東京2020パラリンピック半年前イベント実施
東京2020組織委員会は、東京2020パラリンピックの開催まで半年の節目となる2020年2月25日(火)に、東京都江東区の江東区立有明西学園にて「東京2020パラリンピック半年前イベント」を実施しました。
【当日の様子】
イベントの会場として選ばれたのは、パラリンピック競技応援校の一校である807名の生徒・児童が通う小中一貫校の江東区立有明西学園。
報道陣は校舎三階のベランダへと案内されます。
すると校庭に同学園の小学3年生3クラス、計109名の児童達が登場。
今イベントのゲストである、パラ陸上競技走幅跳(T11クラス(全盲))でリオ2016大会出場のパラリンピアンの高田千明選手、高田さんの伴走・コーラーを務める大森盛一さん、そして東京2020パラリンピックマスコットのソメイティと共にイベント当日が東京2020パラリンピック開幕まで丁度半年である事を記念し6ヶ月前の「6」を人文字で作る事に。
しかし横約7.2m×縦約11.25mの人文字作りはやはり一筋縄ではいかず、児童達と高田選手、大森さん、そして学校関係者が試行錯誤をしながら形を整えていきました。
『特別体験授業』
続いて場所を体育館へと移し、東京2020パラリンピックへの出場が内定した高田選手と大森さんによる特別体験授業がスタート。
本多健一朗有明西学園校長の呼び込みで高田選手と大森さんが児童達の拍手に迎えられ入場。当日昼の給食は何を食べたの?という質問を生徒達に投げ掛けるフレンドリーな高田選手。ほぼ視力が無いという障がいをネガティブにならず、分かり易く生徒達に伝えます。
そして眼の見えないアスリートがガイドと共に走る際に使用する「きずな(絆)」と呼ばれるロープを紹介。大森さんが
児童達に声を大にして伝えるのは、きずなを持つガイドの役目はアスリートを速く走らせる事では無く、スタートからゴールまで安全に届けてあげるという事。先に行かず、必ず真横に居てあげる事。
そして高田選手が競技時にはアスリート全員が着けるアイマスクを装着し児童達の前でデモラン。息の合った2人の走りを目の当たりにした児童達は早速、走行体験へ。二人一組での約30mの駆けっこを行いますが、それまで意気揚々としていた児童達はアイマスクを付けると、パートナーと共に恐る恐る走り出します。
視界ゼロという特殊な環境で真っ直ぐに走れる児童は皆無に近く、怖さからか、途中でアイマスクを外してしまう子や、パートナーも焦ってゴール地点を通り過ぎ、報道陣の直近まで来てしまうペアも出る等、児童達は見えない・誘導するという体験を身を持って感じた様子でした。
走行体験後、走り幅跳びを専門としているた高田選手から児童達へ目の見えない選手の競技の応援の仕方についてのレクチャーも。
最後に参加者全員で「パラリンピックまであと半年」の掛け声と共に集合撮影が行われ、イベントは終了しました。
【囲み取材の様子】
イベント終了後、同体育館内にて高田選手と大森さんが登壇しての囲み取材が行われました。
パラリンピックまで後半年ですが、改めて今の思いはいかがですか。
高田選手「リオのパラリンピックの時、「あぁ、後4年後…」という風に思いながら過ごしていて、もう半年になってしまったんだな、という所で。ただ、今までずっとみてもらっているコーチが、それぞれ「走る」「跳ぶ」という所でずっと教えて下さっている事を慌てずに続けてしっかりと今、自分がやらなきゃいけない事をひとつずつクリアして、東京2020パラリンピックを迎えたいなと思います。」
今日は児童達にどんな事を意識して授業をされましたか。
高田選手「視覚障害を持っている、持っていないは関係無く、私は常に障がいを「個性」だと思っているので、皆と触れ合う事で「千明さん達、目が見えていない人でもあまり変わらないんだな」「こういう所を工夫すれば一緒に出来るんだな」という所を、今回触れ合う中で、パラリンピックの後にも続く様に障がいを持っている人を特別に思わずに自分達と変わらないという所を思ってもらえたらと思い、授業をさせて貰いました。」
改めてパラリンピックへの意気込みをお願いします。
高田選手「去年の世界大会で4位に入賞出来たので、東京2020パラリンピックには内定と頂いていますけども、メダルには届かなかったので。ただ、その大会の中でも「メダル圏には入れるな…」という”掴み”はあって帰って来た大会だったので、ここから先、少しずつコーチを信じてやるべき事をしっかりやって、東京のパラリンピックは表彰台の一番上に乗って、金メダルを獲得出来る様、頑張っていきたいと思います。」
大森さん「僕の場合、高田に全てを託して、僕の思いを乗せて今、練習をやっている訳ですけど、僕としては教えているだけでは無くて、かなり近い所で競技を見ていて、サポートをして。陸上100mとかの競技になれば、あの場であの舞台で同じ時間、走るわけですから、そういう所でいうと自分がもし、選手だったらどうしようという思いを持って、彼女に全てを任せて、後は本番になれば、金メダルを獲れるように精一杯サポートをしたいなという風に思います。」
2020年8月25日(火)の東京2020パラリンピック開幕までいよいよ後半年です。
【東京2020 パラリンピック半年前イベント概要】
<日時>
2020年2月25日(火)14:00開始
<会場>
江東区立有明西学園 校庭・第二体育館
<登壇者>
高田千明:パラリンピアン・パラ陸上競技走幅跳(T11クラス)/リオデジャネイロ2016大会
大森盛一:伴走・コーラー
本多健一朗:江東区立有明西学園校長
有明西学園小学3年生児童3クラス:110名
ソメイティ:東京2020パラリンピックマスコット
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