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舞台『サザエさん』開幕!

 

漫画家、長谷川町子の代表作である「サザエさん」。
1969年10月にはフジテレビ系列にてTVアニメの放送が開始、2013年9月には「最も長く放映されているテレビアニメ番組(Longest running animated TV series) 」としてギネス世界記録に登録され、日本の国民的テレビアニメ番組として記録を伸ばし続けています。

そのアニメ「サザエさん」が2019年10月に放送開始50周年を迎えるにあたり、この記念すべき年に舞台化が実現しました。舞台となるのは現在から10年後、相変わらずおっちょこちょいでお調子者のサザエには藤原紀香、出世して多忙になったマスオには葛山信吾、定年退職した波平に松平健、子供たちの心配をしているフネに高橋惠子とベテラン陣に加え、大学生になったカツオには荒牧慶彦、専門学校に通うワカメには秋元真夏(乃木坂46)・齊藤京子(日向坂46)のWキャスト、中学生になったタラオに大平峻也と若手が盛り上げ、猫のタマは酒井敏也が演じます。脚本・演出に家族の表現に定評のある田村孝裕を迎えて描く、日本中の誰もが知っている磯野家の誰も知らない10年後の物語が始まります。

2019年9月3日(火)東京都中央区の明治座にて初日舞台公開と囲み取材が行われました。

【初日舞台公開の様子】

誰もが知る「家族」の、誰も知らない10年後。

ここは10年後の磯野家。
家の佇まいこそ昔のままだが、大人達はそれなりに年をとり
子供達も成長して各々将来への悩みも抱えるお年頃。そんなある日のこと。

『10年後のサザエさん』
会社を定年退職して悠々自適な波平とは対照的に、大学生になったカツオはバイトに明け暮れ、服飾学校に通うワカメは課題に励む日々。マスオも部長に昇進してからというもの帰りが遅く、タラオは高校受験の真っ只中で家族皆が顔を揃えて食卓を囲むことがほとんどなくなっていた。さて今日は波平の誕生日、この日ばかりは皆で夕食を食べようとサザエは家族全員に言い含め、フネも腕に寄りを掛けて料理を作って準備をしていた。しかしマスオ、カツオ、ワカメの3人が急用で帰れなくなり、臍を曲げた波平は三河屋の三郎と呑みに出てしまう。
夜遅く。謝るカツオとワカメに、すっかり酔った波平は日頃の不満から説教となり、親子の仲は険悪に。追い打ちを掛けるようにマスオの身に異変が起きる!!

『タマがいなくなった』
昨夜の出来事は、皆の心にしこりを残していた。そんな最中、波平が家を売ろうとしているとの噂が立つ。
そろそろ家を出る時期かと悩むサザエとマスオ。父への反発からカツオは独り立ちしようと焦り、ワカメは留学を許可して欲しいと悩んでいた。一方マスオの体調を心配したタラオは、図書館で調べた原因をサザエに告げる。磯野家崩壊の危機!?を察したのか、タマまでもが忽然と姿を消してしまう。

『磯野家の団欒』
家族はそれぞれの悩みや心配事を胸に、行方不明のタマを探し回って眠れない一晩を過ごす。
そして、波平により家族会議が招集されることになった。サザエの脳裡にに浮ぶのは、楽しかった一家団欒の日々。あの仲の良かった磯野家を取り戻すことが出来るのか?
そしてタマはどこへ行ったのか!?

国民敵知名度を誇る一家の10年後を描く本作。独立した3本の作品のオムニバス上演かと思いきや、3本とも一続きで繋がっている長編作品となっています。
アニメと寸分変わらぬ、もしくは上回る演技を見せるキャスト陣の演技力には脱帽。
特に大きく成長したカツオ・ワカメ・タラオの3人は来場者の度肝をぬく事は間違いありません。
また、室内が忠実に再現された磯野家の舞台セットは感心するレベルの出来栄え。
TVアニメでは描写されたことのない「あの人物」の名が飛び出したり、藤原紀香さん演じるサザエによる”あの曲”のフルコーラスが歌われる等、3時間半の公演中は驚きの連続。
是非、劇場でその目と耳で確かめて見て下さい。

