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スラバのスノーショー今夏開幕!

シルク・ドゥ・ソレイユの名作「アレグリア」の一場面を制作した、世界最高峰の道化師スラバ・ポルニン。

1950年にロシアのノヴォシリという地方の小さな町で生まれた彼は、チャップリンやキートンといったコメディアンに憧れて育ち17歳のときにサンクトペテルブルクに移ってパントマイムの修行を積み、80年代にはストリートを舞台にさまざまな芸術活動を企画・制作。
その後、94 〜 96年には、「シルク・ドゥ・ソレイユ」に参加。「アレグリア」の一場面を演出し、世界的な名声を得ます。
2013年には、サンクトペテルブルグの国立サーカスの芸術監督にも就任。名実ともに道化師界の巨匠であり、ロシアを代表するトップクリエーターの一人であるスラバ・ポルニンが1993年に企画したのが「スラバのスノーショー」。
スラバ・ポルニン本人が創作・演出する体感型のファンタジーショーで、1993年の初演以降、
25年間でローレンス・オリヴィエ賞など世界9カ国で20以上の国際演劇賞を受賞し、世界35カ国以上で現在までに700万人以上を動員している大ヒット作。この作品に出演するのはクラウンのみで、台詞はただの一言もありません。
動きと表情だけで人間の喜怒哀楽を表現していくクラウンたちが観客を巻き込んだ掛け合いを展開したり、蜘蛛の巣に見立てた糸や雪に見立てた紙吹雪が客席を覆い尽くしたりといった舞台と客席を一体化させた演出が国や言葉を問わず世界各国で絶賛されています。

そして2019年7月、2014年、2016年に続き3度目となるスラバのスノーショーが大阪・東京で公演されます。
7月からの公演に先駆け、2019年4月3日(水)、東京都新宿区の吉本興業東京本部にて取材会が行われました。

【取材会の様子】

旧新宿区四谷第五小学校である、吉本興業東京本部の一室で行われた取材会。

早速本日の主役であり、本編の演出・創作を務めるスラバ・ポルニンさんと息子のヴァーニャ・ポルニンさんが入室。先ずフォトセッション……と行きたい所なのですが、自由かつ此方が全く予想出来ない行動をする二人。

取材陣もあたふたしながら絵になるポーズを、と撮影しますが気ままなクラウン二人は全く静止してくれません。

椅子が登場し、ようやく落ち着くスラバさん。

Q:3年ぶり3回目の公演になるが、日本公演への思いは?


スラバさん「私達にとって日本は全く別の”惑星”ですし、魔法の国です。私が何時も日本を訪問させて頂く時には、「不思議の国のアリス」になったような気持ちで訪れていて、何時も色々な事にビックリして、今回、日本行きをとても楽しみにしていたんですけど、出発する時には地図を見て何処で桜を見ようかなとワクワクしていて、いざ日本に来たらあらゆる桜のある庭園を昼も夜も歩き回っていたわけですけども、僕達にとって日本はどういう所かというと、「桜の園」とおんなじです。日本は春のイメージなので、その日本で公演が出来る事を大変嬉しく思います。日本人の方達は素晴らしい才能を持っていて、大変繊細で細かい所まで完璧なお仕事をされていて、モノづくりにしても大変細かい仕事をされている事に学ばせて頂いてます。私共は「クラウニング」という芸術をさせて頂いているんですけども、一般にクラウニングと言いますと、
グロテスクであったり、芸が大きくてダイナミックあるという所に歴史的にも注目されて来たと
思うんですけども、特に日本の繊細な芸術が長けているこの国において、私も学んでいた事なんですけども、例えばクラウニングでも一つの目の動きでお客様を感動させるですとか、一つの動きで空気を変える等、そういった事も私達はこの繊細な国で心がけてやっていきたいなと思っています。私たちはフランスのパリ郊外に「ムーラン・ジョーン」というアトリエ施設があるんですけども、少し暖かい季節になりましたら「ムーラン・ジョーン」での次のお祭りは400人の花嫁と400人の花婿を結びつける盛大な結婚式を行おうと思っています。」

Q:3年ぶりの公演でパワーアップしている所は?

「私たちの公演と他との大きな違いは事前にあらすじを教えません。事前に何も見せないでお客さんがそれを楽しみにして現場でワッと驚いてお祭りの雰囲気に巻き込まれるような、そういった舞台を心掛けています。公演というのは一つの口実に過ぎなくて、お客さんが足を運んで下さって、お客さんと出会って、お客さんと共に祝祭を一緒に作りたいと思っています。モスクワでは25年位、この公演をやっているわけなんですけどもこの25年の間でもリピーターの方が大変多くいらっしゃっていて、殆どがリピーターの方です。何度も何度もこの祝祭の楽しい雰囲気をまた味わいたいという事で何度も何度も毎年、何十年も足を運んでいらっしゃっています。出演者のクラウン達は子供と同じです。自分達が意識をして何かを演じているという事ではなくて、
まったく5歳児と同じ様ように純粋にお祭りを楽しんでいるという生き物です。毎日毎日、色々な新しいハプニングを楽しみに、それを喜んで、驚き、そして感動するという存在なので日本のお客様に会うのをとても楽しみにしていますし、日本のお客様が彼等に会った時に喜んで下さってまた、彼等も喜ぶという、そういう場が無いと彼等はつまらなくなって退屈をしてしまうので
彼等は日本のお客様が本当に大好きですし、とてもそれを楽しみにしています。」

Q:ヴァーニャさんの帽子と足の造形がクラウンそのものだが、どうしてこの様な形に?

