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東京2020大会終了後の施設再開業前見学会を東京都が開催

東京都オリンピック・パラリンピック準備局(以下、オリパラ準備局)は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
(以下東京2020大会)で使用された新規恒久施設等について、施設の見学会を実施しています。
2021年11月26日(金)、見学会の初日となった東京都江戸川区のカヌー・スラロームセンターでの見学会の模様をお伝えします。

【当日の様子】

東京2020大会において、東京都が整備した8つの競技会場等新規恒久施設の内、江戸川区のカヌー・スラロームセンター、
江東区の東京アクアティクスセンター、および有明テニスの森公園テニス施設の3箇所が、大会終了後の利用に向けた改修工事との
調整がついた為、11月~12月わたり、大会後初となる一般向けの見学会(申込期間は終了)が行われました。

※『11月30日追記』
東京都より、新規恒久施設の再開業日が公表されました。
夢の島公園アーチェリー場:2021年10月31日(日)(再開業済)
※海の森水上競技場:2022年4月29日(金)(一部再開業)
※大井ふ頭中央海浜公園ホッケー競技場:2022年6月18日(土)
※カヌー・スラロームセンター:2022年7月23日(土)(一部再開業)
有明アリーナ:2022年夏頃(詳細日程は今後公表)
東京アクアティクスセンター:2023年春頃(詳細日程は今後公表)

※表記の施設は再開業にあわせて競技体験会等を実施予定。

この日は133人の事前公募を行った見学者が来場。大会期間中は約7,500席の仮設応援スタンドが
JR京葉線や首都高速湾岸線等の車窓から大きく見えていた会場もスタンド席が撤去され、フラットな競技施設に。

今見学会では新型コロナウイルス感染症対策の為、見学参加者を一定人数に区切り、複数個所にて見学を実施。
そしてこのカヌー・スラロームセンターでの見学会に限り、実際に選手の競技練習風景が公開。

報道陣に向かってリップサービスをする羽根田選手

中でも男子カヤックでリオ2016大会においてアジア初の銅メダルを獲得し、東京2020大会でも10位の成績を残した、
日本カヌー競技界のスーパースターである羽根田卓也選手を初め、東京2020大会に出場したオリンピアンや、
日本代表選手等8名、U-23日本代表選手2名が夫々、施設と競技の魅力を知って貰おうと、
東京2020大会本番ではあり得なかった、コースサイドという超至近距離で見学者にその腕前を披露し、
自らマイクを握って来場者へと直接説明を行う等のサービスにより、見学者からは大きな拍手がおくられていました。

場内に設けられたフォトスポットで東京2020大会マスコットの縫いぐるみと共に記念撮影をする見学者

管理棟の軒下では東京2020大会のアーカイブ資産が展示され、表彰式でメダルに負けず劣らずの
注目度となったビクトリーブーケやシティキャストのユニフォーム等が展示され、
中には2021年7月30日に行われた、カヌー・スラローム男子カヤックシングル決勝にて
5位入賞を果たしたアメリカのミカル・スモーレン選手のカヤックがアートと共に展示され、
大会の余韻を大いに放っていました。

東京2020大会終了後のカヌー・スラロームセンターの後利用として、
アスリートファーストの視点では国際大会及び日本選手権等の国内大会を誘致し、年間7大会の開催を目標にする点、
都民ファーストにおける視点では、水上スポーツやラフティング等のアクティビティの機会の提供や
水難救助訓練など、多様なニーズにこたえる多目的な利用方法の提供が上げられています。

強力なポンプ装置により、ものの数分で競技コース内が満水に

東京2020大会から一切、位置形状変更がなされていないという障害ブロックもあっという間に見えなくなっていきます

また、東京大会終了に伴い撤去されたスタンド席の代わりに観客がコースを観戦出来る様に
コースサイドに盛土がなされたり、施設北側の空き地部分には駐車場や植栽を整備、
また、ナイター営業を要望する声が上がっている事から照明の設置も検討をしたいと東京都の担当者は話していました。

約18,000㎥の水を循環させて轟音を立てながら作られる流れ

また、隣接している葛西臨海公園・葛西海浜公園との周辺施設連携を行い、
カヌー・スラロームセンターと両施設を繋ぐ遊歩道の整備、カヌー教室と干潟観察をセットにしたものや、
水族園とラフティングの共通チケットの販売等が考えられているとの事で、
競技利用、一般利用を合わせて年間10万人の来場者を目標としているとしていました。

【囲み取材の様子】

午前の見学時間終了後、選手を代表し、足立和也選手、羽根田選手、矢澤亜季選手の
東京2020大会出場のオリンピアン3名が登壇しての囲み取材が行われました。

Q:東京2020大会は無観客であったが、今日、一般の見学者に会場と競技練習を見て貰った感想は?

足立選手「このオリンピックレガシー施設は、世界でも有数のコースだと思いますし、
都心からもアクセスが良い立地環境の中で少しでも皆さんの目に留まって
また見て頂く事が出来た事をとても嬉しく思います。」

羽根田選手「残念ながらオリンピックでは、沢山の方に生で見て頂く事は出来なかったんですけど、
今回は、コース際まで来て下さって、カヌー競技の迫力と魅力に改めて触れて頂けたと思うので、
これからオープンに向けて沢山の方に来て頂ける様、我々も魅力を発信していきたいと思います。」

矢澤選手「このコースは凄く水も綺麗ですし、素晴らしいコースなので、一人でも多くの方に
カヌーというスポーツに携わって頂ければと思います。」

Q:国内初の人工コースが出来た事について、こういうコースが日本には必要という考えがあったのか?
また、このコースは自然の川のコースとの違いは?

