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ミュージカル『ファントム』いよいよ開幕!

フランスの小説家ガストン・ルルーのベストセラー小説「オペラ座の怪人」を原作とした
ミュージカル『ファントム』は、脚本家アーサー・コピットと、作曲家モーリー・イェストンの黄金コンビにより、怪人ファントムの人間像に焦点をあてたストーリーと独創的な音楽で、高い評価を得て以来、世界中の観客を魅了しています。

2019年7月22日(月)の制作発表会見から約3ヶ月半、初日の公演を前に東京都港区のTBS赤坂ACTシアターにて囲み取材と公開ゲネプロが行われました。

【囲み取材の様子】

囲み取材に登壇したのは、ファントム/エリック役の城田優さん、 加藤和樹さん、クリスティーヌ・ダーエ役の愛希れいかさん、木下晴香さん、フィリップ・シャンドン伯爵役の廣瀬友祐さん、木村達成さんの6名。

初の演出・主演ですが今の心境をお願いします。

城田さん「こういう囲み取材って、基本的に準備が出来た状態で臨む事が殆どで、勿論緊張や不安はあるんですが、初めての経験で今ちょっと言葉に出来ない謎の感情と戦っています。今日の日をとても楽しみにしていました。実際、僕自身が初舞台に立つのは11月12日(火)なので、それまではここに立っている皆さんが順番にこのファントムという僕が頭の中で作っていた世界を実際の登場人物として、舞台上でお芝居や歌を歌うという。本当に楽しみで仕方ないんですけども、その後に自分がやらなければいけないという事だけが、”ヤバイやつ”ですね。自分が稽古をしていない……そんな事も言っちゃうんです。スイマセン、自主稽古をさせて頂きます。ちゃんとしたクオリティのモノをお届け出来る様、頑張りますが、何せ今まで自分がやって来た、スタイルとちょっと違う時間の過ごし方をしてきたので、自分の中で不安要素はあるんですけども、作品としては完璧です。ここに居る皆さんも完璧です。」

ちょっと違う時間の過ごし方とは何が違うのでしょうか。

城田さん「これまで僕は一度演出をさせて頂いた事は有るんですが、その際は主演とかでは無くて、シンプルに演出だけをやらせて頂いたので、今回は演出をしながら自分もお芝居をしなければいけないというのが初めてでしたし、その分量もファントムという作品においては、非常に多いので、その両立、客観性と主観性の使い分けでしたりとか、話すと2時間位掛かるんですが…。兎に角、最高のクオリティを作りたいが故に自分の中で色々と葛藤した事も有り、本当に未知の世界というか、出来る事はやってきたので、この作品が世に出て行く事に関しては、本当に何の心配要素も無いですし、僕個人に対しては不安はあるんですけども、作品としては自身を持って2019年、間違い無く、一番輝かしくて、夢の世界で愛に満ちていて、希望と絶望が入り混じった最高のエンターテイメントが出来たと自覚自負しております。」

演出家・城田優はいかがでしたか。

加藤さん「そうですね…(城田さんからの耳打ち)素晴らしかったです。こんなに素敵な人は世の中に居ないと思います。彼とはもう15年位の付き合いなんですけども、良い意味で変わっていないですし、ただその芝居に対する思いだったり、自分の頭の中にあるイメージという物を我々にいかんなく伝えてくれて、僕らもそれを形にしようと何とか喰らい付いていって。今、彼はこの作品に関して不安は無いと言いましたが、多分それぞれ、各々は不安な事は有ると思います。でも、ここまでのこの作品に対しての愛情があって、ファントムという作品をを本当に愛していて彼に付いて行く事が一番の近道だろうなと思ったので、ここに居る僕等だけでは無く、スタッフやアンサンブルを含めて、城田優を信じてやって来たので、それだけ人を引っ張る力がある人だなと。人としての力、演出家としての力もそうですし、同じ役者でもあるので、気持ちの共通認識というか、そこはとても心強い物がありました。」

