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フラガール − dance for smile – 稽古場公開!

2006年に公開された映画「フラガール」。昭和40年という時代を背景に、エネルギーの石油化の波に飲まれながらも、
需要の下がる石炭を堀り続ける福島県いわき市の炭鉱町を描き、滅んでいく産業の中で働く人間が、
強く生きていく姿をみごとに表現し、常磐ハワイアンセンター設立までのエピソードを、
フラガールに生まれ変わっていく少女達の笑顔と涙で描ききった第80回キネマ旬報ベストテン1位、
30回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した、日本映画の傑作です。

その「フラガール」を原作とした舞台化作品「フラガール -dance for smile-」が2019年10月~11月に
東京・大阪にて上演され、谷川紀美子役の井上小百合を始めとする出演者の熱演とフラダンスに賞賛がおくられ、
大きな話題を呼びました。そして2021年4月、初演より約1年半ぶりとなる待望の再演が決定。
舞台版の再演にあたり、フレッシュなキャストが集まりました。舞台では今作が単独初主演となる乃木坂46の樋口日奈。
かつて都会のダンサーだったにもかかわらず炭鉱の娘達にフラダンスを指導することになる平山まどか先生役に矢島舞美、
紀美子の親友でフラガールを目指す木村早苗役は、AKB48山内瑞葵。
また、フラガールのメンバーとして、ラストアイドルの安田愛里が新たなキャラクターとして登場します。
炭鉱を支え続ける事が女の生き方と信じ、娘紀美子と対立する母親、谷川千代役は、有森也実が務め、
総合演出にはフジテレビのトレンディドラマの産みの親河毛俊作プロデュースと構成演出として、
現代エンタテイメント演劇の巨匠岡村俊一が名前を連ねています。

2021年3月15日(月)、約3週間後に開幕する公演本番に先立ち、都内某所にて稽古場公開が行われました。

【稽古場公開の様子】

定刻になると稽古公開に先立ち、本作の構成演出を担当する演出家の岡村俊一さんより挨拶が。

岡村さん「今、色んな事が言われていますけども、滅びゆく日本の経済や政治、なんというか暗く傾いた日本の中で
エンターテイメントがどんな意味を持っているのかというのを考えさせられる、ひょっとしたら一つの
ヒントになるんじゃないかという作品になると信じて今、作品作りに励んでおります。
もう、明日公開でも良い程に出来上がっておりますが、今日は皆が元気に稽古をしている姿を見てやってください。」

岡村さんの挨拶が終わると初演の稽古場公開と同様に出演キャストによる作品の概要説明が。
今回は朝倉ふゆなさんと吉田美佳子さんが務めます。

概要説明の終了後は、谷川紀美子役の樋口日奈さん、木村早苗役の山内瑞葵さん、和美役の安田愛里さん、
熊野小百合役の隅田杏花さん、そして朝倉さんと吉田さんのフラガールを目指す少女達6人とフラダンスの先生である
平山まどか役の矢島舞美さんによる計7人が2曲の稽古シーンを披露。
最初はアップテンポなタヒチアンダンスから。岡村さんの挨拶にもある通り、公演初日まで約3週間あるというのに、
取材陣も思わず目を丸くする程に出演者の面々はタヒチアンやフラが持つ振り付けの特徴を
見事に身に着けており、このまま初日を迎えてもOKという挨拶の言葉に大きな信憑性を持たせています。

続いて2曲目はスローナンバー。その動きに手話の要素を含むハワイのフラ。指先の繊細な動き一つ一つまでも
多様な意味を持つこのダンスを7人の出演者は早くも驚きのレベルで体得。取材陣から拍手が。

【出演者挨拶・質疑応答】

初演キャストに負けず劣らずの完成度の稽古公開が終了すると、出演キャストからの挨拶が。
登壇したのは、樋口さん、矢島さん、山内さん、隅田さん、吉田さんの5名の出演キャスト。

