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青井陽治追悼公演『ラヴ・レターズ』EXシアター六本木にて公演

1990年、青井陽治とパルコは『ラヴ・レターズ』の上演をスタートしました。

当初の上演スタイルは、別作品の休演日や日曜日のマチネ公演の後に公演するというもので、 出演者も30歳以上の方々に限っていましたが、若い俳優たちの「僕たちもラヴ・レターズがやりたい!」という声に応え、パルコスペースパート3で”YOUNG AND PROMISING”というシリーズを始めました。

この冒険がやがてパルコ劇場だけでなく、日本各地の劇場での上演につながっていきます。
上演を重ね27年目の2016年8月、『ラヴ・レターズ』469回目の公演をフィナーレに、パルコ劇場が一旦休館しました。

そして1年後の2017年9月1日、翻訳・演出家として26年間の『ラヴ・レターズ』と共にあった青井陽治が天に旅立ちました。
まるでパルコ劇場と歩みをともにするような、青井陽治の退場でした。

2017年12月、青井陽治の遺志を受けて、藤田俊太郎が『ラヴ・レターズ』を演出。
青井陽治の薫陶を受けた藤田俊太郎が、追悼の想いを込めて、その演出を大切にしながら、新たな歩みを進めていきます

その藤田と共に『ラヴ・レターズ』の新しいスタートを飾るカップルは、歌舞伎界の新鋭、二代目尾上右近、元SKE48・乃木坂46で女優として進境著しい松井玲奈。

青井陽治のキャスティングであるこの二人と青井陽治への追悼の思いを込めて新たな一歩を踏み出します。

東京都港区のEXシアター六本木にて、15時からの公演に先駆け、囲み会見が行われました。

会見場所を含む各階のロビーには、歴代の「ラヴ・レターズ」出演者達の写真が勢ぞろい。
そんな中、登壇されたのは、尾上右近さん、松井玲奈さん、演出家の藤田俊太郎さんの3名。

9月に青井陽治さんが亡くなられて、新たな「ラヴ・レターズ」を藤田さんが引き継がれたが、開演前の今の気持ちは?との藤田さんへの質問に、「先ずは、尾上右近さんと松井玲奈さんのキャスティングを含めて、青井陽治先生が望んでらした公演ですので、僕が加わる事で、新しい物は加わっていくとは思いますが、青井さんに尊敬を込めて、演出なさっていた空気感をきちんと演出しながら、青井先生の言葉や、どういう風にして演出なさっていたのかという事を、正しく俳優に伝えて一緒に造っていきたいと思って稽古をして今日を迎えています。」

本日、初日にして千秋楽だが、今の意気込みは?という質問に、尾上さんは「本当に一回きりですので、今までやってきた事とこれからの事とか、色んな事を考えながら、今出来る全ての事を自然体であるがままでこの作品の力を借りながら、自然体で演じられたらなと思います。」答えました。

松井さんは「幕が開いて、幕が閉じてしまったらそこで終わってしまうんだなと。いつも体験している舞台とは違うな、って思うんですけど、一回きりだからこそ、感覚を研ぎ澄ませたりとか、お客さんと一緒にこの物語がどの方向へ向かって結末を迎えるのかという事を、楽しんでいけるんじゃないかと思うので二人の空気感だったり、会場の空気を存分に楽しんで臨みたいなと思っています。」と答えました。

「尾上さんと松井さんは初共演だが、お互いの印象は?」という質問に対し、尾上さんは「一週間前位でしょうか?初めてお目にかかった時にその時の印象から既に清潔感ある方だなと。僕も、歌舞伎以外のお仕事というのは本当に経験が少ないので、そんな僕を受け止めてくれる器のある方だなと思って、安心して今日、この日を迎えさせて頂く事が出来るのも、松井さんの器の御蔭かなと思っております。」と答え、松井さんは「私、歌舞伎をやっている方とお会いする機会とかもそんなに無かったので、歳も近いというので、どんな方なんだろう?って思っていたら、お会いしたらオーラが凄く大きいというか、広いという感覚があるなと思って。隣に座ったり、立ったりしているとまるで何処までも手が伸びてくるようなグッと包み込まれるような感覚があって、不思議だなと思いながら稽古する時も、さっきのリハーサルの時も隣に座りながら思っていました。」と答えました

