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東京2020オリンピック聖火リレー 聖火到着式開催!

東京2020組織委員会は、2020年3月20日(金・祝)に宮城県東松島市の航空自衛隊松島基地において、東京2020オリンピック聖火リレー聖火到着式を開催しました。

日本国内において東京2020聖火リレーの最初のイベントとなった当日の模様をお伝えします。

【聖火到着式の様子】

2020年3月12日(木)にギリシャ・オリンピア市のヘラ神殿跡にて採火された東京2020オリンピックの聖火がいよいよ日本の地へと到着するというこの一大イベントを報じようと、国内は元より海外からも多数の報道陣が詰めかけ、プレスエリアに並んだスチールカメラ、ムービーカメラの合計数は優に100台以上(記者カメラを含む)。

そして松島基地周辺には、全国からこの日を首を長くして待っていた航空ファンが集結。基地周辺の防潮堤上は黒山の人だかりとなり、次第に高まる空気感を感じ取る事が出来ます。

記念撮影をする吉田沙保里さんと野村忠宏さん

会場となった基地内の駐機場特設ステージ、および到着エリアでは朝方より入念なリハーサルが行われ、関係者の本イベントへの力の入れ様が伺える場面も。

ステージ上には高さ約150cm、幅/奥行き約80cm、重量約250kg、東日本大震災被災地仮設住宅の再生アルミニウムを約30%を使用した、聖火リレートーチと同じく桜ゴールドカラーの聖火皿が。

宿り主となる聖火の到着を待ちわびます。

『聖火特別輸送機”TOKYO 2020号”着陸~ブロックイン』

時刻は午前9時20分過ぎ、松島基地周辺の航空ファンが湧き立ちはじめます。
報道陣もカメラ台を離れ、ステージ横付近に集合し皆の視線はただ一点に集中。

そして約15分後、北東の空より姿を現したのは、聖火特別輸送機”TOKYO 2020号”。
無事に現地で聖火を受け取った後、2020年3月19日(木)15:25(現地時間)、日本時間の22時25分にギリシャ・アテネのエレフテリオス・ヴェニゼロス国際空港を出発。

機内のエコノミークラスの座席には特製のテーブルが備え付けられ、ヘラ神殿で採火された聖火が収められたランタンが3つ設置されています。

 

午前9時36分、スチールカメラの凄まじいシャッター音がステージ横に響く中、アテネから約11時間11分、約8167kmの長旅を終え、ランディングギアからスモークを上げながら”TOKYO 2020号”は松島基地の25/07滑走路へと着陸。

着陸時にはブルーインパルスとの共演も見られました。

画像提供:コンフェティ読者

日章旗をTOKYO 2020号へ向けて見せる航空ファンの姿も

誘導路脇の航空ファンにファンサービスをするが如く、実に着陸から約25分間をかけて、非常にゆっくりした速度で誘導路を進みます。

そして関係者が見つめる中、午前10時にステージ前にブロックイン。

聖火輸送の任を全うしたパイロットが笑顔でプレスエリアへと手を振っていました。

日本航空と全日本空輸のスタッフと共にスマートフォンでの自撮りを行う片野坂真哉ANAホールディングス株式会社社長

当初の予定では”TOKYO 2020号”の松島基地への到着予定時刻は午前11時過ぎとの事でしたが、前日の3月19日(木)深夜に東京2020組織委員会より聖火特別輸送機の到着を早めるとの発表が。

これは同日にアテネのパナシナイコスタジアムにて行われた聖火引継式の所要時間が当初の約1時間30分から約25分へと大幅に縮小された事もあるのですが、聖火到着式当日の松島基地を含む宮城県東部地域の天候悪化が予想される為、というのが理由との事でした。

3月26日(木)に自身の出身地である福島県での聖火ランナーを務める全日本空輸の平子裕志社長

実際に午前11時の開式予定であった聖火到着式も、宮城県東部地域に暴風警報が発令される程の強風が吹き荒れ、東北新幹線が一次運転を見合わせた事により関係者の到着が遅れ、午前11時20分へと時間変更されました。

また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を懸念し、宮城県内の石巻市・東松島市・女川町の三市町の小学生の聖火到着式への参加、および関係者の招待が取り止めとなり、当初約2000人規模で行われる予定であった聖火到着式も約1000人程へと縮小しての開催となりました。

