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Dramatico-musical『BLUE RAIN』開幕!

2022年1月13日(木)~1月26日(水)まで東京都中央区の銀座・博品館劇場にてDramatico-musical『BLUE RAIN』が上演されます。

本作は、2018年に韓国・大邱国際ミュージカルフェスティバルにて「創作ミュージカル賞」を受賞した話題作
『BLUE RAIN』の日本版であり、withコロナとなった2020年7月にミュージカルとしては先陣を切る形で日本初演を迎え、
コロナ禍ならではのビニールシートとディスタンスを演出効果に取り組み、大きな反響を得ました。

物語は、ロシアの小説家、フョードル・ドストエフスキーの名作『カラマーゾフの兄弟』をベースに、
舞台を1990年後半のアメリカ・ユタ州に移し変えたものとなり、弁護士のルークが
ひとつの殺人事件の真相を追ううちに、ある家族――父と息子たち、兄と弟の憎しみと深い因縁を暴き出し、
さらに一家を超え、人間といういきものの根源的な業を描き出していく、サスペンフルでありながら
文学的な叙情性を持つミュージカルです。オリジナルの脚本・演出を務めたのは、日本でもミュージカル『SMOKE』が
スマッシュヒットしたチュ・ジョンファ(作・演出)&ホ・スヒョン(音楽)。
チュ・ジョンファの人の業に鋭く切り込むパッション溢れる脚本・演出と、ホ・スヒョンの美しく煽情的なメロディが
溶け合う独特の世界観は韓国でも大人気で、熱狂的なファンを数多く生み出しています。

本作で、自身の父親が殺された事件の真相を追うルキペール家の次男・ルーク役を、日本初演にも出演し
ドラマ・映画・舞台・ミュージカルなど幅広く活躍している東山光明が務めます。また、犯人と目される
ルキペール家の長男・テオ役(Wキャスト)を大沢健と石井雅登が、テオの恋人・ヘイドン役を彩乃かなみが、
ルキペール家に長年仕える使用人・エマ役を池田有希子が、新しく来たばかりの使用人・サイラス役(Wキャスト)を
伊藤広祥と染谷洸太が、強欲で横暴な富豪であるジョン・ルキペール役を今拓哉が、それぞれ魅力的に演じていきます。
また、日本版演出は、初演から引き続き、美しく繊細な演出で知られる名匠・荻田浩一が手掛けます。

2022年1月13日(木)、および14日(金)に初回の公演に先駆けて、公開ゲネプロが行われました。

【あらすじ】

ジョン・ユキペール:今拓哉 ©ミュージカル「BLUE RAIN」製作委員会/岩田えり

――――俺を殺したのは、誰だ。

テオ:大沢健(Wキャスト)©ミュージカル「BLUE RAIN」製作委員会/岩田えり

(左)テオ:石井雅登 ©ミュージカル「BLUE RAIN」製作委員会/岩田えり

1997年、ニューヨーク。強欲な富豪、ジョン・ルキペールが殺害された。
犯人と目されたのは、父と反発し12年間家に戻っていなかった長男、テオ。

(右)ルーク:東山光明 ©ミュージカル「BLUE RAIN」製作委員会/岩田えり

弁護士となった次男のルークはこの事件の真相を追ううちに、殺害現場から大金が消えていたこと、
兄テオの恋人・ヘイドンがジョンの愛人になっていたことなど、兄に不利な証拠ばかり見つけてしまう。
現場で倒れていたルキペール家の家政婦・エマはテオをかばうも、
新しく入ったばかりの使用人・サイラスらの証言も、テオが犯人であることを示しているようだ。

ヘイドン:彩乃かなみ ©ミュージカル「BLUE RAIN」製作委員会/岩田えり

エマ:池田有希子 ©ミュージカル「BLUE RAIN」製作委員会/岩田えり

この事件の真相は……そして次第に浮かび上がる、家族の相克。
彼らが抱える憎しみの行方は……。

(右)サイラス:染谷洸太 ©ミュージカル「BLUE RAIN」製作委員会/岩田えり

サイラス:伊藤広祥 ©ミュージカル「BLUE RAIN」製作委員会/岩田えり

13日に行われた公開ゲネプロでは、Wキャスト配役のテオ役を大沢健さん、サイラス役を染谷洸太さんが、
14日の公開ゲネプロでは、テオ役を石井雅登さん、サイラス役を伊藤広祥さんが努めました。

(左から)テオ:石井雅登、ヘイドン:彩乃かなみ ©ミュージカル「BLUE RAIN」製作委員会/岩田えり

(左から)ルーク:東山光明、サイラス:伊藤広祥 、ヘイドン:彩乃かなみ、テオ:石井雅登、エマ:池田有希子
©ミュージカル「BLUE RAIN」製作委員会/岩田えり