愛希さん「加藤さんと同じで、作品に対する愛とスタッフの皆さん、そして私達に対する愛に溢れた方です。だから私も付いて行こうというその気持ちだけで稽古をして来ましたし、ご自身がお稽古をしないから不安だ、って仰っていましたが、その時間を全部私達に費やして下さったので、凄く感謝しています。」

木下さん「こんなに稽古期間から本番を迎えるまでがあっという間に感じたのが初めてという位、物凄く充実した期間を過ごさせて頂いたなと思っていて、城田さんの現場での演出家と主演という立場が難しいのか、ご本人も「どういう立ち位置でいて良いのか分からなくなる」って仰っていたんですけど、「不安要素は何時でも言ってきて」って、常に声を掛けて下さったり、連絡を下さったりとかしながら、一番に自分がエネルギーを出して皆を引っ張って下さったので、常に大きな頼もしい背中を見ながら必死で走って来たという感じです。」

廣瀬さん「全部言われてしまったので、兎に角、色んな意味で大きくて、ただただ尊敬しかなかったですけど、誰よりも大変なポジションを誰よりもパワフルにエネルギッシュにカンパニーを引っ張ってってくれた姿は本当にもう感動しましたし、尊敬でしかないですかね。だからこそ、明日初日が開けるんですけど、僕としては先ず初めに城田優を感動させたいなという思いです。一番感動したのは鼻の高さ。同い歳なんですけど、演出家という立場を何の違和感も無く、僕も直ぐに受け入れられたし、優君からしたら先輩後輩、ベテランの方々を含めて色んな年齢層の方に演出の支持を出すという、遠慮すべき所とかも考えたりはしているんだろうけど、ちゃんとそこはズバッと言って、自分のプランを皆に平等に訴え続けている姿とかは凄いなと思いました。」

木村さん「稽古に入る前に「余裕が無くなったら、皆に厳しい言葉をかけてしまう事も有るかもしれないという話をされていたんですけど、何時も笑顔で二コニコして現場にいて下さった優君を見ていると、凄く心が広くて飛び込んで行こうと思えたし、こんなに考えた一ヶ月間は無かったんですけど、「考えるな。感じろ。」と常に優君が投げ掛けてくれて。なのでそんな優君に本番を通してしっかり成長したよ、という姿を見せたいですね。」

城田さん「ただただ褒められて恐縮なんですけども、皆さんが仰ってくれている事を僕自身も体現しなければいけないので、ありがたい言葉として受け止めつつ、僕皆にかけた言葉を実際に舞台上でお客様に表現出来る様、務めたいなと、より一層、身の引き締まる思いでございます。」

実際に演出を手掛けて一番大変だった事はなんでしょうか。

城田さん「基本、毎日大変で。スタッフの皆様とキャストの皆とそれぞれセクションが違ったり、先輩も居て、後輩もいて、新人もいて、ベテランもいて沢山の方達のいるカンパニーの中で、一人一人に合った、その方に一番伝わる伝え方だったりとか、やはり時間が無い中で皆さんの全体のクオリティを上げて行くという事に一番、重きを置きましたし、形で作る芝居では無くて、心で作る芝居というのをテーマにしているので、全てのキャストに「歌い過ぎるな。芝居をし過ぎるな。」という事はずっと常日頃から言っていて、そこがたいへんだったかもしれないです。皆さん、それぞれ一人一人の人間の格があるので、その格の中から役が生まれてくる。そこを大事にしつつ、それぞれの役作りのやりたい方向性を皆と話をした上で一人一人作って来たつもりなので、そこの個性を活かしつつ、でも自分の見せたいリアクションにしていくという事だったりとか、演出家だったら誰もが感じる事だと思うんですが、そこに更に自分も相手役になったりとか、ライバル役になったりとか、実際に舞台上で絡まなければならないので、そこでちゃんと自分が説得力を持たせなければならないという所も含めて、人生で一番大変な期間でした。」

