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門外不出の傑作を新宿の地で大画面で「ゲルニカが来た! 大迫力の8K映像空間」NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]にて開催中

NHK、NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]は、2022年8月16日(火)~8月28日(日)まで、
「ゲルニカが来た! 大迫力の8K映像空間」を開催しています。
“門外不出の世紀の傑作”といわれる《ゲルニカ》は、ピカソが描いた最大の作品。
その《ゲルニカ》を、この度ほぼ実物大の8K高精細映像で上映。
スペイン・マドリードのソフィア王妃芸術センターでも見ることが難しい作品の上部の映像や、
細部にまで寄った映像を、迫力満点の325インチの超大型モニターで観覧可能。
誰もが圧倒される大迫力と、大胆にして精緻な筆使いなど、肉眼で見るだけでは気づかない《ゲルニカ》の奥深さを体感して下さい。

2022年8月16日(火)、会期初日終了後に報道向けの内覧会が行われました。

【内覧会の様子】

報道向け内覧会の開始冒頭、主催者代表の挨拶や監修者による解説、番組制作担当の趣旨説明がなされます。

NHKメディア総局メディア戦略本部:村山淳氏
「今から1年半ほど前の2021年2月にNHKエデュケーショナルのチームが東京からリモートで内容を話しながら
スペインのクルーに撮影してもらった映像です。その時はシンプルに8K映像で《ゲルニカ》を映したら、
細部に色んな発見があって、《ゲルニカ》が傑作たる所以をもう一度読み解き直す事が出来るに違いないと思っていました。
その後東京2020オリンピック・パラリンピックがあり、コロナ禍で実現はなりませんでしたが、
8KのパブリックビューイングのプランをNHKは検討していました。その流れの中で大画面を使った
8Kの活用方法という事を考える中で、《ゲルニカ》を実物大で映し出してみようという事が決まりました。
8Kは実物大を映し出す、そんな空間を作り出すツールになり、その後今年に入って
NTT ArtTechnologyの国枝学社長から、更に8Kを使った新しい展示が出来ないかという相談があり、今回の展示が実現しました。
ちょっと大胆な言い方になりますが、《ゲルニカ》という作品そのものが持つ力が8Kの様々な活用方法を
導き出してくれたと言えるのではないかと思います。」

NTT ArtTechnology代表取締役社長:国枝学氏
「今回はNHK様の8K技術を使って、スペインのマドリードから出る事の無い《ゲルニカ》を
東京で実物大で鑑賞しようという展覧会でございます。8K技術を使った新しい鑑賞方法として
捉えていただき、幅広い方に観ていただきたい。今回の8K展示に関しても、
決してオリジナルアートのコピーであるとは考えておりません。デジタルで再現する事により、
新しい鑑賞方法が可能になったと捉えていただければと思います。
こういったデジタルでの鑑賞という物が広がっていきまして、意外に絵は知っているんだけれども、
深く鑑賞した事が無いといった様な作品が多いかと思いますので、是非、あたらめて名画・名作というものを
鑑賞いただくという事が広がっていく事を我々は願っております。」

イベント監修者:美術史家・早稲田大学名誉教授:大髙保二郎氏
「ピカソの有名なメッセージとして「絵画は部屋に飾るために描かれるのではない。
それは攻撃と、敵に対する防衛のための闘いの武器である。(1945年3月24日 レ・レトル・フランセーズ掲載のインタビュー)」
第2次世界大戦の末期、戦争の時代でも芸術の使命という物をこれ程強く表す言葉は無いのではないでしょうか。
ピカソは91年余りの生涯の中でおよそ8万点という膨大な作品を制作。終生、創作意欲は衰えを知りませんでした。
中でも26歳で《アヴィニョンの娘たち》、56歳で《ゲルニカ》を制作。前者は20世紀アヴァンギャルド芸術の源流となり、
後者は戦争の世紀とされる20世紀の一つのシンボルとして、今日でも激しいメッセージを放ち続けています。
今回の8K画像の撮影は極めて貴重な物だと考えております。ゲルニカの悲劇とそこから生まれた
絵画の制作から既に85年を経た現在、《ゲルニカ》は何を我々に問いかけ、伝えようとしているのだろうか。
戦争の時代が現実のものとなりつつある今日、改めてその意味を考えてみる事は緊急の課題ではないかと考えています。
最後に、バレリーナであったピカソの最初の妻であるオルガ・コクローヴァ。彼女はウクライナの首都、
キーウ北東近郊の街の生まれのウクライナ人であった事を付け加えたいと思います。」

