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第33回東京国際映画祭開幕!

1985年、日本ではじめて大規模な映画の祭典として誕生し、今年、第33回を迎える東京国際映画祭(以下,TIFF)は
日本で唯一の国際映画製作者連盟(※)公認の国際映画祭です。日本およびアジアの映画産業、文化振興に大きな足跡を残し、
アジア最大級の国際映画祭へと成長しました。いまや最も熱気溢れるアジア映画の最大の拠点である東京に
世界中から優れた映画が集まり、国内外の映画人、映画ファンが新たな才能とその感動に出会い、交流する場を提供しています。2020年10月31日(土)、その開幕を飾るオープニングイベントであるレッドカーペットアライバルとセレモニーが
東京都千代田区の東京国際フォーラムホールCにて行われました。その様子をお伝えします。※国際映画製作者連盟:世界の映画産業、国際映画祭の諸問題を改善し、検討する国際機関。
パリに本部を置き、世界31ヵ国(2018年9月現在)が加盟している。

【レッドカーペットアライバル】

「トゥルー・ノース」のお二人 ©2020 TIFF

例年、東京都港区の六本木ヒルズアリーナ等で行われ、その開催規模と豪華な登壇ゲストで
東京国際映画祭期間中最大の注目を集めるレッドカーペットイベント。

「どすこいすしずもう」 ©2020 TIFF

「10万分の1」©2020 TIFF

しかし、今年は新型コロナウイルス感染症の感染予防の為、止む無く大規模な
レッドカーペットイベントは行われない事に。しかし、少しでも「リアル」で開催される
今年の東京国際映画祭を盛り上げようと、ホールCの2階ロビー部分において
小規模ながら「レッドカーペットアライバル」が実施されました。

「フードラック!食運」の3人 ©2020 TIFF

スマートフォンでセルフィーをするEXILE NAOTOさんと映り込む土屋太鳳さん ©2020 TIFF

華麗に着飾った総勢56組のゲストが矢継ぎ早に登壇。映画祭を彩ります。

【オープニングセレモニー】

続いて15:30よりホールCにてオープニングセレモニーが開始。MCを務めるフリーアナウンサーの中井美穂さんの
進行の下、オープニングアクトに登場したのは、FILM SCORE PHILHARMONIC ORCHESTRA。
名作映画音楽のメドレーを約5分間に渡って生演奏。所々にマニアな曲を混ぜた絶妙な選曲に会場は思わずニヤリ。
続いて登場したのは、映画祭の顔である安藤裕康チェアマン。
安藤チェアマン「新型コロナウイルスが猛威を振るい苦境が続く中、映画祭を開催すべきかずっと悩み続けてきました。
そして今日こうして皆様のご参列をいただいてオープニングセレモニーを開催できること、本当に感無量でございます。
かつての山中貞雄は、戦火の中にいても、病に倒れても映画への情熱を失うことを知らず、あの小津安二郎に
深い感銘を与えたそうです。私たちもいまコロナ禍で困難な状況にありますが、彼にならって映画の力を信じ、
そして未来への映画の火を灯し続けたいと思い、リアルでの映画祭実施を決断しました。これを可能にしてくださった
多くの皆様の温かいご支援に改めて御礼を申し上げたいと思います」
と今回日本映画クラシックス部門で特集する山中貞雄監督に触れながら、開催決定への熱い想いと願いを明かし、開幕を宣言しました。

続いて、レッドカーペットアライバルに引き続きオープニングセレモニーにも出品作品のゲストが登壇。
無数のスチールカメラのフラッシュが焚かれる中、観客からの拍手に迎えられます。

次にTIFFプラスにて共催を行う経済産業省を代表し、梶山弘志経済産業大臣からのビデオメッセージが。

そして、今年は世界中の映画祭が新型コロナウイルスの状況を鑑み開催が中止となった中、リアルでの開催を
決断した本映画祭に向けて、海外の映画人からも応援ビデオメッセージがスクリーンに流れます。