【囲み取材の様子】

終演後、ロビーにおいて囲み取材が行われました。
登壇したのは、フグ田サザエ役の藤原紀香さん、フグ田マスオ役の葛山信吾さん、磯野カツオ役の荒牧慶彦さん、磯野ワカメ役の秋元真夏さん、フグ田タラオ役の大平峻也さん、タマ役の酒井敏也さん、磯野フネ役の高橋惠子さん、磯野波平役の松平健さんの8名。

いよいよ初日、アニメの世界から舞台へ飛び出した感想をお願いします。

藤原さん「演出家の田村先生の色んな指導に基づき、かなり細かく稽古を重ねたので、後は持ち前の皆のチームワークで、父さん、今日は上手くいきましたよね?」

松平さん「いってないよ!お客さんが入るとやっぱり違いますね。」

藤原さん「違いますね。凄く助けられました。」

高橋さん「今や貴重ですよね。専業主婦で割烹着を着ているお母さんという感じはね。
ありがたいです。こういう役をさせて頂いて。」

お父さんはこのヘアスタイル、いかがでしょうか。

松平さん「昔の昭和時代の頑固親父というか、良いですよね。一家に一人。」

10年後の「サザエさん」という事で演じてみた感想をお願いします。

藤原さん「それぞれの環境が本当に変わって、変わると同時にやはり色んな問題も起こるじゃないですか。そういった事が環境の変化と共に普通のご家庭の様にこの磯野家にもやってくるんだなと稽古場でも色々と考えながらやってました。やっぱり日本の有名な家族ですから、
そして皆が大好きな「サザエさん」ですからプレッシャーとかもありましたけども、お稽古場に集まった時に皆さんが「サザエさん」のアニメに対して愛を持っていて、そして原作へのリスペクトの気持ちも持っていて、それが集結したのでチームワークがグッと。目指すものが一緒だったので、凄く早かったように思います。」

自身も良く知っている役をやる訳だが、苦労した点はありますか。

藤原さん「始めは凄く声を似させなきゃいけない…って、そういう感じの所に集中していたらやっぱり実写の舞台になった時には色んな問題も起こる訳で、アニメではない人間の表現、人間の話す温度、そういうのも考えて、どのバランスで声だったり表現だったり、全ての事を作っていけば良いのかというのを監督と話して考えましたね。細かい指示やダメ出しがが毎日あって、そういう事を積み重ねながら今までやってこれました。」

松平さん「やっぱり「見本」がちゃんとあるので、最初は”それ寄り”にスタートして、それをどんどん自分のモノにしていって、最終的にはマネにならない様、自分を出して自分が演じたい。そんな所ですね。」

高橋さん「10年後という事でどの位、老けるのかとか思ったりもしましたけども、「10年経っても変わったつもりはありませんよ」という台詞があるので、あまり歳をとっていない感じで良いんだなと。」

葛山さん「僕もやっぱり声優さんの声が頭に残っているので、どうしても台本を頂いて読んでいる内に「こういう感じかな~」というのがどうしても頭にありまして稽古を重ね、演出家さんとも相談しながら自分の身体にドンドンと浸透していっている最中かなという感じもしますね。独特の髪型も前から見るとキチンとしている様なんだけど、後ろから見るとちょっと面白いなという、そういう人柄を表しているのかなと思いました。僕自身は凄く光栄な役で、何度も共演させて頂いている先輩方とまたご一緒出来るという、非常に嬉しく思っています。」

大平さん「僕は普段、2.5次元と言われている舞台に出る事が多いんですけど、今回は日本人の誰しもが知っている作品ですのでイメージが根強く付いているものでもありますし、演出家の田村さんが、ラちゃんが家族の中で一番成長度合いが大きいと仰っていて、それがお客様に観て頂くにあたって良い意味で期待を裏切っていけたら良いなと思って今日初日を迎えました。”お母さん”が藤原紀香さんだというのはメチャメチャ緊張しました。最初にご挨拶させて頂いた時にもメチャメチャ緊張して「お早うございます」と言ったら紀香さんが「サザエでございま~す!」と応えて下さって、良かった素敵な家族に迎えて貰えると思って、今日まで家族として沢山支えて頂いています。」

荒牧さん「誰もが知る家族の誰も知らない10年後というテーマでしたので、子供の10年と大人の10年って結構大きな差があって、子供の10年は人格も変われば顔つきも変わるので、そこら辺は割と自由に考えて良い物だなと思って、カツオを作らせて頂きました。」

