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東京2020大会の関係者輸送とITを活用した車両運行支援システム公開

東京2020組織委員会(以下、組織委)は、2021年7月1日(木)に東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
(以下、東京2020大会)における関係者の車両輸送とIT技術を活用した車両運行支援システムの概要を
東京都中央区の築地デポ(車両基地)にて公開しました。

【関係者輸送】

リオ2016大会が選手村を中心とした半径30㎞圏内に主な競技会場が集中しているのに対し、
東京2020大会は選手村から半径60㎞圏を超える競技会場配置となり、関係者輸送が複雑になる。

『大会関係者』
ステークホルダーと呼ばれる、輸送対象となる大会関係者は選手及びNOC/NPC(国内オリンピック委員会/パラリンピック委員会)、
IF(競技団体)、オリ・パラファミリー、メディア、マーケティングパートナー、大会スタッフに大別され、
それぞれ有する人数や大会に対する重要度に応じ、T1・T2・T3の3つの輸送サービスが割り当てられる。

※T1:IOC委員、IPC理事、NOC/NPC会長・専務理事(選手50人以上)、IF会長・専務理事等に対して専属の車両と運転手を提供。
T2:NOC会長・専務理事(選手50人未満)、NPC会長・専務理事等に対して、共用の車両と運転手を提供。
T3:IF役員・同伴ゲスト、選手団長、各国スポーツ大臣、IOC委員/IPC理事の同伴ゲストに対してフリート(※)輸送を提供。
※フリート(セダン、ワンボックス車両)

『輸送人数』
「オリンピック時」
選手:約11,090人
大会関係者:約41,000人
「パラリンピック時」
選手:約4,400人
大会関係者:約11,000人

『輸送車両』
バス:約2,000台/日(全国約600社のバス事業者から調達。地方競技会場での運行台数を含むと2,200台/日)
フリート:約2,700台/日(オリンピック時)、約1,800台/日(パラリンピック時)(トヨタ自動車からリースで調達)
※フリート車両の殆どがHV車、一部には燃料電池自動車(トヨタ ミライ)を約500台使用。
※フリート車両運転手人数:プロドライバー、ボランティアドライバー合わせ約6,000名。

『バスおよびフリートの規模』
バス仕業数:約80,000仕業(一人平均8日運転の場合、10,000人)
「オリンピック時」
選手、IF:27%
メディア:49%
OBS:6%
その他:18%
「パラピック時」
選手、IF:47%
メディア:23%
OBS:5%
その他:25%
※OBS:オリンピック放送機構

フリート車両台数:オリンピック 約2,700台、パラリンピック 約1,700台
「オリンピック時」
T1,T2,T3:45%
選手、IF:33%
OBS・メディア※:12%
その他:10%
パラリンピック時」
T1,T2,T3:48%
選手、IF:25%
OBS・メディア*:13%
その他:14%

『スタッフの研修』
東京2020大会の輸送を支える、様々なスタッフの研修を実施。
一部のフリート車両については、ボランティアドライバーが運転することから、これまでに79回の研修を実施。
座学による研修(出勤時、乗車・送迎、アクセシブル車両の扱い、アクシデント対応など)や、
実車研修を通して、ボランティアドライバーの皆さまと一緒に大会に向けたを準備を着々と進行中。

【輸送の概要】

東京2020大会期間中の関係車両の通行ルートを示す看板・標識 ©Tokyo 2020

『オリンピック・ルート・ネットワーク/パラリンピック・ルート・ネットワーク(ORN/PRN)』
ORNの総延長:高速道路:997.4㎞/一般道路:386.5㎞
PRNの総延長:高速道路:約319㎞/一般道路:約117.6㎞

競技会場周辺に設定される専用レーン/優先レーンは交通規制が実施される区間であるため、
交通管理者による規制標識・規制標示が設置される。
専用レーンを通行し、優先レーンで優先の対象となるためには、車両の前後に標章を貼付しなければならない。

