ブロードウェイミュージカル『PIPPIN』いよいよ開幕
1972年10月ブロードウェイのインペリアル・シアターで初演がなされ、人気作曲家スティーヴン・シュワルツが作詞作曲を手掛け、鬼才ボブ・フォッシー(ミュージカル『シカゴ』、映画版「キャバレー」)による演出と振付でその年のトニー賞5部門を受賞。
2013年には新演出でブロードウェイに帰還し、同年のトニー賞でミュージカル部門・最優秀リバイバル作品賞を含む4部門を受賞した名作中の名作ミュージカル『PIPPIN』。
新演出版では、本作で見事トニー賞最優秀演出賞を獲得したダイアン・パウルスの斬新な手腕が大絶賛を浴びました。
注目はボブ・フォッシーのスタイルを踏襲した刺激的なダンスと、シルク・ドゥ・ソレイユ出身のアーティストが手掛けたスリリングなサーカスアクロバット。この二つが『ピピン』の物語と見事に融合し、これまでに誰も観たことのない、新しいミュージカルエンターテインメントが誕生したのです。
2015年9月の来日公演も記憶に新しいミュージカル『ピピン』の日本語版プロジェクトがついに始動します。
新演出版を手がけたダイアン・パウエル自ら日本語版を演出し、本場のクリエイティブ・チームも再集結。ブロードウェイで感動を与えた公演の世界観そのままに、出演者のみ日本人となる貴重な公演となります。
ダイアン自身が主役のピピン役に選んだ城田優、そしてミュージカル初出演となるCrystal Kay、更に今井清隆、霧矢大夢、宮澤エマ、岡田亮輔、中尾ミエ/前田美波里(Wキャスト)といった実力派俳優陣が出演し、迫力ある歌・ダンス・アクロバットの華やかさに彩られながら、1人の青年が大人へ成長していく心揺さぶる物語が繰り広げられます。
2019年2月27日(水)の製作発表から約3ヶ月半、いよいよミュージカル『ピピン』日本語版が開幕します。
初日の公演に先立ち、2019年6月9日(日)、東京都渋谷区の東急シアターオーブにて囲み取材と公開ゲネプロが行われました。
【囲み取材の様子】
登壇したのは、ピピン役の城田優さんとリーディング・プレイヤー役のCrystal Kay(クリスタル・ケイ)さんの2名。
冒頭、城田さんからこんなコメントが。
城田さん「何時もミュージカルの時には僕は「これは自分に凄いプレッシャーで…」とか同じ様な事を色々言っているんですけど、断言しますし前言撤回しません。これが多分、城田優のミュージカル史上一番難易度が高くチャレンジングであり、スリリングであり、誰が観ても凄い!と目で見て分かる作品で、コレ以上は多分今後僕が演じる役としては絶対に無いと言い切れます。男に二言は有りません。兎に角、観れば分かる。宣伝文句の様になってしまうんですけど、例えば公演時間が約2時間半の場合、休憩時間を除いた2時間10分が実上演時間だとしたら僕は2時間5分位出ています。Crystal Kayや他の出演者が歌っている所以外、ずっと出ていて休憩中も第2幕の準備をしているから本当に休憩が無いんです。(囲み取材開始前に)一回通しリハーサルをやって終わって一度楽屋に戻って、またこの囲み取材の準備をして来て。そしてこの後また一度戻ってゲネプロなので、「これはヤバイな…」と思ったら溜息が出ました。」
と尋常ではない本作のハードぶりを語る城田さん。
そういう意味では凄く努力をされたのでしょうか。
城田さん「僕もそうですけど彼女(Crystal Kay)も相当凄い努力をしていますよ。彼女は初ミュージカルなんですけど、初のミュージカルでこの大役は本当に凄い事です。やっている事が本当にえげつないというかお芝居のクオリティや求められる事も凄く難しいし、歌も凄く難しい。トニー賞を取った世界的に権威のあるブロードウェイのスーパースターがやっている、またはそれ以上のレベルを我々はブロードウェイからの来日スタッフチームに求められていて