『航空自衛隊アクロバットチーム「ブルーインパルス」離陸』

午前11時5分過ぎ、松島基地内に響き渡る複数のエンジン音。報道陣が一斉に誘導路方向へカメラのレンズを向けると、同基地所属のアクロバットチームである航空自衛隊第4師団第11飛行隊、通称「ブルーインパルス」の、「アルファ」「ブラボー」の各チーム6機、計12機のT-4型機が
ターボファンエンジンの快音を響かせ次々と離陸していきます。

「ドルフィン・ライダー」の愛称がつけられたパイロット達の勇姿に防潮堤の航空ファンから大きく手が振られます。

『開式~聖火リレー公式アンバサダートークセッション』

午前11時20分、司会を務めるフリーアナウンサーの宇賀なつみさんの進行の下、聖火到着歓迎セレモニーがスタート。

MCの呼び込みで最初にステージ上手方向より東京2020聖火リレー公式アンバサダーである、お笑い芸人コンビのサンドウィッチマンの
伊達みきおさんと富澤たけしさん、女優の石原さとみさん、射撃競技で2004アテネ大会・2008北京大会・2012ロンドン大会出場のパラリンピアンの田口亜希さんが登壇。

早速、MCより間も無く聖火が到着する今の心境を問われると、伊達さん「もうドキドキですね。(強風の為にTOKYO202号が)もう着いてるんですよね?普段はこんなに東松島は風が強くないんです。風も聖火を歓迎しているという事でしょう。」

富澤さん「そうですね~、森会長が宮城県の事を”宮崎県”と間違えていたので・・・」
伊達さん「や・め・ろ!ぶり返すな・・・」
富澤さん「風を心配していたんですが、無事着いて良かったです。」

とコメント。

続いてMCより石原さんに聖火リレーアンバサダーとしてこれまで活動して来た中で印象に残った事は?と問われると石原さん「聖火リレーのスタート地点である福島県の内堀雅雄県知事と対談させて頂いたり、様々な聖火リレーランナーの方にインタビューをさせて頂きました。「聖火リレーのランナーとして走る事が決まった時から、前よりも「ありがとう」という事を言える自分になってきました」という事を伝えてくれたり、長崎県のランナーの方は「今だに戦争が続き、平和が訪れない国が有る。怒りと願いを込めて走りたいと思います。」と仰っていたり、もう一人の長崎県のランナーの女の子は「平和・安全とは一体何なのかと自問自答しながら、聖火リレーを走るその日までにノートに纏めたいんです」と仰ってくれて、聖火リレーは私達、一人一人が主役なんだなと。どんな状況になっても聖火リレーを走るその日まで自分がどんな自分になって、どんな風に取組んで行くかで今後の人生が決まっていくのかなと私は個人的に思いました。なので私自身も走るその日まで後悔が無い様に取組みたいと思います。」とコメント。

田口さんは「約1年前にアンバサダーを拝命したその時からこの日を心待ちにしていましたし、やっとギリシャから聖火が届きまして、今度は日本国中で皆さんの思いを繋げていけると思うので嬉しく思います。」と話しました。

『聖火到着歓迎セレモニー~主催者挨拶』

続いて出席者を代表し、森喜朗公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長、山下泰裕:公益財団法人日本オリンピック委員会会長、聖火リレー公式アンバサダーで柔道男子60kg級アトランタ1996大会・シドニー2000大会・アテネ2004大会金メダル獲得のオリンピアンの野村忠宏さん、女子レスリング55kg級アテネ2004大会・北京2008大会・ロンドン2012大会金メダル、リオデジャネイロ2016大会銀メダル獲得の吉田沙保里さんがステージ上手より、宮城県の三市町の子供達が作る予定であった花道の代わりに日本航空と全日本空輸の地上係員で作られた花道を通り、”TOKYO 2020号”のタラップへと向かいます。

そして野村さんと吉田さんが歩みを合わせてタラップ上段へ。機内より、東京2020組織委員会のメンバーより聖火が収められたランタンを受け取り、高くランタンを掲げる2人。遂に東京2020オリンピックの聖火が日本の地へと渡りました。同時に航空自衛隊航空中央音楽隊による東京2020オリンピック聖火リレーの公式テーマソングが演奏されます。

