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「ぼくの名前はズッキーニ」公演スタート!

世界中でベストセラーとなった小説「ぼくの名前はズッキーニ」。孤独な少年ズッキーニが、
母を亡くしてひきとられた養護施設で仲間や彼を見守る大人たちと出会い、厳しい現実の中でも
前を向いて生きようとする姿は、国境や世代をこえて多くの人の心を動かし、
さらに小説を原作に2016年に制作された映画アニメーション版は世界中の名だたる映画賞を席捲しました。

そしてこの小説を2021年2月に世界で初めて舞台化することが発表されると、瞬く間に話題となりました。
脚本・演出を務めるのはノゾエ征爾。彼の手による舞台版「ズッキーニ」は、音楽劇として上演されます。
音楽を手がけるのは、SAKEROCKのメンバーとしての活動後、ミュージシャン、作曲家として幅広い活躍をみせる田中馨。
そしてこの豪華クリエイター陣の期待を担う主人公・ズッキーニ役を演じるのはジャニーズの人気グループ
「ふぉ~ゆ~」の辰巳雄大。共演には、川島海荷、稲葉友、上村海成、本多力(ヨーロッパ企画)、
三村朱里、伊勢佳世、宍戸美和公(大人計画)、平田満ら実力派のキャストが揃いました。

2021年2月27日(土)、東京都千代田区のよみうり大手町ホールにて世界初演となる本作の
初日の公演に先駆けて公開ゲネプロと囲み取材が行われました。

【あらすじ】

いつも屋根裏部屋でひとりで遊んでいる少年イカールは、ママと二人暮らし。パパが“若いメンドリ”のもとに去ってから、
ママはビールを飲んで、イカールの事を“ズッキーニ”(=日本語で言うヘチマ)と呼び、怒ってばかり。
ある日、ママは突然の「事故」で帰らぬ人になってしまう。
警察官のレイモンは、ズッキーニを不憫に思いながら、養護施設「みんなのいえ」に連れて行った。
クラスメイトは、リーダー格のシモンをはじめ、アメッド、ジュジュブ、ベアトリスとちょっと変わった子供たち。
ある日「みんなのいえ」にやってきたカミーユに一目で惹かれるズッキーニ。カミーユもまた、辛い過去を背負っていた。
どれだけ明るくふるまっても、強がっても、「みんなのいえ」にやってくる子供たちは幼いながらに厳しい現実にさらされ、
それぞれに心の痛みを抱えていた。お互いの複雑な事情を知るうちに、ズッキーニは、心の痛みを共有するクラスメイト、
厳しくもあたたかいロージーやパピノー園長、そしてずっと気にかけてくれるレイモンたちと打ち解けていく。
「みんなのいえ」では毎日のように何かが起きた。
その度に、ズッキーニ自身も心の底にしまいこんだ記憶と向き合うようになる。
晴れの日も曇りの日も、人生を自分の足で歩いていくために、みんなとの別れの時が、だんだんと近づいてきた―――

フランスの小説家、ジル・パリスが2002年に発表した小説を元に音楽劇として初の舞台化がなされた本作。
実力派の面々が演じるのは、様々な重い事情を抱えた6歳の養護施設の児童達。
その中で辰巳さん演じるズッキーニは稲葉さん演じるシモンをはじめ、施設の子供達とぶつかり合いながらも
友達になっていき、物語中盤に施設に入所するカミーユには歳相応に一目惚れする等の部分を若手俳優達が
6歳の子供の真っ直ぐな、時に残酷とも受け取れる感情表現を渾身の演技力で客席へとぶつけます。

シンプルさが際立つ舞台は3面を壁に覆われた教室の様なデザイン。その壁面は大きな黒板として機能し、
壁面のみならず床までもが大きなキャンバスとなり、子供達や先生がその壁面いっぱいを使って様々な
絵、文字、果てはお漏らし・・・・・・と、大人には想像もつかないモノを描き出していく様子は舞台ならではの
サプライズ性に富んだ表現として作品の大きな見所の一つです。

【囲み取材の様子】

公開ゲネプロ終了後、舞台上にて囲み取材が行われました。登壇したのは、イカール(ズッキーニ)役の辰巳雄大さん、
カミーユ役の川島海荷さん、シモン役の稲葉友さん、レイモン役の平田満さん、
そしてデゴー役で脚本・演出を務めたノゾエ征爾さんの5名。

Q:初日を迎える今の意気込みは?