(左より)村早苗役:山内瑞葵、熊野小百合役:隅田杏花、谷川紀美子役:樋口日奈、和美役:安田愛里、平山まどか役:矢島舞美

樋口さん「今回、私は初めての主演という事なんですけども、凄く不安とか「どうやったらいいんだろう」という
気持ちもあったんですけど、今回、物語の中で出てくる「一山一家」の気持ちを大切にキャストの皆さんと
団結して、この物語に込められた思いだったりとか、人の心を動かす程の少女達の熱い気持ちや力強さというものを
観に来て下さった皆さんの心にぶつけられる様に一所懸命、私達も頑張っていきたいなと思っています。」

矢島さん「この作品は1年半前に上演をさせてもらった物の再演になるんですけども、前回も凄く感動した!とか、
沢山泣いた!という感想を貰って凄くうれしくて、キャストも一部変わっているんですけども、
また今回ならではの「フラガール」が出来るんじゃないかなと思って、日々稽古に励んでおります。
コロナ禍や東日本大震災から10年という事で、作品の舞台が福島県いわき市なんですけども、
今やる事にも凄く意味があるなと思っています。是非是非、沢山の方に見て頂きたいなと思っております。」

山内さん「今回、私自身4年半ぶりの個人としての舞台となるので、とてもとても緊張しているんですけども、
毎日のお稽古で周りのキャストさんも凄くフレンドリーに話しかけて下さる中、楽しく稽古が進んでいます。
なので本番も私自身、精一杯頑張って感動を沢山皆様にお届け出来る様に頑張りたいと思います。」

安田さん「私もお芝居はかなり久しぶりだったり、こんな大きな舞台でプロの皆さんに囲まれての舞台は
本当に初めてなので、皆さんから沢山良いものを吸収してレベルアップ出来る様に日々頑張りたいと思いので
是非、楽しみにしていて下さい。」

隅田さん「私は「劇団4ドル50セント」で活動をしているんですけど、自分の劇団の公演では本当に本当に舞台の後ろの方で、
公演開始から1時間位経ってから出てきて直ぐ消える…位の役しかやった事がなかったので、こんな大きな舞台で
こんな素敵な役をやらせて頂ける事が凄くうれしいですし、最初は不安やプレッシャー、緊張もあったんですけど、
今は、初演に出演されていたフラガールの子達に「前の小百合より明るいね。なんか違うね。」って、言って貰えたので、
この小百合という役を良い所を残しつつ、私らしく自信を持ちつつ頑張って行きたいという事と、
小百合はちょっとぽっちゃりしている役柄という事もあって、私自身、このコロナ禍で健康の事を考えたり、
(一部では)可愛くなりたいという思いも溢れたりしてダイエットをして、体重を8キロ落としたんですけど、
あと5キロ(役の為に)増やしたいと思っています。」

Q:稽古をやっていく中で自身が感じる本作ならでは、と思う部分は?

樋口さん「先ずはやっぱりフラは初めてで。タヒチアンダンスは凄く激しい腰の動かし方をする振り付けがあるんですけど、
そのフラの練習を皆で汗をいっぱい流して練習するというのが、本当に部活動の様な皆の一生懸命さがぶつかり合っている感じが
この作品の魅力というか、「フラガール」の魅力をいつも色んな稽古やフラの練習で凄く肌で感じています。
達成感だったり凄く皆が団結していく感じが稽古の時点からあるので、本当に舞台に立つのが楽しみだなって思います。」

矢島さん「前回と代ったキャスト、後は同じ役でも私が台詞でやり取りをしていても、違う事が”刺さってきたり”、
そういう楽しさもありますし、前回と同じキャストの方も、初演より良い物にしたいという気持ちで、
稽古場でしか出来ない事だと思うんですけど、同じシーンでも毎回毎回変えてきたりというのを見て、
稽古場で皆の芝居を見たり、演出家の方に言われた事を如何、演技に反映させているかを見るのが個人的に凄くて、
日々勉強になっていますね。そして平山まどかとしては、本編の最後が皆のフラダンスのショーで終わるんですけど、
そこでグッと(色んな感情が)溢れてくるので、そのショーを見るのが何時も楽しみですね。」