クリストファー・ノーラン監督
「皆さん、こんにちは。『TENET テネット】の監督、クリストファー・ノーランです。
今年の第33回東京国際映画祭の開幕、おめでとうございます。この様な厳しい時期に、皆さんが
大きなスクリーンで映画を観ることを称え、そして楽しむ道を見出してくれたことは、
私にとって、そして世界中の映画製作者にとってインスピレーションの源となります。
そして、映画を観ることの感動、さらには大きなスクリーンで映画を楽しむことのワクワク感を
大切にすることは、日本の映画ファンのみならず、世界中の映画ファンの心を躍らせてくれるものです。
改めて、おめでとうございます。そして、映画祭を楽しんで下さい。」

アビチャッポン・ウィーラセタクン監督
「皆さんこんにちは、アビチャッポン・ウィーラセタクンです。タイからご挨拶申し上げます。
皆さん、お元気ですか?今回のこの重要なイベントに参加できることを嬉しく思っております。
また、そう遠くない将来、実際に皆様にお会いできること、そして、暗闇で見知らぬ人たちと
「映画を観る」ことが当たり前になることを楽しみにしています。ですが、それまでは皆さんで
映画産業を応援していきましょう。映画祭を存続させるために、これからの映画祭の可能性を
話し合ったり、寄付活動をするなど、皆さんで盛り上げていきましょう。
最後に、東京国際映画祭33周年、おめでとうございます。このような状況の中、
開催を実現させた関係者の皆様の尽力は素晴らしいことと思います。本当におめでとうございます。
ありがとうございました。」

ティエリー・フレモー氏(カンヌ国際映画祭総代表)
「東京の皆さん、こんにちは。久松猛朗さん、こんにちは。私はティエリー・フレモーです。
今年は映画のみならず、誰にとっても人生が困難な年となりました。
このように映画祭を開催することは、その困難に立ち向かうことを意味します。
私は3年前に映画「リミュエール!」の日本公開に合わせて東京国際映画祭のに参加する機会があり、
とても嬉しく思いました。観客の皆様や映画祭の運営に満足し、私のもう一つのパッションである
重度が誕生した美しい街を訪れることができ、この上ない喜びでした。
この場をお借りして、今年、映画祭を開催することは勇気がいることでしたが、それを可能にした
東京国際映画祭関係者の皆様に賛辞を送ります。アーティストたちにとっても励みとなるでしょう。
今、リヨンでは、リミュエール映画祭がちょうど終わった所です。
リミュエールのシネマトグラフが誕生した地から、映画がこのように生き続けているのを見ることは素晴らしいことです。
ご存知の通り、今年は映画と映画館が誕生してちょうど125年の節目に当たります。
こうして、世界中の映画製作者たちが、映画祭関係者、アーチスト、そして観客の皆様のおかげで、
自身の作品を観て貰う機会を得ることは映画にはまだまだ大きな未来があることを示せる
素晴らしい機会となるでしょう。素敵な映画祭となることをお祈りしています。」

ロバート・デ・ニーロ氏
「第33回東京国際映画祭の皆さん、こんにちは。
オメデトウゴザイマス!おめでとうございます。
大成功することを祈っておりますし、成功することを確信しています。
改めまして、オメデトウゴザイマス!おめでとうございます.」

ビデオメッセージの放映終了後、本映画祭のフェスティバル・アンバサダーを務める俳優の役所広司さんが登壇。
「ロバート・デ・ニーロさんみたいに短くコメントができれば良いのですが…」と前置きし、「今回の映画祭の開催は
これまでとは異なる形ですので、実行委員の皆様はとても苦労されたかと思います。いよいよ今日から始まります映画祭、
観客の皆様を頑張っていきたいと思います。メディアの皆様もどうぞよろしくお願いします!」と“映画祭の顔”らしく挨拶。
今年は例年とは違い、観客が良かった映画を自ら選ぶ「観客賞」が選出されることに対し、映画を観る時に
大事にしている視点を問われると「観客が映画を評価するのは一番正しいこと。でも世界中の映画人が
人生をかけて作った作品を評価するのには責任を感じてしまいますね。素直に心を動かされた作品に投票することが
大事だと思います。観客の皆さんが重要な役割を担うというのは映画祭の熱気につながると思うので、
とてもいいことですよね。映画産業を盛り上げる賞になるのではないかな」と期待を寄せていました。

