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小出恵介・主演/演出・小栗了 舞台「群盗」遂に開幕

俳優の小出恵介主演、演出家・小栗了の演出による舞台「群盗」が、2022年2月24日(木)、
埼玉県富士見市の“富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ” にて開幕しました。

【作品紹介】

カール役:小出恵介

舞台は18世紀中頃のドイツ。伯爵家に生まれた主人公カールとその弟フランツ。
放蕩息子であるものの父の信頼が厚い熱血漢の兄、幼い頃より父の愛に飢え、
兄への憧れが次第に深い憎しみへと変貌し冷徹に生きる弟。

フランツ役:新里良太

フランツの策略により兄カールは父からの勘当を言い渡され、
失意の底に落ちたカールはやがて盗賊団のリーダーとなり義賊的な活動に及んでしまう。
共に永遠の愛を誓った恋人アマーリアはカールへの永遠の愛を胸に・・・。

アマ―リア役:池田朱那

本作は18世紀ドイツにおける啓蒙思想に異を唱える詩人
『フリードリヒ・フォン・シラー』の戯曲第一作目となる作品です。
「理性に対する感情の優越」をテーマに主人公カール、その父モール伯爵、 恋人アマーリア、
弟フランツの人間模様と、登場人物の激しくも切ない葛藤を描く傑作戯曲「群盗」。
悲劇の中に芽生える深い愛と憎しみのストーリーは人が行う不変的な何かを教えてくれることでしょう。俳優・小出恵介の約6年半振りとなる舞台復帰作として舞台ファンや、俳優ファンのみならず、
社会的な注目度の高さも話題の本作。
2021年11月に品川区にて行われた制作発表には、多数のメディアが取材に訪れ、
様々な意味で公演本番に向けての期待が大きく膨らんでいました。
しかし、当初2月18日(金)より17公演の上演を予定していた本作ですが、
本番の開幕前に出演キャストに新型コロナウイルス感染症の陽性者が発生した為、
止む無く2月23日までの7公演を公演中止の措置が取られていました。

(中央)モール伯爵役:鍛冶直人

そして残り5回という公演数ながらも、遂に2月24日に劇場の幕が上がった舞台「群盗」。
舞台上には照明バトンまで届きそうな程の高く大きな柱が4本立ち、中央には鈍く黄土色に光るシャンデリア、
そして舞台上部にはまるで簾の様な、無数の白く細いロープや生地によるデコレーションがなされた、
比較的シンプルなステージセットを基本とした舞台構成で物語が進んで行きます。

後述の通り、約1か月半に及ぶ稽古の成果を、各キャストが劇場から溢れ出る様な熱量で
お互いにぶつけ合うという表現がピッタリな程のエネルギッシュなパフォーマンスを行います。
その筆頭株は勿論、長男カール役を演じる小出さん。盗賊団を統率する芯の通った隊長という
骨太な役柄を演じる姿は、とても約6年半という舞台出演のブランクを感じ取る事は出来ない筈。
勿論、パワフルなシーンだけではなく、アマ―リア役の池田朱那さんとのシーンや
盗賊団の部下と相対するの静的な場面でも、人を惹きつけるカリスマ性を存分に発揮し、
そしてある事をキッカケにそのカリスマ性が雪崩の如く崩れていく様を肌で感じる事が出来ます。

その小出さんと対極といえる演技で才脳を放つのが次男フランツ役の新里さん。
「当時の長男が優遇されるという時代背景の中で鬱憤を募らせ兄を亡き者にしようとする狡猾な次男」
という一筋縄ではいかないフランツ像を、見事に具現化しています。
演出の小栗さんがフランツ役に求めるポイントとして、「冷たい目が出来る人」と制作発表時に話していた新里さん。
その小栗さんの目に狂いはなく、劇中全編を通し、笑顔の中に全く持って油断のならない、
笑わない目の色をし続ける新里さんの演技力は今作において決して欠かせないものに感じられます。
この2人に一歩も引けを取らない、あるいは一部のシーンでは勝ってしまっていると感じられたのが、
アマ―リア役の池田さんの怒涛の演技力。妄信的と言って良い程、カールの事を心の底から愛し続ける
アマ―リアの想いの一途さ、芯の太さを体現する池田さんの演技のエネルギッシュ度合は、
是非劇場で直に確認をして欲しい所。人を想う力の凄さを問答無用で感じさせてくれる迫真の演技力でした。
そして今作の演出を務めあげた小栗了さんの演出力も特筆点ではないでしょうか。
会場となった富士見市市民文化会館キラリ☆ふじみ メインホールの約800席という
大空間での古典戯曲の演出はほぼ、初挑戦という小栗さんですが、各キャストの魅力の引き出し方等に長け、
演出経験の少なさを感じさせる部分は感心する程少なく、俳優時代や様々な仕事で培われたであろう経験が
約3時間の公演の中に活きています。

