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音楽朗読劇『日本文学の旅』公演中!

音楽朗読劇『日本文学の旅』が2020年7月9日(木)に東京都中央区の大手町よみうりホールにて開幕しました。
2020年7月8日(水)、初日の公演に先駆けて行われた囲み取材と公開ゲネプロの様子をお伝えします。

【囲み取材の様子】

囲み取材に登壇したのは、司書(若い旅人)役の橋本良亮さん、読書家(壮年の旅人)役の新納慎也さん、そして上演台本・演出を務める鈴木勝秀さんの3名。
なお、新型コロナウイルス感染症対策の為、登壇者と報道陣は距離をとり、登壇者も舞台上でのソーシャルディスタンスを確保しての囲み取材となりました。

登壇早々に橋本さんより
「本来であればゲネプロを先に観て頂いてから囲み取材を行うんですけども、今回は稽古がギリギリになってしまって僕達は最後まで時間を取らさせて頂きました。こちらの都合ですいません。宜しくお願いします。」
と囲み取材開始ギリギリまで場当たりを行い、完成度を高めようとする演者とスタッフの熱意が話されました。

舞台公演自粛後、ジャニーズ事務所のタレントとして最初の舞台公演ですがいかがですか。

橋本さん「1ヶ月前に今作が「舞台公演自粛後、初なんだよ」と聞いて、プレッシャーが凄かったんですよ。でも、これを考えると絶対にもっと緊張する!、ってなって、その時にはA.B.C-Zのセンターとして、先陣を切って頑張る、という思いで一ヶ月間やっていたんですよ。でも、ここ最近そういう実感がもっと湧いてきて、「これはもう、ジャニーズ事務所のトップバッターでイケるな」という、皆を笑顔にしたいという気持ちが芽生えました。」

新納さん「僕は本当に舞台人間で、今年3月にも上演中の舞台(十二夜)が中止になって、役者は皆、そうなんですけど、ずーっとただただ、ひたすら家に居るという。割と早い段階でこうやって舞台に復帰させて頂いて、今日初めて僕は、舞台の上に居るんですけど、やっぱりホッとするし、嬉しいし、舞台に立たせて頂ける有難味、報道陣や関係者の皆さんが一席空けずつではありますけど、お客様が居るってこんなに素敵なんだなという事、そして昨今、配信や映像作品等が色々ありますけども、この作品に関しては本当に劇場でしか感じられない、逆に言えばテレビで流されると”チャンネルを変えられてしまう”ので、劇場でこそ、じっくりと座って感じて頂きたい作品なんです。」

どのような形で稽古は行われたのでしょうか。

鈴木さん「コロナ対策でのソーシャルディスタンス確保や、稽古場の換気はしましたけども、リーディング(朗読)稽古の通常のパターンを取っています。ただ今回は古典文学を読んだりするので、初見では上演台本は先ず、読めないので、それを読めるようにするのに結構時間が掛かったので、それが「もっと稽古をしたい!」という所に繋がってるのではないかなと思います。橋本君も最初は読めませんでした。でも3日目には読める様になって、今ではすっかり読める様になりました。凄い上達速度です。」

初見では台本は読めないとの事だが、どこが難しかったですか。

鈴木さん「文面が何処で切れているかも分からない位です。」

橋本さん「濁点がある所と無い所があって、無い所では鈴勝さんは「濁点を付けて欲しい」、ある所は「いや、そのまま言って欲しい」って、凄くゴチャゴチャになるんです。「・・・ここ埋めなきゃいけないんじゃないの?」という箇所が頭の中でいっぱいあって、それが凄く難しかったですね。振り仮名をふるのに3日かかりましたから。でも稽古初日に新納さんが本読みに1週間掛かったって言ったんですよ。「あっ、俺より上が居た」と思って、全然読めました。」

新納さん「台本を貰って読み進めてとりあえず1日目は3ページ位読んで、パンッ!、と1回台本を閉じました(笑)。次の日にまた2~3ページ進んで、また「今日は寝かそう・・・」という感じで全然先に進められなくて、4~5日かけて読んでさらに2日間位かけて振り仮名をふるという。それでスタートまでに1週間掛かりました。」

他に難しいと思った点はありますか。

橋本さん「僕、橋本は滑舌が悪いので、そこがちょっとな・・・という。通常の舞台とかでは動きとかで誤魔化したりとかですけど、朗読劇とかは本当に声だけで勝負!みたいな所が有って、そこはちょっと緊張しますね。千秋楽・・・いや明日の初日までには頑張ります。」

新納さん「全編に渡って凄く難しいです。難しい・・・と感じているのはやっている僕等2人だけで良くて、一度鈴勝さんに、「僕等が理解をするのに何週間も掛かった物を、一度の観劇でお客さんは言葉を聞いて内容を理解出来るんですか?」って聞いたら、鈴勝さんは「理解しなくて良い。日本語の流れる様な美しさを音楽として耳で聴けば良い。」と。素敵でしょう?」

鈴木さん「日本語なので、何処かの国の分からない言葉で歌っているよりは、遥かに分かります。特に有名な作品の有名な箇所なので、多分、台本を見ながらじゃなくて聴いている方が圧倒的に”入ってくる”のは間違い無くて、目をつぶって聞いていても入ってきます。あまり構えて観てもらわなくても良い様な形には作品の立ち上がりからしているので、本当に難しいのは舞台上でやっている2人だとおもいます。」

