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東京2020組織委員会 約8年半の活動を終え解散 今後は清算法人へ

公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下、組織委)は、
2020年6月30日(木)を持って、2014年1月24日の組織発足以来、約8年半に及ぶ活動を終え解散、
翌7月1日より清算法人へと移行します。2022年6月30日、組織として迎えた最後の日、
東京都内某所にて橋本聖子会長と武藤敏郎専務理事・事務総長が職員に向けて最後の挨拶を行いました。

【橋本会長・武藤専務理事の職員への挨拶】

東京都内某所の組織委執務室にはこの日をもって解散となる160人の職員が、最終日となる中でも
慌ただしく残務に追われる中、午前11時15分頃より橋本会長と武藤総長が執務室の端より、職員に向けて解散の挨拶を行いました。

東京都提供

橋本会長「8年半の組織委員会も今日で解散をします、という風になりました。本当に長い間、
この東京オリンピック・パラリンピック大会の開催を信じて、最後まで御努力をいただきました
職員の皆さんに改めて心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。
4月30日にこの組織委員会は6月に解散をするという事を大きな目標として東京大会を終えた今も事務総長をはじめ、
皆様方にご努力をして頂いて、この日を迎える事が出来ました。
史上初の大会延期という事でコロナ禍をどの様に乗り越えて、そして多くの皆様方に
この大会の素晴らしい意義と価値というものを後世にどの様に残していくかという事、
これを日々考えながら業務をしていただいたんだという風に思います。
今日、この日を迎えました私自身の気持ちとしては、「良かったな、本当に皆さんありがとうございます」
という気持ちと何かとても寂しい気持ちと非常に複雑な思いがあります。
ただ、確かにこの東京2020大会はあらゆる事がありましたけども、確実に世界の皆さんに
これだけ困難な状況にあってもやっぱり日本だからやれたんだという大きな評価をいただいたという事は
特に皆さんがして下さった日々の御努力の賜物だという風に思っております。
皆さんはこれからこの東京2020大会を経験してそれぞれの職場、テリトリーに行かれるかと思いまけども、
何年後かに振り返った時にあの東京2020大会をやって良かった、そして私はその一員だったという事を
誇りに思える様な大会に成る様に私はこれからもその意義と価値、レガシーをもっともっと素晴らしいものに育てて
皆様方に宝物として何時かしっかりとお渡し出来る様に頑張ってまいりたいという風に思いますので、
是非、皆様方もご指導、ご協力をお願い申し上げます。皆様がいて下さったからこその東京2020大会の成功でありました。
本当にありがとうございました。心から感謝申し上げます。」

東京都提供

武藤専務理事・事務総長「思い返しますと2014年1月24日、44人のメンバーで組織委員会は発足を致しました。
これから約8年半、本当に山あり谷ありの長い長い旅路であったという風に思います。
その最後に160人の皆さまと解散の為の仕事に取り組んで参りました。
大会の前には人類史上初めてのコロナの猛威による感染の拡大という状況の中で
「東京2020大会は開催出来ないのではないか」あるいは「開催をすべきではないのではないか」、
そういう考えの方々が沢山いたのは事実だと思います。しかし我々は如何したらベストな東京2020大会を
開催する事が出来るのかという事を考え続けてまいりました。
アスリートの皆様方からは「自分達の活躍の場を提供してくれてありがとうございます」という言葉をいただきました。
海外のオリンピック・パラリンピック関係者からは、日本でなければ開催出来なかったのではないか、という言葉もいただきました。
国内でも、終わってみると8割近い人々が大会をやって良かったという風に伺いました。
これは我々にとっては大変ありがたい言葉だったと思います。
会長も仰いましたが、ここまで来る間は決して順調なものでは無かったという風に思います。
失敗も沢山有りましたし、様々な批判を受けました。正直な所、心が折れそうになる様な
そういう困難もあったかとあったかと思います。しかし、皆さん一人一人が夫々の業務を全力で果たしていただきました。
その結果、組織委員会は一丸となって東京2020大会を開催する事が出来たと思います。
イギリス海軍のホレーショ・ネルソン監督が「I have done my duty(私は義務を果たした)」という
有名な歴史上の言葉がありますけども、私はそれに新しく「We have done our duty(私達は自分の義務を果たした)」と、
皆さんと共に言いたいと思います。東京2020大会は当初、我々が期待をした様な大会とは全く違ったものになりました。
しかし、簡素な大会という「東京モデル「を提示する事が出来ました。どの様に評価をされるかは
歴史の評価を待つしかありませんが、この様な歴史的な大きな事業を皆さんと共にやり抜く事が出来たという事は
私はとても幸せだと思いますし、また誇りだという風に思っています。
既に組織委を退かれた六千数百名の同僚の皆さんは今日ここにはおられませんけども、その方々にも
誠に労いと感謝の言葉を伝えたいという風に思います。大変寂しい気分も当然ありますけども、
皆さん、夫々の新しい職場で頑張っていただきたいと思います。本当に皆様・御苦労様でございました。
そして心からありがとうございましたという風に申し上げたいと思います。」

執務室の壁面から取り外されたロゴを持つ橋本会長(左)と武藤専務理事・事務総長(左)東京都提供

そして執務室から組織委のロゴパネルが取り外され、最後は橋本会長、武藤総長以下、
組織委職員が揃って記念撮影「ありがとうございました!」の一言共に挨拶は終了しました。

橋本会長以下組織委職員との記念撮影 東京都提供

2014年1月24日の発足から今日まで3,079日、東京2020大会開催直前の2021年7月1日には、
最大となる約7,000人という大規模な組織となった東京2020組織委員会。
7月1日からは22名の職員による清算法人となり、約1年程をかけて清算業務を行うとの事です。
東京1964大会から57年ぶりに東京で行われた平和の祭典。未来はどの様にこの大会を見るのでしょうか。

東京2020組織委員会の公式サイトはこちら
※(2022年6月30日(木)18:00をもってサイト閉鎖)

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