劇団四季、ミュージカル『マンマ・ミーア！』リターン公演実施中！

劇団四季では9月2日（火）より、四季劇場［秋］(東京・浜松町)にて、ミュージカル『マンマ・ミーア！』を上演中。

5月まで同劇場で約5ヵ月に亘るロングラン公演を行っていた本作は公演終了直後より寄せられる多数の再演リクエストに劇団四季が応え、リターン公演が実現いたしました。

今回は、撮影させて頂いたゲネプロの写真と共に、『マンマ・ミーア！』の魅力に迫ります。

　『マンマ・ミーア！』は、今年4月にデビュー40周年を迎えたポップグループ“ABBA”のヒットナンバー22曲で構成された作品。ギリシャの小さな島を舞台に結婚騒動と母娘の愛情物語が、耳馴染みのいいABBAの楽曲にのせて展開。既存楽曲を並べて、一つの物語に仕上げる「ジュークボックスミュージカル」の先駆とも言われ、カーテンコール時には客席が総立ちになって踊るという現象が起きるほど、エネルギーに満ち溢れています。

音楽は全てＡＢＢＡの大ヒットソング！

　『マンマ・ミーア！』は、70年代を席巻したスウェーデン出身のポップグループ“ABBA”のヒット曲22曲で構成された、ロンドン発のミュージカル。ABBAは、ビョルン・ヴルヴァース（ギター）、ベニー・アンダーソン（キーボード）、アグネッタ・フォルツコグ、アンニ・フリード・リングスタッド（ヴォーカル）ら男女4名で結成されたグループ（各々の頭文字をとって名付けられた）で、1973年に活動を開始。来年2014年、デビュー40周年を迎えます。

　そのABBAのヒットナンバーを用いたミュージカル『マンマ・ミーア！』は、英国女性プロデューサージュディ・クレーマーの発案で生まれます。単純にABBAナンバーを集めたショーではなく、楽曲の力を生かした親しみやすい物語を作りたい。そこで起用されたのが、脚本家キャサリン・ジョンソン。シングルマザーであるドナを主人公としたストーリーは、シングルマザーである彼女の手で創作されました。そして演出はフィリダ・ロイド。この3人の女性によって、3人の熟年女性“ドナ＆ザ・ダイナモス”のストーリーが生まれたのです。

　創り上げられた作品は、「ダンシング・クイーン」「チキチータ」「S・O・S」等、ABBAの大ヒット曲を全編に散りばめながらも、歌詞をほとんど変えずにつながれた全くのオリジナルストーリー。70年代に青春を過ごした母親と、90年代の青春を謳歌する娘の、二世代の女性の恋愛を通して、女の子の夢と希望を描くロマンティックコメディが誕生したのです。未婚の母ドナと、普通の結婚を夢見る娘ソフィの対照的な生き方が、ABBAの美しく軽快な楽曲に乗せて展開します。

世代を超えて共感できる人生ドラマ

　もう一つの大きな魅力は、『マンマ・ミーア！』がもつ深いドラマ性です。劇中では楽曲に載せて、“母娘の絆と愛情”や“人生を生きる喜び”が描かれます。登場するのは、私達の身近にいてもおかしくはないごく普通の人々。そんな彼ら、彼女らが悩み苦しみ、しかし前向きに歩んでいく等身大のドラマが、ここにはあるのです。ともすればABBA楽曲ばかりに目が向けられがちですが、それだけでは物語の真の感動は生まれません。普遍的で味わい深いドラマの流れがあるからこそ、『マンマ・ミーア！』は多くの人々の共感と賛同を得るのではないでしょうか。