シリーズ “Orbi Yokohama” 〜インタビュー〜
2013年8月19日(月)にオープンした、セガとBBCワールドワイドの共同プロジェクト、”大自然超体感ミュージアム”「Orbi(オービィ)」。
プレス公開日に行われた、Orbi Yokohama 館長 田井村 勉さん、セガ クリエイティブディレクター 長谷川 敦彦さんへの囲み取材の様子をお伝えします。
Orbi Yokohama 館長 田井村 勉さん(左)とセガ クリエイティブディレクター 長谷川 敦彦さん(右)
セガさんとBBCさんが組まれた理由を教えてください。
―記者発表でもお話しましたが、たまたまとある方のご紹介でBBCさんとセガが接触する機会があったのが始まりです。BBC EARTHさんとしては基本的に映像作品が彼らの商品なのですが、それを「もっと直接お客様に体験してもらうものがやりたいと」いう意識が彼らには強くあって、それが例えばテーマパークのような施設の形態のもので何かできないかという風にたまたま彼らもイメージしていたらしいんですね。我々セガとしても「ジョイポリス」というひとつの商品がありますけれども、あれはどちらかというと若い方がターゲットの中心になっています。もちろんあれはあれで支持は頂いているのですが、社としてもっと幅広いターゲット層を狙った、親子3世代で楽しめるような施設作りをずっと検討していたんですね。そこで一つテーマとして「自然」であったり「動物」であったりがコンテンツとして候補にあがっていたんです。
そこでちょうどご紹介いただいたのがきっかけで、であればBBCさんに「一度セガで考えているアイデア、企画内容を提案してみよう」ということになりまして、提案したころ、バカ受けになりまして(笑)、是非こういうのをBBC EARTHもやりたかったんだと言っていただけたので、こういう形で組ませていただくことになりました。実はその時あげた企画の中身とほぼ今出来上がっているものがそんなに変わっていないんです。
実はそれがもう4年前なんですが、そこからはひとつひとつのコンテンツというのをBBC EARTHのメンバーの方々と一緒になって、こういう作品をテーマにしたらどうか、とかそういうことをディスカッションしながら進めていきました。彼らの方で基本的には映像作品を持っていますので、アーカイブというか、どういうネタを持っているのかはセガ側はどんどん引き出していく形で、こういうのないですか?ああいうのないですか?という形でうかがって、もっといいのがこういうのがあるとか逆に彼らから提案をいただいたり、そういうことが暫くあって、お互いに作品といいますか、テーマ自体も一緒に考えていったりですとかそういうことをしてきて、最終的に今に至る、という形です。
企画から実現まで4年間かかった理由は何だったのでしょうか?
― たまたま、企画のスタート・構想から含めて4年間かかったということです。実際に物件が決まって製作自体にかかった日数は2年くらいでした。
我々の施設事業は建物ありきなので、そこを見つけるのが、結婚とかと一緒でタイミングが重要で(笑)、建物を確保するのに時間がかかります。我々の建物は特殊なので、条件に合うものを探すのが大変で。今回マークイズさん(※Orbiが入っている「MARK IS みなとみらい(マークイズみなとみらい)」。2013年6月21日グランドオープン。)が本当にまっさらな新築の状態で、タイミングがよかったんです。
マークイズみなとみらいとOrbiの客層は合っていると思いますか?
―そのように思います。
コアターゲットはどのような層なのでしょうか?
―ファミリー層が中心です。
そのような層に向けての集客策はありますか?
― 学童に関しては、そういった方々が購読するような雑誌に対しての掲載であったりというような、そのようなアプローチをしています。また、エデュケーションの要素を含んでいるので、そういった教育機関に対してのご相談であったりといった、そういった形でのアプローチも行っています。
学校団体の課外授業であったり、例えば修学旅行、遠足、そういったプランでのご招待といいますか、特別での営業というスタイルの構想はしています。もちろん別途相談があれば、それには柔軟に対応していきたいと考えています。
AR端末を使ったツアーを秋に導入予定とされていますが、こちらの形式はどのようなものですか?