今回、劇場に入ってからの雰囲気が違いますが何かこだわりがあったのでしょうか。

城田さん「今回、僕がファントムの演出をさせて頂くと決まった際に、劇場からオペラ座の雰囲気と言いますか、海外ではよくある、その作品の為の専用劇場みたいな。日本では中々そういうのは出来ないので、僕はロビーから、それこそ、チケットを取って下さる方のコスチュームから全部。実は、もっともっとやりたかった事は沢山有って、ロビーとかも目茶苦茶に飾りたかったんですけど、色々な都合上、やりたかった事は全ては出来なかったんですが、中々、今までの日本のミュージカルでは見た事が無い様な、入り口を入ったらそこからファントムの世界が始まっていて、帰るまでファントムというテーマパークのアトラクションの乗り場や園内みたいなイメージですね。そして中に入ってメインのアトラクションが始まるみたいな、そんな造りになっているので、是非そこも含めて楽しみにして頂きたいなと。デザインとしてはパリの街のイメージですし、今回視覚的には、クリスティーヌの目線というのをテーマにしていて、最初に見て頂く画というのは、クリスティーヌが描く、オペラ座やパリの街への憧れみたいな物がファンタジックにマジカルにクリスティーヌの目を通して見た世界が、皆様がこれから御覧になるファントムの世界だと思って頂いて。」

最後に作品の見所をお願いします。

城田さん「約2年前から始まったこのプロジェクト、今日の日まで本当に毎日毎日、熟考してこのファントムという世界を僕なりに僕の頭の中を具現化して皆様にお届け出来る様、そして、「感じるお芝居・感じる歌」皆様の胸に届くこの物語の一番大事な愛というテーマ。家族の愛であったり、それぞれの形の愛が色んな色になって混ざったり、時に濁ってしまったり、ピュアに戻ったり、本当に沢山の形の愛が詰まっていて、どんな方でも楽しめる作品だと思いますし、5年前にも僕はこの場所で言ったと思うんですけど、この作品はミュージカルの入り口というか、観た事の無い方にもスッと入って来れる歌とお芝居のバランスが素晴らしい作品ですし、メッセージ性も含めて本当に大好きな作品です。そんな僕が大好きな愛が溢れる作品をどう描いたのか、劇場で体感して頂きたいですし、何よりここに並んでいるキャスト、そしてここには居ないですけど、裏で待機しているキャスト達、そしてスタッフの皆さんの素晴らしいエンターテイメントを是非、楽しみにして来て頂きたいです。」

【公開ゲネプロの様子】

舞台は19世紀後半のパリ、オペラ座。

楽譜売りで歌手志望のクリスティーヌ・ダーエは、その歌声をオペラ座のパトロンの一人であるフィリップ・シャンドン伯爵に見初められ、オペラ座で歌のレッスンを受けられるよう取り計らってもらう。

一方、オペラ座では支配人のキャリエールが解任され、新支配人のショレが、妻でプリマドンナのカルロッタと共に迎えられた。キャリエールはショレに、オペラ座の地下に幽霊がいて、自らを“オペラ座の怪人”と呼んでいることを伝えるが、ショレは解任された事への仕返しに怖がらせるために言っているに過ぎないと取り合わなかった。

オペラ座を訪ねてきたクリスティーヌを見たカルロッタは、その若さと可愛らしさに嫉妬し、彼女を自分の衣裳係にしてしまう。ある日、クリスティーヌの清らかな歌声を聞いたファントムは、ただ一人彼に深い愛情を寄せた亡き母を思い起こし、秘かに彼女に歌のレッスンを行うようになる。ビストロで開かれたコンテストで歌声を披露したクリスティーヌは、カルロッタに「妖精の女王」のタイターニア役に抜擢される。フィリップはクリスティーヌを祝福するとともに、恋心を告白。ファントムは、そんな二人の姿を絶望的な思いで見送るのだった。