辰巳さん「物凄い濃密な稽古を重ねた上で今、こうして皆でステージに立てている事と、明日初日を迎えられる事に
まずそこにホッとしています。そしてこの作品を一人でも多くの方に届けられるという事に胸が躍っています。」

川島さん「明日、という実感はまだ無いんですけども、沢山メンバーで稽古を重ねて色々遠回りをしながらも、
一つの作品を作り上げられたのは凄い嬉しいですし、これからも毎日変わっていくのかなと思うので、
その舞台の楽しみを感じながら日々過ごしたいなと思います。」

稲葉さん「本当に皆さんにお届け出来るのが、見て頂けるのが楽しみだなという作品になっていると思うので、
早く届けたいな、という思いでいっぱいです。」

平田さん「本当に色んな物が詰まっている作品で、歌ったり踊ったりも有りますし、色んな社会的な事とか
可愛い子供達とか色んな事を考えられるそういうお芝居だと思いますので、春らしい感じで皆さんに楽しんで頂ければなと思います。」

ノゾエさん「まず開幕出来る事がとても感慨深いです。(開幕)出来ますよね・・・?」
一同「出来ます!!」
ノゾエさん「今、ゲネプロリハーサルをやって、初めて劇場での通しをやったんですけど、徐々に徐々に皆さん揚がってきて
もうちょっと修正して明日は良い初日を迎えられると思っております。」

Q:小説からの初舞台化との事だが、新たな発見やビックリする事も多かったのでは?

辰巳さん「やっぱり6歳の子供を大人達が演じるという部分で、自分が愛している演劇をやらせて頂いているな、と
実感しながら稽古をさせて頂いて、日に日にこの作品が形に成っていく姿、スタートから終わりにかけてドンドン完成していく、
自分達で作って行くというのが物凄く強い作品なので、本当に僕にとって演劇者としてターニングポイントに
なるんじゃないかなと思う作品になりました。」

Q:6歳の子供の役を演じる上で考えた事は?

辰巳さん「色々と考えたんですけど、例えば稽古の最初の方って、逆に子供らしくし過ぎちゃったりして、
稽古をやっていく上でどんどん要らないものを排除していくのが普通に子供っぽくなっていくというか、
今って僕等、凄く”飾ってしまっている”んだなと感じながらやっていたんですけど、
6歳の姪っ子がちょうど居りまして、姪っ子の動画を沢山見ました。皆に見せて回ったりして。
姪っ子の無邪気な一言というのは勉強になりましたね。コンサートとか見に来てくれた事が有って、
そういう時「雄くんカッコイイ」って、言って貰えるので、あの素直に人を褒められる、言葉に混じり気の無い、
”一色の色”で届けてくれる様な言葉の出し方は参考になりました。」

川島さん「私はもう見た目が子供なので、逆に恥ずかしいです。この舞台公演期間中に27になるんですけど、
凄く似合っていると言って頂けるので、演劇を始めて15年、この童顔を自信に今回は6歳で頑張りたいと思います。」

稲葉さん「最初は色んなアプローチの仕方があるのかなと思いながらやっていたんですけど、僕がやる役に関しては
そのちょっと斜めな思考回路というか、ある意味誰よりも先に身につけてしまったというか。それはなんか攻撃の為だったり、
守る為だったりという事を考えていく内に、ちゃんと色々持って(舞台に)立ったら、お客さん達が6歳にしてくれるかなと
逆に信頼をして、そこは飛び込んでいけると良いのかなとやらして貰っています。」

Q:平田さんは舞台の中でも子供達を見守るという役だが?子供達に演技のアドバイスは?

平田さん「子供達は可愛いし、本当に自由奔放に生きている姿がとても微笑ましいです。
アドバイスは全然。子供達が主ですから見守るだけです。」

Q:初の舞台化という部分で色々な事を考えられたのか?
余り子供っぽくやらない等の指導はあったのか?

ノゾエさん「今触れられた、大人が子供を演じるというのがとても大きい所で、当初から割と大人がやるという所には
最初から拘っていました。子供が演じるというのも選択肢としては有ったんですが、大人がやる事によって、
子供の時から失ったものとか、”失くしたかった”ものもあるだろうし、失くしたくなかったものもあるだろうし、
そんな物を良くも悪くもこの体達はもう身につけていて、改めて子供の設定と対峙した時に感じ取るか取らないかは、
色々有ると思うんですけど、有る意味、儚さとか物語とは違う所で体からこぼれてくると良いなと思っていて、
それで大人が子供をやるという所には拘っていましたね。本質的な所を凄く考えて欲しかったんですけども、
体自体はもう大人だから、嘘をつく必要は無いということは言ってました。」

Q:シンプルな舞台セットに描く絵等は最初から決まっていたものなのか?

辰巳さん「何時何を描くかも何も決めず、本当にブレーキをかけずにまず描いてみましょう、とノゾエさんが言って下さって、
思った事を書いていくという所から入りましたので、チョークの粉塗れになった稽古着が思い出です。」

ノゾエさん「今日までの段階で一応、ほぼほぼ要素としては決まってきているんですけど、でもやっていく中で多分、
今までの稽古の様に俳優さんからも「こうしてみたい」とか出てくるかもしれないですし、変わりたい時は変わっていきたいなと思っています。」

辰巳さん「お芝居ってその日その日で全く違ったり、もう一回同じ事をやるというのが不可能な物だと思うんですけど、
気持ちで絵も変わってくるので、自分達の見た事の無い絵が毎回完成されて、一公演毎に全く違う景色になるんだろうなと感じながらやっていますね。」

Q:囲み取材登壇者の中で誰が一番子供っぽい絵を描けそうか?

