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小出恵介主演 舞台「群盗」制作発表開催

合同会社VOLTEXは、小栗了の演出による舞台「群盗」を、2022年2月18日(金)~ 2月27日(日)に
“富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ” にて上演します。2021年11月4日(木)、上演に先立ち、
演出家及びキャストの出席のもと、東京都港区のAP品川にて制作発表が行われました。

【制作発表の様子】

制作発表には、演出を務める小栗了さん、本作「群盗」が舞台復帰作となる主演カール役の小出恵介さん、
オーディションにてヒロイン、アマ―リア役に選出された池田朱那さん、そして物語の鍵を握る
主人公の弟・フランツ役に決定した新里宏太さんの4名が出席。

冒頭、各登壇者からの挨拶から始まります。
小栗さん「小出さんにはずいぶん前に群盗の主演のオファーを出していまして、
どうしてもこの公演だけはやりたいという事をお願いしました。
何故、この群盗をやろうかと思ったかと言いますと、僕自身の出がオペラの裏方という所から
スタートしています。裏方と言いましても本当に雑用的な部分から舞台業界に入りました。
どうしても古典モノというものに執着がある所がございまして、どうしても古典をやりたいという所から
シェイクスピア作品ですと、色んな方がやられているという部分も有り、ドイツの群盗(を選びました)。
それを僕が昔、仕事としてやった事もあったキッカケから、それをストレートプレイでやったらどうなるかな、
という所からこの群盗を選ばせて頂きまして今回、この様な形になりました。
僕は今回、ストレートプレイという形で演出をさせて頂くのがほぼ初めてとなります。
これまで小規模なものはやらせていただいたんですけど、この規模でやらせて頂くのは初めてですし、
そんな中、初めて尽くしの僕に本当に周りの方々、小出さん含め、池田さん、新里さんが快諾して頂いて
ここに立って頂いています。僕としましては来年2月18日よりこのメンバーと共に
今作を埼玉県でやって、「埼玉県でやっただけではもったいなかったね」といって貰える様な
舞台を作れる様、努力していこうと思っております。」

小出さん「僕としましては、6年ぶりの舞台をやらせて頂ける事になりました。
色々な経験がありましたけども、再びこうやって皆様の前に立てる事を、非常に感慨深く嬉しく思っております。
真摯な気持ちで臨みたいなと思っております。」

池田さん「私自身、戯曲をやるのが初めてで、今からも凄く凄く緊張をしているんですけども、
素敵なキャストの方々とこれからすこしづつ形にしていけるんだなと思うと、凄く楽しみな作品です。」

新里さん「僕自身、デビューが歌手で、お芝居でも歌ありきのミュージカルをずっとやらせて頂いたんですけど、
今回、ストレートな舞台が初めてで、本当に素晴らしい方々に囲まれながら、今回は
チャレンジをしていく舞台だなと思っています。自分自身の中でターニングポイントになるキッカケが
この群盗であれば良いなと思っております。」

次に小栗さん主導によるキャストトークへ。
小栗さん「今回のお話のスタートとしてましては、小出さんに僕が2019年7月にSNS「Instagram」の
ダイレクトメッセージでメッセージを送りまして「気づいてくれるといいな」と思いつつ、
沢山のメッセージの中に埋もれていくんじゃないかなと思っていたら、返信連絡を頂きまして。
(小出さんの方を向いて)良く返事をしてくれましたね。」

小出さん「僕もInstagramをやっていたんですけど、ダイレクトメッセージが届くという事すらも
あまりよく把握をしていなくて。たまたまそれを開けた時、了さんからメッセージが来ているのを見つけて。
僕も最初、本当なのかなと思いました。だったんですけど、2019年の夏という事で僕はNYの学校に通いながら
毎日あくせくやっていた時だったので、舞台に立たないかというお話を頂いた時には本当に嬉しくて感動しました。」