続いて野村さんと吉田さんから森会長にランタンが手渡され、オリンピック・マーチが演奏される中、4名がステージへと向かいます。

ステージ上では公式アンバサダーの4名が聖火を出迎えます。続いて森会長よりランタンが野村さん、吉田さんの手に渡り、主催者を代表して森会長からの挨拶が。

森会長「本来でありましたら地元三市町の皆様、特に子供達の皆様に聖火をお出迎え頂く予定でした。子供達の安全を考え中止とさせて頂きましたが、聖火のお出迎えを心待ちにしていた子供達の気持ちを考えますと、組織委員会としても苦渋の判断でございました。私も子供さん達と一緒に「花は咲く」を歌いたいなと心から願っておりました。日本航空さんと全日本空輸さんが心を寄せて作って下さったこの飛行機でこの強風下、非常に難しいのではないかと危ぶまれていましたが、着陸を早めて頂きまして、4人の操縦士の力で無事、今朝方松島基地に到着をする事が出来ました。3月26日から福島県のJヴィレッジからのグランドスタートを皮切りにオリンピックの聖火リレーが全国を周ります。日本中の多くの方々の思いを集めて7月24日に聖火が国立競技場に到着いたします。56年ぶりに聖火が東京へと向かうこの聖火リレーが多くの人にとって希望の道を照らし出す事を望んでいます。」とコメント。

次に実際に聖火を受け取った感想をMCから問われると吉田さんは「私は採火式を中継で見ていたので、その聖火がギリシャから無事に日本へ到着したかと思うと本当に嬉しく思います。」とコメント。

野村さん「本来であれば吉田さんとギリシャに行きまして、パナシナイコスタジアムで引継式をやる予定だったんですけども、そこに行けなかった残念な気持ちというのは正直、有ります。ただ今日、無事にこの聖火の種火の入ったランタンを受け取る事が出来て今凄く嬉しく思いますし、
誇りに思います。」とコメント。

今回の東京2020聖火リレーのコンセプト「Hope Lights Our Way/希望の道を、つなごう。」を初めて聞いた時の感想をMCより問われると
吉田さんは「選手への思い、この東北地方の方への思い、東京オリンピックを楽しみにしている方等、色んな思いを乗せてこの希望の道を繋げる、本当にグッとくるコンセプトだと思いました。」とコメント。

野村さんは「物凄く素敵な言葉だと思いました。支えあう心、認め合う心、高めあう心という私達が持っている大切な心というもので希望の光を照らしながらそれを繋いでいく、そして素晴らしい道になっていく。今、改めて聞いて、考えても本当に良いコンセプトになったなと思います。」と2人は話しました。

日本国内の聖火リレーにどのような事を期待するか?との問いには、吉田さんは「今、こういう大変な時期ですけど、この聖火リレーで皆さんに元気や希望を届けられる様になれば良いなという風に思います。そして私と野村さんは”幻の聖火ランナー”と今なっていますので、何処かで走る機会が有れば良いなという事も思っています。」と”本物の”聖火ランナーとして走りたいという希望が語られました。

『聖火皿点火~オリンピックシンボル(カラースモーク)展示飛行』

森会長と山下会長がしきりに会場上手方向を向いて手招きすると、東北新幹線の一時運転見合わせに巻き込まれた来賓登壇者一同が大急ぎでステージへと登壇。

そしていよいよ聖火皿への聖火の点火へ。聖火が灯された聖火リレートーチを野村さんと吉田が手に持ち、2人が聖火皿へとトーチを掲げると、
勢い良く炎が上がり、無事、聖火皿への聖火の点火が完了しました。

聖火皿への点火と同時に、松島基地上空にはブルーインパルスの「アルファ」チームが1964年10月10日(土)の東京1964大会の開会式以来、約55年半ぶりに日本の空にカラースモークでの「オリンピックシンボル(ファイブリングス)」を描きます・・・・・・が、猛烈な強風により、五輪の円を約1/3程描いた辺りから、カラースモークが無情にもカーブを保持出来なくなり、残念ながらオリンピックシンボルは成功とはなりませんでした。
画像提供:コンフェティ読者(到着式前日3月19日・松島基地にて撮影)

画像提供:コンフェティ読者(到着式前日3月19日・松島基地にて撮影)

画像提供:コンフェティ読者

しかしその直後、南の空から「ブラボー」チームが1番機を先頭に編隊を組んだ「リーダーズベネフィット」を披露。見事な編隊飛行とカラースモークの美しさに関係者席から歓声が上がります。

