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「改竄・熱海殺人事件」いよいよ開幕!

1973年に文学座に書き下ろされ、発表された「熱海殺人事件」はつかこうへいの代表作。
最年少で岸田戯曲賞を受賞、紀伊國屋ホールを拠点に、つかこうへい事務所の春の名物として、何度も再演を重ね、東京の春の風物詩とも呼ばれる程になりました。
紀伊國屋ホールでの「熱海殺人事件」だけは、つかこうへい自身の手によって上演され「ザ・ロンゲストスプリング」「モンテカルロ・イリュージョン」などと変化しつかこうへい亡き後も、岡村俊一氏の手によってその遺志が脈々と受け継がれてきました。
そして、47年目となる2020年。令和初の「熱海殺人事件」が、幕を開けます。
2020年3月12日(木)に幕を開けた「モンテカルロ・イリュージョン」の公式レポートが到着しましたので、お伝えします。

【「改竄・熱海殺人事件」モンテカルロ・イリュージョン】

大音量で流れ出すブルックナーの『復活』。幕が上がると舞台一面にスモークが流れる中に立っているのは、木村伝兵衛部⾧刑事(多和田任益)。
マイクを使った彼の一人語りで物語は始まり、続いてチャイコフスキーの『白鳥の湖』が流れる。
不意に音楽が止み電話を取る伝兵衛。そこに山形県警から速水健作刑事(菊池修司)がやってきた。木村の背後に回り、その胸をまさぐる速水。

そしてお互いに主導権を取ろうとするかのように格闘を始める二人。そして速水はロスアンゼルスオリンピックの棒高飛び選手だった兄・雄一郎を木村が殺したのではないかという疑惑をぶつけるが、木村は動じない。
そこに、今回の事件を最後に警視庁を退職する水野朋子婦人警官(兒玉遥)が現れる。
木村は速水に、水野を自分の女だと紹介。彼女が今日で自分のもとから去ることを嘆いてみせる。

三人が捜査するのは、容疑者大山金太郎(鳥越裕貴)が、女子砲丸投げのオリンピック候補選手・山口アイ子を殺した事件。速水は事件のファイルを見ながら捜査を進めようとするが、伝兵衛と水野は自分たちの話ばかりをして、いきなり中森明菜の『DESIRE』を歌い出すなど、ふざけているかのような態度を取る。

それに対抗するように尾崎豊の『シェリー』を歌い出す速水。そのときに見せたカニ歩きが証拠となり、伝兵衛は雄一郎殺しの犯人に。伝兵衛は雄一郎殺しの時効が成立するまでの残り時間に大山の捜査を終わらせ、死刑台に送ることを決意する。
実は伝兵衛もオリンピック棒高飛びの正選手であり、同じ棒高飛びの補欠選手だった大山のせいで、モスクワオリンピックに出場できなくなった因縁があったのだ。

しかし登場した大山は、伝兵衛がかつて新宿二丁目で男を相手の身体を売っていたことを暴露。さらに前人未到の大記録に挑むはずだったロスアンゼルスオリンピックで、突如欠場したことをなじる。だが、そこには木村だけが知る事情があったーー。

数ある『熱海殺人事件』のバージョンの中でも、とくにショー的な要素を色濃く盛り込んだ『モンテカルロ・イリュージョン』。演出の中屋敷法仁はつか版のニュアンスを大事にしながら、枝葉末節の部分を大胆にカット。
各所に激しいアクションを導入することで作品のテンポを上げ、より現代的な感覚に。音楽の使い方にもメリハリをつけ、音楽的な効果を最大限に生かすとともに、静寂が持つ効果をも追求。こうした演出により、観客は重層的な戯曲構造を一層意識させられる。
従来のつか版の印象を損なうことなく、そのエッセンスを今の観客が受け取りやすいように、巧妙な“改竄”を施した。

徹底してショーアップされた演出は、これまでにつか作品を未見の観客にも没入しやすいが、これは出演者たちの歌唱とダンスの基礎スキルの高さに負う部分も大きい。
このあとに上演されるまったく異なるアプローチでの演出が施された『ザ・ロンゲストスプリング』とともに楽しめるはず。

中屋敷の「演劇は人との出会いから生まれる」という言葉通り、生々しくぶつかりあい、そこで生まれる軋轢から人間を描き出すこの作品。対面することが軽視されがちな今こそ、つか作品が内包する衝撃は深く遠くまで響く。そう信じてカンパニーは公演を続けている。

【つかこうへい演劇祭―没後10年に祈る―「改竄・熱海殺人事件」公演概要】

公式サイトはこちら

<公演期間>
東京公演:2020年3月12日(木)~3月30日(月)
大阪公演:2020年4月4日(土)・4月5日(日)※大阪公演は全日ザ・ロンゲストスプリング公演となります。
福岡公演:2020年4月11日(土)・4月12日(日)「FM福岡開局50周年・IMS SPRING 2020 特別公演」
※福岡公演は全日モンテカルロ・イリュージョン公演となります。

<会場>
東京:紀伊國屋ホール
大阪:COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール 
福岡:イムズホール

<公演時間>
「ザ・ロンゲストスプリング」:約1時間50分
「モンテカルロ・イリュージョン」:約1時間50分
(共に途中休憩無し)

<料金>
東京・福岡:7,000円
大阪:7,300円
(全席指定・税込)
※未就学児童入場不可
※車イスでご来場のお客様は事前にお問い合わせまでご連絡ください。

<出演者>
『ザ・ロンゲストスプリング』
木村伝兵衛部長刑事:荒井敦史
水野朋子婦人警官:馬場ふみか
熊田留吉刑事:佐伯大地
容疑者大山金太郎:玉城裕規

『モンテカルロ・イリュージョン』
木村伝兵衛部長刑事:多和田任益
水野朋子婦人警官:兒玉遥
速水健作刑事:菊池修司
容疑者大山金太郎:鳥越裕貴

<STAFF>
作:つかこうへい
演出:中屋敷法仁
音響:山本能久
照明:松本大介
衣裳:西本朋子
演出助手:入倉麻美
舞台監督:川除 学
宣伝美術:山下浩介
宣伝写真:神ノ川智早
宣伝衣裳:西本朋子
宣伝ヘアメイク:門永あかね
宣伝:ファイズマンクリエイティブ
WEB製作:メテオデザイン
東京公演主催:ミックスゾーン/ぴあ
大阪公演主催:サンライズプロモーション大阪
福岡公演主催:エフエム福岡/イムズ/ピクニック
東京公演提携:紀伊國屋書店制作:ゴーチ・ブラザーズ
制作協力:つかこうへい事務所/アール・ユー・ピー

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