NHKエデュケーショナル エグゼクティヴプロデューサー:田島徹氏
「ソフィア王妃芸術センターという《ゲルニカ》がある美術館が閉館になる時間に合わせて、
日本時間では午前3~4時という、結構しんどい時間だったんですが1週間近く撮影を行いまして
作品を撮る事が出来ました。だけど実際に編集して今日の様な形で実物大で目の前で見せられると、
改めてその凄さに驚いた思いがありまして。デカい絵に人間や動物等、色々いて、その一つ一つがとても興味深い。
この人は何をしているんだろうか?とか、何を言っているんだろう?どんな気持ちなのかとか、
色んな事を想像出来る、させられるという魅力がこの絵には有るんだと思います。
改めて傑作という物は見る側に色んな事を考えさせるというか、想像させる力を何時までも持っているんだなと。
それを実物大で見る体験をなるべく多くの人に、番組を通じてだったり、今日みたいに
目の前で実際に体験出来る形を提供出来る事は、制作した自分にとても貴重な体験だと思っています。
その上で全く予想もしませんでしたが、今年、ウクライナへの軍事侵攻がおきて。
その事も含めて人間そのものをこの《ゲルニカ》から特に子供達に感じて欲しい。何か月間か《ゲルニカ》と付き合っていると
そういう事を思う様になりまして。現実に戦争は終わっていないし、多くの人が亡くなり家族を失っている。
改めてこの絵をご覧いただいて、夫々の人が色んな事を考え想像する機会を持っていただければ
制作をした人間としては有難いなと思っております。」

【ゲルニカが来た! 大迫力の8K映像空間】

2021年2月、スペイン・マドリードにある国立ソフィア王妃芸術センターのサバティーニ館2階に展示されている
《ゲルニカ》をスペイン現地の撮影プロダクションやカメラクルーとNHKがリモートにより約1週間をかけて
8K解像度でのHDR撮影を敢行。米RED社製のデジタルビデオカメラが投入され、使用されたカメラは1台のみであるものの、
展示室内にカメラクレーンや撮影用レールが持ち込まれ、あらゆる角度と画角から撮影が延々と行われました。

その映像をドットピッチ0.9㎜という超高精細表示が可能な325インチモジュラー型LEDビジョンにて再生。
横幅7.2m、高さ4.05mのほぼ実物大(実際には本物(776.6㎝×349.4㎝)より僅かに小さい)で表示がなされ、
NHKの番組でOAされた物とは異なる編集がなされた、今回の展示の為の約20分間の映像が流されます。

国立ソフィア王妃芸術センター現地の展示室では、《ゲルニカ》に至近距離まで近づいて鑑賞する事が出来ない為、
確認がしづらい作品上部もカメラワークによりしっかりと8Kで映されています。

8K撮影で発見された点として1938~1958年までの世界中の都市での展示に赴く為、何十回という展示と
移動に伴う梱包を繰り返した結果、キャンバスはボロボロに劣化しており、《ゲルニカ》は現在に至るまで
修復はなされていますが、もう移動は不可能とされる門外不出の状態となっています。
過去にはまるで絨毯を運ぶが如く、巻物の様に巻き取られた状態で運搬されていた事もあるというから驚き。

LEDビジョンに流れている映像と同期しているゲルニカのデータを観覧できるiPadが用意されています。

スペイン現地でもその全てを見るのは難しいピカソ最大の作品《ゲルニカ》。新宿の地で是非、自身の目で見てみては。

【ゲルニカが来た! 大迫力の8K映像空間】

ICCのイベントページはこちら

<開催日時>
2022年8月16日(火)~8月28日(日)

<開館時間>
午前11時~午後6時
※入館は閉館の30分前まで
※8月22日(月)は関連イヴェント(親子ワークショップ)のみ開催

<会場>
NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

<内容>
実物大8K映像で鑑賞する《ゲルニカ》
※325インチ(横7200㎜×高さ4050㎜)の8K超高精細映像による上映

<参加方法>
入場無料/日時指定予約制
「ICC キッズ・プログラム 2022」のチケットをご予約ください。
https://www.e-tix.jp/ntticc/
事前予約受付は,ご来場予定日の7日前午前11時より,各時間帯終了時刻までです。

<問い合わせ>
来場予約や会場アクセスに関するお問い合わせ:フリーダイヤル 0120-144199(午前10時―午後6時,8/7[日]を除く)
展示内容や親子ワークショップに関するお問い合わせ:ハローダイヤル 050-5541-8600(午前9時―午後8時,無休)

<関連動画>
NHKアーカイブス(https://www.nhk.or.jp/archives/museum/guernica/)で本展関連動画を公開中

<実施体制>
主催:NHK/NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

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