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紀伊國屋ホール改装前最終公演「熱海殺人事件 ラストレジェンド~旋律のダブルスタンバイ~」いよいよ開幕!

東京都新宿区にある紀伊國屋ホールは1964年の開場以来、日本演劇の聖地として演劇人や多くの演劇ファンから
愛され続けており、日本を代表する劇団が上演を重ね、現代演劇の先駆者たる劇団と演劇人を
次々と世に出してきた憧れの劇場です。歴史ある紀伊國屋ホールの最後の姿を目に焼き付けるために、
改装前の最後の演目として「熱海殺人事件」が選ばれました。紀伊國屋ホール57年の歴史の中で、
最も上演回数の多い作品であるつかこうへいの「熱海殺人事件」は、1973年の発表以降、
翌年1974年に岸田戯曲賞を授賞、後に映画化される等、日本の演劇史上プロアマ問わず
最も愛され上演され続けている作品(推定累計8,500ステージ)。初演より48年目を迎えるにあたり、
「熱海殺人事件 ラストレジェンド~旋律のダブルスタンバイ~」が上演されます。

2021年1月14日(木)、初回の公演に先立ち、舞台挨拶と公開ゲネプロが行われました。

【舞台挨拶の様子】

舞台挨拶に登壇したのは、木村伝兵衛部長刑事役の味方良介さん、荒井敦史さん、
婦人警官水野朋子役の愛原実花さん、新内眞衣さん、熊田留吉刑事役の石田明さん、
細貝圭さん、犯人大山金太郎役の池岡亮介さん、松村龍之介さん、そして演出を務めた岡村俊一さんの9名。

最初に登壇者より挨拶が。

岡村さん「本公演は、紀伊国屋ビル自体が今年改修になる事をキッカケにこの紀伊国屋ホールの
57年の歴史に一旦、休憩をするという事で、その改修前の最終公演として「熱海殺人事件」を
上演させて頂く事となりました。国産の戯曲としては日本で最も上演されている回数の多い
「熱海殺人事件」を紀伊国屋ホールの最終公演に上演させて頂く事を大変誇りに思いますし、
今回はつかさんのお嬢さんである愛原さんに参加して頂ける事が大変有難い事だと思っています。
どうぞ温かく見守って下さい。」

味方さん「4度目の「熱海殺人事件」になります。三度やって、またやるのか、やれるのか…
という気持ちですけど、それが紀伊国屋ホールの一旦最後という形で木村伝兵衛として
この板に立てるのは本当に役者として、そして人間として幸せです。ただ、その特別な事に
負けない様、自分達が出来る事以上の事をやって、全力で燃え尽きたいと思います。」

荒井さん「僕は今回、初めての参加になります。客席でずっと見ていた作品を実際に
やらせて貰えるという事で、気合もより一層入りますし、何より紀伊国屋ホールの
改修前最終公演という事で本当に光栄に思います。自分の限界を超えてまだ見ぬ世界へ
行ける様に頑張って行きたいとおもいます。」

愛原さん「紀伊国屋ホールの改修前最終公演につかこうへい作品で参加出来る機会を
与えて下さった岡村さん、そして全てのキャスト・スタッフ、そしてお客様に本当に
感謝の気持ちでいっぱいです。この気持ちをエネルギーに変えて、頑張りたいと思います。」

新内さん「「熱海殺人事件」は歴史ある戯曲で、歴史のあるこの紀伊国屋ホールでやれる事を
凄く幸せに思っております。そして私自身、初めてヒロイン役をやるので、凄く緊張を
しているんですけども、初めてのヒロインが水野朋子で良かったなと思える様に、全力で突っ走っていこうと思います。」

石田さん「今回で僕は「熱海殺人事件」は3回目になるんですけども、”本当”はオファーが
来た時に断ろうと思ったんですけど、今回、コロナ禍という事も有りつつ、人同士の
関わり方が薄れていっている。そんな中、この舞台で人との関わり方をどんどん深くする
「心の濃厚接触」というか、そういうモノを見せれたらプラスになるんじゃないかなと思いまして、
今回また挑戦する事になりました。今やからこそ届けられるモノがとても沢山有ると思いますので、
そちらを楽しんで頂けたらと思います。」

細貝さん「個人的には何本か、つかさんの作品をやらせて頂いたんですけども、初めてこうして
伝統ある「熱海殺人事件」に参加出来るという事で、身も心も引き締まる思いでございます。
兎に角、怪我無くラストまで全身全力精一杯、気持ちを込めて演じさせて頂けたらなと思います。」

池岡さん「本当にこの様な状況の中で舞台に立てる事、この作品を届けられる事に本当に
感謝をしております。これだけ心身ともに削られる作品も中々無いと思いまして、
本当に舞台上で生きています。この舞台を観て人生の活力にして頂けたらなと思います。
僕たちも頑張ります。」

松村さん「こうして難しい状況の中、本日初日を迎えられる事をとても嬉しく思います。
そして歴史が有り、皆から愛されている「熱海殺人事件」に参加出来る事を心から
嬉しく思いますし、この公演に少しでも花を添えられる様、一所懸命頑張りたいと思います。」

続いて質疑応答へ。

Q:稽古場での稽古の様子、及び新型コロナウイルス感染症への対策は?

岡村さん「全員がマスクを着けて「熱海殺人事件」をやる事がどれだけ凄いかという事を
本当は皆さんに公開したかった位なんですが、ご存じの様に「熱海殺人事件」は
とんでもない台詞量を皆がしゃべります。マスクをしていると、息は吸えるんですけど、
二酸化炭素が溜まって吐けないんですよ。それで皆、窒息しそうになるというのを
なんども経験しながら稽古を続けました。最後の通し稽古まで皆、マスクをしながら
やってくれていたので、それもあって全員PCR検査をクリア出来たと思います。
とても苦しい稽古でしたが、頑張ってくれた俳優達に感謝したいです。」

Q:この紀伊国屋ホールでの思い出は?

