を迎えるという実感は?

獅童さん「実感無いの全然。運が良いのか、自分のやりたい事が全部叶っているんですよ。
それは歌舞伎以外でも、ここ1年で何本か映画に出させていただいたんですけども、
若い時からずっとやりたかった映画監督の方にオファーを頂いたりとか、この1年自分でも
「…俺死ぬんじゃないかな」という位、本当に仕事運が良かったので。とにかく今は
超歌舞伎を精一杯やって少しでも多くの方に超歌舞伎という物を認識していただいて。
先日も言いましたけども、与えられた使命というのがそれぞれあると思うんです。
大名跡を継ぐ方等色んな方が居ると思うんですよね。それを否定するのではなくて、
僕も歌舞伎役者ですし、僕の与えられた使命は若者達を振り向かせる、そして子供達にも
喜んでもらえる歌舞伎を作っていくというのだと思います。
超歌舞伎ってその日の盛り上がりによって20~30分位、終演時間が変わって来るので、
僕も舞台上を走り回って、ああ、幾つまで出来るかなと思う事は49になると有りますよ。
まだまだ譲りませんけどね。家では陽喜が主役で、僕は陽喜によく斬られていますけども。
勿論、陽喜はライバルです。僕より陽喜の方が拍手が多かったら嫉妬しますもんね。
陽喜もそんな所があって、カーテンコールで盛り上がった時にペンライトを貸そうとしたら
パシッと手を払われましたから。舞台では子ども扱いされたりとか、そういうのは嫌みたいですね。」

フォトセッション終了後、緞帳が下がる中「ありがとうございました」と大きな声で挨拶する陽喜さん等

陽喜さん「(明日の初日に向けて見得を切る)」

【舞台稽古の様子】

初日前会見終了後、関係者向けの舞台稽古が公開されました。
『永遠花誉効』の本編開始前の口上にて獅童さんより以下の様な話がなされました。

「新橋演舞場は今までの超歌舞伎の上演劇場の中で一番暑いというね。照明が綺麗なのは良いんだけど、
本当に物凄く熱いよここ。御園座のロビーが鬼の様に寒くてね。腰回りをしていたら滅茶苦茶に寒くて(笑)。
しかし名古屋があんなに盛り上がると思わなかった。変な意味じゃなくて、名古屋の皆さんは
冷静に観られるのかなと思ったら、あんなに大爆発して最後はお爺ちゃん、お婆ちゃん、若者皆立って下さって、
名古屋のあの盛り上がりは嬉しかったな。と、同時に東京はね~、皆気取ってるお客さんが多いじゃない。
名古屋や博多の方はワァーとなってくれてありがたかったけど、まぁ、私達の力技で必ず”持っていきます”からね。
やっと東京の劇場に進出出来たというのは本当に嬉しい。やっと新橋演舞場ですよ。
兎に角、今まで全員一丸となって自分達がやってきた事を信じて全力で全身全霊で、
超歌舞伎をまだまだ初めて観るという東京のお客様のハートにも届く様に、
僕一人では如何にもならないけど、皆で力を合わせて何処の座組にも負けないだけのモノで
体当たりでやれば、なんとか東京のお客様に届くんじゃないかなという思いでやらせていただいています。
何とか皆で超歌舞伎を成功させようという、我々役者だけじゃなく、裏方さんもそうだし、
皆さんのその心が博多と名古屋のお客様に通じたんじゃないかなと僕は思っています。
やっぱりお客さんの心を突き動かすという事は僕だけ頑張っても絶対に駄目な事なので。
心を込めて公演をして新橋演舞場公演を成功させて京都へ「ただいま!」と言える様に
なんとかこの演舞場を盛り上げて行きたいと思います。

