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アンリミテッド×ロックカーニバル「夏の夜の夢」まもなく開幕!

2005年に俳優、大橋ひろえを代表に結成されたサインアートプロジェクト.アジアン。(以下、SAP.AZN)

2006年のCall Me Hero!を皮切りに、里亞王、残夏-1945-等、数々の作品を上演し、一昨年、10周年を迎えた同劇団の、第6弾作品「夏の夜の夢」が11月22日~26日に、東京都豊島区のあうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)にて上演されます。

1595年にウィリアム・シェイクスピアによって生み出された稀代の喜劇をこれまで誰も見たことの無いロックカーニバルとして生まれ変わらせます。

本公演に先立ち、豊島区立雑司ヶ谷地域文化創造館での稽古の様子を取材することが出来ました。

ゲネプロの模様はこちら

稽古場の模様

取材させて頂いた、通し稽古のワンシーン。

6人の職人達を中心とする劇中劇、そして4人の男女の縺れ合い。

稽古前にはインタビューにも応じていただきました。
代表の大橋ひろえさんの他、出演者の中から、ディミートリアス役の猪俣三四郎さん(健常者)、ヘレナ役の河合祐三子さん(聴覚障がい者)のお2人へのインタビュー模様をお届けします。

代表の大橋ひろえさんへのインタビュー

大橋さんへのインタビューにて、今作にかける意気込みは?との質問に「今までの、SAP.AZNは、聞こえない人、聞こえる人が一緒に、お芝居を組む事が多かったんです。今回は、2020年の東京パラリンピックに向けて、何かに貢献できないかなと思った時に、「これ」をきっかけに、色んな障害を持っている方と一緒に歌う。今までにやった事のない新しいジャンルなので、非常に楽しみであって、凄く大変な部分もありますけれども、自分も一緒になって楽しむという事をやっていきたいと思っていますし、色んな障害の方が参加される事によって、御覧になるお客様が色んな気持ちを新しく生まれ変わらせて、それを社会に繋げられたら良いなと思っています。」と話されました。

コンフェティの記者から、SAP.AZNの直近の作品はシェイクスピアに由来するものが多いが?との質問には、「そうなんです。しいて言えば、私はシェイクスピアの作品にはそんなに詳しい方ではないんですよ。だけど偶々、作品のテーマが凄くピッタリと当てはまっていると思ったんです。というのは、今回の作品には3つの世界があるんです。それを私達の生活に置き換えると、健常者の世界、音の無い世界、もう一つは色んな障害を持っている世界。この3つを混ぜ合わせると、どうゆう化学反応が出るのか、という点でそれが出来るのが、偶々、「夏の夜の夢」だったんですね。」と話されました。

最後に本作品を御覧になる皆様に、「夏の夜の夢は、大変有名な作品ではありますが、今まで日本国内では障害のある人と障害の無い人が一緒になって演じるシェイクスピア作品は余り例がありません。なので、この世界観を是非、お客さんと一緒に体感してもらいたい。そして、体感した事で日々の生活の中の何かに繋げていければ良いなと思うので、是非、御覧になって頂ければ、と思います」と答えられました。

猪俣さんへのインタビュー模様

続いて猪俣さんへのインタビューをお届けします。

今作にかける意気込みは?との質問に「(このような形の上演は)多分、日本では初めての試みだと思うので、我々が上演した後、後にどんどん、同様の企画が続いて行われるように成功した形にしないとな、というのを凄く感じています。ああっ、こういうの良いなっ、って思ってもらえる様な形に仕上げたいと思っています。」と話されました。

自分が思う見所は?との問いに「自分だけではなく、全体的になんですが、今回はパッションと言うか、情熱の量というのが凄く鍵になっていると思っていて、聴覚障害のある方だったら普段、「音を使わないで表現する」という制約があるじゃないですか。そうすると体を使った表現と言うのは、(健常者の)僕らよりも凄く「起っている」ので、表現力が凄く豊かなんですね。それに対して、僕らも(聴覚障害)の聞こえない方にも伝わるように演技をしましょう、という事で僕らも頑張っているのですが、そうすると、当然、同じ位、大きな表現をした方が良いという事になるんですけど、ただ大きくするだけだと、普段やり慣れている方に比べると、ただ大袈裟な動きで説明的になるという事がどうしても起こってくるんですよ。これを成立させるためには、普段の何倍も感情や思いを乗せて、「これだけ動作やリアクションが大きいのはそれだけノッてるからなんだ」という、説得力を持たせないといけない状況なので、最終的に舞台上のエネルギーは、普通のお芝居に比べると、とても大きい物になると思いますし、それを見せたいと思っています。」と答えられました。