「クラウンは”鼻”が付いている時は話せないのですが、仰る通り、あれは足と耳です。「何て言ってるの?何て言ってるの?」と、聞いている内に耳が大きくなっちゃった。「もっと遠くへ行きたい!もっと遠くへ行歩きたい!」と思っている内に足が伸びました。」

Q:クラウンは一体何人いるのか?

「何時も舞台でクラウンの人数を数えるんですけども、なんか増えたり減ったりして僕等も良く分からないんです。色々な国で公演をしている時にその公演の舞台に出ているクラウンの数がドンドンと増えていっちゃうんですね。5人で始めた公演の筈なのに、ツアーが終わる頃には15人に。色んな友人達が次々とクラウンになって、日本人がイタリアに行ってクラウンになったり。私達の子供のクラウンもいるんですね。ちょっと大きくなると直ぐ舞台に出しています。音響さんや照明さんのテクニカルスタッフもクラウンになったりします。ステージと観客の垣根が無いという舞台なので、色々な人が巻き込まれてクラウンになって行くという事ですので、報道の皆さん、是非、順番にクラウンになりたいという日を教えてください(笑)。ですが、ヴァーニャの様に大きな耳を付けた時、お客さんは人間だとはもう思ってくれませんから別の扱いになります。」

Q:独特な演出の発想は何処から出てくるのか?

「自分が70歳ぐらいだったと思うんですけど、僕は今でも精神年齢が6歳でオモチャが大好きなんですね。劇場は自分の遊び場だと思っていますから、1000人のお客さんと一緒になって色んなおもちゃで遊ぶ。僕等には一つ秘密があって、何処に行くにも決まった枕を持ち歩いて世界中を旅行しているんですね。その枕を持って眠ると夢に宝物のようなアイディアが生まれてくる魔法の枕なんですけど、その枕はフェデリコ・フェリーニがプレゼントしてくれたんです。フェリーニの出身のイタリアの町で、今年フェリーニ生誕100周年記念なのでそこでお祭りをしようと思っています。」

Q:過去にどんなセレブが公演を鑑賞されたのか?

「日本には、日本のフェデリコ・フェリーニと言っても良い存在のアニメーション監督、宮崎駿さんがいますよね。宮崎さんはファンタジーの世界で突出した存在思っています。私はあるプロジェクトで「世界アホアカデミー」の総裁を務めておりまして、世界中のファンタジーのクリエイターの方達を自分達の「アホアカデミー」にご招待させていただいてます。映画監督のテリー・ギリアムとは仲良くさせて頂いています。「アホアカデミー」の公演にも来て下さいましたし、一緒にプロジェクトをやっています。「トッツィー」に出演したダスティン・ホフマンもスノーショーを見に来られて、終演後楽屋に来られ、「僕が後10年若かったら自分のキャリアを全部捨ててこのショーのメンバーになったのに!」と言ってました。」

Q:日本文化が好きとの事だが、最近の日本のカルチャーで気になる物は?

「私が一番好きなものの一つは、宮崎駿さんと暗黒舞踏、草間彌生さんです。スノーショーのクラウンの動きは実は歌舞伎に学んだという経緯がありまして、歌舞伎も決して忘れてはいけないもので私の書斎の一角は全部歌舞伎のコーナーになっている位、歌舞伎の勉強をしています。またスノーショーでの雪の落ちて行く感じやその速度等も歌舞伎に学ばせてもらっています。スラバが子供の時に見ていた、雪深く、家の高さよりも雪がどんどんと積もっていくという、その子供の時に見ていた風景と歌舞伎で再現される景色とが非常にオーバーラップしているという事で歌舞伎は本当に私の演出に影響を与えている日本の文化だと思います。実はスノーショーについての本が有ります。ロシア語版と英語版がありまして、スノーショーはどうして生まれたのかとか、スラバの舞台に関する哲学や演劇に関する考え方が書いてあります。文章とイラストが一緒に載っています。


この写真は「ムーラン・ジョーン」の庭園の中の池なんですけど、4ヘクタールの敷地の中でスラバが頭の中で「これは面白い」というアイディアが出た時にこのアトリエで野外劇場として実験的に一度お祭りをやります。そこで上手くいったらそれを世界中へ発信するという手法をとっています。「ムーラン・ジョーン」はアトリエなんですけども、「アホアカデミー」の拠点でもあり、毎日が祝祭だという事で毎日お祭りをやっています。」

そして最後に中庭にて記念撮影。
クラウン二人の自由気ままさに7月からの本公演を予感せずにはいられませんでした。

【「SLAVA’S SNOWSHOW スラバのスノーショー」公演概要】

公式サイトはこちら

<公演期間>
大阪公演:2019年7月19日(金)~8月7日(水)
東京公演:2019年8月10日(土)~8月25日(日)

<会場>
大阪:COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
東京:シアター1010

<公演時間>
未定

<料金>
大阪:SS席(タオル付き)10,000円S席8,500円
東京:SS席(タオル付き)10,000円S席8,500円(1階席)A席6,500円(2階席)
(全席指定・税込/当日・前売共)
※SS席は10列目以内保証・タオル付(非売品)チケットとなります。
※この作品は推奨年齢が8歳以上になります。
※おひとり様1枚ずつチケットが必要です。膝上での観覧不可。
※出演者が変更になる可能性がございます。

<出演者>
未定

<STAFF>
創作・演出:スラバ・ポルニン
大阪公演主催:吉本興業
東京公演主催:吉本興業/キョードーファクトリー
東京公演共催:足立区シアター1010指定管理者
企画・招聘・制作:よしもとクリエイティブ・エージェンシー

Photo by V.Mishukov

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