小栗さん「小出さんからすると僕は旬の兄ちゃんという事だったと思うんですよね。
そんな中で引き受けて下さったのは非常に有難かったなと。小出さんと一番初めに会ったのが
ウチの弟の初監督作品の「シュアリー・サムデイ」夕張国際映画祭の舞台挨拶の時で、
弟の初監督映画の主演が小出さんで、僕が初の舞台の演出をさせてもらうのも小出さんというのは、
やはり縁があるかなと僕も思っていて正直、ダイレクトメッセージもダメ元で送った所もあるんです。
この群盗もそうなんですけど、人間が生きていく上で何処かで一歩踏み出せた時に
それが失敗になるか、成功になるかって分からない事だと思います。
今回の場合、僕は一歩踏み出せた事によって小出さんとこういう風に繋がらせて頂いて
今、この場を迎えられています。今作の本編で言うと、人間は一歩を踏み出した時に
その一歩から立ち戻れなくなる事もあるんだよ、という事が語られているストーリーだと思っています。
18世紀に作られた物語ですけど、人間の本質というのは全く変わらなく、僕等は生きている限り
結局同じ事を繰り返していく生き物なんだなという部分をこの舞台で出せたら良いなと思っております。」

続いてオーディションを突破し、ヒロインのアマ―リア役を射止めた池田さんに話が及びます。
池田さん「書類審査から始まって、オーディションに呼んで頂いた時にとりあえず、
フォン・シラーさんの群盗をそこら中探し回って。でも何処にも無いんですよ。
でもこれは読まないと絶対に分からないと思って、一冊だけ見つけて直ぐに読み漁って、
読んでみても分からない目茶苦茶難しい文章がズラッと書いてあって。でもそれを一所懸命に
理解して結構自信満々でオーディションには受かって。なのでお芝居が終わった後に了さんが
信じられない程、お褒めの言葉を下さって。私、人生であんなに自分を認めて頂いた事が
初めてだと思ってその場で号泣しちゃったんですよね。だから了さんが思うアマ―リアと
私が演じたアマ―リアがマッチしのかなと凄く安心したので、これは決まるだろうと
安心して過ごしていました。」

小栗さん「400人近いオーディションへの応募がありまして、その中で池田さんともお会いさせて頂いて。
実は中々オーディションの結果発表を出せなくて、受かっている方のスケジュールが合わなくて
去年の年末位までかかってしまいました。その際、最後の方をやってからじゃないと
決められないというのがあったので、年が明けてから池田さんのマネージャーさんに
「お願いしたいです」と電話をした所、中々連絡が来ないので、池田さんの方から
「連絡が無く、あれだけベタ褒めしたくせに。”小栗兄弟諸共潰してやるぞ”」と。
その話を聞いた時にやっぱり根性がある人だなと思って。池田さんはずっと野球をなさっていて。」

池田さん「7年間ずっと男の子に混ざって本気でやってました。」

小栗さん「最終オーディションには小出さんにも立ち会って頂いて、相手役をやってもらいながらの
オーディションだったんですけど、池田さんのイメージはどうでした?
これで2月18日からの舞台で池田朱那が良くないと思われる方がいたら、僕の演出のせいです。

小出さん「凄い存在感で。僕もオーディションに立ち会うという事は初めてだったんですけど、
本当に役になりきってと言いますか、集中力が凄く高いなと思いまして。
凄く難しい戯曲だと思うんですけど、かなり台詞を自分のモノにしてらっしゃるなと思って。」

池田さん「そこは凄く(本を)読み漁って、自分がアマ―リアを一番分かっていないと、
という思いで挑んだので嬉しいです。先ず作品に入る前に台本を頂いて、台詞を読んで
例えば5歳位の幼少期から日記を付け始めて自分の記憶の中にその役の記憶が入り込む様にして、
毎回必ず作品に挑んでいます。」