初日の楽屋、カルロッタの罠にかかったクリスティーヌは毒酒により喉を潰されてしまう。

客席からは野次が飛び、舞台は騒然となる。ファントムは失意のクリスティーヌを自分の住処であるオペラ座の地下へ連れて行く。しかしそれが、やがて彼を悲劇の結末へと向かわせることになる―。

この日の公開ゲネプロはファントム/エリック役が加藤和樹さん、クリスティーヌ・ダーエ役が愛希れいかさん、そしてフィリップ・シャンドン伯爵役を廣瀬友祐さんが担当。
前述の通り、こだわりの劇場の館内には約220万円という西ドイツ製の車輪付きオルゴールが鎮座していたり、カラフルな街灯が館内まで続き、演出家・城田優のイマジネーションを具現化しています。

演出席に座っている所を報道陣にレンズを向けられると「エリック先生のアメちゃん」の箱を片手にご機嫌の城田さん

本編中、多数の通路演出が行われ、客席を巻き込んでの空間作りは見事なもの。
5年ぶりの再演にして”新進気鋭の演出家俳優”城田優が挑む「もうひとつのオペラ座の怪人」、
その全容は是非、劇場で。

【DVD発売決定】

ミュージカル『ファントム』のDVDが2020年3月27日(金)に発売決定。
詳しくはこちら

 

【ミュージカル『ファントム』 公演概要】

公式サイトはこちら

<公演期間>
東京公演:2019年11月9日(土)~12月1日(日)
大阪公演:2019年12月7日(土)~16日(月)

<会場>
東京:TBS赤坂ACTシアター
大阪:梅田芸術劇場メインホール

<公演時間>
約3時間(20分間の途中休憩を含む)

<料金>
東京:S席13,500円 A席9,000円
大阪:S席13,500円 A席9,000円 B席5,000円
(全席指定・税込)
※未就学児童入場不可

<出演者>
ファントム/エリック:加藤和樹/城田優(Wキャスト)
クリスティーヌ・ダーエ:愛希れいか/木下晴香(Wキャスト)

フィリップ・シャンドン伯爵:廣瀬友祐/木村達成(Wキャスト)
カルロッタ:エリアンナ
アラン・ショレ:エハラマサヒロ
ジャン・クロード:佐藤玲
ルドゥ警部:神尾佑
ゲラール・キャリエール:岡田浩暉

安部三博
伊藤広祥
大塚たかし
岡田誠
五大輝一
染谷洸太
高橋卓士
田川景一
富永雄翔
幸村吉也
横沢健司
彩橋みゆ
桜雪陽子
小此木まり
可知寛子
熊澤沙穂
丹羽麻由美
福田えり
山中美奈
和田清香

少年エリック:大河原爽介/大前優樹/熊谷俊輝(トリプルキャスト)

<STAFF>
脚本:アーサー・コピット
作詞・作曲:モーリー・イェストン
原作:ガストン・ルルー
演出:城田優
美術・衣裳:トム・ロジャース
翻訳・通訳:伊藤美代子
訳詞:高橋亜子
音楽監督:森亮平
照明:吉枝康幸
音響:山本浩一
振付:新海絵理子
ヘアメイク:馮啓孝
特殊メイク:ニール・マーツ
アクション:幸村吉也
指揮:小林恵子
歌唱指導:西野誠
稽古ピアノ:太田裕子
オーケストラコーディネーター:新音楽協会
美術助手:トゥーツ・ブッチャー
演出助手:末永陽一、加藤由紀子
舞台監督:榎太郎
宣伝美術:榎本太郎
宣伝写真:森崎恵美子
宣伝コスチューム:石橋瑞枝
宣伝ヘアメイク:馮啓孝
宣伝メイク(愛希れいか、木下晴香):栗原里美
印刷:深雪印刷
東京公演主催:TBS/キョードー東京/梅田芸術劇場
大阪公演主催:ABCテレビ/梅田芸術劇場
企画・制作:梅田芸術劇場

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