足立選手「今、カヌースラロームの世界大会が行われるコースは、全て人工コースでやっております。
人工のコースと自然の川というのは、選手達にとっては感覚も違いますし、波の感じも違ってくるんですけど、
その中で同じ世界大会が開かれる人工コースでトレーニングが出来るという事、レースが出来るという事は、
僕達選手にとってはとてもメリットがあります。人工コースと自然の川のコースとの違いは
専門的になってしまうんです。選手達は水が「堅い・柔らかい」って言うんですけども、
そういう違いがあってタイムにも影響がしてきたり、自然のコースの方が波が不規則で、
人工コースの方が波が定期的に起こります。ただどっちも良いですよね。こういう都心にあるコースも凄く良いですし、
自然の中でアウトドアを感じられるコースも僕はとても好きです。」

羽根田選手「足立の話の通り、都心部に交通アクセスのよいこれだけの世界有数の施設が出来上がって、
我々の夢であった、子供達が少年野球に通う様な、そんな環境がここに整いつつあるので、
この施設を拠点に未来のメダリストを背負って戦う子供達を、我々も一緒に育てていきたいと思います。
自然は自然の気持ち良さがあり、こういった人工コースは競技としてのやりがいだとか挑戦のし甲斐があり、
競技大会を運営し易いというメリットがあるので、どっちが良い悪いとかではなくて、
両方に素晴らしさ、楽しさがあると思います。」

矢澤選手「東京オリンピックが決まるまでは、国内には自然のコースしかなくて、私達は海外の
人工コースで練習が出来ていたんですけども、やはり国内の都心部に水がきれいで凄く難易度の高いコースが
日本に出来たという事は凄く嬉しいですし、未来が楽しみだなという風に思っています。
自然のコースでは四季を楽しむ事が出来るので、競技だけではなくてリラックスをした気持ちで
カヌーを漕げますし、このコースもそうですけども、本当に世界レベルの競技を体験して頂けると思うので、
その楽しさを感じて頂ければ幸いです。

Q:一般利用再開にあたり、どんな人にどの様に使って欲しいと思うか?

足立選手「僕はどんな人にというよりも、全ての人に見て頂きたいですし、カヌースラロームを知って頂きたい。
その為に僕自身、頑張って成績を残していきたいと思っているので、少しでも注目して頂けると嬉しいなと思います」

羽根田選手「この施設はカヌー競技だけではなく、色んなアクティビティを体験して頂ける施設になると思います。
なによりも、この競技施設は世界で一番の施設だと僕は思っていて、ここから未来のメダリストを育てる、
羽ばたいてもらうという準備がこれから出来ていくと思うので、沢山の子供達にここを拠点に
夢を追いかけて行って欲しいです。」

矢澤選手「まだカヌーを知らない人でも、カヌーを知っている人でも、沢山の人にこの施設で
カヌーに触れあって頂いて、世界で活躍出来る選手が将来、ここから出て来ると
私達も本当に嬉しいですし、私自身もこれからパリ大会に向けて頑張っていきたいと思っているので、
しっかりと成績を出して皆さんに良い流れを繋げていきたいと思っています。」

Q:3年後のパリ2024大会に向けての抱負は?

足立選手「僕自身は3年後というよりも、先ずは目先のレースを、という風にずっと考えて来ていましたので、
3年後についてハッキリと明言状態にあるのかというのは一度、足元を見つめ直して進んで行きたいと思っています。」

羽根田選手「東京オリンピックが終わってまだ日も浅いので、自分の中でもう少し向き合って、
また皆さんに今後をどうするのかを報告していきたいと思います。」

矢澤選手「先程の通り3年後を含めて、ワールドカップ、世界選手権もしっかりと成績を出していって
良い流れで3年後のパリオリンピックに繋げていきたいと思います。」

【カヌー・スラロームセンター施設概要】

所在地:東京都江戸川区臨海町六丁目1番1号
主要施設:
競技コース(長さ約200m、最大幅約10m、高低差約4.5m、平均勾配約2%、平均水深150㎝)、
ウォーミングアップコース、ポンプ施設、ろ過施設、管理棟(艇庫等)等
竣工:
競技コース:2019年5月(同年7月6日供用開始)、管理棟:2019年12月
整備費:78億円(2019年12月時点)

【東京2020大会新規恒久施設等再開業前見学会概要】

オリパラ準備局の公式サイトはこちら

<日時>
2021年11月26日(金)・27日(土)、※29日(月)、※30日(火)、12月4日(土)、12月12日(日)
(※)29日・30日は学校見学会
※申込期間は終了しています。

<会場>
11月26日・27日・29日・30日:カヌー・スラロームセンター
12月4日:有明テニスの森公園テニス施設
12月12日:東京アクアティクスセンター

<参加者>
11月26日:133人
その他会場は事前公募した見学者を対象に各日500人程度
※学校見学会は江戸川区の児童生徒が対象

<見学会競技練習参加選手>
『11月26日』
羽根田卓也:オリンピアン/男子カナディアン・リオ2016大会銅メダル、東京2020大会10位、カヌースラローム日本代表
佐々木将汰:オリンピアン/男子カナディアン・リオ2016大会出場、カヌースラローム日本代表
足立和也:オリンピアン/男子カヤック・東京2020大会16位・カヌースラローム日本代表
田中雄己:カヌースラローム日本代表
齋藤康祐:カヌースラローム日本代表
矢澤亜季:オリンピアン/女子カヤック・リオ2016大会出場、東京2020大会19位、カヌースラローム日本代表
三島廉:カヌースラローム日本代表
都田輝夏:カヌースラローム日本代表

三島遊:カヌースラロームU-23代表
藤井南帆:カヌースラロームU-23代表

<実施体制>
主催:東京都オリンピック・パラリンピック準備局

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