彼女はそれをちゃんと見事に超えて来ていると僕は思うし、アクロバットに関しても僕だけじゃなく彼女も冒頭から凄い「わぁっ~!」っと、絶対に成る事をしているから・・・ね。このミュージカルの稽古で何に一番時間を使ったかと言ったら、アクロバットという。色んな事をやるんですけど、開始ド頭から皆さんをびっくりさせるようなちょっとしたアクロバットなんですけどその後は「バク宙」とか。ちなみに歌いながらです。話し始めたらキリが無いんですけど、端折ると「extraordinary」、日本語で「ズバ抜けた・特別な」という、僕は凄い人間なんだという事を歌うナンバーなんですが、僕は普通の生活には馴染めないんだというナンバーの中でほぼほぼなアクロバットをやっているんですね。だからそんなことをやっちゃいかんのですよ。(笑)実際、どの公演もそうですけど、100%成功するかどうかなんてのは実際にやってみないと分からない。その時の空気もあるし、其処も含めてお客さんには楽しんで頂くのがこの演出の意図なんだというは、来日されたダイアンさん(ダイアン・パウルス)から僕等が頂いた言葉なんですけど、実際僕だけじゃなく、世界中のトップのアクロバット「シルク・ドゥ・ソレイユ」とかで大活躍している様な人達が来ていて、本当に誰が観ても絶対に楽しめない訳が無い作品で、彼女の台詞で「観たら一生忘れられないフィナーレをお目にかけましょう」というのは本当にその通りで絶対に見た事無いと思うし、僕は自分の出演作品をこんなに興奮して喋る事はないんですね。お客さんとしてはこれ程楽しい物は本当に無いと思います。何にも予備知識とか勉強しなくて良いし、難しい事は一切考えないで座って観ていれば目の前でドンドン感動に感動が感動を重ね、最終的に何で泣いているのか分からない位になっちゃうと思う。」
Crystal Kayさん「私も何の感情なのかが分からないです。兎に角、観ている方も自分も参加している様な気分になっちゃって。なんか喜び・感動が全部「ガッッ!」ってなって、其処が多分観てる人も皆一緒だと思うんですよ。共有するというか。」
城田さん「一体化するというか、僕等も演じているんですけど、”お客さん側の感情も持っている”というか。観れば分かります。」
二人共、泣いたという事ですか。
城田さん「僕は毎回泣いています。それは勿論、お芝居としてではありますけど、個人的な城田優としても泣いていると思う。此れは観て貰わないとその理由は分からないと思うし、幾ら口で言っても薄っぺらくなっちゃって。内容を言うのは簡単なんですけど。」
城田さん「このミュージカルの”ジャンルは「ピピン」”なんですけど、ミュージカルという枠を超えていてこれは二度と出来ないと僕は思っています。彼女はまた出来ると僕は思うし、確信しているしやってほしい。ただ正直、僕は次に再演があったとしても、年齢的にも役柄的にもマッチした今しか出来ない役なので、万が一、次に城田優がバァンッ!と発表されたら、皆さんで「総ツッコミ」して下さい。断言しますが今回しかやれないと思っているし、やらないと決めている位「賭けている」ので是非これを逃したら無いと思うし、僕が出ている出ていないとか関係なく普通に見て欲しい。こんな素晴らしいショーを日本で上演出来る事を僕は誇りに思うし、絶対に直ぐにはもう一度やりましょうって出来るメンバーでは無いし。」
Crystal Kayさん「一回だけでは無く何回も楽しめる所ですね。ストーリーを分かっていて出演しているのに毎回新しい発見があって(あっ凄い!とか楽しんでいると気付いたら)出番だ……みたいな。」