―様々な学校などへの対応も想定し、ツアーの出発点であり戻ってくる部屋を設けて、そこでまず最初にレクチャーをします。今開発中のものは、AR端末をグループで持ってもらって、端末を使って館内の色々な場所にあるマーカーに当てると、そこからその体験のもっと深いトリビアを紹介するというものです。実際に体験することで興味関心を沸かせ、そこで知識を与えてあげるという順番で知識を高めていくというようなものになります。最近の教育では、まず体験させて興味を持たせて学習させる、という流れがよく言われているので、それを意識して、まずエキシビションで実際に体験して、興味をもってもらったところでトリビアを教えてあげる、といった使い方をしていきます。
こちらのツアーは小学生も一般も同じものを想定していますか?
―基本は小学生が対象としたものです。もちろん全年齢を対象にして、例えばはとバスツアーのようなもので、ご年配の方でも楽しめるものを随時検討していきます。
今日体験した中で、映像や体感は分かったのですが、言葉のメッセージが少ないように思いました。そのあたりの演出方針はどのようになっていますか?
―今日はプレス公開ということでしたが、オープン後は、運営スタッフがある程度知識をもって、口頭で色々な補足を体験中や体験後、体験前に行っていく予定です。また、体験が終わったあとの廊下や通路エリアに、その体験にまつわる知識やトリビアをパネルで掲載する予定です。そういったもので、体験だけではなく、体験にまつわるトリビアや知識をきちっと取得できるようにしていくことを想定しています。
あとは人の力というか、運営力というか、そのようなところで対応していきたいと考えています。美術館や博物館では必ずこのような知識を紹介する方がいますが、Orbiでも、もう少しライトな形で簡単な紹介はできるようにしていきます。
セガさんの技術力を活かして、このようなところは頑張ったであるとか、このようなところは注目してほしいといったようなものはありますか?
―メインショーでもやっていますが、今回通常のテレビでは見られないような規格サイズ、なるべくシアターが広い形で、なるべく現地にいるような気分になっていただくために、ワイドで改めて映像を編集し直したりしています。そこはBBCの方と色々協議しながら、他のエキシビションでもわざと少しワイドな画面を使っていますし、特殊なブレンドをして一枚画像に見えるようにしています。
あとは、基本的には今回の施設を作る上で、セガの技術だけではなく、世界中の最先端の技術を取り入れています。例えばAppleはiPhoneだとかiPadの中身自体はほとんどAppleのものではないですが、それと少し似ていて、今回はセガの技術だけにあまりこだわらず、世界中の最先端のものを集めて、我々が企画した内容に最適なものはなにがいいか、という風に色々と探しました。特に今回はワールドワイドに世界展開を目指しているので、自社・他社にこだわらず行いました。
ワールドワイドに、ということですが、具体的な展望はあるのでしょうか?
―実は世界中からたくさんオファーが来ています。そのほとんどが、現物が出来てから相談しましょうというものですが、現時点でもかなり興味をもってもらっています。テーマがいいので、海外の官庁関係のオファーが結構多いんです。それ以外にも、皆さんがよくご存知の海外の有名なショッピングエリアからのお誘いはいくつか来ています。
海外からいらっしゃった方への対応はどのように考えていますか?
―現状ではガイドブックの用意と、あとエキシビションには日本語と英語を入れています。最終的には言語が無くても通じるような形に持っていきたいと考えています。
まずは日本で、とは思っていて、ここはある意味1号店というか、もはや0号店に近いので、ここでいろいろな試しをしながら、最終的に海外に持っていくときにはなるべく言語が無くても楽しめるものにしていくつもりです。テーマが宗教に関係なく、地域も限定しないものなので、そういう意味では言語も限定しないでいきたいと思います。
Orbiのロゴについて教えてください。
― (液晶内などで)動いたりしているロゴがありますが、これは最終的にはOrbiロゴの形状に戻ります。これ自体はあえて柔らかいフォルムにしていて、ムービングロゴという、最終的にこの形に戻ればどれだけ変化してもいいという、極端な話、地球上に存在するあらゆるものに変化してまた元に戻るイメージで作っています。そのため、なるべくフォルムを柔らかく、色も限定せずにいろいろなカラーが楽しめるようにしています。
エキシビションの交換スパンはどのように考えていますか?
