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音楽劇「Zip&Candy」稽古場取材開催

よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のお笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣が「にしのあきひろ」のペンネームで絵本作家として、処女作「Dr.インクの星空キネマ」を引っさげてデビューしたのが2009年。2019年現在まで、5作の絵本を出版。2016年に発売された第4作「えんとつ町のプペル」は累計発行部数が40万部を超える大ヒット絵本となっています。
そのにしのあきひろが、2010年に世に送り出した第2作となる絵本が『Zip&Candy』。
土星の裏側にある人とロボットが共存する都市で、飛行能力を持つ最新型のロボットの男の子「Zip」とサンドイッチ博士の研究所で働く外に出た事が無い旧型のロボットの女の子「Candy」との出会い、そしてZipが取った行動が引き起こすCandyの旧型ロボットであるが故の問題を描いたロボットファンタジーの本作は話題を呼び、東京・銀座において完成記念個展も開かれました。

その『Zip&Candy』が音楽劇として、にしのあきひろ作品として初めて舞台化されます。
ダブル主演のジップとキャンディは1月にSUPER☆GiRLSを卒業し今年公開の映画は5本を超えるなど女優として歩み出した浅川梨奈と、映画『カメラを止めるな!』のヒロインであり今作がカメ止め後初主演舞台となる秋山ゆずきが演じます。
また2.5次元舞台を中心に活躍する校條拳太朗、米原幸佑ほか元宝塚歌劇団の緒月遠麻、”ほっしゃん。”こと星田英利が脇を固めます。
多くの人気原作の企画や脚本演出を手がけるなるせゆうせいが物語にアレンジを加え音楽劇として世界を広げます。

2019年7月4日(木)からの公演に先駆け2019年6月24日(月)、東京都内某所において合同稽古場取材が行われました。

【稽古場取材の様子】

稽古場には出演者が稽古着で集まり、笑いが有りつつも大変熱の篭った稽古が行われています。
この日、取材陣に公開されたのは2つの場面。先ずは物語り冒頭、キャンディ、ジップがそれぞれ目を覚ますシーン。

最初は浅川さんがジップ役、秋山さんがキャンディ役の稽古シーン。

冒頭、薇を回す音と共に一人で目を覚ますキャンディ。ロボットだって叶えたい夢を見るとつぶやき、サンドウィッチ博士の研究所から出た事が無いキャンディは一度で良いから外の世界を知りたいと願います。

そのキャンディとは対照的に電子的な起動音と共に目を覚ますジップ。生みの親であるカレリア博士と助手のコケルは無事起動したジップに大喜び。自身の飛行能力の要であるウイングのレフトとライトと共にジップは空へ飛び立ちます。

最新型のロボットらしく、見た物聞いた物を全てデータとして無尽蔵に取り込み、好奇心を発揮しまくるジップ。

その頃、政治家のステイ区長が、先人達の地球から土星への移住の経緯、そして自分達の責務と未来へと進むべく、民衆を鼓舞する演説が行われています。

2シーン目は、ヤンチャが過ぎたジップが街外れの廃棄工場へ連れて行かれ、スクラップにされそうになるシーン。
今度は秋山さんがジップ役、浅川さんがキャンディ役の稽古場面。

ベルトコンベアがマグマの様に燃え盛る焼却炉に向け進んで行く中、此処に来て漸くカレリア博士とコケルに見切りを付けられたと実感したジップ。

ステイ区長の息子のヒアを誘拐した犯人の最期を見届けようとするママボとトリマキーの態度に自暴自棄になる彼ですが、

いざ焼却炉を前にすると体が固まり、トリマキーに突かれ、焼却炉へ落とされそうになったその時、キャンディと貧民街の孤児窃盗団、ビン・カン・ボトルの4人が助け舟を出します。

その直後、ステイ区長からの電話でトリマキーの携帯電話が鳴りますが立て込み中のステイ区長はてんてこ舞い。


そして焼却炉から辛くも逃げ出せたジップとキャンディ達でしたが、ママボとトリマキーはスクラップ用のプレス機を発動。

キャンディを守ろうとするジップですが、プレス機の圧倒的パワーに太刀打ちできません。
ビン・カン・ボトルが加勢しようとしますが焼け石に水。今にもキャンディが押し潰されそうになったその瞬間、レフトとライトが現れ、プレス機に「ウイングカッター」の一撃が炸裂。間一髪でキャンディは救われます。

駆けつけたステイ区長により非常ボタンが押され廃棄工場の全区画が閉鎖されようとする中、ヒアが父親であるステイ区長に思いの丈をぶつけますが…

そして、いつぞやにヒアに助けられた恩を忘れられないビン。戦争跡地で見つけた不発弾を手に、拘束されたヒアを助けに向かいます。しかし、原因不明の菌に身体を蝕れているヒアはもう長くは無いようで…。

時間にして20分少々の2つの公開稽古でしたが、役者の熱の入り方もあり、続きが非常に気になります。
この僅かな間だけでも、キャンディとジップの起動シーン、カレルヤ博士やコケル、ステイ区長やビン・カン・ボトル達、廃棄工場など原作絵本では描かれていない人物や場所の登場や場面描写が追加され、世界観が大幅に広がり二時間を超えるSFファンタジーミュージカルへと原作を昇華させています。