日本映画界のいまを写し出す「Japan Now 部門特集」からは深田晃司監督が俳優の森崎ウィンさん、筒井真理子さんと共に登場。
部の選出について深田監督は「本当に驚きました。自分にはまだ特集組んでもらえるようなキャリアはないと思っていたので。
しかし2010年に『歓待』という作品で賞をいただいてからちょうど 10 年なので、もっとがんばれと叱咤激励を受けたと思っています。
今回上映される作品は2005年に自分が初めて人のお金で製作した『ざくろ屋敷 バルザック「人間喜劇」より』という映画や、
『東京人間喜劇』という自主映画もある。僕の映画を全く観たことない人に入門編として見てもらえたら嬉しいです」とコメント。
“共感度 0.1%”と言われている『本気のしるし《劇場版》』の出演について森崎さんは「僕がはじめて脚本を読んだ時には
0.1%も共感をもてなかったくらい現実味のないストーリーでした。しかし撮影前に深田監督と何度も話し合いを重ねてくうちに、
いつの間にか深田ワールドに引き込まれていることに気が付きました。どんどん深田マジックにかけられて知らないうちに
主人公の辻という役になっていたんです」と監督の不思議な引力を思い知ったエピソードを披露。
『よこがお』『淵に立つ』の2作品に出演した筒井さんは、『よこがお』で2019年度芸術推奨文部科学大臣賞という
栄えある賞を受賞したことについて、「受賞を聞いた時は、なにかの間違いかと思いました。『淵に立つ』も『よこがお』も
深田監督から脚本をいただいた段階で「すばらしい映画になるな」と鳥肌が立ったことを思い出しましたし、
そんな賞がいただけるように導いてくれた監督に感謝しています。ただ実は、このコロナ禍で授賞式が中止になってしまいまして、
立派な賞状を宅急便のお兄さんからいただいたのは少し残念でした」と会場の笑いを誘いました。

第33回東京国際映画祭のオープニング作品に選出された『アンダードッグ』からは、武正晴監督、俳優の北村匠海さんと
瀧内公美さん、脚本家の足立紳さん、佐藤現プロデューサーが登壇。主演を務めた森山未來さんは
自身のソロパフォーマンス公演「見えない / 見える ことについての考察」の大阪公演のため、リモートでの参加。
ボクシング未経験だった森山さんと北村さんは役作りのために1年以上かけてトレーニングを敢行。
北村さんは、「格闘技をやったことは人生で一度もなかったのですが、格闘技を見ることが好きでしたので、
お話をいただいたときは嬉しかったです。リングにあがれる機会を逃すまいと出演を決めました」と語り、
森山さんは「ボクサー役を演じるまでは、憎くもない相手を殴ったり、殴られなくてはいけないボクシングがよく分からなかったが、
練習の最中にトレーナーに殴られたときに自分の中でアドレナリンが出る感覚があり、ボクシングというものに
取りつかれてしまう人の気持ちが理解できました」と二人ともボクシングの魅力を感じた様子。
全員が「いつも撮影現場の中心にいた」と口を揃えた武監督は、「ボクシングを演出するのは難しかったです。この手
の映画はキャストが本当に重要で、森山さんや北村さんをキャスティングできたからこそ良い作品ができました。キャス
トはみんな全身全霊をかけて演じてくれましたね。今年の 1・2 月に撮影をし、世界が大変な時期になっている中、
編集作業を進め今年中に公開を迎えます。困難に打ち勝った作品のようでとても感慨深い」と作品への愛情を語った。
そして最後の挨拶として映画祭への想いも述べた武監督。「非常に意義深い作品でこうやって映画祭に呼んでいただき、
非常に光栄に思っています。こういう場所でいろんな映画人たちともっともっと映画の話をして、次の企画を考えていきたい。
映画祭とはそういう場所で合ってほしいと思うので、ぜひ映画祭の中でいろいろな交流を進めていただきたい
と思っています。本当にこういう場を与えていただけると、『やっぱり(映画製作を)やめられないな』と思いますので」と
熱いメッセージを残しオープニングセレモニーの最後を締めくくりました。