僕、歌舞伎以外のお芝居だけど、2004年の「丹下左膳」で初主演・初座頭をやらせていただいて、
実は新橋演舞場って思い出深い劇場なんですね。昔、「浅草パラダイス」という中村勘三郎兄さんと
久世光彦さんが演出なさった演劇シリーズに出させていただいて。初めて出させていただいた喜劇の厳しさというか、
いきなり壁をぶち破る様な喜劇だったから、それこそ演舞場のお客様は最初、ポカーンとなっちゃって喜劇なのに静まり返って。
初日の後に勘三郎兄さんに連れてっていただいた天ぷら屋では、誰も何も喋らない、忘れもしない”地獄の食事会”でしたね。
俺、隅の方に座っていたら「お前も何か面白い事やれ!」と急に怒られて。
超歌舞伎もそうだけどこういう物だとだんだんと認識されて、お客様にもドカンドカンとウケる様になって、
最後はキップが無くなる位に大ヒットの公演になってシリーズ化をしていったんだけど、最初の時は
演舞場でやった事も無い様なタイプの芝居だったから皆ビックリしたみたいで、
「相変わらず面白くねえな!お前も酒飲んでる時面白いんだから酒吞んで来い!」と言われてもうメチャクチャですよ。
僕がまあまあの長台詞をやっていたら、二人(勘三郎さん、柄本明さん)で蜜柑を剥くのを始めちゃって
お客さんはそっちを見ているから、こっちは結構大事な事を喋っているのに凄く邪魔をされて。
舞台前方で勘三郎さんと向かい合って台詞をやるのがあったんですけど、
「お前つまんないんだからもっと早く喋れ喋れ何やってんだ面白くないんだから早く喋れ!」って。
前方座席のお客様は聞こえてたと思う。僕は足が震えながら。そんな思い出の劇場です。
波乃久理子さんにも良く怒られたし、泣かされたし。その後に「丹下左膳」をやらせていただいた時は
初座頭という事で錚々たる方が出て下さって。楽日3日前位に勘三郎兄さんが丹下左膳に笑福亭鶴瓶さんと
柄本明さんと出て下さって「獅童、良かったな」と言ってくれて。散々ここで怒られた思い出があるから
「幹弘、良かったよ」「自分で勝ち取ったんだから喜んで良いんだよ」と、勘三郎兄さんとの思い出が詰まっている演舞場で
漸く自分のライフワークとなる超歌舞伎という一つのジャンルの物をやらせていただいて、
また座頭として演舞場でやらせていただけるという事は本当に嬉しいし、そういう思いも込めて
全ての思いをこの演舞場公演にぶつけていきたいと思います。明日から全身全霊で
博多・名古屋もそうでしたけど、お客様が盛り上がって下さったというのは一つの自身として演舞場に繋げていきたいと思います。」

【あらすじ】

『萬代春歌舞伎踊』
真柴結城少将秀康の招きで、出雲のお国の一座が伏見城にやって来る。お国たちが評判の歌舞伎踊りを披露すると、
続いて秀康が国土安穏の舞を華麗に踊ってみせる、長唄の舞踊。

『永遠花誉効』
時は天智天皇の御代。蘇我蝦夷子は、自ら帝の位にのぼろうと陰謀を企てていた。
だが父親の陰謀を知った蘇我入鹿は、翻意するように促すが、これを聞き入れないために、
入鹿は父を討ち、謀反人である蝦夷子の首を安倍行主に差し出す。

その上では入鹿は、父の菩提を弔うために出家すると申し出るが、実はこれは入鹿の策略。
父親が帝の位にふさわしくないと考えていた入鹿は、父親の陰謀を利用し、
自らが帝になろうと画策して、善人を装っていたのであった。
そして行主を不意打ちにすると、その大望を明かし、不敵な笑いをみせるのであった。

一方、太宰少弐の下館では、太宰少弐の未亡人である定高の前で、桃の節句を寿ぐ舞を、
定高の娘の苧環姫が披露している。ここへ入鹿からの上使として、金輪五郎今国が現れる。
金輪五郎は藤原鎌足の家臣であったが、鎌足を見限って、入鹿に主人を変えたことを明かした上で、
入鹿が太宰家の息女苧環姫を妻にと所望していることを伝える。この命を断るのであれば、
苧環姫の首を打って差し出すようにという無理難題に、定高は途方に暮れる。
その時、奥に控えていた苧環姫がやって来て、金輪五郎に自らの素性に関してのある秘密を明かす。これを聞いて驚く金輪五郎は……。

入鹿が三笠山に造営した新御殿では、入鹿の家臣の宮越玄蕃と荒巻弥藤次たちが控えるなか、
入鹿の即位式が始まり、定高と苧環姫も参列するが、妻に望んだ苧環姫の真の姿を知った入鹿は激怒して、
定高たちを処罰しようとする。ここに金輪五郎が藤原鎌足を討ち取り、
その首を持参したといって駆けつける。喜ぶ入鹿の前で、金輪五郎が首桶を開けると……。

また、『超歌舞伎2022 Powered by NTT』において、4月の幕張公演では無かった新技術として
本公演のプログラムの一つ「超歌舞伎のみかた」において、NTTが研究開発を進めている
コンピューターによりまるで双子の様に人を再現するデジタルツイン「Another Me®」の社会実装第一弾として、
同公演に主演する中村獅童さんのデジタルツインである「獅童ツイン」を実演する実証実験を実施。

Another Meの特徴である、特定人物の映像・音声データからその人らしさを学習し、
その人らしい動作や発話を自動生成する「身体モーション生成時術」により、
獅童のさん身振り手振りを自律的に再現する獅童ツインを松竹とNTTが共同開発。
8月4日以降、『超歌舞伎2022 Powered by NTT』の博多座、御園座の舞台で来場者への挨拶を果たしました。

遂に東京での公演の幕が上がった『超歌舞伎2022 Powered by NTT』。最新鋭のデジタル技術と
日本が誇る伝統芸能との融合の先端を観に是非、新橋演舞場へ。