山内さん「やっぱりフラダンス、後は方言に今回初めて挑戦をさせて頂いたり。個人的には学生を卒業して初の舞台なので、
学生の頃は子役だったので、今こうして学生を卒業してからの舞台稽古はまた違う雰囲気があるなと感じていて、
大人のキャストさんもプロの方々なので、毎回刺激を受けながらちょっとずつ自分も吸収出来るように思いながら、
毎回稽古に臨んでいるので、本番ではもっともっと成長した自分を沢山の方に見てほしいなって思います。」

安田さん「私は普段、ラストアイドルというグループで活動をしているので、一人でのお仕事が少なかったので、
(私自身)凄く人見知りなので、皆さんと一言も喋れずに終わってしまったらどうしよう…という不安が
ずっとあっての稽古だったんですけど、本当に皆さんフレンドリーで休憩の時も背を向けたりせず、
常に輪の中に入れて下さって、「なんて暖かい人達の集まりなんだ」と、精神的にも凄く支えられながら、
稽古に取り組めているので、本当に楽しいです。」

隅田さん「樋口さんの通り、タヒチアンダンスが激しい腰の動きなので、体重を増やしているのに
稽古をするとドンドンと減っちゃうというこの矛盾が、最近の悩みというか大変というか。
凄い食べてはいるんですけど、お腹がいっぱいにならないんですよ。お腹はいっぱいにならず、
体重は増えないという…。どうしたら良いのか私も教えて欲しい位です。これが今一番の悩みです。」

Q:自身の演じる役柄の見所は?

樋口さん「谷川紀美子は映画の作中当時の時代で中々、女の子や子供が自分のやりたい事というのを
声に出せなかったり、自分の意見をぶつける事が出来ない状況だったと思うんですけど、
そんな中でその当たり前を気にせずに自分を信じた事を真っ直ぐ自分の正義に従って突き進む事が出来る
周りを巻き込む事が出来る強い子だなというのは凄く感じて、紀美ちゃんは私よりも年齢は下の役なんですけど、
毎回紀美子に自分の信念に従い生きていくと、何かを壊した先には明るい未来が待っている、という事を
演じながらいつも教えてもらっています。」

矢島さん「平山まどかは親にコンプレックスを持っているんですけど、自分でこの状況を変えたいという
人一倍頑張って努力をしていきた人だし、その分、プライドも高かったり、周りでウジウジしている人を見ると
直ぐにカッとなったりするんですけど、女性が男より下にみられるというのが劇中当時は今よりも
もっとそうだったと思うんですが、そういうのにも納得がいかなかったり、私一人でも行きていけるという
強さを持っていたりするので、今の時代にも響くメッセージがまどかの役を通してあると思うので
そういうものも感じて頂けたらなと思います。」

山内さん「木村早苗は凄く純粋で真っ直ぐで一所懸命な所は勿論、お姉ちゃんとして弟達を
お世話をしてるのもあるのか、凄く周りの見えるとてもやさしい子だなと演じながら感じていて、
自分が苦しい状況でも明るく振舞ったりだとか、自分よりもお父さんを優先させたりとか、
仲間を思う気持ちだとかが凄く強い女の子だなと感じているので、私も早苗ちゃんの様に
周りのみえる優しい子を演じられる様に頑張りたいと思います。」

安田さん「私が演じる和美はどちらかというと、結構強いタイプの女の子で、口調も最初の方は
かなり悪かったりとか気が強い一面もあるんですけど、自分の好きな人と一緒に決めた人生を
一所懸命に生きようとしていたりとか、そういう女の子らしいなという部分もあったり、
喧嘩するシーンでも人思いというか温かい一面があるなとよく思うので、しっかりと口調が悪い所と
女の子らしい部分は見せたいなと思ってます。」

隅田さん「熊野小百合はいじめられて引きこもっている所をお父さんに連れてきて貰うんですけど、
でもダンスをやると決めるのは紀美子の一言だったりとか、周りの熱い思いで気持ちを動かされる事が多くて、
演じていて感じるのは、内に秘めた熱い物が沢山有る子でだからこそ良く泣いちゃうんですけど、
その気持ちがあるからこその感情的な涙もろさなのかなという、一所懸命な女の子なんだなと思います。」