【囲み取材の様子】

公開稽古終了後ジップ・キャンディ役のダブル主演となる浅川梨奈さんと秋山ゆずきさん、ステイ区長役の校條拳太朗さん、ビン役の米原幸佑さんの囲み取材が行われました。

見せ場や自分の好きなシーンはどこでしょうか。

米原さん「『Zip&Candy』は見せ場だらけですね。全編を通してジップとキャンディが、しかも日によって役も入れ替わるというのもあるので。」

浅川さん「私は「廃棄工場」のシーンの曲中でジップに皆がワッっと集まって来て、密集状態から散らばるダンスの振付が凄く個人的に好きでニヤニヤしています。廃棄工場の一連の場面が私は好きだなと思っていて、ジップの天真爛漫さや生意気な部分とは違う一面を見せられるし、キャンディ達が助けに来てくれたという二人の関係性もどんどんと変わって行く所でもあるのかなと思うので、「廃棄工場」は好きかもしれないです。」

秋山さん「全編を通して歌・御芝居も勿論、見所なんですけど、個人的に好きな所としてビン・カン・ボトルの3人の歌う場面が有るんですよ。それが凄く楽しい歌で皆で踊りたくなるような。歌詞や彼らの境遇的には悲しい出来事なんですけど、それを歌える明るさというのは素敵だなと思うし曲自体もカワイイし、大好きです。」

米原さん「お話を見ていると、僕、”先がながくない”らしくて…この物語で不幸なの俺だけじゃん!と思って。でもそれも楽しく笑って元気に暮らすというか、パワーに変えてネガティブにならずに生きて行くって凄くたくましいなと思って。そのたくましさは僕も見習いたいなというのもあります。僕等3人孤児窃盗団っていうんですけど、その歌のシーンが一番の見せ場なのでそこは是非楽しんで終わった後に沢山拍手してくれたら嬉しいです。」

校條さん「僕の役所は真っ直ぐな人物なんですけど、目指している所が治めている区の為に良くしなきゃという考えがあって、類とロボットの共存を目指して行くとなると、(有害なロボットを)僕の考えの中では排除しなくちゃいけないという所でぶつかったりはするんですけど、本質的には凄く良い奴です。」

浅川さん「この作品は全体を通して笑い所が多いイメージです。演じているこちらは凄く楽しいので、その楽しさをお客様に伝えられたら良いなというのを思います。」

浅川さん「一番の違いとしてはジップの出生だったり、彼のバックボーンが絵本ではあまり描かれていない所を、本作ではジップが生まれる所からジップとキャンディが出会って如何なって行くとか細かい裏設定が観れるので、ジップという少年の成長を見る事が出来るというのが、本作の原作絵本との一番の違いなのかなとおもいます。歌がある事によって物語のテンポ感が変わってきて、今回はロボットのお話なので割とSFファンタジーチックな作品なのかな?と思うんですけど、その世界観を歌がある事によって本当に良いバランスで現してくれているなと思うので。にしのさんの原作絵本が素晴らしいと思うので、舞台を見終わった後、もう一回絵本を読み直したいなと思って頂ける様な作品に出来たら良いなと思っています。」

ダブル主演という事で、お互いの役に向き合いますがいかがでしょうか。

秋山さん「私は単純にキャンディをやっている時に浅川さんが結構、男前なんですよ。エスコートをしてくれたり何かカッコいいんですよ。自分のやっている梨奈ちゃんというよりかは、いちいちときめいています。」

浅川さん「私は本当に秋山さんの演じるジップとキャンディで色々な事を学ばせて貰っていて間の取り方、場所の取り方、台詞の言い回しも「こういう言い方があったんだ…」って教えてもらってますし、秋山さんの稽古の居方というのが、誰よりも頑張っている姿を見せてくれるので、私も頑張らなきゃと思わされるので、本当に今回ご一緒出来て良かったなと思うので、「いっしょの役だから……」というのは無いですね。」

秋山さん「私達、人間的にも多分全然違う種類なんですよ。なので、お互いを思わない。」

浅川さん「なので、本当に周りが大変だと思う。」

米原さん「浅川さんと秋山さん、それぞれだとこちらの演技も何か変わりますよね。秋山ちゃんのキャンディは目茶苦茶可憐な感じで、浅川さんのキャンディは本当に端正な感じで、二人共、全然違うのがやり取りしていて面白くて、こちらも新鮮で楽しいです。」

公演開幕まで後ほんの少し。絵本から飛び出したジップとキャンディの物語に目が離せません。

【音楽劇「Zip & Candy」公演概要】

公式サイトはこちら

<公演期間>
2019年7月4日(木)〜14日(日)

<会場>
俳優座劇場

<公演時間>
約2時間超(途中休憩無し)

<料金>
P席:9,800円※1階席1列~6列・非売品プレミアムお土産付
S席:7,800円※1階席7列~14列
(全席指定・税込)

<出演者>
ジップ:浅川梨奈/秋山ゆずき(W主演)
キャンディ:浅川梨奈/秋山ゆずき(W主演)

レフト:足立英昭
ライト:加藤凛太郎
ステイ区長:校條拳太朗
ヒア:内海啓貴
ママボ:平田りえ
トリマキー:岩城滉太
ビン:米原幸佑
カン:西田薫子
ボトル:中村翼
カムバック:古畑恵介
ジアース:反橋宗一郎
スカイ:中江早紀
オーシャン:田中孝宗(劇団俳優座)
コケル:あまりかなり
クイックル:松村泰一郎
スライス:後藤紗亜弥

カレルヤ博士:緒月遠麻

サンドウィッチ博士:星田英利

<STAFF>
原作:にしのあきひろ
脚本・演出:なるせゆうせい
主催:音楽劇『 Zip & Candy 』製作委員会

©音楽劇『 Zip & Candy 』製作委員会

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