城田さん「本当に物語の頭から魔法の世界に入っちゃったみたいな事って、こんなに胸を張って言える作品って滅多に無い。でも其処に立つのは本当に怖い。」
Crystal Kayさんは初ミュージカルだが、ハードルは高く感じましたか。
Crystal Kayさん「めっちゃ高いっす。メッッッチャ高いですよ。しかも最初普通にメールで来ましたから。「一緒にブロードウェイやらない?」って。」
城田さんの方から誘ったのでしょうか。
城田さん「そうです。リーディング・プレイヤーという素晴らしい役を誰に演じて頂こうかという所で、やっぱり中々出て来なかったんですよね。そんな中、やっぱり彼女が相応しいじゃないかという事で僕等は10年来の友達だったので「クリ、今度こういう作品やるんだけど如何?」と言ったら「えっ、それ私ブロードウェイで観た事ある」って。
Crystal Kayさん「偶々観ていたんです。そして終演後、劇場の外で待っていたら「写真撮って下さい」とオリジナルキャストのパティーナ・ミラーさんと間違えられて。」
城田さん「そして、実際にその役をやる事になるという運命的な事なんです。ホントに彼女は素晴らしいミュージカルデビューなので。やっぱりデビュー作って”一回しかない”から、彼女のデビューとしても見て貰いたいし単純にこんなに魔法に掛かった時間というのは日本でも本当に中々見れないので、是非是非観に来て頂いて僕の言っている言葉が本当かどうか確かめて下さい。」
【公開ゲネプロの様子】
旅芸人一座のショーが、今まさに始まろうとしている―。
カリスマ的なリーディングプレーヤーが登場し、観客を大いに魅了する。
人生という壮大な旅物語、ミステリアスな陰謀、心温まる笑いとロマンス、そして奇想天外なイリュージョン!永遠に忘れられないドラマが幕を開ける。
一座が披露するのは、若き王子ピピンの物語。大学で学問を修めたピピンは、人生の大いなる目的を模索していた。
広い空のどこかに自分の居場所はあるのかと自問し、輝かしい未来を夢見ていた。
父・チャールズ王が統治する故郷に戻ったピピンだが義母ファストラーダや貴族、廷臣ら取り巻きに邪魔され父親となかなか触れあえない。戦を控えたチャールズは、ファストラーダとの間に生まれたルイスら、兵士たちの戦意を奮い立たせていた。
父に認めてもらいたいピピンは、戦への同行を志願する。しかし、ピピンは戦の空虚さに気付き、もっと別の<特別な何か>(=Extraordinary)を求めて旅に出る。王子として生まれ、
富も教養も手に入れたピピンが持たぬものとは何か…。人生に迷い、答えを求めて祖母バーサを訪ねたピピン。
バーサは「悩んでばかりで大切な時間を無駄にせず、人生を楽しみなさい」と孫息子を優しく諭す。
祖母の自由な生き方に感化されて旅を続けるピピンは、さまざまな愛のかたちを知るが、やがて心を伴わない愛は無意味だと悟る。
リーディングプレーヤーがピピンに、父が国で暴政をしていると告げると、ピピンは帰国して革命を企てる。
ファストラーダはチャールズ王とピピンのいざこざを利用して実息ルイスを王座につけようと画策するが、ピピンは父チャールズを暗殺、華々しく王位を次ぐ。専制君主的だった父と違い、民の為に尽くそうとするピピン。
だが全てが想い通りに進まず、自分が犯した大きな過ちに気付く。リーディングプレイヤーに
「人生をやり直す」ことを懇願すると、不思議な力で父チャールズが蘇り、再び王座に就く。リーディングプレイヤーは自己嫌悪に陥るピピンを励ますが、出口のみつからない旅に疲れ果てた彼は倒れ込んでしまう。
そんなピピンを助けたのは未亡人のキャサリンだった。
幼い息子テオを育て亡夫が遺した農場を切盛りする彼女は、ピピンに手伝いを頼む。
家事や家畜の世話、畑仕事に明け暮れる単調な生活は自分に合わないと語るピピンだがテオとのふれあいをきっかけに気力を取り戻し、またキャサリンの優しさに想いを寄せ始める。