:最後に公演を楽しみにしているファンへのメッセージを

樋口さん「今、本当に大変な状況の中で劇場に足を運んで下さってありがとうございます。
今のこの状況だからこそ、きっと皆さんの心に刺さったり、響くメッセージがいっぱいこの物語には
散りばめられていて、演じている私達もこの作品に毎日毎日力を貰っていますし、これからを生き抜く
力強さをというのをきっとこの作品は皆さんに伝えてくれるんじゃないかなと思っています。
是非、楽しみにしていて下さい。そして気をつけて御来場下さい。ありがとうございます。」

輝くフラガール達が一年半ぶりに舞台へ。開幕までもう直ぐです。

【あらすじ】

昭和40年、福島県いわき市、かつて炭鉱の町として栄えた石炭の町も、石油という新しい燃料の台頭によって斜陽産業と化していた。
人員削減のため毎月リストラが発表され、何千人もの労働者のクビがきられていく。
そんな状況の中で、町おこしの新事業として常磐ハワイアンセンター建設の話が持ち上がる。
常磐の地の温泉を利用して、ハワイの雰囲気を持ったリゾート施設を作ろうというのだ。
そしてハワイアンダンスのショーで盛り上げたいという計画だ。もちろん労働者たちは反対の声をあげた。「なにがハワイだ!」
この町に生まれ育った早苗(山内瑞葵)は、毎日泥まみれの生活から抜け出すチャンスではないかと考えて
友達の紀美子(樋口日奈)を誘ってダンサー募集に応募することを決意する。しかし、集まった女の子達は
「裸躍りさせるつもりか?」と、ほとんどの者が消えてゆき、残ったのは、紀美子と早苗の数人だけ、本当にフラダンスのチームなど作れるのか不安になる。
そんな田舎町にハワイアンセンターの企画部長は元SKDのダンサー平山まどか(矢島舞美)を連れてくる。
紀美子たちは、サングラスをかけ田舎者を下に見るまどかに、最初は不信感を持つが、その卓越したダンスの技術とその魅力に、やがて引き込まれていく。
炭鉱の組合員の反対運動が激しくなる中で、紀美子は炭鉱で働く母親千代(有森也実)に反対されながらも、家を出てフラガールになることを決意する。

「復興は少女たちの笑顔が作る!」
そんなフラガールたちの奮闘を描いた物語である

【「フラガール − dance for smile –」公演概要】

公式サイトはこちら

<公演期間>
2021年4月3日(土)~ 4月12日(月)

<会場>
Bunkamura シアターコクーン

<公演時間>
未定

<料金>
パンフレット付き:S席12,500円 A席10,500円 コクーンシート7,500円
通常席:S席10,500円 A席8,500円 コクーンシート5,500円
<S席・コクーンシート>
収容率50%で販売を開始します。制限解除の場合、政府の見解に従った上で100%に引き上げる可能性がございます。
<A席>
収容率50%で販売を開始します。制限解除の場合も収容率の引き上げは行いません。
(全席指定・税込)
※未就学児童入場不可
※コクーンシートは特にご覧になりにくいお席です。ご了承の上ご購入ください。
※コクーンシートの取り扱いは、ローソンチケット及びBunkamuraのみとなります。
※パンフレットは、パンフレット付きチケットをご購入のお客様のみ、当日会場にてお渡しいたします。
※コロナウイルス感染予防対策のため、会場でのパンフレット含むグッズ販売は行いません。

<出演者>
谷川紀美子:樋口日奈(乃木坂46)
平山まどか:矢島舞美
木村早苗:山内瑞葵(AKB48)
和美:安田愛里(ラストアイドル)

高橋龍輝
吉田智則
武田義晴
工藤潤矢

熊野小百合:隅田杏花(劇団4ドル50セント)
朝倉ふゆな
吉田美佳子

近藤雄介
黒川恭佑
松本有樹純
濱田和馬
岩上隼也
草野剛

秋谷百音
大串有希
尾崎明日香
三橋観月
古田小夏
相吉澤栞音
Mirii

谷川千代:有森也実

<STAFF>
作:羽原大介、李相日
総合演出:河毛俊作
構成演出:岡村俊一
協力:ジェイ・シネカノン
制作:アール・ユー・ピー
主催:舞台「フラガール」製作委員会

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