―短いもので半年、長いもので1年から1年半くらいで更新していきます。メインシアターは1年に2本から3本ペースで更新するので、半年に一回は確実に新しい体験になります。これに合わせて他のエキシビションも随時徐々に変えていきます。
特殊効果の調整はどのように行っていますか?
― 若い人を対象にしたジョイポリスはかなり強めに振動や風を出すことができますが、今回は3世代を対象にしているので、そのへんのバランスを悩んでいます。実際の評判を見ながら調整していきます。
メインショーの定員は1回300人だということですが、1日何回転ですか?
―1日16~17回程度を予定しています。
1度に入るお客さんが1,500人ということですか?
―最大の滞留が1,500人ということです。
基本的には一方通行の導線となっているようですが?
―出口と入口をつなぐ通路は開けておきます。繁忙期はそこで多少のコントロールはしますが、平日の緩やかに遊べるような時間帯であれば、施設内で1日過ごせるほど滞留することは可能です。繁忙期には、より多くのお客様に緩やかに遊んでいただくために、そこを締め切る運営も視野に入れています。
締め切り運営する場合は何時間程度の滞留を想定していますか?
―約2時間半程度を想定しています。
どのようなタイムスケジュールになりますか?
―シアターの80分前から入場開始となります。
施設としての入館者数の目標や売り上げ目標は?
―初年度の集客目標は50万人です。売り上げは差し控えさせていただきます。
来年の集客目標はありますか?
―3世代であったり、小学生であったり、そういった方がコアターゲットになってくるので、ゴールデンウィーク・春休み含めて考えると数字は予想できるのではないかな、と思っています。
今後セガのエンターテイメント事業として何か更なる展開が予定・計画していますか?
―Orbiの展開を頑張っていきます。としかここではコメントできません。
これまでセガの積み重ねてきた技術と、BBC EARTHの映像作品が相乗効果を生み、新しい体験ができる施設となっている「Obri Yokohama」。
皆様も是非訪れてみてはいかがでしょうか?
コンフェティでは、シリーズ “Orbi Yokohama”として、「Orbi Yokohama」の見所を公開中!
セガとBBCワールドワイドの共同プロジェクト「Orbi」が報道公開されました。はこちら
シリーズ “Orbi Yokohama” 〜エキシビションゾーンを探る〜はこちら
シリーズ “Orbi Yokohama” ~メインシアター「THEATRE 23.4」を探る~はこちら
シリーズ “Orbi Yokohama” 〜インタビュー〜 はこちら
「Orbi Yokohama」 THEATRE 23.4 第2弾プログラム 『VOYAGERS 野生動物の終わりなき旅』スタート! はこちら
「Orbi Yokohama」 、「EXHIBITION A 40,000」と「EXHIBITION E 10,994」がリニューアル!はこちら
【Orbi Yokohama 施設概要】
<名称>
Orbi Yokohama (オービィ横浜)
公式ホームページはこちら
<場所>
MARK IS みなとみらい 5F・6F(神奈川県横浜市西区みなとみらい三丁目5番1号)
<アクセス>
横浜高速鉄道みなとみらい線「みなとみらい駅」下車、改札直結 JR 京浜東北・根岸線「桜木町駅」下車、動く歩道で徒歩 8 分
<営業時間>
10:00 ~ 23:00(最終入場 21:00)
<入館料>
大人(高校生以上) 2,600 円、小中学生 1,300 円、幼児(4 歳以上) 500 円、シルバー(60 歳以上) 2,000 円
<チケット購入方法>
店頭窓口または、オンライン予約(公式ホームページより可能)
<面積>
4,779 m²(1,445 坪) ※一部 2 層
<収容人数>
約1500 人
<所要時間>
約 2 時間