次に小出さん演じるカールの弟、フランツを演じる新里さんへ。
新里さん「僕が演じさせて頂くフランツは、悪人という立場になると思うんですけど、
演じさせて頂くにあたって、観に来て下さった方々が終わった後に何か僕にも共感する部分が
あったら嬉しいなという気持ちで演じさせて頂きたいなという部分も有りますし、
僕、今年で26なんですけど、フランツは僕の世代だと、凄く共感する立場の方が
多いんじゃないかなという、そういう人物像だったりするので。
勿論自分自身も稽古期間やそれまでの準備期間を足掻きながら、僕自身も見つけられていない部分が
沢山有るので、それを発見しながら自分なりのフランツを演じられれば良いかなと思っております。」

小栗さん「新里さんは僕がお世話になっている先輩から「こういう役者さんがいるんだよ」という
紹介を受けまして、一番初めに写真を見せて頂いて、色々とみていった時にイメージとして
「冷たい目を出来る人」が欲しいと思っていたんですね。それに合っている方が見つかって
本当に良かったなと思って。実際にお会いして日本レコード大賞新人賞を獲っているという、
やっぱりそこに立てる人間の度胸というか、肝の据わった感があって、舞台上で演じる上で
僕は一番大事な物だと思っているので、それを持っている方だなと思ったので何も心配がなく。」

新里さん「お話を聞くだけで皆さん面識があり過ぎて。僕、結構急だったりもするので、
本当にハードルだけが僕の場合、一生上がり続けている段階なんですよ。
プレッシャーも感じながら凄く自分自身、いい環境だなと色々なご縁があって
フランツという役をやらせて頂くので、色々な所に感謝しながら真剣に向き合えたらなと思っております。」

そして小出さんに池田さんと新里さんから質問がぶつけられます。
池田さん「今作をやる上で、日本にいた時と海外に留学してから芝居に対して心情が変わった部分をお聞きしたいです。」

小出さん「僕は14年位、日本で色々な作品や舞台に出させて頂いて、その後NYの学校に2年位通っていたんですけど、
演技をちゃんと学ぶというか、作品関係無く向き合う事って、意外と無かったと思うんですよね。
根本的に演技って何をする事なんだろうとか、そういう事を考える機会になったなと思っていて、
(NYと日本との)考え方の違いとかはあると思うんですけど、単純に俳優って何なんだろう?
そういう事を考える機会になったなと思っていて、思い切ってやった方が絶対に良いと思います。」

【質疑応答】

Q:群盗のストーリーの中身を少し詳しく。また、どの様な演出プランなのか?

小栗さん「カールが長男でフランツが次男、カールの許嫁のアマ―リアという形で物語は進行をしていきます。
当時の世襲制度ではないですけどやはり長男が優遇される。その中で次男はどんどんと
そこに対してのフラストレーションが溜まっていき、そんな中、自由奔放だったカールは父親との揉め事により
家を飛び出し、それを良い機会だと見計らったフランツが謀略を企て、カールは死んだ事になってしまいます。
それを知ったカールにも、フランツの方から父親が書いたという手紙を送られて、カールはそれを見て「俺はもう必要ないんだ」と
思ってしまった所で、丁度その時に盗賊団を結成するという所に巻き込まれ、いつの間にか盗賊団の隊長にさせられ。
カールは心優しい人なので、盗賊団を義賊として結成をしたつもりだったんですが、やはり規模が大きくなっていくと、
カールの目の届かない所で本当に盗賊団としての行為を行う輩が出て来てしまい、その時点でカールは
”俺は戻れない”と思うのですが、色々と会った中、カールが自分の城に戻るというキッカケの中から物語が進展していきます。

ここにいる御三方に関しては上演期間中、ずっと心が動きまくって。その動く中でどんなに強い人間でも
やっぱり弱みを見せる所があるし、その弱さがまた強さに変わる事もあるし、という様な
2時間ちょっとの作品の中で心の揺れ動きを沢山見せてもらわなければいけない作品かなと思います。
今回、この3名以外の出て頂ける役者さん達がそれぞれ、バックグラウンドを持って頂いて
僕が売れない役者をやっている時、蜷川さんの舞台で端っこの方で不安にしている時に助けてくれた先輩とかが、
今回声を掛けたら快諾してくれて。経験のある皆さんが集まってくれていると思います。