ノゾエさん「どうですかね~。それぞれ皆本当に凄いなと思って。僕が一番描けないなと思いながら見ていたので。
例えば辰巳君とかも劇中でカミーユが寝ているシーンで、チョークでスカートを描いて靴を描いてという所も
最初はキスという設定だったんですけども、キスじゃないパターンだとどうなりますかね?ってやっていたら、
自然とそれを描き始めたんです。そういった事が辰巳君も凄く自然に出てくるし、子供役の俳優の皆さん、
割とブレーキをかけずにそこをドンドンやってくれたなというのが有りました。」

辰巳さん「カミーユを彩りたくなる、というのがズッキーニの中に生まれた時に描けたり。そういうのを
ブレーキかけないで行きましょうという思考回路に稽古場でノゾエさんがずっとして下さっていたので、
歌の稽古の時も「今皆さんは失敗を恐れている大人ですね」という指導方法があって、それを恐れないで
出すのが子供だから、先ずは失敗を恐れずなんでもやってみましょうという稽古場だったので、
毎日変わっていきましたし、何ならこの劇場に来てからも色々と変わって、本番ではノゾエさんも出演されるので、
きっと毎日変わるんだろうなとカンパニーの皆で話しています。」

最後に開幕に向け、来場者やファンへのメッセージを

辰巳さん「今回、世界初の舞台化という事なんですけども、養護施設に通う子供達の話です。そしてそこに関わる大人達の話です。
僕達も少なからず、養護施設に詳しい方にお話等を聞いて登場人物の事を深く知ろうという努力をしたりしました。
演劇だったり作品というのはフィクションだと思うんですけども、この中に生きている子供達が戦っている所に嘘は全く無くて、
本当にこういう子供達も今戦っているんだなというのを自分は深く実感しましたし、人との関わりが取り辛くなっている中で
戦っている子供や親御さんがいるという事を僕達はこの作品で知ったというのもありますし、ただそれだけではなくて、
この登場人物達が前を向いて笑顔で生きている、そして沢山の愛が詰まっている作品だと思いますので、一人でも多くの方に
この作品を届けられたら良いなと思いますし、また、このようなタイミングなので、観に来ないという判断をされた方が
沢山いらっしゃると思いますので、その方にも何時か届く様に先ず、大阪公演までしっかり走り切ってまた観たいなと
思われる様な作品にしていきたいと思います。最後まで応援宜しくお願いします。」

【「ぼくの名前はズッキーニ」公演概要】

公式サイトはこちら

<公演期間>
東京公演:2021年2月28日(日)~3月14日(日)
大阪公演:2021年3月19日(金)~3月21日(日)

<会場>
東京:よみうり大手町ホール
大阪:COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール

<公演時間>
約2時間10分(途中休憩無し)

<料金>
東京:
10,000円

大阪:
10,500円
(税込・全席指定)
※未就学児童入場不可

<出演者>
イカール(ズッキーニ):辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)

カミーユ:川島海荷
シモン:稲葉友
アメッド:上村海成
ジュジュブ:三村朱里
ベアトリス:本多力
ロージー:伊勢佳世
パピノー園長:宍戸美和公

デゴー:ノゾエ征爾

レイモン:平田満

<STAFF>
原作:ジル・パリス
脚本・演出:ノゾエ征爾
音楽:田中馨
振付:熊谷拓明
美術:深沢襟
照明:吉本有輝子
音響:井上正弘
衣裳:太田雅公
ヘアメイク:西川直子
演出助手:𠮷中詩織
舞台監督:幸光順平、清水浩志
宣伝美術:菅原麻衣子
宣伝写真:設楽光徳
宣伝衣裳:ゴウダアツコ
宣伝ヘアメイク:小林雄美
宣伝:キョードーメディアス
制作:坂井加代子
アシスタントプロデューサー:北原ヨリ子(ycoment)
プロデューサー:高田陽平(ニッポン放送)、 水川薫(関西テレビ放送)
製作:ニッポン放送/関西テレビ放送
運営協力:サンライズプロモーション大阪(大阪公演)
東京公演主催:ニッポン放送/関西テレビ放送
大阪公演主催:関西テレビ放送
企画・制作・主催:ニッポン放送/関西テレビ放送

Dʼaprès AUTOBIOGRAPHIE DʼUNE COURGETTE de Gilles Paris© Gilles Paris 2002
「ぼくの名前はズッキーニ」日本語版 DU BOOKS 2018年、安田昌弘訳
仲介:(株)フランス著作権事務所- Bureau des Copyrights Français

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