そして、復興オリンピックの趣旨を踏まえ、東京2020オリンピック聖火リレーのコンセプトである「Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。」に沿い、東日本大震災から10年目に、東京2020オリンピック聖火リレーの一環として実施される宮城県・岩手県・福島県の「復興の火」の最初の展示会場となる、石巻市の石巻南浜津波復興祈念公園へと向かう特別バスが会場上手より入場。

共に宮城県出身であるサンドウィッチマンの2人に野村さんから聖火ランタンが手渡され、改めて伊達さんと富澤さんからの挨拶が。

伊達さんは「幼き頃、僕は石巻で育ったので、その石巻に聖火を持っていける事を凄く誇りに感じております。途中で消さない様、気をつけて大切に持って行きたいと思います。」とコメント。

富澤さん「そうですね、この火でタバコを点けてみたいなと思います。」
伊達さん「させません!僕が阻止します!」

特別バスに乗り込む際、伊達さんは「まるで結婚するみたいですけど、違いますよ!?」と照れていましたが、登壇者一同に見送られ一路、石巻へと向かいました。

遂に日本の地へと到着した聖火。3月20日(金・祝)・21日(土)に宮城県、22日(日)・23日(月)に岩手県、24日(火)・25日(水)に福島県にて復興の火が展示され、そして2020年3月26日(木)、福島県のナショナルトレーニングセンターJヴィレッジより121日間、約1万人の聖火ランナーにより日本中を繋ぐ炎のリレーが始まります。

【東京2020オリンピック聖火リレー聖火到着式概要】

<日時>
2020年3月20日(金・祝)11:20開始

<会場>
航空自衛隊松島基地 駐機場特設ステージ

<出席者>
森喜朗:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長
橋本聖子:東京オリンピック競技大会・パラリンピック競技大会担当大臣
多羅尾光睦:東京都副知事
山下泰裕:公益財団法人日本オリンピック委員会会長
遠藤利明:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長代行
武藤敏郎:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会事務総長
野村忠宏:オリンピアン・聖火リレー公式アンバサダー/柔道男子60kg級、アトランタ1996大会・シドニー2000大会・アテネ2004大会金メダル
田口亜希:パラリンピアン・東京2020聖火リレー公式アンバサダー/パラ射撃女子・アテネ2004年大会、北京2008大会、ロンドン2012大会
石原さとみ:女優/東京2020聖火リレー公式アンバサダー
サンドウィッチマン(伊達みきお・富澤たけし):お笑い芸人/東京2020聖火リレー公式アンバサダー
吉田沙保里:オリンピアン/女子レスリング55kg級アテネ2004大会・北京2008大会・ロンドン2012大会金メダル、リオデジャネイロ2016大会銀メダル
萩生田光一:文部科学大臣
田中和徳:復興大臣
鈴木大地:スポーツ庁長官
渡辺孝一:防衛大臣政務官
西村明宏:内閣官房副長官
安住淳:衆議院議員
航空自衛隊航空中央音楽隊:45名

MC:宇賀なつみ(フリーアナウンサー)

<航空自衛隊第4師団第11飛行隊『ブルーインパルス』飛行展示>

『アルファ(カッコ内は機体番号)』
1番機(06-5787):福田哲雄/二等空佐
2番機(16-5666):住田竜大/一等空尉(スモークカラー:赤)
3番機(66-5745):久保佑介/一等空尉(スモークカラー:青)
4番機(46-5731):村上綾/一等空尉(スモークカラー:緑)
5番機(06-5790):河野守利/三等空佐(スモークカラー:黒)
6番機(26-5686):佐藤貴宏/一等空尉(スモークカラー:黄)

『ブラボー』
1番機(76-5752):海野勝彦/三等空佐
2番機(16-5663):中条智仁/三等空佐(スモークカラー:赤)
3番機(36-5694):上原広士/一等空尉(スモークカラー:青)
4番機(36-5694):永岡皇太/一等空尉(スモークカラー:緑)
5番機(26-5690):元廣哲/三等空佐(スモークカラー:黒)
6番機(36-5697):山崎雄太/一等空尉(スモークカラー:黄)

<展示飛行内容>
オリンピックシンボル(アルファ)
リーダーズベネフィット(ブラボー)

©Tokyo 2020

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