今回初共演かと思うが、お互いの印象はいかがですか。

橋本さん「新納さんはメチャクチャ優しいです。毎日ずっとブラックコーヒーを飲んでます。」

新納さん「毎日飲んでます。カフェイン中毒です。ご存知の様に、舞台上もソーシャルディスタンスを確保するんですけど、今回、舞台公演自粛後に初めて舞台の稽古に入った時、「こんなに弊害が有るんだな」と思ったのは、稽古場でもソーシャルディスタンスを保たなきゃいけないので、橋本君にあまり近寄れないんですよね。そうなるとなんか、仲良くなれるタイミングが無いというか、役者同士の芝居を重ねていくのに、ソーシャルディスタンス・・・とか言っていられない、けど、守らなければいけない。これが弊害だなと今回感じまして、劇場に入ってマイクが付いたので、お互いは近寄れないですけど、コミュニケーションが取れる様になったので、ここからまた仲良くなっていきたいと思っています。」

橋本さん「ハイタッチしたいですよね。」新納さん「ハイタッチもしたいし、ハグもしたい。背負い投げも(笑)」

新納さん「ただ、コロナの御蔭で・・・・・・と言ったら変な話ですけど、僕等だけでなく、演劇界、芸能界、日本や世界中がそうですけど、こうやって何かが一歩を踏み出した時に「よしっ!」という、この結束力は以前と違う感じがしたので、初日からいけそうです。」

音楽朗読劇との事だが、歌唱する場面はあるのでしょうか。

鈴木さん「歌います。オリジナルや、古い楽曲の新アレンジとか、歌無しの音を使った曲をヴォーカル・ギターの大嶋吾郎君が書いてくれたので、それをやったり。後、台詞自体もかなり”音楽”です。昔の言葉というのは凄くリズム感を大事にしていて、それを朗読する事によって音楽の様に聞こえる台詞が沢山有るんです。なので全体が音楽になっていると思って頂けるとありがたいと思っています。」

最後に公演にかける意気込みをお願いします。

新納さん「劇場がこんなに長い間クローズをしていたのって、恐らく戦後以来の事で、やっと劇場が開いて僕は舞台上に復帰します。お客様も色々と不安が多いと思いますけども、万全の対策でお迎えします。劇場に来てこそ感じられる生の作品や演劇の力を感じに是非、劇場に足を運んで、この演劇文化を決して絶やさないという事を皆さんが意識をして下されば僕としては嬉しいので是非、お越し下さい。」

橋本さん「昨今の騒動で大変ですけども、やっぱり観たいというお客様がチケットを取って下さって、そして色んなスタッフさんがいるからこそ、僕達はこうやって舞台に立てているので、明日の初日をきれいに迎える事が一番ですね。そして明日の公演を終えてジャニーさんが笑ってくれたら良いなって思っております。ジャニーさん、観ていてね!」

【ゲネプロの様子】

今作では、あらゆる日本文学作品が揃っている”架空の図書館”を舞台に、司書と読書家の2人の旅人が時空を超えた文学の旅をする。

“架空の図書館”には、『古事記』『日本書紀』~『源氏物語』~漱石、鴎外、芥川など近代文学まで、日本人の心の原点とも呼べる数々の珠玉の文学作品が揃っている。 2人の文学の旅人は、数多ある作品群から、選りすぐった名シーン、名セリフを朗読し、オリジナル音楽とともに各作品を立体化する。

それによって見えてくる、日本語の変遷、社会の変化、文化の移り変わり。
同時に浮かび上がる、時代や社会が変化しても存在する日本人の心のありかた。
それは、世界各国の人々と共有できる普遍的な人間の心のありかたでもある。

『日本文学の旅』は、限りなく音楽に近い演劇作品である。

よみうり大手町ホールの舞台上に、あらゆる日本文学が揃っている架空の図書館として設置されたのは2つの図書机と椅子、タングステンランプ、そして後方のバンドセットにいくつかの照明機材。シンプルなセットのステージにアコースティックギターの音色と共に登場するのは、橋本さん演じる文学に対する並々ならぬ熱意にあふれる知性で日本文学を読む若者の司書と、新納さん演じる文学を学問ではなく人生の楽しみと捉えている感性で日本文学を読む読書家という、ある種の凸凹感を感じる2人。

 

古事記より始まる日本文学の様々な世界を橋本さんと新納さんの卓越した話力と時に軽快さを感じる掛け合いの演技でみるみる内に観客は文学の世界へと引き込まれていきます。

そこに大嶋吾郎さんの演奏、鈴木佐江子さんによる上質なボーカルと、時にはSEのような音響効果まで声で作り出す技術が合わさり、朗読劇を一層引き立てています。また、シンプルながらも朗読の没入度を高める照明効果にも注目。
そして囲み取材でも言及された通り、橋本さんと新納さんの歌唱もありますのでお楽しみに。

一部場面ではソーシャルディスタンスを則す振付も取り入れられ、大きなアクセントに。

公開ゲネプロの最後に橋本さんから「明日から本番が始まりますが、7月22日の千秋楽までこのメンバーで最後まで突っ走って行くので皆さん、応援の程を宜しくお願い致します。」と座長としての決意が話されました。
約1時間半弱の類希なる日本の文学を巡る旅を是非、劇場で。

【音楽朗読劇『日本文学の旅』公演概要】

公式サイトはこちら

<公演期間>
2020年7月9日(木)~7月22日(水)

<会場>
よみうり大手町ホール

<公演時間>
約1時間35分(途中休憩無し)

<料金>
9,500円(プログラム付)
(全席指定・税込)
※未就学童児入場不可

<出演者>
司書(若い旅人):橋本良亮(A.B.C-Z)

読書家(壮年の旅人):新納慎也

ヴォーカル・ギター:大嶋吾郎

ヴォーカル:鈴木佐江子

<STAFF>
上演台本・演出:鈴木勝秀
舞台監督:齋藤英明
企画協力:株式会社パルコ
企画製作:全栄企画株式会社
制作:株式会社ちあふる/株式会社クオーレ
主催:読売新聞社/全栄企画株式会社

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