「交通規制関係の広報」
2021年4月下旬~:チラシ・リーフレット・ポスター配布
5月上旬~:横断幕・看板設置・SA/PAデジタルサイネージ
6月下旬~:道路交通情報板
7月中旬~:TVCM・ラジオ・Web広告(準備中)

【大会関係者を輸送する車両と運行支援システム】

『バス』
「バス運行支援システム」
タブレットナビにより業務指示とGPSによる走行位置、遅延状況をリアルタイムに追跡監視。
ORN・PRN優先ナビにより目的地までのルートをORN/PRNを優先して表示。

『フリート』

©Tokyo 2020

「T-TOSS(フリート版)」
※T-TOSS…Toyota Transport Operation Support System
<過去大会のフリート輸送における経験>
:行先間違いの発生
:ドライバーが聞き間違えることがある
:ドライバーに土地勘が無いことがある
:ドライバーがMAPを読み違えることがある
:ルート間違いの発生(移動時間の増大)
:場所によりカーナビが分かりにくいことがある
:T3乗客人数と必要な配車台数とのミスマッチ
:競技会場等へのフリートの送り込み台数は、事前の想定数(実需要との乖離が頻発)

「T-TOSS(フリート版)の概要」
◆T3ステークホルダー向け機能
車両利用前に専用スマホアプリ・T3コールセンター・ホテル等にある輸送デスクの3通りの事前登録をする。

ドライバーが乗車を希望するフリート後方に張られたQRコードをT-TOSS(フリート版)に読み込ませるシーン ©Tokyo 2020

QRコードを読み込ませるスタッフ ©Tokyo 2020

車両の解錠・施錠もスマホで行う ©Tokyo 2020

◆ドライバー向け機能
ステークホルダーからの事前登録情報がT-TOSSサーバーに集められ、ITシステムを活用した配車が組まれる。
フリートに取り付けられたカーナビ(東京2020ナビ)に行先情報が表示され、ドライバーをサポート。
また、トヨタより提供されたSKB(Smart Key BOX)は、ドライバーに渡すスマートフォンがフリートの鍵となり、
車両の解錠・施錠が物理的なキーを用いずに可能となる。

◆FOCスタッフ向け機能
運行コントロールをする際に「T-TOSS統合見える化モニター」で車両の位置を表示追跡可能に。
任意の車両をスタッフが選択すると、●TransLog(ドライブレコーダー機能)による
車載カメラからの映像や車両情報がリアルタイムに映し出され、フリートの現在の状況が確認できる。

【実際のT3フリートの利用方法(アプリ登録の場合)】

ステークホルダーのアクレディレーションをスマホに読み込ませるボランティアスタッフ ©Tokyo 2020

◆ステークホルダーは事前に専用スマホアプリに自身の大会アクレディレーション(IDカード)で
個人特定の上、行先・人数等をオンデマンド登録。スマホには行先や所要時間目安が表示され、行き間違いを防ぐ。

後部座席に設置されたスマホにアクレディレーションをセットすると画面に登録した目的地が表示される ©Tokyo 2020

フリートのカーナビ(東京2020ナビ)も連動して行先の表示、及びORN/PRNを優先したルート案内がなされる ©Tokyo 2020

◆各乗降場でスタッフが持つスマホにアクレディレーションを読み込ませると、事前登録した内容が表示され、
スタッフが確認の上、フリートに乗車。フリートの後部座席に設置されたスマホにアクレディレーションを
セットすると、事前登録した目的地が表示され、フリートのカーナビにも行先が反映される。
これにより、目的地間違いが相当数減るであろうと関係者は期待する。

『T-TOSS(フリート版)がもたらす恩恵』
:行先間違いの低減
:競技会場等での乗客の待ち時間の短縮
:正確なルート案内
:TransLog(ドライブレコーダー機能)による状況把握( T-TOSS統合見える化モニターに表示可能)
:ドライバーの労務管理(休憩や活動終了の案内:
:新型コロナ対策への貢献・ドライバーと乗客の行先確認の会話が減る(飛沫感染リスクの低減)

東京2020大会の公式サイトはこちら

©Tokyo 2020

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