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ミュージカル「オペラ座の怪人〜ケン・ヒル版〜」製作発表記者会見開催!

<ロンドン・フリンジの鬼才>と呼ばれた劇作・演出家、ケン・ヒル(1937〜95)。
彼が生んだ大ヒット・ミュージカル『オペラ座の怪人』(76年初演)は、84年の改訂を経て母国イギリスをはじめ、アメリカ、カナダなどで上演され、91年のロンドン凱旋公演ではオリヴィエ賞最優秀ミュージカル作品賞/演出賞にノミネート。

ガストン・ルルーの原作小説、オペラ座の怪人を最も忠実に再現したミュージカル作品として、日本では92年から2013年の間、5度にわたり来日公演が行われ、25万人以上を動員しています。

『オペラ座の怪人』といえば、2004年に映画化もされたサー・アンドリュー・ロイド=ウェバーのバージョンが有名。
実はこの「ケン・ヒル版」、ロイド=ウェバーが同作を手掛ける原点となった舞台としても知られていて、84年にケン・ヒル版の評判を聞きつけてロンドン公演を観たロイド=ウェバーと製作者サー・キャメロン・マッキントッシュは、ヒルにアプローチ。

実際に新たな『オペラ座の怪人』創作に向けたコラボレーションが動き出すところまで話しは進んだといいます。
(その後、ロイド=ウェバーは自らの作曲でオリジナル版を手掛けることになり、2年後の86年にロンドンで初演を迎えました。)

そのミュージカル『オペラ座の怪人〜ケン・ヒル版〜』が2013年12月以来、5年ぶり、6度目の来日公演を果たします。
ガストン・ルルーの小説、オペラ座の怪人の初のミュージカル化として、アンドリュー・ロイド=ウェバー版に先立つ1976年に初演された本作は、改訂を経た84年以降、世界各地の『オペラ座』ファンを魅了し続けてきたミュージカル・ドラマです。
ビゼー、ドヴォルザーク、グノーらの珠玉のアリアを劇中にちりばめ、ケン・ヒル書き下ろしの歌詞に乗せて紡がれるストーリー。ユーモアさえ感じさせる巧みな人間描写も見どころとなり、<愛するが故の悲劇>が色鮮やかに描かれます。

主人公、怪人ファントムを演じるのは英国サウスウェールズ・バリーポート出身の実力派ミュージカル俳優、ジョン・オーウェン=ジョーンズ。ウエストエンドのアンドリュー・ロイド=ウェバー版オペラ座の怪人でファントム役を演じ、これまでに約2000公演に出演。ウエストエンド史上、最多出演数を誇り、2014年のコンサートでの来日以降、圧倒的な歌唱力で聴衆を魅了し、今回の公演が待望の来日ミュージカル初主演となります。

2018年8月29日からの公演に先立ち、製作発表記者会見が東京都港区のテレビ東京本社第一スタジオにて行われました。

製作発表記者会見の模様

製作発表に登壇されたのは、ファントムを演じる、ジョン・オーウェン=ジョーンズさん、本作品のオフィシャル応援サポーターに就任された俳優の別所哲也さん、元宝塚歌劇団で女優の遼河はるひさんの3名。

まず、ジョンさんと会ってみて、どんな印象か?と別所さんへの問いに「僕は非常に緊張していたんですけども、ジョンさんの方から解してくれる様な、大変、大らかで優しいオーラをお持ちで。僕にとっては「レ・ミゼラブル」という作品がありまして、その中のジャン・ヴァルジャン役を日本語版として私はやらさせて頂いたんですけども、ジョンさん自身もジャン・ヴァルジャンを演じられているという事もありまして、そこは共通な部分でもあるんですけども、尊敬をする部分でもあり、オペラ座の怪人は2000回もの公演をお客さんの前に立ってやってらっしゃった、その芸術の舞台が日本で見られるという事で、本当に特別な特別な公演になるなと僕は思っております。オペラ座の怪人は、アンドリュー・ロイド=ウェバー版の美しいメロディ、恋物語という部分で御覧になる方も多いと思うんですが、僕は実はこの「ケン・ヒル版」の素晴らしさを演劇的にジョンさんが、どうアプローチをされて、オペラの非常に難しい楽曲にどの様なアプローチを俳優としてされるのか、僕も舞台俳優としてミュージカルのステージに立つ立場にあるので、非常にその部分で勉強出来る所を沢山盗ませて頂ければなと思っております。」と期待と尊敬を込めたお答え。