(左から)サイラス:染谷洸太、ヘイドン:彩乃かなみ、テオ:大沢健、エマ:池田有希子、ルーク:東山光明
©ミュージカル「BLUE RAIN」製作委員会/岩田えり

博品館劇場の舞台上には2020年の日本版初演時と同じく、半透明の大型ビニールシートが幾重にも設置され、
舞台後方上部には、2匹の赤い金魚が描かれ、周囲に椅子が配置されている印象的なセットが鎮座。
新型コロナウイルス感染症対策として設置されたビニールシートは、照明効果や飛沫防止効果は勿論、
出演者の演技や心情、または観客側から見た視覚的な心理効果を引き立たせているのがなによりも印象的。
ビニールのシワや、あえて付いているであろう汚れ等、無造作な部分を通した演技が質感を高めます。

(左から)ヘイドン:彩乃かなみ、テオ:石井雅登 ©ミュージカル「BLUE RAIN」製作委員会/岩田えり

また、ビニールシート越しの歌唱シーンでは、演者の歌唱を観客はPAを通して聴く事になりますが、
ミュージカル作品、ひいてはあらゆる舞台作品の客席前方エリアの醍醐味である、
演者の生声を直に浴びるという部分がビニールシートの遮断により抜け落ちるという所は、
非常に新鮮な感覚を覚えること間違いなし。それは今作にとってはマイナス的な面は感じられず、
全編を通して舞台上に漂う、少々重苦しさを感じる空気感との相乗効果を感じ取る事が出来るのではないでしょうか。

(左から)ルーク:東山光明、サイラス:伊藤広祥 ©ミュージカル「BLUE RAIN」製作委員会/岩田えり

日本版初演にてWキャストでルークを演じた東山光明さんは今回、単独出演にて、
初演よりも格段に深みと感情表現の幅を増した弁護士ルークを演じます。
逮捕された兄のテオを助けようと奔走するルークですが、その言動や時に尋常ならざる高ぶり方を見せる
感情の起伏は暴君であった父、ジョン・ユキペールの片鱗を思い出さずにはいられない部分が見え隠れ。
それに対するのは大沢さん、石井さんがWキャストで演じる、ルークと5歳離れた異母兄弟であるジョンの長男、テオ。
そのテオの恋人である、彩乃かなみさん演じる歌手のヘイドンの2人は、落ちる所まで落ちた境遇の中、
必死で藻掻いて這い上がろうとする恋人の様を熱演。お互いを想う気持ちが二人を望まぬ命運へと引き連れていきます。

(左から)ルーク:東山光明、エマ:池田有希子 ©ミュージカル「BLUE RAIN」製作委員会/岩田えり

東山さんと共に初演からの続投となる池田有希子さん演じる、テオやルークの乳母の様な存在である
ルキペール家の使用人のエマと、伊藤さんと染谷さんがWキャストで演じる、最近ユキペール家の使用人として入ったサイラス。
この二人も、夫々が表現する芯の部分が初演からブラッシュアップされています。

(左から)ヘイドン:彩乃かなみ、テオ:石井雅登、ジョン・ユキぺール:今拓哉、ルーク:東山光明、エマ:池田有希子、サイラス:伊藤広祥
©ミュージカル「BLUE RAIN」製作委員会/岩田えり

そして上記の出演者の熱演を、大口を開けて一飲みしてしまう程の圧巻の演技力と存在感を見せるのが、
今拓哉さん演じるジョン・ユキペール。物語冒頭、自身が殺された経緯を飄々と話し、
途中ではコミカルという表現すら出来そうな高いテンションの刑事に扮するシーンもあるなど、
様々な表情を見せますが、やはり特筆すべきはその常軌を逸した、狂人という表現すら生温い劇中での冷酷な性格描写。
「世界の正義は金だけ」という兎にも角にも金に忠実な外道で、死してなおテオやルーク、
各登場人物に暗い大きな影を落とす悪の権化の様な存在に観劇を終えた観客の脳裏にも暫くこびり付いて
離れない程の(悪い意味での)強いインパクトを植え付けます。
「何故、愛さなければいけないのか」という父親としてタブーともいえる言葉を平然とジョンが言い放つシーンは、
ジョンという怪物を表すこの物語の一つのキーポイントとして激しく観客の心を揺さぶるでしょう。

約2時間の物語の末に一体何が待っているのか、是非劇場で確かめてみては。

【Dramatico-musical『BLUE RAIN』公演概要】
ORIGINAL PRODUCTION BY C101
BOOK BY JOUNG HWA CHOO, MUSIC BY SOO HYUN HUH

公式サイトはこちら

<公演期間>
2022年1月13日(木)~1月26日(水)

<会場>
博品館劇場

<公演時間>
約2時間(途中休憩無し)

<料金>
10,800円
(全席指定・税込)
※未就学児童入場不可

ルーク:東山光明
ヘイドン:彩乃かなみ
テオ:大沢健、石井雅登(Wキャスト)
サイラス:伊藤広祥、染谷洸太(Wキャスト)

エマ:池田有希子

ジョン・ルキペール:今拓哉

『演奏』
河谷萌奈美

門馬由哉、小金坂栄造

<STAFF>
脚本・演出:荻田浩一
音楽監督:河谷萌奈美
振付:港ゆりか
歌唱指導:福井小百合
美術:角田知穂
照明:柏倉淳一
音響:大野美由紀
舞台監督:後藤恭徳
主催:atlas

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