尾上さんは「僕が遅刻してきちゃったんですけどね。出出しとしては最悪でした。」続け、「手が伸びるとは、(スーパー歌舞伎Ⅱワンピースにて負傷した四代目市川猿之助さんの代役で勤めた主人公)ルフィみたいに?」という返しに対し、藤田さんは「それは僕も思ったけど(笑)」尾上さん「そうではないと信じています(笑)」、松井さんじゃ「さっきお話していた時に、身長の話をしていて、私は尾上さんが凄く身長が大きいと思っていたら、そんなに大きくないんだよという話をしていたんですよ。それを聞いた時に、自分の中でのイメージで思っていた右近さんというのが、凄く身長も高いし、体も大きいというイメージだったので、自分が感じていた感覚というのが、凄く大きな包み込むようなイメージだったんだなと思ったんです。」と答えました。

「尾上さんと松井さんを改めて演出してどうだったか?」との質問に対し、藤田さんは「お二人の最近の出演作を見させて頂いて、本当に二人共、なんて清清しくて勢いがあるんだろうと思って。今俳優として、凄く“ノッてる”っていうのが凄く分かるんですね。ノッてるというのが存在で分かって、今日も会場に入ってきた瞬間に、来た!という、入ってきたら二人の空気がわかるという位、俳優として若さの中にありながら、良い意味でいい時期に居るので、舞台でそれがきちんと出ればいいと思います。この舞台自体、非常にシンプルなんですね。ラヴ・レターズというアメリカの二人の男女が書いた手紙を読み合うだけの50年間という非常にシンプルな物語で、やろうと思えば出来るんです。舞台セットに凝ったり、様々な形で色を付けたり。そういう必要がこの舞台には全く無い。二人の存在と今ここにあるそのものが全部出る一番俳優にとっては恐ろしくて、剥き出しでシンプルな芝居を先程、舞台稽古をやっていても「ああっ、もう出来たな」と、僕は思っていて、凄く今のお二人の清清しさ、瑞々しさと全部出ているんじゃないでしょうか。」と答えました。

尾上さんと松井さんは朗読劇は初めてかと思うが、改めてやってみてどうか?

尾上さんは「僕は読んでいると感情が入りづらいという事を痛感しましたし、感情を優先しているとやはり、読んでいる意味が無くなってくるというか、その中間を取るというのが難しい事であり、でも、僕はやっぱり歌舞伎の経験しか今迄はないので、その中での音程だとかテンポだとか、そういう事の応用をしつつ、文に対する敬意みたいなものが出れば一番良いのではないかなと、今感じている所です。」と答え、松井さんは「私も初めて朗読劇に挑戦して、朗読劇もまだ見た事が無かったので、どういう物かという想像が出来ない中でやっていたので、何処まで感情を入れて良いのか、どう読んで良いのかという所をすごく悩んだんですけども、手紙を書くという機会は今は余り無くなったんですけど、誰かにメールを打ったりとか、文字で何かを伝える時って、書いてても気持ちが凄く有るんだなという事を改めて気づかされて、その気持ちのままに読めたら素敵だなと思いました。」と答えました。

「一回だけのリハーサル、一回だけの本番。演出的にどうなのか?」という質問に対し、藤田さんは「これは僕が希望したという訳ではなく、原作者のA.R.ガーニーさんの指示で、一回きりのリハーサルと本番というのは、慣れてはいけない。お互いがあたかも始めて感じる事が多い様にという事なので、演出的には言葉の背景や意味を理解しているお二人がちゃんと稽古場に来てくれたから僕はちゃんとそれを導いただけです。今日キチンと座って舞台に立てる、という演出。それはもしかしたら究極なのかもしれないと思います。」と答えました。