素朴で平穏な日々に心癒されながらも、ピピンはかつて求めた<特別な何か>への渇望に駆られキャサリンとテオの元を去ることに。
リーディングプレイヤーと一座のメンバーは、ピピンの旅路に相応しいグランドフィナーレをお膳立てし彼はついに「特別な人生」を手に入れようとする。熱狂に沸くショーのクライマックスでピピンの目に映ったものとは……
ピピンを演じる城田優さんを始めとして後述の通り、出演者が命がけで演技を行う本作。
全てのパフォーマンスにおいて命綱、セーフティワイヤーの類を使用せず思わず客席から悲鳴に近い歓声が上がる程の本物のサーカス団顔負けのスゴ技を繰り広げます。
勿論、此れがミュージカルデビューとは到底思えない程のCrystal Kayさん演じるリーディング・プレイヤーのR&B仕込の歌唱は一聴の価値ありです。
第一幕と第二幕の間の休憩時間には劇場内では通路を使ってサーカスの一団が挨拶に来る事も。
ゲネプロのカーテンコールにおいて、
城田さんは「観て頂いたモノが全てです。東京では25回公演があるんですけどこんなに素晴らしいショーを是非、共有したいって出演者全員が思っているんですけど、どうですか?全キャスト、そして裏のスタッフを含め、命がけで頑張っています。是非是非、凄いなとか面白かったなと思ったら、『ピピン』という作品を一人でも多くの人に届けて頂きたいと思います。」
と座長として本作を全力で届ける挨拶をされました。
城田優史上、最高傑作が幕を開けます。
【ブロードウェイミュージカル『ピピン』日本語版公演概要】
公式サイトはこちら
<公演期間>
東京公演:2019年6月10日(月)~6月30日(日)
名古屋公演:2019年7月6日(土)・7日(日)
大阪公演:2019年7月12日(金)~7月15日(月・祝)
静岡公演:2019年7月20日(土)・21日(日)
<会場>
東京:東急シアターオーブ
名古屋:愛知芸術劇場大ホール
大阪:オリックス劇場
静岡:静岡市清水文化会館マリナート大ホール
<公演時間>
約2時間35分(20分間の途中休憩を含む)
<料金>
東京:P席15,000円S席13,000円A席11,000円B席9,000円
※P席は1列目~10列目以内の座席保証&オフィシャルグッズ(非売品)付です。
名古屋:S席13,500円A席10,500円B席7,500円
大阪
平日:S席12,500円A席8,500円B席6,500円
土日祝:S席13,500円A席9,500円B席7,500円
静岡:S席13,000円A席10,000円B席8,500円
(全席指定・税込)
※未就学児童入場不可
<出演者>
ピピン:城田優
リーディング・プレイヤー:Crystal Kay
チャールズ:今井清隆
ファストラーダ:霧矢大夢
キャサリン:宮澤エマ
ルイス:岡田亮輔
バーサ:中尾ミエ/前田美波里(Wキャスト)
テオ:河井慈杏/日暮誠志朗(Wキャスト)
神谷直樹
坂元宏旬
田極翼
茶谷健太
常住富大
石井亜早実
永石千尋
妃白ゆあ
伯鞘麗名
長谷川愛実
増井紬
他
<STAFF>
脚本:ロジャー・O・ハーソン
作詞・作曲:スティーヴン・シュワルツ
演出:ダイアン・パウルス
振付:チェット・ウォーカー
サーカス・クリエーション:ジプシー・スナイダー
※上記はブロードウェイオリジナルスタッフであり、来日スタッフとは異なります。
東京公演主催:フジテレビジョン/キョードー東京/ワタナベエンターテインメント
協賛:ピエトロ/SUBARU
オフィシャルエアライン:デルタ航空
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