いよいよ始まった第33回東京国際映画祭。今年も東京の街が映画一色に染まります。

【第33回東京国際映画祭オープニングイベント開催概要】『レッドカーペットアライバル』<日時>
2020年10月31日(土)13:00開始

<会場>
東京国際フォーラム ホールC 2Fロビー

<登壇者数>
56名

<報道媒体数>
ムービーカメラ:25名
スチール・ペン記者:14名

MC:伊藤さとり

『オープニングセレモニー』

<日時>
2020年10月31日(土)15:30開始

<会場>
東京国際フォーラム ホールC

<報道媒体数>
スチールカメラ:89名(セレモニーからの参加75名を含む)
ムービーカメラ:30名(セレモニーからの参加5名を含む)

<登壇者>
安藤裕康:東京国際映画祭チェアマン
役所広司:フェスティバル・アンバサダー
深田晃司:監督(「JapanNow」部門特集)

森山未來(※モニター出演):出演者(オープニング作品:「アンダー・ドッグ」より)
北村匠海:オープニング作品:出演者「アンダー・ドッグ」より
瀧内公美:オープニング作品:出演者「アンダー・ドッグ」より
足立伸:脚本(オープニング作品:「アンダー・ドッグ」より)
佐藤現:プロデューサー(オープニング作品:「アンダー・ドッグ」より)
武正晴:監督(オープニング作品:「アンダー・ドッグ」より)

MC:中井美穂(フリーアナウンサー)

【第33回東京国際映画祭開催概要】

公式サイトはこちら

<開催期間>
2020年10月31日(土)〜11月9日(月)

<会場>
六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区)、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場(千代田区)、
東京国際フォーラム(千代田区)ほか 都内の各劇場及び施設・ホールを使用

『STAFF』
<主催>
公益財団法人ユニジャパン(第33回東京国際映画祭実行委員会)

<共催>
経済産業省(TIFFプラス)/国際交流基金アジアセンター(アジア映画交流事業)/東京都(TOKYOプレミア2020部門、ユース部門)

<後援>
総務省/外務省/観光庁/港区/独立行政法人日本貿易振興機構/国立映画アーカイブ/公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団/
一般社団法人日本経済団体連合会/東京商工会議所/一般社団法人日本映画製作者連盟/一般社団法人映画産業団体連合会/
一般社団法人外国映画輸入配給協会/モーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)/全国興行生活衛生同業組合連合会/
東京都興行生活衛生同業組合/特定非営利活動法人映像産業振興機構/一般社団法人日本映像ソフト協会/
一般財団法人角川文化振興財団/一般財団法人デジタルコンテンツ協会/一般社団法人デジタルメディア協会

<支援>
文化庁

<プレミアムスポンサー>
日本コカ・コーラ株式会社/東京ミッドタウンマネジメント株式会社/一般社団法人日比谷エリアマネジメント

<スポンサー>
大和証券株式会社/株式会社WOWOW/株式会社スター・チャンネル株式会社 アイム・ユニバース/アメリカン航空

<コーポレートパートナー>
松竹株式会社/東宝株式会社/東映株式会社/株式会社KADOKAWA/日活株式会社/森ビル株式会社/
TOHOシネマズ株式会社/一般社団法人映画演劇文化協会

<メディアパートナー>
株式会社J-WAVE/松竹ブロードキャスティング株式会社/日本映画専門チャンネル/ウォール・ストリート・ジャーナル/
LINE株式会社/株式会社つみき/株式会社ムービーウォーカー/株式会社U-NEXT

<フェスティバルサポーター>
株式会社IMAGICA Lab./株式会社クララオンライン/株式会社レントシーバー/ゲッティ イメージズ ジャパン株式会社/
ツタヤ クリエイターズ プログラム/株式会社クオラス

©2020 TIFF

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