群盗の演出に関しては人間模様をきちんと描きたいなと思っていますので、大がかりな演出効果とかは
考えていないです。その代わり、観に来た方達がどのキャラクターでも良いから何か共感を持ってもらえたり
さっきフランツは悪者と話しましたが、悪者には悪者なりの生きていた道筋があり、元から悪かった訳じゃなく、
人は変わっていくというのを見せられればと思っているので。それとこれだけの役者さんが集まっているので、
正直、皆さんがそのまま芝居をしてくれたら、十分に見応えのあるものになってくると思います。
僕は演出という立場ですけど、あくまでも調整役というか皆のやりたい事を丸く纏めてお客様にお届けするのが今回の僕の仕事です。」

Q:今の話を聞いて、自身の役者としての表現欲の何処が刺激されたか?

小出さん「台本を読ませて頂いた時に古典の悲劇なんですけども、非常にシンプルな構図だと思いました。
人間関係もシンプルですし、普遍的な部分があるなと思いましたので。しかし人が生きていく上で
誰もが多かれ少なかれ感じるであろう運命というものへの思いにたいして如何向き合うかという様な
誰にでも当てはまる命題のようなものなのが感じられたので、自分としては小細工無く、
なるべく頭も心も軽くして臨んでいきたいなという風に思いました。」

そして最後に小出さんよりメッセージが。
小出さん「素敵なキャストと一緒に戯曲を読んで稽古に励んで素晴らしい舞台を
作りたいなという風に思っております。是非、劇場にお越し下さい。」

小出恵介6年ぶりの舞台復帰作、公演は2022年2月18日からとなります。

【作品紹介】

舞台は18世紀中頃のドイツ。伯爵家に生まれた主人公カールとその弟フランツ。
放蕩息子であるものの父の信頼が厚い熱血漢の兄、幼い頃より父の愛に飢え、
兄への憧れが次第に深い憎しみへと変貌し冷徹に生きる弟。
フランツの策略により兄カールは父からの勘当を言い渡され、
失意の底に落ちたカールはやがて盗賊団のリーダーとなり義賊的な活動に及んでしまう。
共に永遠の愛を誓った恋人アマーリアはカールへの永遠の愛を胸に・・・。
本作は18世紀ドイツにおける啓蒙思想に異を唱える詩人
『フリードリヒ・フォン・シラー』の戯曲第一作目となる作品です。
「理性に対する感情の優越」をテーマに主人公カール、その父モール伯爵、 恋人アマーリア、
弟フランツの人間模様と、登場人物の激しくも切ない葛藤を描く傑作戯曲「群盗」。
悲劇の中に芽生える深い愛と憎しみのストーリーは人が行う不変的な何かを教えてくれることでしょう。

【舞台「群盗」公演概要】

公式サイトはこちら

<公演期間>
2022年1月18日(金)~2月27日(日)

<会場>
富士見市市民文化会館キラリ☆ふじみ

<公演時間>
未定

<料金>
S席9,000円 A席6,500円
(全席指定・税込)
※未就学児童入場府不可

<出演者>
カール:小出恵介

アマ―リア:池田朱那
フランツ:新里宏太

モール:鍛治直人
シュヴァイツァー:山口翔悟
シュピーゲルベルク:伊藤武雄
グリム・教父(二役):塚本幸男
ラツマン・モーゼル牧師:妹尾正文

ロラー:久道成光
ヘルマン:上杉潤
シュフテルレ:西村大樹

<STAFF>
原作:フリードリヒ・フォン・シラー
演出・上演台本:小栗了
音楽:カワイヒデヒロ(fox Capture plan)
衣裳:大岩大祐
美術:成本活明
舞台監督:市川太也
照明:辻井太郎
音響:浜田昌一
制作:群盗実行委員会
後援:ドイツ連邦共和国大使館
主催:合同会社VOLTEX

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