【『超歌舞伎2022 Powered by NTT』公演概要】

公式サイトはこちら

<公演期間>
福岡公演:2022年8月4日(木)〜8月7日(日)※公演終了
愛知公演:2022年8月13日(土)〜8月16日(火)※公演終了
東京公演:2022年8月21日(日)~9月3日(土)
京都公演:2022年9月8日(木)~9月25日(日)

<会場>
福岡:博多座
愛知:御園座
東京:新橋演舞場
京都:南座

<上演時間>
本公演:約2時間55分(30分間の途中休憩を含む)
リミテッドバージョン:約1時間45分(途中休憩無し)
※8月20日時点での予定
※状況により延びる場合有

<料金>
福岡:A席13,000円 特B席10,000円 B席7,000円 C席4,000円
※本公演は、お座席の前後左右を空けずに販売させていただきます。

愛知:S席13,000円 A席9,000円 B席5,000円 C席2,000円 D席1,000円

東京:
◆本公演:一等席13,000円 二等A席7,500円 二等B席5,000円 三階A席5,000円 三階B席3,000円 桟敷席14,000円
◆リミテッドバージョン:一等席6,500円 二等A席5,000円 二等B席3,000円 三階A席3,000円 三階B席2,000円 桟敷席 7,000円

京都:
◆本公演:一等席13,000円 二等席7,500円 三等席4,000円 特別席 14,000円
◆リミテッドバージョン:一等席6,500円 二等席4,000円

(全席指定・税込)
※未就学児童観劇については各劇場HPを確認

『チケット発売』
「一般発売」
福岡:2022年6月11日(土) 10:00~
愛知:2022年6月15日(水)10時~
東京・京都:2022年6月25日(土)10:00~

「チケット購入方法」
福岡:
博多座オンラインチケット(24時間受付)
博多座電話予約センター:TEL092-263-5555、
博多座チケット売場(※一般発売開始日の翌日より残席がある場合のみお取扱いいたします。)
(グループ観劇)博多座セールスグループ:TEL092-263-5880
チケットぴあ:Pコード512-277
ローソンチケット:Lコード84916

愛知:
チケットぴあ:http://misonoza-ticket.jp/
イーティックスデータファーム:http://www.e-tix.jp/misonoza/index.html
チケットweb松竹:http://www1.ticket-web-shochiku.com/t/
電話予約:御園座チケットセンター(オペレーター対応)052-308-8899(受付時間 10:00~16:00)
御園座切符売場

東京:
チケットWeb松竹:チケットWeb松竹 (ticket-web-shochiku.com)
チケットホン松竹(10:00-17:00):ナビダイヤル:0570-000-489
チケットぴあ
イープラス
ローソンチケット
CNプレイガイド:0570-08-9999(10:00~18:00)
団体の問い合わせ:販売営業:03-3541-2111

京都:
チケットWeb松竹:チケットWeb松竹 (ticket-web-shochiku.com)
チケットホン松竹(10:00-17:00):ナビダイヤル:0570-000-489
チケットぴあ (Pコード:512-126)
イープラス
ローソンチケット (Lコード:53617)
団体の問い合わせ:販売営業:075-561-1155

「問い合わせ」
福岡:博多座電話予約センター:093-262-5555
愛知:(株)御園座 営業部:052-222-8222(平日10時~18時)
東京:新橋演舞場:03-3541-2600
京都:南座:075-561-1155

<出演者>
【本公演】
『萬代春歌舞伎踊』
真柴秀康:二代目中村獅童
出雲のお国:初音ミク
奴國平:澤村國矢
女奴お蝶:中村蝶紫

『永遠花誉功』
金輪五郎今国:二代目中村獅童
苧環姫:初音ミク
金輪小五郎陽国:小川陽喜(※)
蘇我入鹿:澤村國矢
定高:中村蝶紫

【リミテッドバージョン】
『永遠花誉功』
金輪五郎今国:澤村國矢
苧環姫:初音ミク
蘇我入鹿:中村獅一
定高:中村蝶紫

口上:中村獅童

※金輪小五郎陽国役の小川陽喜の本公演の出演は、
九州:8月6日・7日のみ
愛知:8月13日・14日のみ
東京:全日程
京都:9月8日~9月11日のみ

<STAFF>
『萬代春歌舞伎踊』
作:松岡亮

『永遠花誉功』
脚本:松岡亮
演出・振付:藤間勘十郎
音楽:苫船
美術:中嶋正留
照明:高山晴彦
音響:髙橋眞史
立師:中村獅一
演出助手:朝香哲哉
愛知公演主催:御園座/中日新聞社
福岡公演協力:全日本空輸株式会社/九州旅客鉄道株式会社/西日本鉄道株式会社/福岡市地下鉄
愛知公演後援:愛知県/名古屋市/名古屋商工会議所
製作:松竹株式会社/日本電信電話株式会社/株式会社ドワンゴ

©超歌舞伎2022 Powered by NTT

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