「最後に自分の今年一年を漢字一文字で表すとしたら」という問いに、尾上さんは「超」、松井さんは「板」を上げられましたが、藤田さんは、「「ラヴ・レターズ」の事と繋げて話しますと、このタイミングでお二人に出会えた事が僕は奇跡だと思っています。右近さんは清元栄寿太夫を来年2月に襲名なさいます。歌舞伎俳優を続けると同時に襲名もなさり、二つの道を歩んでいく。そのタイミングでこの「ラヴ・レターズ」のお仕事がある。玲奈さんも映像だけではなく、沢山のお仕事があり、特に今年は舞台を70公演も重ねてきたこのタイミングで出会えた事、でもそれは、元々の演出である青井陽治先生の御蔭で僕は出会っている。「ラヴ・レターズ」はこれまで470公演、26年間続いてきた意義は非常に大きいと思います。先程、ずっと照明を作って下さった沢田先生、音響の高橋 巌さんだったり、ずっと舞台を造って下っている方々が来られて、舞台稽古をしました。こういう形で引き継がれていくという事、僕自身も演出をきちんと引き継いでいくという事はとっても意義深い事だし、勿論、僕は新たに関わるので付け加えていく事は有るし、僕が今まで沢山の方の演劇の培ってきた沢山の言葉をお二人に伝えた今日だと思っています。そういう意味では、今ちゃんと引き継いでいくという事が大事なんだなと。それをただそのまま残すという事では無く、青井先生の演出のノートがちゃんと残っていて、その言葉を受けて、じゃあ僕は自分の言葉で優秀な俳優達に伝えていくか、そういう事をきちんとやっていきたいなと今は思っていますので、漢字一文字で表すなら「継」ですかね。頑張ろうと思っています。」と答えられました。

【あらすじ】

アンドリュー・メイクピース・ラッド三世と、メリッサ・ガードナーは裕福な家庭に生まれ育った典型的WASP (ホワイト アングロ サクソン プロテスタント‥‥‥‥アメリカのエリート人種)である。幼馴染みの二人は対照的な性格で、自由奔放で束縛を嫌う芸術家肌のメリッサ。穏やかで内省的、口よりも文章で自分を表現するのが得意なアンディー。アンディーは自分の感じること、彼女についての自分の意見などを折にふれてメリッサに伝える。メリッサは手紙よりも電話の方が楽で好きだ。 しかし、電話で思ったようにコミュニケーションできないアンディーの手紙にはつきあわざるを得ない。 思春期を迎え、それぞれ別の寄宿学校に送られて過ごす二人。会えるのは休みで親元に戻った時だけである。伝統的な暖かい家庭に守られているアンディー。一方、メリッサはアンディーより裕福だが、離婚と結婚を繰り返す母親のもとで孤独な思いを噛み締めている。恋に目覚める季節、お互いを異性として充分意識する二人だが、どういう訳かぎごちなく気持ちは行き違い、しびれをきらしたメリッサは他の男の子とつきあってみたりする。そして、遂に決定的に結ばれるチャンスが巡ってきた夜、二人は友達以上にはなれない自分達を発見する。大学を出た二人はいよいよ全く別の道を歩き始める。メリッサは画家としての修行を積む為、ヨーロッパへ単身旅立つアンディーは海軍に入り、地中海、インド洋を経て日本へ赴任。その間に西海岸へ戻ったメリッサは結婚して子供を産む。アンディーの消息は暫く途絶え、友人からの噂で、日本の恋人と同棲している事、彼はその彼女との結婚を望んでいる事が伝えられる。その恋に破れ、単身帰国したアンディーもやがて結婚する。三人の子供をもうけ、政治家としての成功の道を歩むアンディー。一方メリッサは画家として評価は得たものの、離婚して子供から引き離され、アルコールに頼る日々を送る。久し振りに再会した二人。既に別々の人生を歩んでいた二人が遂に結ばれる。遅すぎた、しかしこうならずにはいられなかった激しい一瞬の交錯があった。しかし既に上院議員として地位も面目もあるアンディーはスキャンダルを恐れる余り、二人の関係を続ける事を拒む。自分にとっていかにメリッサが大切な存在だったかを彼が知るのはメリッサがまもなく精神を病んで独り寂しく死んだという報せを受け取った時だった。

【公演概要】

<日時>
2017年12月17日(日)15:00開演

<会場>
EXシアター六本木

<公演時間>
約2時間(15分間の途中休憩含む)カップルによって公演時間は異なります。

<出演者>
尾上右近
松井玲奈

<STAFF>
作:A.R.ガーニー
翻訳:青井陽治
演出:藤田俊太郎
美術監修:朝倉 摂
照明監修:沢田祐二
音響監修:高橋 巖
舞台進行:矢野森一
制作:尾形真由美・田中希世子・藤井綾子
制作:井上 肇
企画製作:株式会社パルコ

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