【出演者コメント】

カール役:小出恵介
◆実際の舞台に立って
「6年半ぶりの舞台出演となりますが、小屋入りしてみて、いよいよ本番という実感を噛み締めています。
久しぶりに舞台に立ち、また演じられる、公演できるということを非常に嬉しく思います。」

◆公演が24日となって
「本来よりも6日間遅れての開演となり、中止となった公演にお越しいただく予定であったお客さまに、
まずはお詫び申し上げます。1か月半もの間、みっちり稽古をして入念に準備を重ねてきただけに、
初日からの中止は本当に悔しく、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
まだここに戻れていない仲間もいて、その彼らの想いも紡ぎ背負って初日を迎えられたらと思います。」

◆皆さんへ
「小栗了さん初演出のもと、丁寧に稽古を重ねてきたので、きっと楽しんで観ていただける内容になっていると思います。
コロナ禍の状況下、劇場に足をお運びいただくお客様には本当に感謝に尽きます。
お越しいただいた方が報いられるような誠意と姿勢を持って、「群盗」というこの作品をお届けしたいと思います。」

アマ―リア役:池田朱那
◆実際の舞台に立って
「舞台は想像以上に広く感じ、こんなところでやるのか…と緊張が走りましたが、
同時にこんな素晴らしい劇場で出来ることをとても幸せに感じ、更に気が引き締まりました。」

◆公演開始が24日となって
約1ヶ月半かけてキャスト、スタッフの皆さんで創り上げてきたこの舞台を、
出来れば全12公演やりたかったという悔しい気持ちはあります。
たった5公演にはなってしまいましたが、このコロナ禍で舞台の上に立てることに感謝しながら、
観に来てくださる皆様に存分に楽しんでいただけるような舞台にしたいと思っております。」

◆皆さんへ
「今も昔も変わらない人間の心の動きを感じていただけたら嬉しいです。個人的には、
今村さん演じるダニエルが大好きです。皆さまも、とっても可愛いダニエルを見て癒されてください。」

フランツ役:新里宏太
◆実際の舞台に立って
「実際の舞台に立ち、稽古場と違って奥行きも広さも全然違うし、目の前に客席が広がっている所で
お芝居をするという嬉しさが溢れ出て来ていて稽古場にはない感情です。」

◆公演開始が24日となって
「公演初日が24日になってしまいましたが、舞台の幕が無事に上がると言うことに一安心しております。
溜め込んだエネルギーを24日からぶつけます。」

◆皆さんへ
「こんな大変な時期に劇場に来て観劇して下さるという選択をして頂き、ありがとうございます。
この作品が1人でも多くの人に伝わって、1人1人の明日への活力になるよう、
僕らはしっかりと舞台上で生き抜きたいと思います。」

【舞台「群盗」公演概要】

公式サイトはこちら

<公演期間>
2022年2月24日(木)~2月27日(日)
※2月18日(金)~2月23日(水)の公演は出演俳優に新型コロナウイルス感染症
陽性反応者が出た為、中止。

<会場>
富士見市市民文化会館キラリ☆ふじみ メインホール

<公演時間>
約3時間(20分間の途中休憩を含む)

<料金>
S席9,000円 A席6,500円
(全席指定・税込)
※未就学児童入場府不可

<出演者>
カール:小出恵介

アマ―リア:池田朱那
フランツ:新里宏太

モール伯爵:鍛治直人
シュヴァイツァー:山口翔悟
シュピーゲルベルク:伊藤武雄
グリム・教父(二役):塚本幸男
ラツマン・モーゼル牧師:妹尾正文

ロラー:久道成光
ヘルマン:上杉潤
シュフテルレ:西村大樹

コジンスキー:中島拓人
ダニエル:今村俊一
召使い:尾形存恆

シュナイダー:鈴木康史

ヴェルタ―:池原滉大
ミラー:太田龍之丞
メッツラー:佐々木崚雅

<STAFF>
原作:フリードリヒ・フォン・シラー
演出・上演台本:小栗了
音楽:カワイヒデヒロ(fox Capture plan)
音響:浜田昌一
照明:辻井太郎
美術:成本活明
衣裳:大岩大祐
舞台監督:市川太也
制作:群盗実行委員会
後援:ドイツ連邦共和国大使館
主催:合同会社VOLTEX

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