味方さん「僕が紀伊国屋ホールに初めて立ったのが、岡村さん演出の「新・幕末純情伝」で、
それがここに居る荒井と、石田さん、細貝やスタッフさんと一緒にやったのが一番最初で、
それから何度もこの劇場にお世話になって。なんか、この劇場が持っている独特の力とか、
色んな俳優、スタッフさん、演出家さんが培って来た活力というモノがこの劇場にはあって、
それを毎度感じる事が出来て、それが改修前の最後に僕らの力で一つ上にあげられるのかなと思うと、
とても有難いというか、また新しくなってもちゃんとここの良さを残しながら劇場の良さが
際立ってくれると良いなと思いますし、この劇場って特別なんですね。僕にとっても
多分、沢山の俳優さんにとっても。本当にもう駄目だ…って思った時にこの劇場だったら、
なんか、生き返えらせてくれるみたいなのがあって、それが僕がこの劇場に感じる
思い出というか、感覚ですね。」

荒井さん「僕も本当に色んな作品でこの紀伊国屋ホールに立たせて頂いたんですが、
出ていなくても来たくなる劇場というか、この劇場の板の上に立っている時は、
良い意味でも悪い意味でも、”乗せてくれるし、吞まれるような”感覚もあるし、
そこを乗り越えて如何お芝居をするか?みたいな部分もあるので、
凄く刺激をくれる劇場という風に思います。何よりもつかさんの作品でこの劇場に
立てるという事も僕にとっては凄く良い思い出にして、改修前の最終公演を
終えられる様に、ちゃんと名が残る様な公演に出来たらなと思います。」

【一部シーン抜粋公開】

公開ゲネプロの開始前に味方さん、新内さん、石田さん、池岡さんチーム、
荒井さん、愛原さん、細貝さん、松村さんチームの2班による公演の一部シーンの抜粋演技が披露されました。

報道陣に披露されたのはオープニングとなる各出演者の紹介部分と、容疑者大山金太郎に尋問をするシーン。
つかこうへい作品をご覧になった方であれば、国産の戯曲、ひいては国内のあらゆる舞台作品の中でも
指折りの熱量と台詞の長さを誇る「熱海殺人事件」、僅か10分間という抜粋演技を終えた両チームとも汗びっしょり。
これをマスクを装着して稽古をしたという岡村さんの発言には驚くばかりです。

勿論、客席最前列を着席禁止とし、万全の感染対策を講じた上で開幕する「熱海殺人事件」。
約4か月に渡る改修工事を前に、令和の若手実力派俳優達が全力で演じ切ります。

【あらすじ】

オフィシャル写真提供

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1973年に文学座に書き下ろされ発表された「熱海殺人事件」は、つかこうへいの代表作であり、
最年少で岸田戯曲賞を受賞し、紀伊國屋ホールを拠点に、つかこうへい事務所の春の名物として、
何度も再演を重ね、東京の春の風物詩とも呼ばれる程になった。

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東京に出て来たら、紀伊國屋でつかこうへいの熱海を見る!!
当時の学生達のあこがれの演劇だった。

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つかこうへい事務所解散後も、1986年に映画化、1989年の演劇活動再開時も、
紀伊國屋ホールでの「熱海殺人事件」だけは、本人の手で上演され続けてきた作品である。
タイトルを「売春捜査官」「モンテカルロイリュージョン」などと、変化しながら
「熱海殺人事件」は紀伊國屋ホールで上演され続けた。主演も、三浦洋一、風間杜夫をはじめ、
阿部寛、池田成志、山崎銀之丞、馬場徹など名だたる俳優陣が歴史を作って来た。

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2010年、つかこうへいは永遠の眠りについた。
演劇界の巨匠が宇宙へと旅立った。

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しかし、紀伊國屋の「熱海殺人事件」は終わらない。

この作品だけは、つかこうへいの遺志として、これからもキャスト・スタッフも変貌を遂げながら上演し続ける予定である。

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「熱海殺人事件」は生き続ける。

【熱海殺人事件 ラストレジェンド~旋律のダブルスタンバイ~公演概要】

公式サイトはこちら

<公演期間>
2021年1月14日(木)~1月31日(日)

<会場>
紀伊国屋ホール

<公演時間>
約2時間(途中休憩無し)

<料金>
8,500円(特製ブックレット付)
(全席指定・税込)
※ブックレットは当日会場にてお渡しいたします。
※コロナウィルス感染予防対策のため、パンフレット含めグッズ販売は行いません

<出演者>
木村伝兵衛部長刑事:味方良介、荒井敦史(Wキャスト)
婦人警官水野朋子:愛原実花、新内眞衣(乃木坂46)(Wキャスト)
犯人大山金太郎:石田明(NON STYLE)、細貝圭(Wキャスト)
熊田留吉刑事:池岡亮介、松村龍之介(Wキャスト)

<STAFF>
作:つかこうへい
演出:岡村俊一
音響:山本能久
照明:熊岡右恭
映像:ムーチョ村松
衣裳:大野雅代
舞台監督:中島武
宣伝美術:山下浩介
宣伝写真:神ノ川智早
制作:與儀早由
プロデューサー:島袋潤
提携:紀伊國屋書店
制作:つかこうへい事務所
主催・ 企画・製作:アール・ユー・ピー

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