秋元さん「私個人としては初舞台になるので、初舞台が、まさか「サザエさん」というのも凄くビックリな事だったんですけど、皆が知っているワカメちゃんが大きくなったらどうなるかというのは沢山考えたり、今もまだ悩んだりしているんですが、演出の田村さんにも細かくアドバイスを沢山頂いて、共演者の皆さんに分からない私に一から教えて頂いて、本当に助けて頂いています。」

酒井さん「国民的飼い猫の最初の第一声の「ニャー」かな…。勉強というか役作りは猫バカの方の動画を見せて頂いて勉強しました。タマ役の話が来た時は「おぉぉ……」って。元々、獣というかモフモフが好きなので、そういう動画は見ていて。考えたら過去には犬や鳩もやっていますし、当たり役ですかね。」

自身とサザエさんの接点を感じる部分はありますか。

藤原さん「サザエさんの朗らかで少しおっちょこちょいというのは、ちょっと似ているかなと思いました。
やらかしたエピソードは言えない位あります。(この会見みたいに)カメラの前とかだとカッコつけちゃうんです。」

何やら学生時代に「サザエさん」と縁があったそうですが、詳しくお話し伺えますか。

藤原さん「私は学生時代に落語研究会に入っていたんですけど、その学校での芸名が「親和亭かつお」だったんです。サザエが良いわって部長に言ったら、「あんたはカツオキャラや」って言われてですね、かつおでした。なので今回の舞台にご縁を感じます。」

昭和の時代の「サザエさん」の家族を演じて
この令和の時代に家族とはどの様に感じますか。

高橋さん「本当に色んな事を言い合えたり、喧嘩したり、ぶつかり合ったり。でもやっぱりそれが家族の良さというか、些細な事でも良いから何でも話してという「サザエさん」の答えは本当にそうだと思います。それは時代が代わってもそうだと思います。」

藤原さん「本当に皆さんもそうだと思います。どんどんと時代が移り変わるにつれて家族団欒って囲めないけれども、兎に角、何でも話す事だったりとか、心に沁みる台詞が凄く多かったので、それは普遍的な物なんだなと思いながら演じています。」

初日で気が早いが続編は期待できますか。

藤原さん「どうなんですかね?東京・福岡に限らず、色んな地域でもやりたいですね。そしてその地域で美味しい物を食べて。ねっ、父さん。」

松平さん「えへっ。」

最後に来場者へメッセージをお願いします。

藤原さん「皆が知っている家族の誰も知らない10年後。いよいよ明治座で舞台『サザエさん』が始まりました。博多座公演もございます。是非、皆さんいらして下さい。」

一同「お待ちしてま~す!」

 

【明治座9月公演 舞台『サザエさん』公演概要】

公式サイトはこちら

<公演期間>
東京公演:2019年9月3日(火)~9月17日(火)
福岡公演:2019年9月28日(土)~10月13日(日)

<会場>
東京:明治座
福岡:博多座

<公演時間>
約3時間30分(30分間の2回の途中休憩を含む)

<料金>
東京:S席(1階席・2階席)13,500円 A席(3階席)6,000円
福岡:A席 13,500円 B席 9,500円 C席 6,500円

<出演者>
『磯野家』
フグ田サザエ:藤原紀香
フグ田マスオ:葛山信吾
磯野カツオ:荒牧慶彦
磯野ワカメ:秋元真夏(乃木坂46)/齋藤京子(日向坂46)※Wキャスト
フグ田タラオ:大平峻也
タマ:酒井敏也
磯野フネ:高橋惠子
磯野波平:松平健

三郎:山口森広
花沢父:瀬野和紀
西山:増田雄二
穴子:野衣健吾
中島:宇乃徹
みすず:鳥居ちゃちゃ
花沢花子:成田沙織
ことこ:篠原初実
みゆき:佐藤玲羅

<STAFF>
原作:長谷川町子「サザエさん」
脚本・演出:田村孝裕
美術:石井強司
照明:稲葉直人
効果:秦大介
アクション:渥美博
衣裳プラン:たかひらみく
メイク指導:青木満寿子
ヘアメイク(藤原紀香):宮内宏明
宣伝ヘアメイク(藤原紀香):光倉カオル
映像:栗山聡之
演出助手:郷田拓実
舞台監督:弘中勲
協賛:明治安田生命
東京公演主催:フジテレビジョン/明治座
福岡公演主催:博多座

©長谷川町子美術館
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