遼河さんは「中学生の頃に、まだ宝塚を見る前ですね。劇団四季のオペラ座の怪人を観て本当に虜になりまして、かれこれ十数回観ているんですが、昨年12月にやっと、本場ロンドンでオペラ座の怪人を観る事が出来て。そして宝塚では、「アーサー・コピット版」をやりまして、それに出演しまして、また、ロイド=ウェバー版とは違う感じの作品ではあるんですが、もう残すは「ケン・ヒル版」という感じで。本当に8月からの上演を凄く楽しみにしています。」とグランドスラムを目指している様子です。

2000回も演じられているファントムへの思い入れは?との問いに「オペラ座の怪人は私自身も非常に若い頃に観たんです。私も是非、ファントム役をやってみたいと思っていました。ミュージカル俳優を目指す者にとって本当に「アイコン」とも言える象徴的な役ですよね。その役をやらせて頂いたのは、本当に光栄だと思います。オペラ座の怪人「ケン・ヒル版」をこうして日本で演じられる事を大変光栄に思っています。その理由は、元々アンドリュー・ロイド=ウェバーが本当にインスパイアされてあの大作を作り上げたのが、この「ケン・ヒル版」を観たからなんですね。ですので、私自身もこのファントムという役をまた違った視点から見て、新しい物を作り上げていきたいと思っています。」とジョンさん。

最大の魅力である音楽にオペラの要素が強いが?との質問には「確かに大変にオペラ調なんですが、私はこの作品を役者として取り組んで行きたいと思っています。先ずは役者として、歌を通してこの物語の内容、役柄、そしてこの苦悩をちゃんと伝えていく事が、オペラという声楽の部分を気にするよりも大切な事だとおもっています。」と話されるジョンさんにオペラ調のものをミュージカルにするのは難しいか?との質問が出ると、別所さんが「実際に発声法等も違うと思いますし、音楽家がどうアプローチするかと言う事とまた違う、ジョンさんが演じる演劇人・俳優としてアプローチするという所にこの物語がどう花開いていくのか彩られるのか、大変興味深いなと思っていますし、この作品は、演劇ファン、ミュージカルファン、オペラファン、全ての人が御覧になって納得頂ける素晴らしい作品になると期待しています。」と同じ俳優としてジョンさんへエールを贈られていました。

これから演出と稽古が始まるが、現段階で「ケン・ヒル版」のファントムの他版との違いは発見したか?との問いには「元々の原作は同じですから、物語としてはそれほど変わらないと思います。ですので、演出家やキャストの皆とご一緒して、そこから私自身がこの役をどのようにして解釈していけば良いのかという事を考えていきたいと思います。私が一つ言えるのは、本当にまっさらな気持ちでこの作品に取り組んで行こうと思います。これまでにやっていた、ロイド=ウェバー版で学んだ事を一度忘れて、新たなアプローチとして取り組んでいけたらと思います。」と話すジョンさん。

続いては、いよいよジョンさんの歌唱披露の時間。

(オペラ座の怪人~ケン・ヒル版)より、「高い高いところから」と、製作発表用に特別に(アンドリュー・ロイド=ウェバー版「オペラ座の怪人」)から「The Music of the night」※1が披露されました。

会場を震わせるその歌声に鳴り止まない拍手。別所さんは「もう本当に今感動しています。このまま倒れてしましそうな位。今聞いてらっしゃるお客さんもそうだと思うんですけど、こんなに貴重な、「ケン・ヒル版」の初めてのっていうのが。なんと繊細でファルセットの美しいシルキーボイスと言えばいいでしょうか。美しい世界を魅せて頂きました。ありがとうございます。」

そして遼河さんも「「ケン・ヒル版」の中で歌われる曲は始めて聴いたんですが、本当に“あっ、こういう場面で歌われるんだろうな”とか、ファントムはこういう感情で今、こう歌っているんだろうなと妄想が広がって凄く楽しみなのとジョンさんのあの高音の繊細な歌声に本当にファンになります。」と虜に。

続いて質疑応答へ。

本日登壇の御三方の俳優人生の中でターニングポイントは?との問いにジョンさん「実は私は元々、ウエストエンドで代役として舞台に立っていたんですが、当時、ジャン・ヴァルジャンの本役の方がバイク事故に遭い舞台に立てなくなってしまった時に、代役の私がジャン・ヴァルジャンをやりました。その一回目の公演の時に、たまたま、キャメロン・マッキントッシュが観に来ていまして、そのままその役をいただくことになりました。当時、私はまだ26歳で、本来であれば、ジャン・ヴァルジャンの役をやるには、ちょっと若すぎたと思うんですが、この様なチャンスは二度と無いと思い、両手で掴みに行きまして、そこから今に至ります。」