猪俣さんにとって、SAP.AZNとは?との質問には、「固定観念みたいなものを取り払ってくれる場所、と言う感じでしょうか。20年ちょっとお芝居をやっているんですけど、芝居をやっていくとだんだん、舞台上で「これはこうするべき」とか、「これは良い、これは良くない」というが知らず知らずの内に染み付いてくるのですが、SAP.AZNのメンバーと一緒の現場だと、全く自分が予想しないところから出てくるお芝居と言うのがあって「こういうのもアリなんだ」っていう、自分が今まで試しもしなかった事が面白いんだという発見があるので、凄く視野が開かれる場だなと思っています」とお答えいただきました。

河合さんへのインタビュー模様

河合さんにも同じく、今作にかける意気込みは?との質問をさせて頂くと、「言葉で表すのは難しいのですが、もう本当に「やる!!」という気持ちです。気持ちの爆発点に向かってじわじわと近づいて行っている状況です。」との答えられました。

今作の見所は?という質問に「もちろん全部がオススメなんですが、中でも恋人達4人の喧嘩をする場面が、どんどん盛り上がって凄いと思います。「これが喧嘩なのか?」という、皆さんの思う恋人の喧嘩のイメージとは、ちょっと違うのでお楽しみに」記者の個人的な見解で、手話による喧嘩のシーンというのは、実社会で余り見かけないので新鮮と言うと、河合さんは、「ビックリすると思います。手話のイメージは皆、綺麗な優しい感じが多いと思いますがそのようなイメージとは、違う面もあるという所を期待して頂ければと思います。」と答えて頂きました。

河合さんにとって、SAP.AZNとは?との問いに「前から、SAP.AZNの企画のお芝居を見ていた事はあります。自分がワークショップに参加し、聞こえる人、聞こえない人が同じ劇を、同じ立場、同じ舞台で行い、大橋さんほど、誰も平等で一緒にやるという劇団は此処だけだと思いますし、これは素晴らしい事だと思います。自分がここに居る人と同じように出来る、というイメージを持てる。そういう場所だとお思います。」と話されました。

短い取材時間のなかでも、ひしひしと感じる役者の皆さんのパワーに圧倒されます。
本番が楽しみですね。

ワークショップも開催

また、11月3日には「夏の夜の夢」の演劇表・裏ツアーの2日目として、健常者の他、聴覚障害や発達障害をもつ子供達9人が参加して、SAP.AZNの出演者達と一緒に作品の演出を担当されている、演出家:野﨑美子さんのワークショップが行われました。

子供達は見る見るうちにのめりこんでいき、自ら行動に出る子も。
出演者の皆さんも負けじと、全力で子供達とぶつかり合います。

誰も見たことの無い、「夏の夜の夢」、一度劇場に足を運ばれてみてはいかがでしょうか?

【公演概要】

サイン アート プロジェクト.アジアン第6弾作品
2017/2018 あうるすぽっとタイアップ公演シリーズロックカーニバル「夏の夜の夢」

共催:あうるすぽっと(公益財団法人としま未来文化財団)
助成:アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
協賛: 東急不動産ホールディングス株式会社/株式会社東急イーライフデザイン
主催:サイン アート プロジェクト.アジアン

【公演期間】
2017年11月22日(木)~11月26日(日)

【会場】
あうるすぽっと(豊島区立文化芸術交流センター)

【公演時間】
未定

【出演者】
石井淳 犬吠埼にゃん
猪俣三四郎 今井彰人
ウォルフィー佐野 大橋ひろえ
柏木佑太 鹿子澤拳
河合祐三子 河上夏凛
河野安郎 黒木裕太
坂本三成 中村ひとみ
野﨑徹 野澤健
日野原希美 松崎将司
水希友香 宮崎陽介
森実友紀 谷中しおり
渡辺英雄(50音順)

【STAFF】
原作:W.シェイクスピア
翻訳:小田島雄志
構成・演出:野﨑美子
振付:香瑠鼓
舞台監督:清水義幸(カフンタ)
照明:鈴木雅貴
舞台美術:佐藤朋有子
音響:柳原健二
作曲・音楽監督:芳賀一之
Mid Summer Knights!(Keyboard くぼなつみ/Guitar  黒澤雄一/Bass 野地智啓/Drums   芳賀一之)
衣装:川口知美(COSTUME80+)
映像:内藤秀雄
字幕:丸山垂穂
演出助手:天乃純 谷中しおり
宣伝美術:ワンツーパンチ!
宣伝写真:園田 昭彦
音声ガイド:檀鼓太郎
手話指導:小泉文子 佐沢静枝 マリー五丁目
手話歌振付:大橋ひろえ
手話コーディネーター:阿部有美
手話通訳:SAP.AZNチーム
アクセスコーディネーター:福島悠佳 太田順子
スタッフ:SAP.AZNチーム
制作:J-Stage Navi 宮原清美 Kinoko
プロデューサー:大橋ひろえ
企画・製作:サイン アート プロジェクト.アジアン

 

 

 

 

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