別所さん「舞台俳優として、とりわけミュージカルで考えてみると、20の時に初めて立ったミュージカル「ファンタスティクス」は、自分がミュージカルなんか出来ると思っていなかった、そのチャンスを与えて下さった時。その次はやっぱり、帝国劇場で「レ・ミゼラブル」で、ジャン・ヴァルジャンという役をオーディションで頂いた時。この役柄をやらせて頂くというのは、やっぱり自分の中で演劇人として非常に学ぶ所が沢山有りましたし、大きな劇場で目の前にいるオーケストラと、どの様にハーモニーを奏でるのか、物語を作るのかという事を本当に体験できる素晴らしいターニングポイントになったと思います。

遼河さん「私もミュージカル・舞台俳優という中では、宝塚歌劇団の二年目の時、「ウエスト・サイド・ストーリー」が宝塚で上演される事になって、本場のブロードウェイから演出家や振付の皆さんが来られて、宝塚では珍しいのですが、オーディションを全員でするという形になって、私はまだ2年目だったのですが、ジェット団に選んで頂いて、ジェット団のナンバーを全て踊る事になって、本当に最下級生で必死に私も掴みに行って踊る事が出来たんですが、やっぱり若かったのでがむしゃらにやって、良かった点、悪かった点色々あるんですが、その時は本当に世界的に有名なこの曲と本場の振付を出来た事が凄く嬉しくて今でもそれが凄く思い出に残っています。」

次はジョンさんへの質問で、自身にとって怪人ファントムとはどのような存在か?「ファントムという役は、役者にとっては演じていて非常に興味深い役だと思います。というのは、彼には本当に黒い部分が有り、二面性を持っている部分が有ります。人を愛する部分、そして憎む部分というのが有り、通常の所謂悪役という物とは違いまして、もっと人間味に溢れたそういう所を演じるという所が非常に難しかったですし、面白かったと思います。」

製作発表後に行われた囲み取材で、ジョンさんに本公演の来日時に何をしたいかと問われ、「シアターオーブに来たら先ずは、“マリオカート”を経験したいです。多分、世界中で日本だけのアクティビティだと思います。楽しみにしています。オペラ座の怪人がとても特別でユニークな体験の様に、日本でしか得られない特別な体験だと思います。ですので、来場される皆さんは昼公演を見て頂き、マリオカートを楽しんでまた夜公演を見て頂きたいと思います。」と爆走する気満々の様子。

最後に来場者へのメッセージとして別所さん「エンターテイメントシティと呼ばれている渋谷の街で、シアターオーブは僕も憧れの場所なんですけども、実はこの公演の後、僕は「マイ・フェアレディ」という作品が控えていまして、その舞台の素晴らしい魔法、ミラクルがジョンさん演じるオペラ座の怪人「ケン・ヒル版」で僕は観客として体感させて頂いて、そして皆さんと共にこのオペラ座の怪人が持っている素晴らしい魔法に一緒に酔い痴れたいなと思っていますので、是非、足を運んでいただければなと思っています。オペラ座もそうですけど、正に劇場が持っている、シアターオーブが持っている魔法・力があると思うので、是非お越しください。」

遼河さん「楽しみなのは楽しみなんですが、ジョンさんの生の歌を聴いて本当に当日、劇場に足を運ぶのが楽しみになりました。一人でも多くの方に来て頂けたら嬉しいです。」

ジョンさん「日本の皆様のサポート、本当に御礼申し上げます。オペラ座の怪人のチケットを全て買って下さってありがとうございますと言える事を願っております。世界中でオペラ座の怪人は、色々な所で成功して参りましたが、「ケン・ヒル版」のオペラ座の怪人が一番、素晴らしい経験になる事を御約束致します。」と話されました。

※1:ケン・ヒル版では、歌唱されない楽曲

【公演概要】

公式ホームページはこちら

<公演期間>
2018年8月29日(水)~9月9日(日)

<会場>
東急シアターオーブ

<公演時間>
約2時間30分(20分間の途中休憩を含む)

<料金>
S席11,800円A席8,800円B席6,800円(全席指定・税込)

※未就学児入場不可

<出演者>
ファントム:ジョン・オーウェン=ジョーンズ

<STAFF>
原作:ガストン・ルルー(『オペラ座の怪人より』)
脚本・歌詞:ケン・ヒル
主催:キョードー東京/テレビ東京/読売新聞社
招聘・制作:キョードー東京

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